とある山岳地帯。平均標高7000メートルを超える山々が立ち並ぶこの地には、反り立つ断崖、荒れやすい天候、低い酸素濃度……人類の侵入を阻む過酷な環境が広がっていた。
そんな山脈の一角に口を開けるのは、深さ1000メートルを超える巨大な谷。太陽の光がほとんど遮られ、上から覗き込んでも、何かの鳴き声が響き渡るだけの、不気味な谷だ。
そんな恐怖を感じさせる谷であるが、実はここは多くのドラゴンポケモンの住処となっている。急角度の斜面には「ジャランゴ」が岩を積み上げて巣を作り、その近くに空いた穴からは「クリムガン」が顔を出す。上空では「サザンドラ」が獲物を探し、それから逃げるように「コモルー」が勢いよく転がっていく。
まさにここはドラゴンポケモンの楽園と呼ぶに相応しい場所だ。
そんな谷間を、皮膜を広げて悠々と飛行するポケモンが居た。大きな耳が特徴的なそのポケモンは、おんぱポケモン「オンバーン」だ。
通常、オンバーンは夜行性だが、光が遮られるこの谷では昼間でも頻繁に活動し、獲物である「キバゴ」や「タツベイ」を探して飛び回る。
優れた飛行能力に、超音波を活かした探知能力を持つオンバーンに、暗闇で勝てる相手はほとんど居ない。例え凶暴なサザンドラであったとしても、光が遮られたこの場所では、滅多に争いを仕掛けることは無かった。
だがそんなオンバーンと熾烈な縄張り争いを繰り広げるポケモンも存在している。それは谷底を根城とし、時折、獲物を求めて這いあがってくる。
―オオオォォッ―
そして今まさに、そのポケモンがオンバーンの縄張り内へと侵入した。
―バァンッ!!―
先に気づいたのはオンバーンだ。レーダーのように優れた聴覚が、その敵が接近する音を確かにキャッチした。
―ブオオォォッ……―
オンバーンが睨みつける先。確かにそれは居た。一見するとソレは、黒い体に灰色の装甲を纏った、オンバーンと同じ翼竜のようにも見える。しかし近づくと分かるだろう。ソレが得体の知れない、悍ましい異形であることに。
ソレの姿は、様々なポケモンの骨で形作られていた。頭部と翼は「プテラ」。胴体は「トリデプス」の頭と「アバゴーラ」の甲羅。足は「アーマルド」のツメ。そして長く伸びる尻尾は、先端に生える鰭の存在から、元は「アマルルガ」の首であったことが分かる。
それら全てに共通するのは、太古の昔に生息していた古代のポケモンであること。そう、この異形のポケモンは、この谷に眠るポケモンの化石を、自らの鎧として身に纏っているのだ。
―オオオォォッ!!―
―ガアアァァッ!!―
ソレはプテラの骨の眼窩で、ギョロリと青い目を光らせてオンバーンを睨み、低い唸り声を上げながら威嚇する。
オンバーンも自らの縄張りに土足で侵入したソレに対し、雄叫びを挙げて応える。
そして戦いの火蓋は切って落とされた。
―ガアッ!―
先に仕掛けたのは、オンバーン。翼を大きく振るい、
だが幾重も放たれた刃は、ソレの装甲を傷つけることは出来ない。逆にソレは、黒い皮膜で繋がった骨の翼をはためかせ、オンバーンへと接近する。
しかしオンバーンはドラゴンポケモンの中でもトップクラスのスピードを持つポケモンだ。無理やり繋ぎ合わせた翼で追いつけるほど、オンバーンは遅くは無い。ソレが近づくよりも速くオンバーンは飛行し、ソレの背後へと回ると、今度は口から
―オオオォォッ―
不意の一撃を受け、さすがにソレも体を揺らめかせるが、大きなダメージにはなっていない。反撃と言わんばかりにソレは、
―バァンッ!―
長い尻尾の攻撃。その一撃を体を回転させるようにして回避したオンバーンは、一度上昇して距離を取る。
ソレの攻撃はオンバーンを捉えることは出来ない。しかしオンバーンの攻撃のほとんどが、ソレが纏う装甲によって阻まれる。
速度のオンバーン。防御のソレ。互いに相手を仕留める手段に欠ける。
ならばとオンバーンは急上昇し、大きく距離を取ると、全身に力を漲らせ、勢いよくソレへ向けて急降下した。
全身にオーラを纏いながら突進するオンバーンの速度は、見る見るうちに上昇する。
―オォッ!!―
対するソレは、先程と同じ黒いエネルギーを、今度は翼に纏わせ迎撃の姿勢を取る。
―オオオォォッ!!―
―ガアアァァッ!!―
オンバーンの
その二つがぶつかった瞬間、激しい衝撃音が発生し、谷全体に響き渡る。
―ガアァッ!!―
一瞬、ソレはオンバーンの必殺の一撃を確かに受け止めた。だが急降下による加速によって威力が増したオンバーンの攻撃を迎え撃つには、不十分だったと言わざるを得ないだろう。均衡は容易く崩れた。
勢いを殺しきることは出来ず、ソレはオンバーンと共に谷底へと勢いよく落ちていく。そして……
―ドオオォンッ!!―
大きな音をと共に土煙が巻き上がる。
その土煙を翼の羽ばたきで吹き飛ばしながら姿を現したのは、落下の衝撃で体に傷を付けたオンバーンだった。足元に転がるのは幾つもの骨。それはオンバーンと共に落下したソレのものであることは明らかだ。
―バアァッン!!―
縄張りを踏み荒らした不埒者を倒し、オンバーンは翼を大きく広げ、勝利の雄叫びを挙げる。
