まだ見ぬ世界のポケモン達   作:雪見柚餅子

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モチーフは「公害」。


放棄された発電所のゴミぶくろポケモン

 とある山岳地帯に建てられた巨大な建造物。ここは数十年前にとある企業が設立した発電所であった。この地域から産出される特殊な鉱石を用いた発電は、当時としては画期的な新技術であり、国内外から注目を集めることとなった。

 しかし、この発電の際に発せられる電気エネルギーが、地下に生息していた「イワーク」や「ギガイアス」達を興奮させる影響を与えていたことが発覚。さらに排出される廃棄物をそのまま山に投棄していたことが判明した。

 これらの問題から発電所は閉鎖、解体工事が行われる予定であったが、漏れ出したエネルギーによって「レアコイル」や「イオルブ」等の外部のポケモン達が引き寄せられ、元々生息していたポケモン達と激しく争い始めたため、解体工事を強行すれば気が立った野生ポケモン達をより刺激する危険があるとして、工事は中断。現在まで周囲一帯を封鎖し、民間人の立ち入りを厳しく制限している状態が続いている。

 

 誰も居なくなり、残った設備に埃が積もった部屋が幾つも並ぶ発電所。しかしこの発電所だからこそ、姿を見ることが出来るポケモンも居る。

 ガサゴソと部屋の隅をで動く小さな影。それはまるでゴミ袋のような体で、体の端から伸びる小さな腕で何かを漁っている。見た目通りゴミぶくろポケモンの別名を持つこのポケモンは「ヤブクロン」。イッシュ地方やアローラ地方で見られるどくタイプのポケモンで、ゴミを主食としてエネルギーにするという生態を持つ。

 だがこのヤブクロン、良く見ると通常の個体と姿が異なる。体から太い螺子が何本か突き出し、腕は金蔵光沢を発し、時折青色に瞬いている。

 元々、このヤブクロンは、発電所から排出された廃棄物に引き寄せられただけの、至って普通のヤブクロンであった。しかしこの発電所が封鎖された後、残された設備や機器、それらに含まれる電気エネルギーを取り込んだことで、いつしかヤブクロンはその姿を変えた。即ち、リージョンフォームとなったのである。

 

ロォン

 

 R(リージョン)ヤブクロンは錆びた螺子や何かの部品であろうパイプ、怪しげな磁気ディスクを見つけては、口に放り込んでいく。通常種はゴミであれば何でも食べる雑食性であるのに対し、Rヤブクロンは鉄や銅等の金属、壊れた電子機器を好んで食べる傾向にある。特に好物なのはバッテリーだ。

 

ロォ!

 

 ちょうど今、廃棄され錆び付いたバッテリーを見つけ、目を輝かせると大きな口を開いて丸呑みする。そして飴でも舐めるかのように、口をもごもごと動かすが、これはバッテリー内に残った電気エネルギーを搾り取っているのだ。もう何十年も使われていないバッテリーであるが、ここにはでんきタイプのポケモンが集まっている。それらが近くを通る度に、徐々にバッテリーに電気エネルギーが溜め込まれ、それをRヤブクロンは食しているのだ。

 

ロッ……

 

 もう要らないと言わんばかりに、電気が空になったバッテリーを口から吐きだす。だがその表情はどことなく不満気だ。どうやら、先に他のポケモンが食べた後だったのか、このバッテリーにはあまり電気が溜まっていなかったらしい。

 他にバッテリーは無いか辺りを見回すRヤブクロン。そんなヤブクロンをじっと見つめるポケモンが居た。

 

ビリッ!

 

 モンスターボールに似た風貌で知られる「ビリリダマ」。怒りっぽい性格であることに加え、とある特徴から扱いには注意が必要となるポケモンだ。このビリリダマも電気を主食とし、発電所に住み着いたポケモンの一つだ。

 どうやら今、Rヤブクロンが居るのは、このビリリダマの寝床だったらしい。自分の寝床を不躾に荒らされ、ビリリダマの怒りは頂点に達した。

 

ビリィッ!

ロンッ!?

 

 怒りの声と共に叫びながら転がってきたビリリダマ。バッテリーを探すことに夢中になっていたRヤブクロンは反応が遅れ、無防備な背中に強烈な突進を食らい、吹っ飛ばされた衝撃で勢いよく壁にぶつかる。

 

ロォ~……

 

 頭を強く打ったためか、クラクラと眩暈を起こすRヤブクロン。そこへ再びビリリダマが転がっていく。

 

ロッ?

