まだ見ぬ世界のポケモン達   作:雪見柚餅子

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年が変わる前に投稿成功。
ただし大晦日も新年も全く関係ありません。


枯れ果てる乾季のツルじょうポケモン

 とある大陸の中央に位置する巨大な砂漠。そこは長い乾季と僅かな雨季のサイクルを繰り返す土地である。

 乾季の時期、ここに住まうポケモン達を苦しめるのは、強い日照りと吹き荒ぶ砂嵐、そして不毛の土地故の食料不足による飢えだ。だが、中にはこの環境を逆に活かすことで生存競争に生き残ってきたものも存在する。

 例えばはつでんポケモン「エレザード」は、首元の大きな襟巻を太陽に向けて広げることで発電を行い、エネルギーを確保している。ダチョウポケモン「クエスパトラ」は、優れたサイコパワーによって日光や砂嵐を防ぎ、食料を見つけると自慢の健脚でどのポケモンよりも早く食料を奪い去っていく。ほねわしポケモン「バルジーナ」は、砂嵐の勢いが弱い上空で旋回しながら、脱水や食糧不足によって命を落としたポケモンの死骸を探して捕食する。

 こうしてポケモン達は様々な方法でこの厳しい乾季を乗り切るべく、活動しているのだ。

 

 そんな砂漠に一体の「チラーミィ」の姿が有った。チラーミィは普段は地下に作り上げた巣穴に食料を溜め込むことで、日照りや砂嵐、そして危険なポケモンから身を守るという生態を持っているのだが、どうやら溜め込んだ食料が底を尽きそうになったため、探しに外に出てきたようだ。

 時間帯は夕暮れ。太陽はオレンジ色に染まり、気温は下がりつつある。そんな太陽と同じ色に染まった砂地を、チラーミィは急いで駆け抜けていく。時間を掛けすぎればすぐに夜となり、「グラエナ」や「グライオン」といった夜行性の天敵が活動を始める時間帯となる。そうなる前にすぐに食料を探さなくてはならなかった。

 

ミィ……

 

 しかし厳しい乾季の時期。ほとんどの草木は枯れ、僅かな食料は既に他のポケモンに奪われていることなど珍しくはない。

 このままでは、空腹のまま何も得られずに巣穴に戻るしかない。そう考え肩を落とすチラーミィ。そんなチラーミィの視界にあるものが映る。

 

ミィ?

 

 それは力なく砂地に埋もれた黄土色の蔦。少し萎びた様子ではあるが、それでも水分は十分含まれているように見える。

 こんなところに蔦が生えているのは珍しい。いや、むしろおかしいと考えても当然の光景。しかし余裕のないチラーミィにはそんな光景の違和感を察することは出来なかった。

 すぐにこの蔦を噛み切り、巣穴まで運ぼう。そう考えて根本へ近づき口を大きく開こうとする。

 その時だった。

 

ジャァモッ!

ミィッ!?

 

 つい先ほどまで力なく倒れていたはずの蔦が、一瞬の内にチラーミィの胴体を絡めとり締め付ける。

 驚きながらも、逃れようと藻掻くチラーミィ。しかし拘束は緩むことなく、むしろ強くなる。

 

ジャモッ

 

 チラーミィを縛る蔦。その根元がぐらりと動いたかと思うと、砂の中から巨体を持ったポケモンがその姿を現す。

 枯れたような土気色の蔦によって全身を覆われ、その全貌が隠されたポケモン。それはこの砂漠という乾燥地帯に適応した、ツルじょうポケモン「モジャンボ」だ。

 この砂漠に生息するR(リージョン)モジャンボは、普段は強い日差しや砂嵐を避けるべく、このように砂地に埋もれながら、地面の奥深くまで蔦を伸ばすことで、地下水脈から水分を補給している。それと同時に、一部の蔦を外へと出し、枯れかけた蔦に擬態することで、不用意に近づいてきた獲物を捕らえる疑似餌として活用するのだ。それはまさに今の状況そのものである。

 

ミッ、ミィ……

 

