まだ見ぬ世界のポケモン達   作:雪見柚餅子

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新年初投稿。
本年も不定期ですが更新を続けていきます。


廃村に佇むせいれいポケモン

 ポケモンは古くから人間と共に生きてきた。恐ろしい危険な生物として敵視してきた人々が居れば、心強い頼れる仲間として接してきた人々も居る。

 そして遥か昔には、ポケモンを神に近い存在として崇める文明も存在している。例えば炎を纏う虫ポケモンの「ウルガモス」は、その姿から「太陽の化身」として古代イッシュで信仰されていたことが分かる壁画が残されている。凶暴な性格の水ポケモン「ギャラドス」は時折大量発生して、周囲に大きな被害を及ぼすため、一部の地方では「破壊の神」として恐れ敬われている。

 このように強大な力を持つポケモンは、時に信仰の、あるいは恐怖の対象となっている。そしてジョウト地方に近いとある孤島にも、特殊な二面性を持っていたが故に、神として信仰されていたポケモンが居た。

 

 数百年前までは人間とポケモンが共存していた豊かな島。この島に住む人々はポケモンを自然の化身として崇め敬っていた。しかしいつからか、人々は豊かな自然を奪い合うようになり、大きな諍いが起こった。人間だけでなく、(ポケモン)すらも巻き込むような大きな争い。

 その争いは遂に海の神を怒りを買った。海の神は人間達に裁きを与えるため強大な嵐を巻き起こし、島を飲み込もうとした。

 多くの(ポケモン)は争い合う人間の姿に嫌気が差し、彼らを見捨てて逃げ出した。しかしとある神だけは、人間を哀れに思い、争いに関わらず静かに暮らしていた信心深い小さな集落の住民だけにこの事実を伝えた。

 何十日にも及ぶ嵐は、島の集落全てをことごとく吹き飛ばしていった。争っていた人間達は(ポケモン)に対する恐怖を思い出したが、最早遅かった。その嵐は島に残っていた人間達を一人残らず飲み込んだ。

 ただ一つ、慈悲深い(ポケモン)から警告を受けていた集落の住民達は、先んじて避難することでこの嵐から逃れることが出来た。そして生き残った人々は、海の神への畏怖から、その島を決して踏み入れてはならぬ禁足地として定めた。

 

 そんな昔話が、ジョウト地方には伝わっている。

 この昔話の元となった島。そこに住み着いているのは、嵐から命からがら生き残ったポケモン、もしくは嵐の後に住み着いたポケモンだけである。そしてその中には、海の神の怒りから住民達を助けたとされる、神と呼ばれたポケモンも居た。

 

 かつての集落の跡地。そこは長い年月によって既に人間が住み着いていた面影は無く、今やただの苔むした岩が転がる窪地でしかなく、人間の代わりに「サイホーン」や「ニャース」といったポケモン達が集まっている。

 ポケモン達の寝床と化した村の跡地。その中心に佇む一つの影が有った。細長いシルエットを持つそれには、灰色の体に、朱、青、黄といったカラフルなラインが駆け巡っている。一切身動ぎすことのないそれは、まるで古い工芸品のようにも見えるだろうが、それは確かに生きている。

 このポケモンこそ、かつてこの集落において、神として崇められていたポケモンの一体。この島固有の姿となったせいれいポケモン「ネイティオ」だ。

 原種のネイティオも、各地で神秘のポケモンとして祀られている。それはどこか妖しく、神々しい姿だけが理由ではない。その最たる要因は、原種とリージョンフォームの両者が共通して持つ固有の能力にある。

 

……

ッ!!

 

 ふとR(リージョン)ネイティオが瞼を開く。その瞬間、近くに居たポケモン達は驚き、体を強張らせる。

 

……オォォォォ……

 

 開いた嘴から漏れ出たのは、おどろおどろしい鳴き声。その声を聴いたポケモンの体は、恐怖を感じたように震えていた。

 しかしそんな周囲のポケモンには目もくれず、Rネイティオは青白い翼を大きく広げると、一度大きくはためかせ、その場から飛び立つ。

 徐々に遠くなっていくRネイティオの姿を見て、他のポケモン達はほっと一息吐くと、Rネイティオが飛び立った方向とは逆へと動き出した。

 何故、ポケモン達はRネイティオを恐れていたのか。それもまたこのRネイティオの固有能力が大きく関係している。

 実はネイティオは、未来を見ることが出来るとされている。普段はじっとして動くことは無いが、稀に活発に活動することがあり、その際はまるで未来を予知しているかのように動いていたことから、このような説が生まれた。

 実際は不明だが、少なくともネイティオは我々の理解の及ばない能力によって、近い未来に起こりうる物事を先んじて知る術を持っていることは間違いないだろう。

 そしてこのRネイティオも同様の能力を持っているのだが、その性質は少し異なる。原種のネイティオが自らの身に起こる出来事を予知しているのに対し、このRネイティオが予知しているとされているのは、他の生物の死である。

 普段は目を閉じて、まるで眠っているかのように動くことのないRネイティオだが、周囲の生物の死を察知すると動き出し、数日前からその生物の近くで張り込みだすという生態を持つ。何故、このような行動を取るのかと言うと、それは食事のためである。Rネイティオは他の生物が命を落とすと、その魂を捕食するのだ。

 そのためRネイティオは、死を予言する神として、一部の人間から恐れられながらも崇められていた。

 

 そんなRネイティオが群れで一斉に活発に活動しだしたことがある。そう、人間の諍いによって海の神が怒り出す数日前のことだ。

 島全土で激しく飛び回るそのRネイティオの動きをただ事ではないと考えた一部の集落の住人達は、嵐が起こる前に先んじて脱出したことにより、嵐に巻き込まれること無く生き残ることが出来た。

 これがジョウト地方に伝わる昔話の答えだ。どこか神秘的、あるいは恐ろしく見える出来事であっても、理由が分かれば案外つまらないもの。

 しかし理由は何であれ、Rネイティオによって救われた人間が居るのも確かだろう。

 

 孤島に住み着く死の神(Rネイティオ)。いずれ朽ちる命を見定め、それは島の上空を飛行するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ネイティ
ぶんるいことりポケモン
タイプエスパー・ゴースト
たかさ0.2m
おもさ1.6kg
とくせいシンクロ・きけんよち(ミステリーゾーン)
種族値
HP40
こうげき45
ぼうぎょ45
とくこう70
とくぼう50
すばやさ70
合計320

 

おぼえるわざ
レベルわざ名
1つつく
1にらみつける
5アシストパワー
10かげうち
15あやしいひかり
20ナイトヘッド
26くろいまなざし
30パワースワップ
35ガードスワップ
35サイコキネシス
40いたみわけ
45みらいよち

 

↓Lv25で進化

 

ネイティオ
ぶんるいせいれいポケモン
タイプエスパー・ゴースト
たかさ1.6m
おもさ12.0kg
とくせいシンクロ・きけんよち(ミステリーゾーン)
種族値
HP65
こうげき60
ぼうぎょ70
とくこう105
とくぼう80
すばやさ90
合計470

 

おぼえるわざ
レベルわざ名
1シャドーボール
1みちづれ
1つつく
1にらみつける
1アシストパワー
1かげうち
15あやしいひかり
20ナイトヘッド
28くろいまなざし
34パワースワップ
34ガードスワップ
41サイコキネシス
48いたみわけ
55みらいよち
進化シャドーボール

 

 

 

とくせい名効果
ミステリーゾーン場に出ているポケモンのタイプ相性が逆になる(さかさバトルと同じになる)。

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