まだ見ぬ世界のポケモン達   作:雪見柚餅子

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先週辺りに投稿しようと思っていたら、ポケポケにハマって遅れました。


切り立つ岩場のツバメポケモン

 とある乾燥地帯の草原。乾いた風が吹き抜け、地面を覆う草葉を揺らす。

 そんな草原を走る一匹のポケモンが居た。紫色の毛皮と長い尻尾を持つねずみポケモン「コラッタ」だ。様々な地方で見られるコラッタは、別段珍しいポケモンではなく、この地域一帯にも数多く生息している。

 そんなコラッタは、今、とあるポケモンに追われていた。頭上には大きな翼を広げ、悠々と空を飛ぶ影が一つ。それは狙いをつけるかのように、コラッタの真上を旋回している。その影を振り払おうと、コラッタは自分より背の高い草の中へ入り、時にまっすぐ、時にジグザグに、あるいはフェイントを仕掛けて逃げるが、頭上の影は決して離れる事無く、ぴっちりとコラッタを追い続ける。

 

ジィッ!

 

 それは一瞬のことだった。走り回り続けたことで動きが鈍ったコラッタの隙を突き、頭上を飛び回っていた影が、羽を折り畳み地上のコラッタ目掛けて急降下した。コラッタは草の影に隠れていたものの、それで狙いがそれることは無く、影の鋭い鉤爪がコラッタの胴体をしっかりと捉える。

 何とか抜け出そうと暴れるコラッタ。しかしそんなコラッタの抵抗をあざ笑うかの如く、影は鋭い嘴で獲物に止めを刺した。

 

ジィナッ!

 

 獲物を捕らえ、歓喜の鳴き声を上げる影の正体は、ほねワシポケモン「バルジーナ」。普段は死体や弱ったポケモンを狙うことが多いバルジーナだが、時にこうして自ら獲物を狩ることもある。

 嘴で肉を切り食む。それを数度繰り返し、あっという間に平らげたバルジーナだが、まだ満腹には程遠い。次なる獲物を求め、再び飛び立つ。

 

ジィ……

 

 そして十数分程度、飛行しただろうか。バルジーナの瞳に新たな獲物が映る。それは岩場の影に隠されたかのように存在するタマゴ。栄養価の高いタマゴはバルジーナの好物の一つだ。それを狙い、バルジーナは降り立とうとした時だった。

 

メッ!

 

 何かがバルジーナ目掛けて突進する。それを回避するが、続けて背後から別の何かが放った蹴りを受け、体勢を崩す。

 

ジィナ……

 

 自分を攻撃してきた二つの影を忌々し気に睨むバルジーナ。その視線の先に居たのは、黒曜色の羽毛で覆われた翼と白い腹部のコントラストが特徴的な二羽の鳥ポケモン。

 精悍な顔立ちでバルジーナを威嚇するそのポケモンは、この乾燥地帯に生息する、固有の姿(リージョンフォーム)の「オオスバメ」だ。

 このR(リージョン)オオスバメは、尖った岩の合間に巣を作るという生態を持っている。これにより地上からは巣に近づくのが難しく、天敵からタマゴや(スバメ)を守ることが可能となる。

 しかし時折、このバルジーナのように、空から巣を襲撃に来るポケモンもやって来るため、Rオオスバメは常に飛び回り、巣に外敵が近づかないか見張っているのだ。

 

ジナッ!

 

 体格はバルジーナの方がRオオスバメより二回りほど大きく、力も強い。もし一対一で争えば、バルジーナに軍配が上がるだろう。だが、ここに居るオオスバメは一羽ではない。

 

バメッ!

 

 一羽のRオオスバメに目を付け、頭上から鉤爪で攻撃を仕掛けようとしたバルジーナ。だがそれを妨害するように、横からもう一羽のRオオスバメがバルジーナへぶつかる。

 僅かに体勢を崩し、忌々し気に睨むバルジーナ。だが視線を外した合間に、頭上を取っていたはずのRオオスバメの姿はいつの間にかバルジーナの背後へと移動し、追撃を行う。

 

バッ!

ジッ!?

 

 寸前で気づいたバルジーナが身を捩らせることで、Rオオスバメの突撃を回避する。そこに再びもう一羽のRオオスバメが合流し、並び立ってバルジーナへ攻撃を仕掛ける。

 素早い二羽のRオオスバメ相手に近接戦は分が悪い。そう判断したのであろうバルジーナは、翼を大きく羽ばたかせ突風を発生させた。

 目を開けることすらままならないほどの風圧に巻き込まれたRオオスバメ達は、落下しないようにバランスを取ることに必死だ。

 そして風が止んだかと思えば、目の前にバルジーナの姿は無い。まさかと地上に視線を向けるが、タマゴは無事だ。バルジーナは逃げたのだろうか。そうRオオスバメが思っていると、上空から羽ばたく音が聞こえた。

 

ジィナッ!

