まだ見ぬ世界のポケモン達   作:雪見柚餅子

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吹雪に羽ばたくふくろうポケモン

 地球の最北端、北極圏。

 海面には幾つもの氷山が浮かび、常に寒冷な気候が保たれる、世界でも五本の指に入るであろう、人類にとって過酷な環境である。

 この地が発見されてから何十年もの間、生態系の調査や鉱物資源の確保等を目的として、研究者がこの地を訪れる。だが未だに、この地には数多くの謎が隠されている。その中には勿論、未発見のポケモンも存在している。

 

 突き刺さる冷たい風が吹き抜け、氷の粒が襲うブリザード。その中でちょこちょこと動き回る小さなポケモンの姿が有った。ひょうけつポケモン「クマシュン」だ。

 普段であれば、親である「ツンベアー」と共に行動するはずのクマシュンだが、そのツンベアーの姿が近くには見えない。どうやら狩りのために出かけているようだ。このクマシュンは親が居ない寂しさか、あるいは外の世界に対する好奇心か、一頭で巣から出てきてしまったようだ。

 通常であればこのような吹雪の中に出るのは自殺するようなものであるが、クマシュンは未熟ながら冷気を扱うポケモンである。人間であれば瞬く間に凍えて動けなくなってしまうであろう吹雪の中でも、決してダメージを負うことは無く、むしろ元気そうに雪の上を転げまわる。

 だがそんなクマシュンを、別の危機が待ち構えていた。

 

フォォウッ!

 

 甲高い鳴き声と共に、何かがクマシュンの頭上を掠める。吹雪に紛れ一瞬しか見えなかったが、それは鋭い鉤爪だった。

 何かが襲ってきたことに気づいたクマシュンは、慌てて雪の中に作られた巣穴目掛けて逃げ出す。巣の中に逃げ込めれば、身を守ることが出来るだろう。

 だが襲撃者はそんなクマシュンの狙いが分かっているかのように妨害をする。クマシュンの行く手を遮るように旋回し、足で雪を巻き上げ目眩ましをし、わざとスピードを落として飛び掛かる。

 それらを避ける内に、クマシュンは徐々に巣穴から遠ざかっていく。気づけば、今どこを移動しているかも分からない。周囲は降り積もった雪で覆われ、目印になるようなものは無い。匂いは風で吹き飛ばされ、嗅覚も頼りにならない。そんなクマシュンをじわじわと襲撃者は追い詰めていく。

 そして気づけば、クマシュンは氷山の端へと追い詰められていた。

 目の前に広がるのは、流氷が浮かぶ海。まだ泳ぎ方を知らないクマシュンにとっては、行き止まりも同然。そうでなかったとしても、襲撃者に追いかけ回され、スタミナを切らした状態では満足に泳ぐことも出来ないだろう。

 

フォウッ……

 

 そんなクマシュンの前へ、襲撃者がその姿をついに現す。

 全身は丸々と真っ白な羽毛で覆われ、一見すると恐ろしいポケモンには見えない。だが頭部には氷柱のように鋭く、青白い羽角が伸び、その下にある目は紛れも無く捕食者特有の獰猛さと、クマシュンを翻弄した策略家としての賢さが感じられる。

 このポケモンの正体、それはこの北極の環境に適応した姿(リージョンフォーム)となった、ふくろうポケモン「ヨルノズク」である。

 全身を覆う真っ白な羽毛は、北極圏特有の冷気から身を守るだけでなく、保護色としての意味を持つ。通常、保護色と言えば敵から隠れるためのものと思われがちだが、R(リージョン)ヨルノズクのそれは、どちらかというと狩りのためのものだ。普段は雪の中に作った巣穴に隠れているが、吹雪が起こると巣穴を飛び出して狩りを行う。その時、白い体色は吹雪に紛れ、獲物からは見えづらくなる。そして獲物を翻弄しながら少しずつ追い詰め、確実に仕留めるというのが、Rヨルノズクの狩りだ。

 Rヨルノズクの術中に嵌ったクマシュンは、最早逃げるための体力もない。せいぜい、腕を上げて威嚇する程度だ。

 

フォウッ!

 

 だがクマシュンの威嚇程度でRヨルノズクが怯むわけもない。例え爪で引っ搔いたとしても、羽毛によって阻まれ大したダメージにもならないだろう。

 そしてRヨルノズクが頭上からクマシュンへその鉤爪を振り下ろそうとした、その時だった。

 

グルォウッ!

