まだ見ぬ世界のポケモン達   作:雪見柚餅子

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誇り高き刃のしんけんポケモン

 とうじんポケモン「キリキザン」。全身から鋭利な刃を生やした、人型のポケモンだ。

 このキリキザンは進化前である「コマタナ」を手下として率い、狩りや縄張り争いの際にはコマタナを差し向け、獲物が傷ついた所に自ら止めを刺すという狡猾な面を持っている。

 普段はこのようにコマタナに指示を出して、自ら動くことはあまり無いが、そんなキリキザンが積極的に戦うこともある。それはボスの座を巡る争いの時だ。キリキザンは他の群れと出会ったとき、あるいは手下のコマタナが進化した時、群れのボスを決めるべく1対1の激しい決闘を行う。勝てばそのまま群れのボスとしての立場を獲得し、負ければ群れから追放される。そしてそんな争いを繰り返し、大軍勢を率いるまでに成長したキリキザンは、より強大な力を持つ「ドドゲザン」へと進化するのだ。

 では、群れを追放されたキリキザンはどうなるのか。それまで率いていた手下を失ったことにより、一体だけで狩りや縄張り争いをしなければならないのだから、その苦難は推して知るべきことだろう。しかしその苦難を乗り越えた個体は、群れを追い出されたときとは比べ物にならないほどの成長を遂げる。そして多くの個体は、再びボスの座へ返り咲くべく挑戦する。それがキリキザンというポケモンだ。

 だが僅かな個体は逆に、より強大な力を求め孤高の戦いを繰り広げていく。ただ信じられるのは己のみ。ストイックに修行を行う武人の如く、たった一体で戦い続ける。そんな特殊なキリキザンは、ドドゲザンとは異なる新たな姿へと到達するのだ。

 

 とある山岳地帯の竹林。そこを縄張りとする一体のポケモンが居た。

 節が付いた岩のような体。斧に似た形状の両腕。サムライのようにも見える厳めしい顔つき。

 

ギィリ……

 

 このポケモンの名はまさかりポケモン「バサギリ」。かつてヒスイと呼ばれてたシンオウ地方に生息していたとされる虫ポケモンだ。

 現代でその姿を見ることは非常に困難であるとされるが、この山岳地帯独自の環境がバサギリに合っていたのか、人知れず生き残っていたようだ。こうして竹林の主としての立場を確立している。

 そんなバサギリだが、何かの気配を感じ警戒を露わにしていた。その気配は決して知らないものでは無い。いや、むしろ慣れしたんだもの。かつて進化を遂げる前、「ストライク」だった時から繰り返し争い続けた宿敵(ライバル)のものだ。

 ガサガサと草むらを掻き分ける音が聞こえ、そちらに視線を向ける。

 

ザァン……

 

 僅かに一鳴きして姿を現したのは、キリキザンによく似た姿のポケモン。胴体は黒と鈍色の甲冑のような甲殻に覆われ、腕は細く鋭い刀を思わせる形状をしている。額と後頭部からは小太刀状の角が一本ずつ伸びる。その姿はまさに現代によみがえった武士と言って良いだろう。

 このポケモンの正体。それはバサギリに並ぶこの山岳地帯の主であり、この地域にのみ生息するリージョンフォームのキリキザンが進化した姿である。

 このポケモンの祖先は、かつて争いに敗れ群れを追い出されたキリキザン達だ。そのキリキザン達は群れから離れ、ただ一体のみで数多くの強敵と渡り合い、力を蓄え続けてきた。そしていつの日か、手下を利用する狡猾な戦術の代わりに、自らの力を使いこなす武術を身に着け、姿と能力を変化させながら、現代までその血を残し続けてきたのだ。

 

ザァンッ

 

 バサギリを睨みつけるそのポケモンは、刀のような両腕を構え、戦闘態勢を取る。

 

ギリッ

 

 対するバサギリもまた斧のような腕を大きく振りかぶり威嚇する。

 お互いに進化する前から何度も戦い続けてきた相手。その実力は十分に理解していた。だからこそ小手調べなんて真似はしない。

 

ラザンッ!!

バサギッ!!

