乾燥し、砂が延々と広がる光景が続く大きな砂漠。この砂漠には、盗掘を生業とする者達が居た。彼らは古い遺跡に入り込み、その中の様々な歴史ある物品を盗み出し、売り払うことで生計を立てている。
時に遺跡を破壊し、貴重な遺産を紛失させる彼らは、考古学界にとって許されざる敵であり、犯罪者として警察からもマークされている。それでも彼らは、自らの生活のためと、今日もまた遺跡に潜るのだ。
そんな墓荒らしの一人が、ある日、砂の中から僅かに顔を出した洞窟を見つけた。好奇心からその洞窟に入り、足を進めると、次第に壁が、自然の岩から未知の言語が刻まれた人工物へと変わっていく。さらによく見れば、壁からは明かりを置くためのものであろう燭台のような突起が生え、床にはかつて使われていたのか、砂を被りつつも輝く黄金の装飾品が落ちている。
これは、新たな遺跡だ。墓荒らしはその発見に喜びつつ、慎重に奥へと進む。このような遺跡には、時に過去の人間が設置した罠が仕掛けられている場合がある。それを踏んで怪我をしたものは決して少なくない。何なら、命を落とした者すら居る。そんな先達の後を追わないように、罠を警戒しながら少しずつ足を進め、情報を集める。
僅かに読み取れる壁画から、どうやらこの遺跡は、かつてこの砂漠で栄えていた国の時代のものらしい。遥か昔、この砂漠には青々とした美しく広い湖が存在し、その畔には黄金に輝く国が有った。その国には多くの人間やポケモンが集まり、繁栄を謳歌していたものの、疫病の蔓延や乾燥による湖の消失、そして大規模な砂嵐によって滅び去ったという。
そんな昔話を覚えていた墓荒らしは、落ちていた装飾品を懐に入れながら、もっと価値があるものがあるのではないかと、足早に、しかし慎重に足を進める。
そして曲がりくねった道や幾つもの分岐を慎重に進みこと三十分。彼の目の前に、石造りの大きな扉が立ちはだかった。扉には何かを嵌め込むような窪みが有り、そこに鍵となるようなものを嵌め込めば開くであろうことは、墓荒らしにも容易に想像は出来た。しかし、そんなものは墓荒らしは持っていない。歩きながら拾ったお宝も、どれも窪みに入りそうな形はしていない。
ならどうすればいいか。墓荒らしの考えた手段は簡単だ。壊せば良い。
―ガァッ!―
墓荒らしがモンスターボールから繰り出したのは、相棒とも言うべきポケモン「ガーディ」。小柄ながらも力強いポケモンであり、これまでも仕事を手伝ってくれたパートナーである。
そんなガーディは、主から指示された通り、扉に向かって
だが幾度も扉に攻撃を行ったことで起きた振動で、この遺跡の番人が怒りと共に目覚めていた。
―ドンッ!―
―ガッ!?―
再度、扉に向かって突進しようとしたガーディが、突如として放たれた
墓荒らしは驚愕と共に、その攻撃が放たれた方向へと視線を向ける。
―オオォ……―
そこに居たのは、漆黒の頭部と黄金に輝く四肢を持つ、二足の獣人のようなポケモンが居た。
墓荒らしはそのポケモンから向けられる敵意に、冷や汗を掻きながらじりりと後退りする。そんな彼に向け、そのポケモンは体を屈めながら、威嚇の唸り声を上げる。
この砂漠一帯では見られないポケモンであったため彼は気づかなかったが、見る者が見れば、目の前のそれがとあるポケモンに似ていることに気付いただろう。それは波導と呼ばれるエネルギーを操るポケモン「ルカリオ」だ。
このルカリオが、墓荒らしに敵意を向けているのは、縄張りを荒らされていたからではない。この遺跡―否、王墓に眠るかつての主の眠りを妨げさせないためだ。
かつてこの地に黄金の王国が存在していた時代、ルカリオは珍しいポケモンではなく、むしろ人間と共存し、危険な砂漠のポケモン達から人間を守る守護者として身近な存在だった。特に王家と縁深く、国のシンボルとしてルカリオが描かれているほどだ。
時が流れ、疫病や自然災害によって国が亡んだ際、多くのポケモンと人間が命を落とし、生き残った者達もこの地を去らざるを得なかったが、一部のルカリオだけはこの王墓に住み着いた。それはただ生き残るためだけでなく、かつての主に対する忠誠もあったのだろう。
そしてこの王墓が地下へ沈み、周囲一帯が砂漠に飲み込まれても尚、王の眠りを守り続ける墓守としての役割を全うしたルカリオには、次第に変化が生じていった。
胴体は王墓の暗闇に紛れるような黒に。手足はかつての王国を思わせる金色に。そして国と共に運命を共にした同胞の魂が混ざり合った波導は紫紺に。
