まだ見ぬ世界のポケモン達   作:雪見柚餅子

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新人ポケモンレンジャーの報告書

X月X日

 

 アローラ地方のボニ海域に、ネオラントを狙ったポケモンハンターの目撃情報が有ったという報告を受け、私はパートナーのウォーグルと共に出動しました。

 

《中略》

 

 出動からおよそ15分後、大型ボートに乗った2人組のポケモンハンターと接敵。既に5匹以上のネオラントが網で捕らえられているのを確認。よって現行犯であるとして、その場で確保を試みました。ポケモンハンターはデンチュラとオニシズクモを繰り出してきましたが、ハンターはモンスターボールを使用しておらず、オブリビア地方を拠点としていたポケモンナッパーズが用いていたものと同型と思われる腕輪型のデバイスを用いていたのが確認できました。

 過去の記録からキャプチャを行うことで解放できることを知っていたため、ウォーグルに回避の指示を出しながらキャプチャを開始。天気は雨で風も強かったため、スタイラーの機動が不安定でしたが、船上という足場が限られた状態であったことや、ポケモンハンター達が腕輪の操作に慣れていない様子だったこともあり、キャプチャ対象のポケモンの動きがぎこちなかったため、キャプチャは即座に完了しました。

 キャプチャ完了後もポケモンハンターはボートのスピードを上げ逃亡しようとしましたが、キャプチャした2体の力を借り、くものいとを用いてポケモンハンターを拘束しました。

 

《中略》

 

 その後、私は船へと乗り込み、捕らえられていたネオラント達の様子を見て、大きなダメージが無いことを確認すると、ネオラント達を解放。そして支部へと連絡し、迎えが来るのを待って任務完了となるはずでしたが、ここで突然大きく船が揺れました。

 

 事態を把握するべく、甲板に出ると、そこには通常よりも倍近い体の大きさを持ったキングドラが、口から息吹を放ちながらこちらを睨みつけていました。このキングドラは以前からボニ島の漁師によって目撃例が有った、巨大キングドラと同一の個体と考えられます。恐らく、ポケモンハンターと戦闘を行った際の騒ぎを原因として、興奮状態になったものだと考えられます。

 私はそのキングドラを落ち着かせるべくキャプチャを行おうとしましたが、ボートとキングドラとの距離が、スタイラーの有効距離を離れており、キャプチャすることが出来ませんでした。ボートを運転して接近することも考えましたが、キングドラが発生させた荒波の中では満足に運転することは難しく、また下手に近づけばボートが転覆し、確保したポケモンハンターやデンチュラ達が危険であると考えられました。

 そのため私はウォーグルに乗り、直接近づいてキャプチャすることにしました。危険な行為であることは分かっていましたが、このまま放置してはボートが沈む危険があり、またその嵐の中では支部からの救援が近づくことが難しいと思ったためです。

 

 強風で落ちないようにウォーグルの背中にしがみつきながら、私はスタイラーを発射しキングドラのキャプチャに挑みました。キングドラは口から息吹を放ち、竜巻を起こしながら攻撃してきましたが、ウォーグルが素早く的確な回避を行ってくれたことで、直撃を受けることなく私はキャプチャに集中することが出来ました。

 ですがキャプチャ成功の目前で、スタイラーの動きが悪くなりました。操作デバイスを確認すると、エラーの文字が表示されていたことを覚えています。帰還後に調べてもらったところ、スタイラーに傷が付いており、そこから水が入り込んだことでスタイラーの機動に影響が起きていたとのことでした。当時は気づいていませんでしたが、ポケモンハンターが使用したポケモンをキャプチャした際のダメージがスタイラーに残っており、そこに激しく降っていた雨や、キングドラが起こした竜巻によって巻き上げられた水が入り込んだことで、スタイラーに不調が起きたのでしょう。

 ですがその時の私は原因が分からず、混乱しながらもキングドラを鎮静化させようとスタイラーを操作し続けました。その焦りや、長時間のキャプチャによる疲労によって、一瞬ですがウォーグルにしがみ付く力を弱めてしまいました。気が付くと私の体はウォーグルから離れていました。ウォーグルはすぐに異常に気が付いて私を救助しようとしてくれましたが、その時にキングドラが放った攻撃を受けてしまったのが、海面に落下する瞬間に見えました。

 

 海面に落ちた後、私の体は波に呑まれ、溺れかけていました。泳法技術については身に着けていましたが、荒れた海の中で活動するための装備を当時は身に着けておらず、口や鼻から水が入り込み、呼吸が苦しくなりました。

 このままでは危険であるということは理解しつつも、状況を打破する手段が思いつかず、私はただ藻掻くことしか出来ませんでした。

 

 その時でした。水中に沈みかけていた私を、何かが浮かび上がらせていたのです。私は思わずそれが何なのか分からないまましがみ付きました。それは私をゆっくりと水面へと押し上げました。

