第伍訓 友人が何かやらかしたら他人のフリをしとけ
1
私達はその日を境によくお茶する様になった。銀時は糖尿病寸前らしく、甘いものは週一でしか食べれないらしい。まぁ昔っからいちご大福やら団子やらを沢山食べていたから納得だ。
今目の前にはチョコレートパフェとブラックコーヒーが机に並べられている。因みにチョコレートパフェが、銀時でブラックコーヒーが私だ。銀時は幸せそうな顔でパフェを食べている。私は其の様子に苦笑いをしてコーヒーを口に運ぶ。
「でもよくそんな甘い物を食べれるよね。子供舌っていうか何というか。」
「お前だって普段アイス食べんだろ。」
「アイスとパフェは違いますぅ。」
「同じですぅ。」
そんな軽口を叩きながら談笑をする。こんな風に会話したのはいつぶりだろうか。懐かしさに頬を綻ばせていると「何にやけてんだ気持ち悪りぃ。」と言っていたので机の下で足を蹴ってやった。
「にしてもペットお断りだなんて。時代遅れもいいところだね。猫も連れてきたかった。」
「いや時代遅れって。大体の飲食店そうだからね猫さん。お前未来から来た猫型ロボットか。」
「宇宙から来た猫型エイリアンなら後ろに居るけどね。」
そう言い視線だけ後ろにやると、二足歩行の虎が服を着て煙草を吸いながら大声で談笑をしていた。彼らは所謂
「まったく、獣人もいいならペットもいいでしょ。何が違うの?ただ言葉を喋れるか否かの問題じゃん。」
「いや猫さん。色々違うから。もう喋れるって事自体違うから。叶姉妹と阿佐ヶ谷姉妹くらい違うから。」
「其の二人も四捨五入したら同じでしょう?ただ胸がでかいか、不細工か美人かかの違いじゃない。」
「バカヤロー!全然ちげーから!男にとっては其処が重要なんだよ!男の理想舐めんな!」
「お前こそ女舐めんな。」
私達がそんな下らない論争を繰り広げていると、レジの所から男の人の怒鳴り声が聞こえた。振り向いていると、禿げたおじさんがメガネの青年に声を荒げている。恐らく青年が新入りで禿げたおじさんが教えているのだろう。然し其の教え方というのがとても気分のいいものじゃ無かった。
「だからバカ!おめっ…!違っ…!そこじゃねーよ‼︎そこだよそこ‼︎おめっ今時レジ打ちなんてチンパンジーでも出来るよ‼︎オメー人間じゃん!一年も勤めてんじゃん!何で出来ねーんだよ!」
いや、多分貴方の教え方がなっていないからかと。というか客の前で店員を怒鳴り散らすなんて常識が無さすぎる。
銀時は相も変わらずパフェを食べてるし、私は正直気分が悪かった。仕舞いには其の青年を殴り飛ばす始末。我慢の限界が来た私は遂に店員に話しかけてしまった。
「あの、すみません。少し宜しいでしょうか?」
「あぁすみませんね。此のガキが御迷惑を……。」
銀時は「馬鹿!」という顔をしているが私は止まることが出来なかった。否、しなかった。
「いえ、迷惑だと思っているのは貴方にです。先程から聞いていれば気分の悪い発言ばかり。貴方がそんなだから此の青年もいつまで経っても成長しないんじゃありませんか?」
私がそう言うと、先程の偉そうな態度は一変し、顔を真っ赤にして怒り出した。
「私に落ち度なんてありません!此のガキが物覚えが悪いんです!」
私は其の言葉に唖然した。なんて大人だこいつ。私がポカンとしていると、次は後ろの天人達が嘲笑うかの様に声をかけた。
「オイオイその辺にしておけ店長。おい少年。レジはいいから牛乳頼む。」
少年は「あ…ヘイただいま。」と気のない返事をする。そして牛乳を注いで持っていくと、あろう事か天人達は其の少年に足を掛け少年は盛大に転んでしまった。それは不幸な事に銀時が食べていたチョコレートパフェにぶつかりまるまる中身が溢れてしまっている。
私は其の行動に沸々と怒りが湧いてきた。少年を嘲笑う天人、暴力を振るう店長。それを遠巻きでクスクス笑う客達。
「おい。」
私が拳を握り締め振りかぶろうとすると、ずっと見ていた銀時が其の店長に喋り掛けた。
急に何だ?と疑問に思う前に店長は吹き飛んでいった。
殴ったのだ。銀時が。店長を。
一気に店内が騒然とし、少年もあんぐりと口を開けている。
「ギャーギャーギャーギャーやかましいんだよ発情期ですかコノヤロー。見ろコレ…てめーらが騒ぐもんだから俺のチョコレートパフェが、お前コレ……。」
——まるまるこぼれちゃったじゃねーか‼︎
そっちぃぃぃぃぃぃ⁉︎
え?今の殴られた少年が哀れでそれを助ける流れだったじゃん!何で私利私欲の為に怒ってんの⁉︎
私が戸惑ってるのはつゆ知らず、銀時はその天人にも木刀を振りかぶった。
「俺ァなァ‼︎医者に血糖値高すぎって言われて……パフェなんて週一でしか食えねーんだぞ‼︎」
私は我を取り戻して「ストップ!」と声を掛けた。然し時既に遅し。三匹の天人は血を流して倒れ込み動く気配が無い。そして銀時は出入り口の方に歩いて行き、此方を一瞥したら、「店長に言っとけ。味は良かったぜ。」と言い立ち去った。側から見ればイケメンな立ち去り方だったが、私から言わせてしまえば何先に帰ってんだとしか言えない。此処の料金もしかして私が全て払う事になるんじゃないかな。いや他人のふりしとこう。きっとバレやしない。
