まだ見ぬ世界のポケモン達   作:雪見柚餅子

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今回は2話同時投稿。
こちらはバイオレット版をベースとしています。


月刊オーカルチャー特別号 未来の侵略!? パルデア地方の謎に挑む!!

 先日、読者の一人から編集部に一通のメールが届いた。そこには「今まで見たことが無いポケモンを発見したので調べてほしい」という内容が記されており、添付されていた動画は振動が激しく、細かく判別が難しい部分も有ったが、「木々の合間から光る妖しい瞳」、「ヘラクロスを咥えて掲げる巨大な口」、「眩く輝く光輪を背負う長身の影」が映し出されていた。

 もしこれらが本当に未発見のポケモンであるとするなら、大発見である。我々は真相を求め、この読者とコンタクトを取ることとした。

 

 投稿してくださったのはグレープアカデミーの生徒であるサルタナさん。彼は動画を撮った時の状況を詳しく教えてくれた。

 約一か月前。彼はアカデミーの課外活動でオージャの湖でポケモンの観察を行いながらスマホロトムを用いて動画を撮影していた。そんな時、見知らぬ3種類のポケモンを発見。謎のポケモンに緊張しながらも撮影を続けていたが、それをそのポケモン達に気付かれ襲われたとのことだ。何とか逃げ切ることには成功したものの、眩い太陽のようなポケモンの攻撃が肩に掠ったとのことで、右肩には確かに火傷の痕が残っていた。

 我々はサルタナさんの案内で、そのポケモン達を発見した場所へと向かった。普段、オージャの湖には多くのポケモンが思い思いに暮らしている姿を見ることが出来るそうだが、ここ最近は様子がおかしいとのことで、妙にポケモン達が緊張しているようだった。我々を遠目に見つつ、こちらが視線を向けると慌てて姿を隠す。ウソッキーは怯えたように慌ただしく走り回り、ドンカラスとモロバレルは草むらに潜みながら二匹揃って何かを警戒しているかのように辺りを見回す。

 森の奥へ足を踏み入れるごとに、我々も警戒を強くする。そんな時だった。ふと周囲の木々が激しく揺れだした。周囲に居たポケモン達も、何かに気付いたように走って逃げだす。しかしそんなポケモン達に紛れ、大きな影が我々の周りをぐるりと囲むように動いているのが見えた。すぐさま我々はカメラでその影を捕らえようとしたが、あまりのスピードで目で追うことすら困難。しかしそんな中、カメラマンの一人が捕らえた姿がこれだ。

 

 

 

『金属質な緑色の体を持ち、両手から謎のエネルギー体を浮かび上がらせるポケモンの写真』

 

 

 

 一見するとこれはマジシャンポケモンのマスカーニャに似ている。しかし、体は一回りほど小さく、背中からはマントの代わりに薄い羽根のようなものが生えている。また周囲には緑色の円盤が浮いており、異なるポケモンであることがよく見るとわかるだろう。

 幸運にも我々は目的のポケモンの一匹を写真に収めることに成功した。しかしながら当のポケモンは非常に興奮し、苛烈な攻撃を仕掛けてきたため、危険を感じた我々はすぐにその場から退散することとなった。木々が倒れる音やポケモン達の悲鳴が聞こえ、背筋に冷たいものが走ったが、情けないことに背後を見る余裕などなく、我々はただ逃げ惑うことしか出来なかった。

 

 謎のポケモンから何とか逃げ延びた我々は、湖の一角で休憩を取ることとした。息を切らし、腰を下ろしながら撮影した画像をサルタナさんと確認する。彼曰く、あのポケモンと初めて出会った時も、このようにいきなり襲い掛かってきたため、戦闘を行ったらしいが、変幻自在の独特な動きに翻弄され、手も足も出ずに手持ちを倒されてしまったらしい。

 そんな謎のポケモンの恐ろしさについて聞いていると、不意にどこからか地響きのような背筋を震わせる音が聞こえ出す。その音がした方向へ視線を向けると、そこにはまた見知らぬポケモンが姿を現した。

