まだ見ぬ世界のポケモン達   作:雪見柚餅子

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一か月ぶりの投稿。
リアルが忙しく、間が空きました。


焔を実らせるオリーブポケモン

 くさタイプの最大の天敵と言えば、ほのおタイプと答えるトレーナーは多いだろう。

 この二つのタイプは初心者トレーナーが最初に手にするポケモンとして用いられることも多く、初めての実戦でタイプ相性の存在を学び、イメージに残りやすいというのも大きく影響しているだろう。

 だが、中には弱点であるはずの炎を克服したくさタイプのポケモンも存在する。例えばのうてんきポケモン「ルンパッパ」や、いわつぼポケモン「ユレイドル」は、それぞれほのおタイプに耐性を持つみず、いわタイプを持ち合わせており、逆にほのおタイプのポケモンを返り討ちにすることすらある。

 また、それとは別にほのおタイプを持ち合わせるという、変わり種の草ポケモンも存在する。その内の一種が、パルデア地方に生息するハバネロポケモン「スコヴィラン」である。このポケモンは体内に含まれる辛み成分を熱エネルギーへ変換し、火炎を吐き出すという、くさタイプとしては異色の生態を持っており、多くの研究者を驚かせた。

 そしてまた別の地でも、炎を自在に扱う草ポケモンが存在する。

 

 

 

 険しい山脈から吹き抜ける風が、麓に広がる草原の草木を揺らす。

 暖かな日の光、清らかな川、豊かな土壌といった環境に恵まれたこの地では、多くの草ポケモンが暮らしている。風に吹かれ飛び回る「ポポッコ」や「ヒマナッツ」。土に体を埋めて眠る「ナゾノクサ」や「スボミー」。草原を駆け回る「シキジカ」……。多くの草ポケモン達が思い思いに過ごしている。

 そして草ポケモン達が集まるこの地には、もう一つの顔がある。

 

―ドオォウッ!!―

 

 それは多くの鳥ポケモン達の営巣地になっているということだ。

 草ポケモンが多いのなら、それを狙う鳥ポケモンが集まるのも道理。穏やかな環境であることも相まって、多くの鳥ポケモンがこの地に巣を作り、子育てを行う。

 そんなこの土地の空の王者こそ、鋼のような頑丈な甲殻で全身を覆われていることからよろいどりポケモンの異名を持つ「エアームド」だ。

 エアームドは普段、この草原近くの山で暮らしているが、子育ての時期になると獲物を求めて麓の草原に姿を見せるようになる。

 

―ドオォーッ!!―

 

 エアームドの鳴き声と風切り音が聞こえた瞬間、草原に居た草ポケモン達は慌てて逃げ出し、近くを飛び回っていた「ポッポ」や「マメパト」達もその道を開けるように飛び立っていく。

 生半可な攻撃は完全に弾く体と、刃のように鋭い翼。その二つを兼ね備えるエアームドに空中戦を挑む相手はほとんど居ない。悠々と獲物を物色する。

 

―ドッ!―

 

 その鋭い瞳が一つの影を捉えた。それはオリーブポケモン「ミニーブ」。草を掻き分けながら必死に逃げるそのポケモンを、今回の獲物として定めたようだ。

 翼を折り畳み急降下するその姿は、まるで一本の鉄の槍の様。瞬く間に距離を詰め、ミニーブの行く手を遮るように降り立つと、鋭い鉤爪でその体を掴み取る。

 

―ニッ!?―

 

 ミニーブは体を捩らせて藻掻くが、がっちりと掴んだ鉤爪は外れる気配は無い。そしてエアームドは獲物を掴み取ると、翼を羽搏かせて空中へと飛び立とうとする。だがその時だ。

 

―ボッ!!―

―ドォッ!?―

 

 何者かが放った火球がエアームドの背中へと命中する。高い硬度を持つエアームドであっても、弱点である高熱には耐えきれず、大きなダメージを受けバランスを崩すが、墜落することは無く、鉤爪で掴んだミニーブも離さない。そして振り向いて、自らを攻撃した何者かを睨む。

 

―リヴァッ!!―

 

 そこに居たのは、「オリーヴァ」というポケモン。今、エアームドが掴んでいるミニーブの親である。だがこの場に居るオリーヴァは、赤い体とそこから伸びる葉で構成された長い腕、そして粘度の高い液体を滴らせた茶色い実と、他の地方で見られるものとは異なる姿をしている。そう、この地に生息しているのは、リージョンフォームという独自の姿を持ったR(リージョン)オリーヴァだ。

 

―ドオォッ!!―

―リィヴァッ!!―

 

 エアームドは邪魔な外敵を排除するため、Rオリーヴァは大事な子供を助けるため、互いに睨み合う。通常であればくさタイプのポケモンがひこうタイプのポケモンに勝つのは難しいだろう。だが、被食者が捕食者に敵わない道理はない。むしろ天敵に立ち向かうべく、新たな能力を獲得するのは道理だ。

