まだ見ぬ世界のポケモン達   作:雪見柚餅子

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モンハンをやっていたら、思いつきました。


閉ざされた地底湖のネオンポケモン

 ホウエン地方の北東部に存在する街「ヒワマキシティ」。熱帯雨林に存在するこの街は自然との共生をテーマに、住民達は昔からの伝統として、聳える大樹の上に建てられたツリーハウスに暮らしている。

 雨が多く、一年を通じて温暖なこの地域では、「トロピウス」や「アブソル」、「カクレオン」といった、中々見ることが出来ない希少なポケモンが生息しており、ホウエン地方の中でも異色な、独自の生態系が築かれている。

 他の街から来た人からすれば、異世界のようにも感じるだろうヒワマキシティ。だがその地下に、また別の世界が広がっていることを知る者は居ない。

 

 網の目状に広がった、真っ暗な穴。ぴちゃん、ぴちゃんと雫が落ちる音が響く。

 ここはヒワマキシティ近郊の森の地下に、網の目状に広がる洞窟。暗闇の中、不定期にぴちょんぴちょんと天井から雫が落ちる音が聞こえる。地面には泥が堆積し、壁は岩肌が露出している。

 そんな暗く広い洞窟であるが、一つ奇妙な点がある。そう、ポケモンの姿が見えないのだ。

 通常、洞窟と言えば「ズバット」や「イシツブテ」と言ったポケモンが住処としているのだが、この洞窟の中にはそれらの痕跡も気配も一切無い。

 何故、それらポケモンの姿が見えないのか。その理由は、この洞窟の成り立ちが大きく関わっている。

 

 ホウエン地方にはこのような伝説が伝わっている。

 遥か昔、このホウエン地方に強大な力を持った2体のポケモンが存在した。

 一体は日照りを起こし、陸を盛り上げる紅いポケモン。もう一体は大雨を起こし、海を広げる蒼いポケモン。

 天候を操る2体のポケモンは激しく争い、その余波によってホウエン地方全体が天変地異に包まれた。

 だが突如として、天より翠のドラゴンポケモンが舞い降り、2体を鎮めたことでホウエン地方が救われた。

 

 この物語は正しく真実であり、洞窟もこの伝説と大いに関係している

 まず蒼いポケモンが起こした激しい波によって沿岸部が浸食され、水中に洞窟が形成された。次に、紅いポケモンが起こした地殻変動によって地面が持ち上げられ、洞窟そのものが地上へと露出した。そして高波によって押し寄せた泥や、地震による崩落等が重なったことにより、この洞窟は地下奥深くへと沈み、地上と繋がる入り口も埋もれてしまった。

 

 このような経緯があるため、ズバットやイシツブテがこの洞窟に入ることは出来なかった。また「ディグダ」や「モグリュー」と言った地中を掘削することを得意とするポケモンも、この周辺には生息していないため、外部からこの洞窟内に入り込むことが出来るポケモンは居ないと断言できるだろう。まさに地下の密室だ。

 では、この洞窟内にポケモンは一切生息していないのかと問われると、それは否である。

 

 真っ暗闇の曲がりくねった通路を辿った先にある最深部。そこは狭く暗い通路とは打って変わり、ぼんやりとした明かりが照らす、美しい地底湖が広がっていた。

 透き通った水の中には「ウデッポウ」や「カラナクシ」、「リリーラ」と言った、環境の変化によってホウエン地方から姿を消したとされるポケモンの姿が確認できる。

 これらのポケモンは、洞窟が海中に沈んでいた頃に住み着いていたポケモン達の子孫だ。古代ポケモンの争いによって洞窟が陸地へと引き上げられ、地下へと沈んでも尚、この地底湖でひっそりと生き残っていたのだ。

 そしてこの閉鎖した環境で長い年月を経た結果、生態が大きく変化したポケモンも存在していた。

 

 水底を歩くさわがにポケモン「クラブ」。時折立ち止まっては、自慢のハサミを水底を削るように動かしているが、これはこの地底湖に住むクラブの食事風景である。

 彼らが食料としているのは、光を発する特殊な生態を持った苔。その苔が水底のあちらこちらに生えている。

 横歩きをしながら食事を続けるクラブだが、気が付くと周囲に苔は無くなっていた。それでも腹は満たされていないのか、周囲をキョロキョロと見回す。すると遠くがちかちかと光っているのが見えた。

 薄暗い地底湖の中では、苔の発する僅かな光のみが大事な手がかりだ。クラブは足早にその方向へと進む。少しずつ近付く度、その光が強くなっていく。

 だがおかしい。その光は苔が発するものにしては明るすぎる。だがその事実にクラブは気づいていない。ただ食欲に従い、一目散に光へ駆ける。

 

ブゥ……?