 

 Rヤブクロンがやっと我に返った時には、ビリリダマは目と鼻の先。回避するにしても反撃するにしても遅い。そもそも、何故、目の前にビリリダマが居るのかすらよく理解できていなかったRヤブクロンはただ驚くばかり。だからだろう。ビリリダマにもRヤブクロンにも予想できない展開となったのは。

 

ロ、ンッ……

ビッ!?

 

 何か生暖かいものに包まれ、戸惑いの声を挙げるビリリダマ。あろうことか、Rヤブクロンが大きな口を開いてビリリダマを口で受け止めたのだ。別にRヤブクロンはビリリダマを食べようという意図が有った訳ではない。ただ突然向かってきたビリリダマに驚き口を開いた所に、ビリリダマが突っ込んできた結果がこれである。

 Rヤブクロンは衝突の勢いでビリリダマと壁に挟まれたことからグロッキーとなり、ただ目を回すばかり。対するビリリダマはRヤブクロンの口から抜け出そうとするが、腕の足も無い球体の体では上手く動くことも出来ない。

 互いにどうすることも出来ない状態。そんな時、Rヤブクロンの頭に何かが落ちる。それはビリリダマがぶつかった衝撃で崩れた壁の一部だ。

 

ロッ?

 

 ほんの小さな欠片程度の大きさであり、ダメージにもならないものであったが、それが頭にぶつかったことで意識を取り戻したRヤブクロンは、反射的に口に力を込めてしまった。

 

ビリッ!

 

 ここで話は逸れるが、ビリリダマには特徴的な生態がある。それは衝撃を受けると全身からエネルギーを放出し爆発するという点だ。時に自分の倍以上の大きさを持つポケモンすら倒すほどの威力を持つ上、ちょっとした刺激でも簡単に爆発するため、多くのトレーナーから警戒されている。

 そんなビリリダマが捕食されるかもしれない危機を感じたらどうなるか、火を見るよりも明らかだった。

 一瞬、部屋が閃光に包まれ、そして……

 

ドオオォォンッ!!

 

 部屋どころか発電所全体が揺れたかと思う程の衝撃に、近くで巣を作っていた鳥ポケモン達が一斉に飛び立つ。

 その爆発音の発生源である部屋の惨状は筆舌に尽くしがたいものであった。ガラスは粉々に割れ、机や収納が砕け、壁や天井には罅が入っていた。

 そして倒れ伏すRヤブクロンとビリリダマ。爆発の反動で口から抜け出せたようではあるが、互いに気絶し、目を覚ますのはしばらく後になりそうである。

 そんな二体の傍らには、バッテリーの残骸。外装はへこみ、中から液体が漏れ出し、もう二度とその役割を果たすことは無いだろう。

 このようなちょっとた事故はこの発電所跡地では珍しい事ではない。だがその度に設備は壊れ、建物自体の耐久力も削れている。また今回のように食料となるバッテリーが失われることも少なくない。

 いつか発電所が完全に壊れ、食料(バッテリー)が全て使い物にならなくなった時、ここに住まうポケモン達は新たな食料を求め外へと出ていくことになる。それはそう遠くない未来であることは間違いない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ヤブクロン
ぶんるいゴミぶくろポケモン
タイプどく・でんき
たかさ0.6m
おもさ40.4kg
とくせいバッテリー・ものひろい(ゆうばく)
種族値
HP50
こうげき50
ぼうぎょ62
とくこう40
とくぼう62
すばやさ65
合計329

 

おぼえるわざ
レベルわざ名
1はたく
1でんじは
3リサイクル
6でんきショック
9ドわすれ
12クリアスモッグ
15どくびし
18じゅうでん
21たくわえる
21のみこむ
24とっしん
27ヘドロばくだん
30どくどく
33ほうでん
37いたみわけ
39ダストシュート
42だいばくはつ

 

↓Lv36で進化

 

ダストダス
ぶんるいゴミすてばポケモン
タイプどく・でんき
たかさ1.9m
おもさ140.9kg
とくせいバッテリー・ゴミのよろい(ゆうばく)
種族値
HP80
こうげき100
ぼうぎょ92
とくこう60
とくぼう72
すばやさ70
合計474

 

おぼえるわざ
レベルわざ名
1かみなりパンチ
1はたく
1とっしん
1メタルクロー
1でんじは
1リサイクル
1でんきショック
9ドわすれ
12クリアスモッグ
15どくびし
18じゅうでん
21たくわえる
21のみこむ
24のしかかり
27ヘドロばくだん
30どくどく
33ほうでん
39いたみわけ
43ダストシュート
48だいばくはつ
進化かみなりパンチ

 

 

 

とくせい名効果
ゴミのよろい場のポケモンが持ち物を消費した際、自分のぼうぎょが1段階上がる。

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