 水が気道に入った息苦しさで何度も咳き込みながらも、水中から脱したことで安心感を覚えた私は、冷静さを取り戻すと、自分がしがみついているのが何か確認するべく視線を下へと動かしました。

 

 私がしがみ付いていたそれは、私が知らないポケモンでした。いえ、正確には、以前データ上で見た伝説のポケモンであるラティアス、ラティオスに似た姿をしていましたが、明らかに違う点を持っていました。便宜上、「個体A」と記しますが、個体Aは上半身に赤紫色、下半身に灰色の体毛を持ち、頭からは三日月型の角が2本伸びていました。また腕には鰭もしくは翼のような突起が生えていました。

 その未知のポケモンに思わず唖然としていると、近くの海面から個体Aと似た姿の新たなポケモンー「個体B」が姿を現しました。差異としては紺色の上半身、頭部から伸びる枝分かれした角が特徴的でした。

 

 個体Aは私を背中に乗せながらボートへと近づき、甲板にゆっくりと着陸しました。心配した様子のウォーグルに自身の無事を伝えつつ、海の方へ振り向くと、個体Bがキングドラを睨みつけながら接近していました。キングドラは個体Bに向けハイドロポンプを発射して攻撃していましたが、個体Bは残像を残すほどのスピードで回避すると、全身から暗い波動を発生させて反撃。その技の影響かキングドラの動きが目に見えて鈍くなり、体の自由が利かない様子でした。

 それと同時に、個体Aが私に顔を向けてじっと見つめてきました。気のせいか、それが私にキャプチャのチャンスであると教えているようにも思えました。スタイラーの調子は戻っていませんでしたが、キングドラの動きが封じられている今ならキャプチャ可能であると判断し、私は即座にスタイラーを起動。先にある程度、キャプチャを進めていたこともあり、それほど時間はかからずキャプチャを完了させ、キングドラの鎮静化に成功しました。

 

 そしてキングドラが落ち着きを取り戻した後、個体A・Bは私にゆっくりと近づいて、再びじっと見つめました。

 もしこの2体が居なければ、キングドラの鎮静化は不可、いえそもそも私の命が無かったでしょう。そんな命の恩人とも言うべき2体に私は感謝の意を伝えると、2体は甲板から静かに浮上すると、海中へ音もなく飛び込み、消えていきました。

 

《中略》

 

 今回の件で出会った個体A・Bの画像を生態研究部へ提出したところ、ラティアスとラティオスのリージョンフォーム、あるいは近縁種である可能性はあるものの、データが不足しており断定には至らないということでした。

 またネオラントを捕獲していたハンターも、詳細な情報は持っていませんでしたが、「ボニ海域には美しい姿をしたドラゴンポケモンが生息している」という噂を聞いたことがあると語っており、今後、この2体を狙った犯罪も発生する可能性は十分考えられます。

 そのため個体A・Bを保護する必要性が発生した場合を考え、ボニ海域周辺において警戒を強めつつ、調査を行っていきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ラティアス
ぶんるいむげんポケモン
タイプドラゴン・フェアリー
たかさ1.6m
おもさ45.5kg
とくせいステルスボディ
種族値
HP80
こうげき80
ぼうぎょ130
とくこう120
とくぼう90
すばやさ100
合計600

 

おぼえるわざ
レベルわざ名
1あまえる
1ようせいのかぜ
5てだすけ
10じこさいせい
15チャームボイス
20いのちのしずく
25りゅうのいぶき
30しんぴのまもり
35ハートウェーブ
40ダイビング
45りゅうのはどう
50ミストフィールド
55ドわすれ
60ムーンフォース
65ガードシェア
70いやしのねがい

 

 

 

ラティオス
ぶんるいむげんポケモン
タイプドラゴン・ゴースト
たかさ2.2m
おもさ65.5kg
とくせいステルスボディ
種族値
HP80
こうげき90
ぼうぎょ100
とくこう120
とくぼう80
すばやさ130
合計600

 

おぼえるわざ
レベルわざ名
1りゅうのまい
1たつまき
5てだすけ
10じこさいせい
15かげうち
20くろいまなざし
25りゅうのいぶき
30あやしいひかり
35ソウルショック
40ダイビング
45りゅうのはどう
50みちづれ
55わるだくみ
60ゴーストダイブ
65パワーシェア
70おきみやげ

 

 

 

わざ名タイプ分類威力命中率PP範囲優先度直接攻撃効果
ハートウェーブフェアリー特殊8510051体選択0×3ターンの間、相手をかいふくふうじ状態にする。
ソウルショックゴースト特殊8510051体選択0×3ターンの間、相手をいちゃもん状態にする。

 

 

 

とくせい名効果
ステルスボディ相手の攻撃技による追加効果を受けない。かたやぶりの効果を受けない。




りんぷんはむしタイプだから許されている特性だと思う。
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