 

 初手で放たれるのは、両者にとって全力の一撃。侍の如きポケモンが魅せる隙の無い美しい斬撃と、バサギリが振るう大地を割るほどの威力が込められた振り下ろし。互いの一撃がぶつかり合うと、周囲の空気を震わせ、竹林全体が揺れるほどの衝撃が走る。

 刃を打ち合った反動で互いに一歩下がると、再びその腕を振るう。両者の力は互角。であれば、先に一撃を与えた方が勝利する、そんな紙一重の戦い。

 

ザッ!!

ギッ!!

 

 キリキザンの進化系はまるで舞うかのように大振りな一撃を躱しながら素早く攻撃を放ち、バサギリは大地を穿つほどの威力の連撃によって敵を寄せ付けない。

 宙に舞う小石や枯葉を気にもせず、ただ一撃を与えるために刃をぶつけ合う。その姿は鬼気迫っているようにも見えるが、同時にどこか楽しげにも見える。

 時に縄張りを争い、時に餌を奪い合い、そして時に理由もなく刃を交える。幾度となく争い続けた宿敵(ライバル)は、自分にとって唯一対等に戦うことの出来る存在。より強くなろうという本能を持つ両者にとって、まさに絶好の相手だった。

 ここで勝てば自らの強さの証明になるだろう。敗北を喫したとしても、それを糧により高みを目指すことが出来る。

 今の彼らにとっては、ただ刃を交えるこの時間だけが重要だった。

 

ラザンッ!!

バサギッ!!

 

 山に木霊する戦いの音。それは日が沈み、どちらかが倒れるまで続くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


コマタナ
ぶんるいはものポケモン
タイプかくとう・はがね
たかさ0.5m
おもさ10.2kg
とくせいきれあじ・せいしんりょく(きんちょうかん)
種族値
HP45
こうげき85
ぼうぎょ70
とくこう40
とくぼう40
すばやさ60
合計340

 

おぼえるわざ
レベルわざ名
1ひっかく
1きあいだめ
5れんぞくぎり
10メタルクロー
15いあいぎり
20つばめがえし
25みねうち
30きんぞくおん
35きりさく
40つじぎり
45てっぺき
50せいなるつるぎ
55アイアンヘッド
60つるぎのまい
65ハサミギロチン

 

↓Lv52で進化

 

キリキザン
ぶんるいぶじんポケモン
タイプかくとう・はがね
たかさ1.6m
おもさ69.8kg
とくせいきれあじ・せいしんりょく(きんちょうかん)
種族値
HP65
こうげき125
ぼうぎょ95
とくこう60
とくぼう65
すばやさ80
合計490

 

おぼえるわざ
レベルわざ名
1ひっかく
1きあいだめ
1れんぞくぎり
1メタルクロー
1きしかいせい
15いあいぎり
20つばめがえし
25みねうち
30きんぞくおん
35きりさく
40つじぎり
45てっぺき
50せいなるつるぎ
57アイアンヘッド
64つるぎのまい
71ハサミギロチン

 

↓相手の攻撃技によってHPが半分以下になっている状態で、相手を倒しLvアップ

 

仮称:ムラマザン
ぶんるいしんけんポケモン
タイプかくとう・はがね
たかさ1.7m
おもさ92.7kg
とくせいきれあじ・せいしんりょく(きんちょうかん)
種族値
HP80
こうげき135
ぼうぎょ100
とくこう60
とくぼう70
すばやさ105
合計550

 

おぼえるわざ
レベルわざ名
1たくみのけんぎ
1きしかいせい
1メタルクロー
1ひっかく
1きあいだめ
1れんぞくぎり
15いあいぎり
20つばめがえし
25みねうち
30きんぞくおん
35きりさく
40つじぎり
45てっぺき
50せいなるつるぎ
57アイアンヘッド
64つるぎのまい
71ハサミギロチン
進化たくみのけんぎ

 

 

 

わざ名タイプ分類威力命中率PP範囲優先度直接攻撃効果
たくみのけんぎかくとう物理90-51体選択0必ず命中する。相手のまもる状態等を無視して攻撃する。

 




仮称の由来は「村正」。
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