「ミノムッチ」という虫ポケモンが居る。このポケモンは周囲にあるものを材料にして蓑を作り、身に纏うという特徴的な生態を持っている。それ故に生息域によって姿が異なり、現在は、自然豊かな森に住まい落ち葉や枯れ枝を用いた「くさきのミノ」、乾燥地帯に生息し砂や小石を用いた「すなちのミノ」、人間の居住域近くに住まい、ガラスや鉄屑を用いた「ゴミのミノ」の三種類が発見されている。またこれらの姿は、進化にも大きく影響を及ぼし、メスのミノムッチが進化した姿である「ミノマダム」は、身に纏うミノによってタイプが、くさ、じめん、はがねに変化するという、他のポケモンに無い特徴を持っている。
月明りが照らす夜の森。そこにミノムッチとよく似た姿のポケモンが居た。木陰に隠れ、風に揺れる黒く細い体はまさにミノムッチそのものである。だが、その身に纏う蓑は、草でも砂でも鉄屑でもない。そのポケモンが身に纏うのは、なんと水の塊だ。
このミノムッチ―実際はミノムッチとはまったく別種のポケモンであるのだが、その姿と生態がミノムッチと非常に似ているため、ここでは水を纏っていることから、便宜上「しずくのミノ」のミノムッチと呼称することとする―は通常のミノムッチと異なり、糸を用いて周囲のものを材料に蓑を作るのではなく、雨水や夜露を自身が分泌する体液と混ぜ合わせた作り出した液体で全身を覆っている。一見すると擬態性や防御性は、他の姿のミノムッチと比べ劣っているようにも思えるが、この液体の塊が光を屈折させることで、遠目からではその姿を視認することは難しい。その上、この液体は糊のように粘着性が高く、一度くっ付くと中々剥がれない。それを知らずに襲ってきた外敵に対しては、この粘液を付着させることで、周囲の枝葉を絡みつかせ身動きを封じるという方法で身を守るのだ。
このような他とは異なる生態を持ったしずくのミノのミノムッチ、その体が少しずつ光を帯び始める。それは進化の予兆。月明りよりも眩く、全身が白い光で包まれ、一瞬辺りがまるで昼のように照らし出される。
―ミィノ!―
そして膨れ上がった光が止み、姿を現したのは、ミノムッチの倍以上の体格を持ち、後頭部からはリボンのように連なった泡を伸ばす、しずくのミノを身に纏ったミノマダムの姿が有った。
進化する前は身を守るための防具という役割しかなかった粘液も、進化したことで体の一部へと変化しており、ミノマダム自身の意志により自在に形状を変化させることが可能となっている。外敵に襲われるとただ防御に徹するだけでなく、粘液を射出し反撃すると言った芸当も可能だ。
だが進化したばかりで感覚がつかめていないのか、あるいは何ができるのか確認するためか、このミノマダムは粘液を形状を変化させては元に戻すといった行動を繰り返す。細長く伸ばして近くの木の枝を掴んだり、全身を波立たせた反動で落ちそうになって慌てたり……。
小一時間試行錯誤をしてやっと粘液を操るコツを掴み満足したミノマダムは、動きを止め月を眺める。今宵は満月。金色に輝く月の美しさにミノマダムはほっと溜息を吐く。しかし、そんな月明りが何かで遮られる。
―ミノ?―
逆光で見えづらいが、その影は大きな羽を羽搏かせながらこちらに近づいてくる。鳥ポケモンだろうか。いや、違う。近づいてくるにつれ、その姿が段々と明らかになる。
それは夜闇に紛れる黒い羽根を持ち、それとは真逆な純白の胴体、頭からは膨らんだ触角が伸びた虫ポケモン。それは嬉しそうにミノマダムに近づいていく。
―メェイ―
そう、このポケモンもまた、しずくのミノのミノムッチが進化した姿の一つであり、ミノマダムとは雌雄の関係にある存在。ミノガポケモン「ガーメイル」―無論、本来のガーメイルとは別種ではあるのだが、こちらもミノムッチに倣い
―ミノォ……―
そのRガーメイルの姿を見た瞬間、ガーメイルはどこか呆けたように鳴き声を溢す。それは一目ぼれをした乙女の様。そしてRガーメイルもまた、ミノマダムに対し嬉しそうに羽を羽搏かせながら近づく。
―メィル―
―ミィノ―