 

 クラブが異変を感じたは、その光まであと1メートルまで近づいた時のことだった。先程まで、泥に紛れてよく見えなかったが、その光は何かリボンのような影に張り付いているのが分かった。いや、違う。地面から生えるその影自体が光を発しているのだ。

 それが何なのか、クラブは目を凝らす、次の瞬間、

 

ブッ!?

 

 地面から何かが飛び出し、クラブへ噛みついた。クラブは藻掻くが、それは決して放そうとしない。当然だ、これは捕食なのだから。

 まるでアゲハントの羽のような鰭と発光する体を持つ襲撃者の名は、ネオンポケモン「ネオラント」。

 このネオラントもかつてホウエン地方に生息し、古代ポケモンの争いに巻き込まれてこの地底湖に取り残されたポケモンの一種だ。だが、長い年月の間を経たことで、その姿はかつてのものと異なり、独自の姿と生態を持つようになっている。

 ネオラントは泳ぎが苦手であり、腹鰭を足のように動かして水底を移動するのが特徴的なポケモンだ。この地底湖に生息するR(リージョン)ネオラントも同様に、移動する際には腹鰭を用いて這いながら動くが、その腹鰭が原種よりも長く発達している。

 Rネオラントはこの長い腹鰭で地面の泥を掻き分け潜り込む。そして長い背鰭や尾鰭を泥の中から出し、発光させることによって苔に擬態し、獲物を誘い込むのだ。

 

ブッ!

 

 まんまと引っ掛かったクラブはハサミを使って反撃するが、Rネオラントには効いていない。後はこのままRネオラントに噛み砕かれるのを待つだけ……、そう思われた。

 

バァルッ!!

ラァッ!?

 

 突然、何かがRネオラントに体に噛みつく。細い体と鋭い牙を持ったしんかいポケモン「ハンテール」だ。

 いきなりRネオラントを襲った理由は、食料の強奪のため。Rネオラントが捕らえた、クラブを奪おうと攻撃を仕掛けたのだ。

 不意の攻撃を受けたRネオラントは思わずクラブを口から放す。それを狙ってハンテールがクラブに噛みつこうとした。

 

ラッ!!

 

 だがそれを許すRネオラントではない。このクラブは自分の獲物だと、逆にハンテールの体に噛みつき、鰭を叩きつけて攻撃する。ハンテールも邪魔だと言わんばかりに、細い体で巻き付きながら、牙で反撃する。

 互いに体を絡みつかせ争う2体。その注意は完全に目の前の敵に注がれていた。

 

ブッ……

 

 その隙にいそいそと逃げ出すクラブ。その姿に2体は気づく様子は無い。

 その内、決着はつくだろうが、その頃にはクラブは遠く離れた場所へ移動していることだろう。勝っても負けても何も得られるものは無い。骨折り損とはまさにこのことだ。

 

 古代から続く地底湖の日常は、今日もこうして過ぎ去っていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ケイコウオ
ぶんるいはねうおポケモン
タイプみず・じめん
たかさ0.4m
おもさ7.0kg
とくせいはっこう・よびみず(ふしぎなうろこ)
種族値
HP54
こうげき49
ぼうぎょ56
とくこう49
とくぼう61
すばやさ61
合計330

 

おぼえるわざ
レベルわざ名
1はたく
6みずでっぽう
13あやしいひかり
17マッドショット
22みずのはどう
26いのちのしずく
29しんぴのまもり
33アクアリング
38げんしのちから
42とんぼがえり
45グローストリーム
49だくりゅう
54みずびたし

 

↓Lv31で進化

 

ネオラント
ぶんるいネオンポケモン
タイプみず・じめん
たかさ1.2m
おもさ24.0kg
とくせいはっこう・よびみず(ふしぎなうろこ)
種族値
HP79
こうげき59
ぼうぎょ81
とくこう74
とくぼう91
すばやさ76
合計460

 

おぼえるわざ
レベルわざ名
1はたく
1みずでっぽう
1マッドショット
1みずびたし
13あやしいひかり
22みずのはどう
26いのちのしずく
29しんぴのまもり
35アクアリング
42げんしのちから
48とんぼがえり
53グローストリーム
59だくりゅう

 

 

 

わざ名タイプ分類威力命中率PP範囲優先度直接攻撃効果
グローストリームみず特殊85100101体選択0×20%の確率で相手のとくこうを1段階下げる。

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