 

 

 

『頭部に青白い電光を浮かび上がらせ、大きな口を広げて木の幹を食い千切るポケモンの写真』

 

 

 

 こちらも一見、ラウドボーンに見えるが、炎の鳥ではなくプラズマを浮かび上がらせ、またカラフルな口元を持つラウドボーンに対し、こちらは銀色の装甲に覆われているのが分かる。また写真からは分かりづらいだろうが、その大きさは通常のラウドボーンより一回りほど小さかった。

 獲物を探しているのか、逞しい四足で地面を踏みしめながらのしのしと歩くポケモン。我々は気づかれないようにそのポケモンの後を追うこととした。

 その堂々とした佇まいに、近くに居たポケモン達は慌てて逃げ出す。縄張り意識の強いマフィティフやドンカラスまでも、争うことなくその場を去ろうとするのだから、その異常性は明らかだろう。

 

 そんな姿を追うこと30分ほど経った頃だろうか。ふとそのポケモンが頭上を見上げる。我々も視線を挙げると、逆光でよく見えなかっただ、何かが太陽を背に浮遊しているのが分かった。

 その何かはゆっくりと降下したかと思うと、赤いポケモンへ電撃を放つ。だが赤いポケモンは装甲で攻撃を弾き、逆に反撃と言わんばかりに大顎で噛みつこうとする。それを回避した襲撃者が地面に降り立った瞬間をカメラに収めたものが、下記の写真だ。

 

 

 

『6枚のソーラーパネルのような器官を背負い直立する、長い嘴を持った人型のポケモンの写真』

 

 

 

 このポケモンもまた、顔つきやシルエットがウェーニバルに似ているが、水で構築された飾り羽という独特の姿を持つウェーニバルに対し、こちらは発光する胴体のライン、スパークする頭部など、どちらかというとでんきタイプのポケモンのそれに似た姿をしている。そしてその姿に違わず発電能力を持っているようで、その青いポケモンは背中のユニットから青白い電撃を放ち、遠距離から赤いポケモンに対し攻撃を仕掛ける。

 対する赤いポケモンは頑強な装甲で攻撃をものともせず、周囲を薙ぎ払いながら青いポケモンへ接近する。

 この未知のポケモン達が争う姿に、恐怖を感じながらも興奮を覚えていた取材班。だがそんな時、背後からガサガサと草木を掻き分ける音が聞こえる。こんな激しい争いに自ら首を突っ込もうとするものが居るのか。そんな疑念を感じながら、背後へ視線を向けると、何かが飛び出した。それは緑色の体と黒い頭部を持った存在。そう、このオージャの湖に入った時に我々を襲ってきたポケモンである。

 その緑のポケモンは我々に目もくれず、赤と青のポケモンの争いに飛び込んでいく。突然に闖入者。しかしそれに僅かな驚きを見せたものの、2匹のポケモンはさらに激しさを増して争いだした。

 

 

 

『緑色のポケモンがカラフルな光球を放ち、赤いポケモンが高熱を纏った顎で噛みつきを仕掛け、青いポケモンが強烈なビームを放つ姿を捉えた画像』

 

 

 

 あまりのヒートアップに、近くに居ては巻き込まれる危険があると判断した取材班は、これ以上の撮影を諦め、サルタナさんと共にオージャの湖から脱出することとした。

 

 今回の撮影で得たデータを、ポケモンの生態に詳しいグレープアカデミーのジニアさんに見せ、話を聞いてみた。

 

「これらのポケモンは、確かにマスカーニャ、ラウドボーン、ウェーニバルと似ていますが、体の細部がことなっていますねえ。パルデア地方で発見されたということから、リージョンフォームである可能性も低いでしょう。恐らくですが、ディグダとウミディグダのように、似た姿をした別種のポケモンという見方が正しいと思いますよお。ただ動画や画像越しでは、あまり詳しくは分かりませんねえ。出来ることなら、直接見てみたいものです」