そして近くの枝に止まると、Rガーメイルはミノマダムをじっと見つめる。ミノマダムもまた、それに応えるようにRガーメイルを見つめ返す。どうやらカップルとして成立したようだ。
満月の下、夜が明けるまで二体は仲睦まじく身を寄せ合うのだった。
| ミノムッチ(しずくのミノ) | |
|---|---|
| ぶんるい | みのむしポケモン |
| タイプ | むし |
| たかさ | 0.2m |
| おもさ | 3.4kg |
| とくせい | だっぴ(みずのベール) |
| 種族値 | |
| HP | 40 |
| こうげき | 29 |
| ぼうぎょ | 45 |
| とくこう | 29 |
| とくぼう | 45 |
| すばやさ | 36 |
| 合計 | 224 |
| おぼえるわざ | |
|---|---|
| レベル | わざ名 |
| 1 | まもる |
| 10 | あわ |
| 15 | むしくい |
| 20 | いとをはく |
↓♀がLv20で進化
| ミノマダム(しずくのミノ) | |
|---|---|
| ぶんるい | みのむしポケモン |
| タイプ | むし・みず |
| たかさ | 0.5m |
| おもさ | 6.5kg |
| とくせい | ねんちゃく(すいほう) |
| 種族値 | |
| HP | 60 |
| こうげき | 59 |
| ぼうぎょ | 95 |
| とくこう | 69 |
| とくぼう | 105 |
| すばやさ | 36 |
| 合計 | 424 |
| おぼえるわざ | |
|---|---|
| レベル | わざ名 |
| 1 | ちょうのまい |
| 1 | ふいうち |
| 1 | あわ |
| 1 | まもる |
| 1 | むしくい |
| 10 | まもる |
| 15 | むしくい |
| 20 | いとをはく |
| 23 | ねんりき |
| 26 | バブルこうせん |
| 29 | バブルガード |
| 32 | サイケこうせん |
| 35 | まとわりつく |
| 38 | じたばた |
| 41 | メロメロ |
| 44 | サイコキネシス |
| 47 | ハイドロポンプ |
| 50 | むしのさざめき |
| 進化 | ちょうのまい |
ミノムッチ(しずくのミノ)
↓♂がLv20で進化
| ガーメイル | |
|---|---|
| ぶんるい | もどきポケモン |
| タイプ | むし・あく |
| たかさ | 0.9m |
| おもさ | 23.3kg |
| とくせい | ふみん(いろめがね) |
| 種族値 | |
| HP | 60 |
| こうげき | 84 |
| ぼうぎょ | 50 |
| とくこう | 84 |
| とくぼう | 50 |
| すばやさ | 96 |
| 合計 | 424 |
| おぼえるわざ | |
|---|---|
| レベル | わざ名 |
| 1 | ちょうのまい |
| 1 | はたきおとす |
| 1 | まもる |
| 1 | むしくい |
| 10 | まもる |
| 15 | むしくい |
| 20 | いとをはく |
| 23 | ねんりき |
| 26 | かぜおこし |
| 29 | ねむりごな |
| 32 | つきのひかり |
| 35 | はねやすめ |
| 38 | むしのていこう |
| 41 | エアスラッシュ |
| 44 | サイコキネシス |
| 47 | あくのはどう |
| 50 | むしのさざめき |
| 進化 | ちょうのまい |
| わざ名 | タイプ | 分類 | 威力 | 命中率 | PP | 範囲 | 優先度 | 直接攻撃 | 効果 |
| バブルガード | みず | 変化 | - | - | 10 | 自分 | 0 | × | 自分のとくぼうを3段階上げる。 |
初の分岐進化ポケモン。
モチーフは「アワフキムシ」。
なお、アワフキムシは蛾ですらありませんが、ポケモン世界なので気にしない方向で……。