 Rオリーヴァの腕に実った果実の一つが炎に包まれたかと思うと、それを大きく腕を振るうことで砲弾のようにエアームド目掛けて投げつける。

 これがRオリーヴァが持つ独自の能力。元々、オリーヴァは体内でオイルを生成するという生態を持っている。Rオリーヴァはこのオイルに着火させることで、天敵であるエアームドに対抗するための武器として利用するのだ。

 

―ドッ!!―

 

 先程は不覚を取ったが、正面からの攻撃であれば対応できる。エアームドは硬化させた翼(はがねのつばさ)で放たれた果実を弾き落とす。そして反撃と言わんばかりに体を回転させながら鋭い嘴をRオリーヴァへ向け、勢い良く突進する。

 Rオリーヴァも対抗するように着火した果実を連続して放つが、高速回転したエアームドの体には全て弾かれ、勢いを殺すことも出来ない。

 

―ドオォッ!!―

 

 そのままエアームドの攻撃(ドリルくちばし)はオリーヴァの胴体へとクリーンヒットし、大ダメージを受けたオリーヴァはその場に倒れる。

 

―ドオォウッ!!―

―ニッ! ニィ!?―

 

 倒れたRオリーヴァを見下ろし、エアームドは勝ち誇ったように鳴く。そして倒れた親を心配するように泣き叫ぶミニーブをしっかりと掴むと、周囲に他のRオリーヴァが居ないか確認する。

 

―ドォッ―

 

 一通り見まわし、安全を確認すると、今度こそ飛び去るべく翼を羽搏かせようとして……体が上手く動かないことに気づいた。

 

―ドッ!?―

 

 一体何が起こったのか、それを理解するより前にその体が地面に叩きつけられる。さらに体を起き上がらせようとしても、上手く力が入らない。

 エアームドに何が起こったのか。その体をよく見ると、蔦のようなものが体に絡みついているのが分かる。

 実はオリーヴァが着火した果実による攻撃に紛れながら放っていた宿り木の種子が発芽し、エアームドの体に絡みつきながら体力を奪っていたのだ。

 

―ニッ!―

―リィヴァ―

 

 いつの間にか拘束から抜け出したミニーブに気付くも、全身に蔦が絡みついた状態では捕らえることは出来ない。

 そんなミニーブを抱きかかえたのは、エアームドから体力を奪ったことで回復したRオリーヴァだった

 

―ドッ……―

 

 形勢は完全に逆転した。それでも尚、鋭く睨み続けるエアームド。しかし最早立ち上がる気力もなく、地面で藻掻くだけだ。

 

―リィヴァ?―

―ニッ!―

 

 そんなエアームドに目もくれず、Rオリーヴァはミニーブの様子を見る。体にはエアームドに掴まれたことで傷がついていたが、幸いにも大きなダメージにはなっていない。

 そのことに安心すると、我が子を抱きかかえながら、その場を去っていく。

 

 

 

 

 それから少しして、Rオリーヴァが離れたことで力を失った宿り木の拘束から抜け出したエアームドは、少し休憩してから飛び立つ。そして再度、獲物を探し始める。何故なら、巣にはお腹を空かせた我が子が居るから。

 エアームドとRオリーヴァ、立場が異なれど、我が子を愛する親の気持ちは同じなのだろう。

 今日も人知れず、ポケモン達は時に争い、時に助け合いながら命を繋いでいくのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ミニーブ(原種)

 

↓Lv25で進化

 

オリーニョ
ぶんるいオリーブポケモン
タイプくさ・ほのお
たかさ0.6m
おもさ11.9kg
とくせいはやおき(しゅうかく)
種族値
HP52
こうげき48
ぼうぎょ65
とくこう78
とくぼう78
すばやさ33
合計354

 

おぼえるわざ
レベルわざ名
1じたばた
1だいちのはどう
1たいあたり
1あまいかおり
5すいとる
7せいちょう
10はっぱカッター
13てだすけ
16やきつくす
20メガドレイン
23グラスフィールド
29タネばくだん
34エナジーボール
37やどりぎのタネ
42かえんほうしゃ
進化オイルショット

 

↓Lv35で進化

 

オリーヴァ
ぶんるいオリーブポケモン
タイプくさ・ほのお
たかさ1.4m
おもさ47.8kg
とくせいこぼれダネ(しゅうかく)
種族値
HP83
こうげき59
ぼうぎょ95
とくこう125
とくぼう109
すばやさ39
合計510

 

おぼえるわざ
レベルわざ名
1オイルショット
1じたばた
1だいちのはどう
1あまいかおり
1ミラーコート
1しんぴのまもり
1たいあたり
5すいとる
7せいちょう
10はっぱカッター
13てだすけ
16やきつくす
20メガドレイン
23グラスフィールド
29タネばくだん
34エナジーボール
37やどりぎのタネ
42かえんほうしゃ
52にほんばれ
58はなびらのまい

 

 

 

わざ名タイプ分類威力命中率PP範囲優先度直接攻撃効果
オイルショットほのお特殊80100151体選択0×30%の確率で相手のこうげきを1段階下げる。

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