 

 視線を上へと向けたRオオスバメ達を襲う漆黒のオーラ(あくのはどう)。それを放ったのは無論、姿を消していたバルジーナだ。突風(ふきとばし)で目くらましをした間に、素早く上空へと移動していたのだ。

 

バメッ!?

メッ……

 

 大きなダメージを受け、一羽は地面へと落下。もう一羽は何とか空中にとどまり続けているものの、その体はボロボロだ。

 その残ったRオオスバメ目掛け、バルジーナは急降下(ブレイブバード)する。もしこの攻撃を受ければ、ただでは済まないだろう。しかしそれを回避するだけの体力も無い。最早、ここまでか。

 

バメェッ!

ジィッ!?

 

 突然のことだ。急降下していたバルジーナに、何かが突撃したことでその軌道を逸らし、結果としてダメージを受けていたRオオスバメにバルジーナの渾身の攻撃は命中しなかった。

 自分の邪魔をしたのは何者かと、バルジーナが視線を横へと向ける。

 

バァメッ!

 

 そこに居たのは、新たなRオオスバメが一羽。いや、それだけではない。

 

バッ!

バメッ!

バァメッ!

 

 気づくと続々とRオオスバメが姿を現し、バルジーナを取り囲む。

 実はRオオスバメは群れを作って暮らすという生態を持つポケモンだ。群れで生まれた子供は、例え血が繋がっていなくても群れ全体で育て、外敵が現れれば、一丸となって立ち向かうほどの強い仲間意識を持つ。

 そして今、その絆がまさに現れていた。

 

ジィ……

 

 力強さと狡猾さを兼ね備えたバルジーナであっても、数十羽にも及ぶRオオスバメに囲まれればたじろぐしかない。360度響き渡る羽ばたきと威嚇の音。それらがバルジーナを責め立てる。

 

バメッ!

メェッ!

バァッ!

 

 そして次々とRオオスバメ達が攻撃を仕掛けていく。こうなってしまっては、最早どうしようもない。

 バルジーナは慌てたように逃げ出すが、Rオオスバメ達はしつこく追いかけながら攻撃を仕掛けていく。もう二度と、自分達に近づくなと言わんばかりに。

 

バメッ

バァメ……

 

 その光景の裏で、地面に落下していた一羽は、仲間から分け与えられたオレンの実を啄んでいた。どうやら大きな怪我は無い様で、しばらく休めば回復するだろう。そんな(つがい)の下に、傷ついたRオオスバメも降り立ち、互いの傷を気遣うように嘴で撫で合った。

 

パキリ……

 

 突如、何かが割れる音が聞こえる。それを聞いたRオオスバメ達は一斉にその音がした方向へ視線を向ける。

 音の正体。それは罅が入った一つのタマゴ。それはバルジーナが狙っていたタマゴそのものだ。

 慌てて番のRオオスバメ二羽が心配したように駆け寄る。だが、罅は徐々に広がり……

 

メッ!

 

 そしてタマゴの中から姿を現したのは、Rオオスバメを小さくしたような姿のポケモン。そう、「スバメ」である。

 子供の誕生に喜ぶ二羽のRオオスバメは喜び、負傷していることすら忘れ、我が子の体を撫でると、Rスバメは擽ったそうに一鳴きする。

 そして新たな群れの仲間の誕生に、周りのRオオスバメ達も喜んだように笑みを浮かべた。

 新たな誕生を祝う鳴き声。それはしばらくの間、止むことは無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


スバメ
ぶんるいこツバメポケモン
タイプいわ・ひこう
たかさ0.3m
おもさ2.4kg
とくせいこんじょう(スカイスキン)
種族値
HP40
こうげき55
ぼうぎょ30
とくこう30
とくぼう30
すばやさ85
合計270

 

おぼえるわざ
レベルわざ名
1つつく
1なきごえ
5きあいだめ
9いわおとし
13つばさでうつ
17どろかけ
21つばめがえし
25ワイドガード
29こうそくいどう
33がんせきふうじ
37がむしゃら
41ブレイブバード
45きしかいせい

 

↓Lv22で進化

 

オオスバメ
ぶんるいツバメポケモン
タイプいわ・ひこう
たかさ0.7m
おもさ20.7kg
とくせいこんじょう(スカイスキン)
種族値
HP65
こうげき95
ぼうぎょ65
とくこう55
とくぼう50
すばやさ125
合計455

 

おぼえるわざ
レベルわざ名
1アクセルロック
1ブレイブバード
1ステルスロック
1ついばむ
1つつく
1なきごえ
1きあいだめ
1いわおとし
5きあいだめ
9いわおとし
13つばさでうつ
17どろかけ
21つばめがえし
27ワイドガード
33こうそくいどう
39がんせきふうじ
45がむしゃら
51ブレイブバード
57きしかいせい
進化アクセルロック




モチーフはイワツバメ。
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