 

 何かがRヨルノズク目掛けて飛んできた。飛来物を避けたRヨルノズクの耳に届くのは、怒りの感情が込められた唸り声。

 

グルゥアッ!

 

 その方向へ視線を向けるとそこに居たのは、興奮した様子で氷塊を持ち上げたツンベアーの姿だ。

 再び投げられる巨大な氷塊をRヨルノズクは上昇することで回避するが、その隙にツンベアーがクマシュンを庇うように立ち塞がる。

 どうやら狩りから戻ってきた(ツンベアー)が、巣穴に子供(クマシュン)が居ないことに気づいて探しに来たらしい。

 間一髪のところで助かったクマシュンは、雪の上を這いながらツンベアーの足にしがみ付く。

 

グルゥオウッ!!

 

 子供を狙われたことで、ツンベアーの怒りのボルテージは最高潮。折角、ここまで追い詰めた獲物をみすみす逃すことにはなるが、激怒するツンベアーと真正面から戦うのは避けたい。

 隙が出来ないか、しばらくツンベアーを頭上から見下ろしていたが、別の獲物を探すことに決めたようで、Rヨルノズクはその場から飛び去る。

 離れ行くRヨルノズクの姿を見届けたツンベアーは足元のクマシュンに視線を向けると、グルルと喉を鳴らす。どうやら、勝手に動き回ったことを叱っているらしい。

 クマシュンも反省した様子で腕を動かすが、ここまで走り回ったせいか、その動きは弱々しかった。

 

グル……

 

 何はともあれ、無事でよかった。そんなことを思っているのだろう。ツンベアーはRクマシュンを口で咥えると、巣穴へ向けて歩き出した。

 

 

 

 対して、ツンベアーから離れたRヨルノズク。吹き荒ぶ風に身を隠した彼は、新たな獲物を発見する。それは「タマザラシ」の群れ。近くには巨体を持つ「トドゼルガ」も居るが、Rヨルノズクは気にしない。

 吹雪に紛れ、音も無く群れの上空へと移動すると、急降下してタマザラシに襲い掛かる。

 

ドォオウッ!?

 

 突然の襲撃者に慌てふためくタマザラシ達の群れ。トドゼルガやトドグラーが襲撃者を撃退しようと動き出すが、吹雪に紛れたRヨルノズクを見つけるのは難しい。

 そして何度か急降下を繰り返せば、群れ全体がパニックに包まれる。これがRヨルノズクの狙いだ。

 混乱する中で、何頭かのタマザラシが群れから逸れる。その内、一頭に狙いを定めたRヨルノズクは、素早く獲物へ向けて飛び掛かる。

 

フォウッ!

ラッ!?

 

 鋭い鉤爪を突き立て、タマザラシを抱えて飛び去るRヨルノズク。それに気づいたトドゼルガが止めようとするが、パニック状態の仲間に阻まれ身動きが取れない。これもまたRヨルノズクの作戦の一つだ。

 そんなトドゼルガを見下ろしながら、タマザラシを抱えたRヨルノズクは、自らの巣へと悠々と飛び去って行くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ホーホー
ぶんるいふくろうポケモン
タイプこおり・ひこう
たかさ0.7m
おもさ23.2kg
とくせいゆきがくれ・おみとおし(いろめがね)
種族値
HP60
こうげき30
ぼうぎょ30
とくこう36
とくぼう56
すばやさ50
合計262

 

おぼえるわざ
レベルわざ名
1つつく
1なきごえ
3たいあたり
6こなゆき
9こごえるかぜ
12リフレクター
15しろいきり
18エアスラッシュ
21じんつうりき
24オーロラビーム
27さわぐ
30はねやすめ
33ムーンフォース
36さいみんじゅつ
39ふぶき

 

↓Lv20で進化

 

ヨルノズク
ぶんるいふくろうポケモン
タイプこおり・ひこう
たかさ1.6m
おもさ46.8kg
とくせいゆきがくれ・おみとおし(いろめがね)
種族値
HP110
こうげき40
ぼうぎょ50
とくこう81
とくぼう101
すばやさ60
合計442

 

おぼえるわざ
レベルわざ名
1ミラーコート
1たいあたり
1なきごえ
1つつく
1ゴッドバード
1こなゆき
9こごえるかぜ
12リフレクター
15しろいきり
18エアスラッシュ
23じんつうりき
28オーロラビーム
33さわぐ
38はねやすめ
43ムーンフォース
48さいみんじゅつ
53ふぶき
進化ミラーコート

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