そうして誕生した
―ルオォッ!―
Rルカリオが再度、攻撃を仕掛けるべく、両手にエネルギーを溜め込む姿が目に映った墓荒らしは、すぐにガーディに指示を出して、泡を食ったように逃げ出す。
通路は暗く、似たような道が幾重にも分岐しているため、一人であれば確実に迷っていただろう。だが目印として残していた香料を、先導するガーディがその嗅覚で嗅ぎ取ることにより、墓荒らしは確実に自分が進んできた道を迷わずに戻ることが出来ていた。
だが墓荒らしとガーディに安どの表情は無い。何故なら、どれだけ走っても、後ろから恐ろしい気配が迫っているのだ。
―オォッ!―
まるで跳躍するかのような軽い身のこなしで、一瞬の内に墓荒らしの背後へと近づいては、両手から
その攻撃に掠りながらも、墓荒らしとガーディは決して後ろを向くことは無い。少しでも足を止めれば、すぐにRルカリオは追いついて、こちらを仕留めてくるだろうし、そもそも、あまりに恐ろしくて振り向く勇気も持てない。
息を切らしながら、無我夢中で走り続ける。
―っ!―
そしてついに、出口を指し示す外からの明かりが見えた。しかし、暗い通路を走り続けたために、その眩しさに目が眩んだ一瞬が、大きな隙となった。
―ルオゥッ!!―
背後から放たれた、特大の
―ガッ、ガァウッ!―
一瞬反応が遅れたものの、ガーディの口から吐きだされた灼熱の炎は、迫りくる紫紺のエネルギー弾とぶつかり合い、大きな爆発を起こした。その衝撃で、墓荒らしとガーディは外へと吹き飛ばされていく。
―っ⁉―
地面を何度も転がり、全身に火傷と裂傷を付けながらも、墓荒らしは何とか意識を保ちながら洞窟に視線を向ける。
洞窟からはRルカリオの真紅の瞳がじっとこちらを覗き続ける。近くで転がっているガーディは既に瀕死で、戦うことは出来ないだろう。もし追撃されようものなら、命の保証はない。
緊張しながら、Rルカリオの出方を伺う。
―オオォ……―
だがRルカリオは彼に手を出すことなく、フイと背を向けて遺跡の奥へと戻っていく。
その最後に溢した鳴き声は、爆音で聞こえ辛くなった墓荒らしの耳にも妙によく届いた。彼にはそれが警告のように聞こえた。もし再びこの場所に立ち入れば、次は容赦しないと。
墓荒らしはその後、傷ついたガーディと共に村へと戻った。村人達から何が有ったのかと聞かれたものの、ただ危険な野生ポケモンに襲われただけと答え、遺跡のことを口にすることは無かった。それは見逃してくれた番人に対する恩なのか、それとも恐怖なのか。その理由を知るのは、彼とガーディだけだ。
リオル(原種)
↓とてもなかよしな状態で夜にLvアップで進化
| ルカリオ | |
|---|---|
| ぶんるい | はどうポケモン |
| タイプ | かくとう・ゴースト |
| たかさ | 1.2m |
| おもさ | 54.6kg |
| とくせい | すなかき・せいしんりょく(ぼうじん) |
| 種族値 | |
| HP | 65 |
| こうげき | 115 |
| ぼうぎょ | 70 |
| とくこう | 110 |
| とくぼう | 70 |
| すばやさ | 95 |
| 合計 | 525 |
| おぼえるわざ | |
|---|---|
| レベル | わざ名 |
| 1 | まねっこ |
| 1 | フェイント |
| 1 | てだすけ |
| 1 | いわくだき |
| 1 | メタルクロー |
| 1 | しんくうは |
| 1 | みきり |
| 1 | きしかいせい |
| 1 | いやなおと |
| 1 | でんこうせっか |
| 1 | いのちがけ |
| 1 | かげうち |
| 12 | カウンター |
| 16 | ふるいたてる |
| 20 | はっけい |
| 24 | めいそう |
| 28 | のろい |
| 32 | ファストガード |
| 36 | ボーンラッシュ |
| 40 | つるぎのまい |
| 44 | シャドーボール |
| 48 | おはかまいり |
| 52 | ゴーストダイブ |
| 56 | しんそく |
| 60 | インファイト |
| 進化 | はどうだん |
モチーフは「アヌビス神」。
ルカリオはリカオンでアヌビス神はジャッカルだろ、みたいなツッコミに関しては、ポケモンでは良くあることとスルーの方針で……。