その姿こそ、この谷を統べる者として相応しいだろう。
だがこのオンバーンは、自身が居るこの場所こそ、ソレの根城であるという事実に気づいていなかった。そして勝利したという思い込みによる油断が、大きな隙に繋がった。
―オォォ……―
―バッ?―
再び聞こえ始めたソレの唸り声。オンバーンが異変に気付いて辺りを見回す。すると、地面に転がっていた骨が突如として浮き上がり始めた。そう、ソレはまだ倒されていなかったのだ。
よく考えれば当然のことである。あくまで骨は、ソレが自らの身を守るための鎧であり、敵を攻撃するための武器。つまるところはただの道具でしかない。一見、オンバーンの攻撃によってバラバラになったように見えたが、実際はトリデプスとアバゴーラの骨を組み合わせた強固な胴にその身を隠し、オンバーンが隙を晒す瞬間を待っていたのだ。
オンバーンは慌てて飛び立とうとするが、それよりも早く、オンバーンの足にソレの尻尾が絡みついて動きを封じる。
オンバーンの強みは、高い飛行速度。しかし飛び立つことが出来なければ、その戦力は大きく落ちると言わざるを得ない。地上ではその戦闘力は半減する。
―オォォッ!―
さらにソレの体から、幾重もの黒い影が伸び、オンバーンの体に巻き付いていく。翼に、胴体に、頭に……次から次へと殺到する影。徐々にオンバーンの動きが封じられる。
どうにか引き剝がそうと、オンバーンは
―バッ!?―
そしてソレは力任せにオンバーンを地面へと引きずり落とすと、その体へと圧し掛かった。
オンバーンは最早、
そんなオンバーンを見下ろすソレは、まるで涎のように口から瘴気を溢れさせながら獲物へと顔を近づける。
―バァ……―
呻くオンバーンが最期にその瞳に映したのは、大きく開かれたプテラの口の奥に広がる、果てしない闇であった。
数分後。地面に横たわっていたのは、亡骸となったオンバーン。
その生命エネルギーを吸い尽くしたソレは、満腹感を感じながら、寝床へと移動する。その道程には、オンバーンと同じ末路を迎えた、幾つものポケモン達が転がっていた。
―オォォ……―
暗闇へと続く深い谷。そこはドラゴンポケモン達の巣窟であると同時に墓場でもある。
上層でドラゴンポケモン達が繁栄をする中、今日も下層から獲物を求めて異形が這い上がってくるのだ。
| デスマス | |
|---|---|
| ぶんるい | たましいポケモン |
| タイプ | ゴースト・いわ |
| たかさ | 0.5m |
| おもさ | 1.6kg |
| とくせい | こだいのいんし |
| 種族値 | |
| HP | 38 |
| こうげき | 85 |
| ぼうぎょ | 65 |
| とくこう | 30 |
| とくぼう | 65 |
| すばやさ | 30 |
| 合計 | 303 |
| おぼえるわざ | |
|---|---|
| レベル | わざ名 |
| 1 | おどろかす |
| 1 | まもる |
| 4 | くろいきり |
| 8 | ナイトヘッド |
| 12 | かなしばり |
| 16 | ロックカット |
| 20 | いわなだれ |
| 24 | たたりめ |
| 28 | くろいまなざし |
| 32 | ボーンラッシュ |
| 36 | のろい |
| 40 | シャドーボール |
| 44 | げんしのちから |
| 48 | パワーシェア |
| 48 | ガードシェア |
| 52 | みちづれ |
↓「いびつなカセキ」を使用して進化
| 仮称:デスボーン | |
|---|---|
| ぶんるい | かせきポケモン |
| タイプ | ゴースト・いわ |
| たかさ | 2.4m |
| おもさ | 84.4kg |
| とくせい | こだいのいんし |
| 種族値 | |
| HP | 58 |
| こうげき | 145 |
| ぼうぎょ | 105 |
| とくこう | 50 |
| とくぼう | 95 |
| すばやさ | 30 |
| 合計 | 483 |
| おぼえるわざ | |
|---|---|
| レベル | わざ名 |
| 1 | シャドーボーン |
| 1 | こわいかお |
| 1 | おどろかす |
| 1 | まもる |
| 1 | くろいきり |
| 1 | ナイトヘッド |
| 12 | かなしばり |
| 16 | ロックカット |
| 20 | いわなだれ |
| 24 | たたりめ |
| 28 | くろいまなざし |
| 32 | ボーンラッシュ |
| 38 | のろい |
| 44 | シャドーボール |
| 50 | げんしのちから |
| 56 | パワーシェア |
| 56 | ガードシェア |
| 62 | みちづれ |
| 進化 | シャドーボーン |
| とくせい名 | 効果 |
| こだいのいんし | ターン終了時、場のランダムなポケモンのとくせいを、こだいのいんしに変化させる。 |
ある意味、カセキメラ。
Rデスマスの見た目のイメージとしては、下半身にズガイドスの頭骨を持った姿をしています。