まだ見ぬ世界のポケモン達   作:雪見柚餅子

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今回のコンセプト。
初見だとタイプが分からないポケモン。


森の奥地のなめまわしポケモン

 ドラゴンタイプ。それは多くのトレーナーの憧れである。ジョウト地方のジムリーダーであるイブキ、ホウエン地方の四天王であるゲンジ、あるいはイッシュ地方のチャンピオンであるアイリスのように、強力無比、誇り高く、雄々しい姿のドラゴンポケモンに指示を出す自分の姿を想像した者は少なくないだろう。

 しかしそんなイメージとは裏腹に、中には穏やかかつのんびりした気性のドラゴンポケモンも居ることを知っているだろうか。例えば雨が多い地域で見られる「ヌメラ」はドラゴンタイプとは思えないほど小柄で、普段は日陰に隠れながら生きている。パルデア地方でよく見られる「モトトカゲ」は人に懐きやすく、その性格からライドポケモンとして多くのトレーナーに愛用されている。

 そして古くからその姿を変えていない、知られざる森の奥地にも、のんびり屋なドラゴンポケモンが生息していた。

 

 

 

 木々を掻き分けながら、のしのしと歩みを進めるのは、強靭な腕が自慢のぶたざるポケモン「オコリザル」。非常に短気な性格で、些細なことでも怒り出すという問題を抱えていることで有名で、その姿を見た小柄なポケモン達はそそくさと逃げ出していく。

 いつも通りイライラした様子のオコリザルだが、どうやら今日は空腹のようだ。近くにあった木の実を乱暴に捥ぎ取ろうとする。

 

ザァルッ?

 

 だが、先に何かが木の実を奪い取り、オコリザルが伸ばした手は空を切る。

 一体誰が! そんな怒りと共にオコリザルが木の実を奪った何かにギロリと鋭い視線を向ける。それは桃色の触手、いや舌であった。

 

ベロォ

 

 その舌の持ち主は、でっぷりとした体を持ち、尻からは渦巻き状の長い尾を持つポケモン。その見た目は間違いなく、なめまわしポケモン「ベロリンガ」のものだ。しかし通常は桃色であるはずの体色が、このベロリンガは青紫色。また丸いはずの舌の先端が二股に分かれている。予想は出来ているだろうが、このベロリンガはこの森の環境に適応したリージョンフォームのポケモンである。

 このR(リージョン)ベロリンガ、驚くことにドラゴンタイプのポケモンだ。確かに遠目から見れば竜に見えなくも無いかもしれないが、これがドラゴンタイプのポケモンであると言われてすぐに納得できるトレーナーがどれほど居るだろうか。しかし紛う事無き事実である。

 

ザァア……

 

 そんなRベロリンガが堂々と自分が食べようとしていた木の実を奪った事実に震えるオコリザル。目の前の相手が誰であろうと関係ない。オコリザルはただ己の怒りに身を任せるのみ。全身の力を籠め、右腕を大きく引き絞り……

 

ザァッ!!

 

 放たれた渾身のストレート(ふんどのこぶし)。岩石であろうとも容易く打ち砕くであろうその一撃がRベロリンガを襲う。

 

ボヨォン

 

 しかしその一撃は、Rベロリンガにまるで通じていなかった。

 このRベロリンガ、栄養豊富な森の木の実を食べ続けたためか、その体には分厚い脂肪が蓄えられている。この脂肪によってパンチの威力が吸収され、Rベロリンガには全く通じていない。それどころかオコリザルを無視して次の木の実に舌を伸ばそうとしている。

 

ザアァッ

 

 ここまで虚仮にされ、オコリザルの怒りは頂点に達した。何が何でもこのRベロリンガをブチのめさなければならない。

 

ザァルッ!

 

 飛び上がったオコリザルはRベロリンガの長い舌に掴みかかる。ボディに攻撃しても意味は無いと判断したのか、それともただ衝動に身を任せただけか、理由は不明だが、怒りの形相で舌を勢いよく引っ張る。

 

ベェッ……

 

 さすがに舌を掴まれては苦しいのか、呻き声を上げるRベロリンガ。何とかオコリザルを振り払おうと藻掻くが、オコリザルは決して放すことは無く、むしろ引っ張る力を強める。

 

ザアッ!!

 

 オコリザルが気合を入れその場で回転を始めると、ついに耐え切れなくなったRベロリンガの鈍重な体が地面から離れる。必殺のジャイアントスイングで力任せにブンブンと振り回され、Rベロリンガの目が回る

 

ザルゥッ!!

ベロォウッ!?

 

 そして舌を離すと同時に、Rベロリンガの体は宙へ高く舞いあがり、森の奥へと消えていった。

 だがそれで怒りが収まるほど、オコリザルは大人しいポケモンではない。まだまだこんなものじゃないと、追撃すべくRベロリンガを追いかけようとする。しかしそれを遮るように、一つの影が立ち塞がる。

 

ロスッ!!

 

 大きな二本の角を持ったむしポケモン「カイロス」。オコリザルに負けず劣らず好戦的なこのポケモンは、先程までの騒ぎ声で昼寝を邪魔され気が立っていた。

 対するオコリザルも、Rベロリンガに対する怒りはどこへやら。今度は自分の進む道を邪魔する目の前のカイロスへその苛立ちを向ける。

 

『さっきから煩いんじゃボケェッ!!』

『知ったことじゃねえドアホっ!!』

 

 もし人間の言葉を喋れるのであれば、そのようなことを言っていたであろう。そんな二体は目の前の敵を排除すべく、周囲の木々をへし折りながら激しく争い始めたのだった。

 

 

 

ベロォ……

 

 対してこちらは、オコリザルに投げ飛ばされたRベロリンガ。視界がグルグルしているようだが、大きなダメージは無さそうである。そんなベロリンガの嗅覚が甘い匂いを感じ、頭を振って正気を取り戻す。頭上を見ると、そこには沢山の木の実が生っているではないか。

 涎を垂らし舌を伸ばすRベロリンガ。その頭には、少し前までオコリザルに攻撃されたことなど残っていない。

 

ベロッ

 

 もしゃもしゃと木の実を食べ続ける。ドラゴンタイプとは思えない、そのマイペースで能天気な性格こそ、獰猛なポケモンが数多く生息するこの森で生きていく秘訣なのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ベロリンガ
ぶんるいなめまわしポケモン
タイプドラゴン
たかさ1.2m
おもさ70.5kg
とくせいマイペース・あついしぼう(ノーてんき)
種族値
HP90
こうげき55
ぼうぎょ80
とくこう50
とくぼう80
すばやさ30
合計385

 

おぼえるわざ
レベルわざ名
1したでなめる
1まるくなる
6ころがる
12ちょうおんぱ
18まきつく
24なまける
30ワイドブレイカー
36はたきおとす
42りゅうのはどう
48たたきつける
54パワーウィップ
60はらだいこ

 

↓ころがるを覚えた状態でLvアップで進化

 

ベロベルト
ぶんるいなめまわしポケモン
タイプドラゴン
たかさ1.8m
おもさ157.0kg
とくせいマイペース・あついしぼう(ノーてんき)
種族値
HP110
こうげき90
ぼうぎょ105
とくこう60
とくぼう105
すばやさ45
合計515

 

おぼえるわざ
レベルわざ名
1したでなめる
1まるくなる
1ころがる
1ちょうおんぱ
18まきつく
24なまける
30ワイドブレイカー
36はたきおとす
42りゅうのはどう
48たたきつける
54パワーウィップ
60はらだいこ

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