 Rモジャンボは自らの腕に捕らえたチラーミィの体をより一層強い力で締め上げると、その体から養分を吸収(ギガドレイン)し始める。

 元より食料が不足気味であまり元気の無かったチラーミィは、体に残った僅かなエネルギーすらもRモジャンボによって奪われていく。

 藻掻く力は少しずつ弱々しくなり、身悶えする力すらなくなっても、Rモジャンボがその腕を離すことは無い。

 

ジャモッ

 

 そして根こそぎエネルギーを奪い終えると、息も絶え絶えとなったチラーミィをその場へ捨て、再びモジャンボは砂地へと潜っていく。既に日は落ち、ここからは夜の時間。Rモジャンボも凶暴な夜行性のポケモンと争う気は無く、休眠のために体のすべてを地中へと沈めていった。

 

ミ……

 

 そして養分を奪われたチラーミィは、まだ息が有った。体のエネルギーを根こそぎ奪われ、動くのもやっとだが、それでも命を繋いでいる。

 せめて巣穴に戻って休息を取れば、少しは回復するかもしれない。そう思って巣穴のある方向へと歩き出そうとする。

 しかし……

 

ジィナッ!!

ミッ!?

 

 突如として頭上から降り立った何かが、チラーミィの小さな体を地面とへと叩きつける。

 襲撃を仕掛けた者の正体は、ずっとRモジャンボの狩りを観察していたバルジーナだ。バルジーナはRモジャンボの生態を理解しており、養分を吸い取り終えると、不要となった獲物はそのまま解放していくことを知っていた。そんなRモジャンボの食べ残しを狙って、バルジーナは上空で待機していたのだ。

 Rモジャンボによって養分を奪われたチラーミィは最早、抵抗する力など残っていない。僅かに手足をばたつかせながら頭上を見上げると、そこに有るのは鋭い嘴だけ。それがチラーミィの瞳が映す最期の光景となった。

 

ミッ……

 

 チラーミィは小さな悲鳴を残し、バルジーナの餌食となる。

 その光景は残酷かもしれないが、自然界ではそう珍しい出来事ではない。他の命を奪うことで、自らの命を繋げる。それが生きとし生けるものの在り方の一つである。

 ただこのチラーミィが少し不運で、Rモジャンボとバルジーナが少し幸運だった。ただそれだけの話だ。

 

ジィナ!

 

 バルジーナが撒き散らす獲物の血液。それが染み行く地面の下では、満腹となったRモジャンボが静かに眠り続けていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


モンジャラ
ぶんるいツルじょうポケモン
タイプくさ・じめん
たかさ1.0m
おもさ34.0kg
とくせいすなのちから・すながくれ(さいせいりょく)
種族値
HP75
こうげき55
ぼうぎょ115
とくこう85
とくぼう45
すばやさ60
合計435

 

おぼえるわざ
レベルわざ名
1すいとる
1しめつける
4すなかけ
8どろかけ
12メガドレイン
16つるのむち
20じならし
24げんしのちから
28はたきおとす
32ギガドレイン
36いわなだれ
40たたきつける
44だいちのちから
48パワーウィップ
52ねをはる
56すなあらし

 

↓げんしのちからを覚えた状態でLvアップ

 

モジャンボ
ぶんるいツルじょうポケモン
タイプくさ・じめん
たかさ2.0m
おもさ121.7kg
とくせいすなのちから・すながくれ(さいせいりょく)
種族値
HP110
こうげき105
ぼうぎょ125
とくこう85
とくぼう60
すばやさ50
合計535

 

おぼえるわざ
レベルわざ名
1すいとる
1しめつける
4すなかけ
8どろかけ
12メガドレイン
16つるのむち
20じならし
24げんしのちから
28はたきおとす
32ギガドレイン
36いわなだれ
40たたきつける
44だいちのちから
48パワーウィップ
52ねをはる
56すなあらし
進化さじんのまもり

 

 

 

わざ名タイプ分類威力命中率PP範囲優先度直接攻撃効果
さじんのまもりじめん変化--20味方の場0×味方の場を5ターンの間、さじんのまもり状態にする。さじんのまもり状態のとき、場にいるポケモンが受けるダメージが減少する。天候がすなあらしになっている場合のみ、成功する。




オリジナル技は、オーロラベールの互換技です。
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