 

 現状、我々が遭遇したこれらの謎のポケモンに付いての正体は明らかになっていない。しかしながら、これらのポケモンに似た存在を我々は知っている。そう、奇書バイオレットブックに記された、謎の生物達だ。今回発見されたポケモン達は、バイオレットブックに記された生物達同様、金属質な体を持っていた。関係性は十分疑うことが出来る。もしかすると、何らかの方法で遥か未来からやって来たマスカーニャ、ラウドボーン、ウェーニバルなのかもしれない。

 

 なお後日、ポケモンリーグ主導でオージャの湖の生態調査が行われたとのことだったが、これらのポケモンに出会うことは出来なかったらしい。

 このポケモン達は一体どこへ消えてしまったのだろうか。その正体は一体何なのだろうか。我々は今後もこれらのポケモンについて独自に調査を進めていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


仮称:テツノドウケ
ぶんるいパラドックスポケモン
タイプくさ・ゴースト
たかさ1.4m
おもさ31.4kg
とくせいクォークチャージ
種族値
HP84
こうげき74
ぼうぎょ78
とくこう120
とくぼう78
すばやさ136
合計570

 

おぼえるわざ
レベルわざ名
1エレキフィールド
1ねこだまし
1おどろかす
1ひっかく
1すいとる
1あやしいひかり
7うらみ
14くろいまなざし
21マジカルリーフ
28イカサマ
35シャドーボール
42エナジーボール
49トリック
56グラスシャワー
63いたみわけ
70みらいよち
77リーフストーム
84みちづれ
91ソーラービーム

 

 

 

仮称:テツノアギト
ぶんるいパラドックスポケモン
タイプほのお・あく
たかさ1.5m
おもさ414.0kg
とくせいクォークチャージ
種族値
HP130
こうげき114
ぼうぎょ112
とくこう58
とくぼう106
すばやさ50
合計570

 

おぼえるわざ
レベルわざ名
1エレキフィールド
1かみなりのキバ
1かみつく
1たいあたり
1ひのこ
1いやなおと
7ほのおのキバ
14おにび
21ニトロチャージ
28のしかかり
35かみくだく
42てっぺき
49くらいつく
56ブレイズバイト
63ヘビーボンバー
70ヒートスタンプ
77げきりん
84ギガインパクト
91だいふんげき

 

 

 

仮称:テツノオウギ
ぶんるいパラドックスポケモン
タイプみず・でんき
たかさ1.6m
おもさ98.6kg
とくせいクォークチャージ
種族値
HP100
こうげき68
ぼうぎょ76
とくこう134
とくぼう110
すばやさ82
合計570

 

おぼえるわざ
レベルわざ名
1エレキフィールド
1きあいだめ
1でんきショック
1はたく
1みずでっぽう
1じゅうでん
7アクアジェット
14みずのはどう
21パラボラチャージ
28アクアリング
35ほうでん
42うずしお
49ロックオン
56アクアエナジー
63ミラーコート
70あまごい
77でんじほう
84ハイドロポンプ
91はかいこうせん

 

 

 

わざ名タイプ分類威力命中率PP範囲優先度直接攻撃効果
グラスシャワーくさ特殊6010015相手全員0×100%の確率で相手のこうげきを1段階下げる。
ブレイズバイトほのお物理80100101体選択010%の確率で相手をやけど状態にし、20%の確率で相手のぼうぎょを1段階下げる。
アクアエナジーみず特殊130100101体選択0×1ターン目に自分のとくこうを1段階上げ、2ターン目で攻撃する。自分がエレキフィールド状態の効果を受けている場合、溜めずに攻撃できる。




それぞれ名前の由来は
テツノドウケ→ピエロ(見た目から)
テツノアギト→顎(そのまま)
テツノオウギ→扇(ソーラーパネルの形状)
となっています。
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