「あっ‼︎いたいた‼︎お前か、木刀振り回して暴れてる侍は‼︎」
客の誰かが通報したのだろう。二人の役人が走って此方にやってくる。そして何を思ったか、青年を犯人と決めつけ「署まで来い!と言う始末。
「だから僕は違いますって‼︎犯人はもうとっくに逃げたの‼︎」
「ハイハイ犯人はみんなそう言うの。」
役人は聞く耳を持たず、青年の腕を掴む。何でそうも青年を犯人にしたがるのか疑問に思っていると、ふと青年の腰の帯を見て俄然といった。
あの馬鹿。何やってんだ。
「言い訳は凶器隠して言いなさいよ。よし、じゃあ調書とるから署まで来て。」
そう、少年の帯には血が滴っている洞爺湖と書かれた 木刀がぶら下がっていたのだ。
「アレ?」
それは正しく銀時の木刀だった。
「あれェェェェ⁉︎」
2
「あーあ。行っちゃった。」
私は何とか役人に青年の無実を証明して、青年の逮捕は免れたが、その直後に木刀を持ちすごい速さで青年は駆けて行った。
これからどうしよう。銀時は先に帰っちゃったし、私もお登勢さんの所に戻ろうかな。猫預けたままだし。
そう思い、私はスナックお登勢に足を運んだ。然し其れは無駄足だと言う事に気づくには少し遅かったのだ。
「え?戻って来てない?」
「あぁそうだよ。まったく、何処ほっつき歩いているのやら。」
若しかしたらパチンコにでも行っているのかもと思ったが流石に其れは無いだろう。彼奴にそんなお金が有るわけが無いし。さっきだって私にたかろうとしていたし。
私はノアを回収し、お登勢さんにお礼を言い店の外に出た。そして二度目の途方に暮れてしまったのだ。
本当に如何しよう。そう思っていると、携帯に一本の電話が入った。液晶を見てみると、『銀時』と言う文字が書かれていた。
「もしもし、あんた今何処に居るの?」
「紅葉、今からいう所に十分以内に来てくれ。緊急事態だ。」
緊急事態?如何いう事だ?
私がそう聞く前に電話は切れてしまった。取り敢えず私は指定された場所に向かった。まったく、この数分で行動範囲がだいぶ広がってしまったな。それもこれも全部銀時の所為だ。今度アイス奢ってもらおう。
向かった先は恒道館道場という所だった。其処にはスクーターに跨った銀時と、先程の青年が立っていた。
正に準備万端といった所だ。
「ぃよし!乗れ!」
「乗れるかぁぁぁ‼︎」
私はそう叫びスクーターを蹴飛ばした。銀時と青年は其の儘ひっくり返り地べたに転がっていった。
「そのスクーター二人乗りだよね!何処に乗るスペースがあるの⁉︎つーか何処に行く気だよ!」
「大丈夫一人も二人も変わんねーよ!お前小せぇんだから警察も気付かねぇって。実際お前よく見ると角砂糖一個分くらいのサイズじゃん。」
「何処の借りぐらしだ!」
銀時はそう言いながらスクーターを立て直し再度「ぃよし!乗れ!」と振り出しに戻った。私がまた蹴飛ばそうとすると「ちょっと待ってください!」と青年が遮った。
「お願いです!力を貸してください!」
「……此の数分の間に何があったの?」
私がそう聞くと、青年は淡々と話し始めた。
3
「へー。じゃあ早く行かないと君のお姉さん……つまりはお妙ちゃんがノーパンになってしまうと。」
「そうです。ノーパンしゃぶしゃぶ天国なんてきっと碌な物じゃありませんよ。」
「うんきっとも何も明らかに碌な物じゃ無いね。こいつらも君の脳みそも。」
私達は青年……志村新八の話を聞きながらスクーターを走らせていた。因みに私は新八君の後ろに立って乗っている形になる。今にも落ちそう。
新八君曰く、借金を残して亡くなった父親の代わりにお妙ちゃんって新八君が返済をしていたが、それが払えず、道場と引き換えにこんないかがわしい……ノーパンしゃぶしゃぶ天国とやらで働く事になったそう。
「因みに其のお妙ちゃんはいくつなの?」
「確か十八です。」
「へぇ、其れは穏やかじゃ無いねぇ。」
スクーターのエンジン音に混じって私はそう呟く。そして新八君から借りたチラシを見てみると、出航からあと五分を切っていた。間に合うかな。そして書いてある概要……。
「『絶景の夕陽を見ながら天国へ。』何じゃそりゃ。」
「やばい!もう船が出ます!もっとスピード出ないんですか‼︎」
「いや、こないだスピード違反で罰金とられたばっかだから。」
「んな事言ってる場合じゃないんですって‼︎あねうえがいいノーパンの危機なんスよ‼︎」
「ノーパンぐらいでやかましーんだよ‼︎世の中にはなァ新聞紙をパンツと呼んで暮らす侍もいんだよ!」
「いや、それは侍じゃなくて多分ホームレス。」
私達が騒いでいると、それに気付いたのか、航空パトカーが此方に近づいて来る。
「其処のノーヘル止まれコノヤロー。道路交通法違反だコノヤロー。」
そう言い真横で並走すると助手席から顔をだし此方に話しかけた。然し其の注意も虚しく、頭が空っぽな銀時には一切響かなかったのだ。
「大丈夫ですぅ頭かたいから。」
「そーゆー問題じゃねーんだよ‼︎規則だよ規則‼︎」
「うるせーなかてーって言ってんだろ。」
そう言い銀時は其の役人に頭突きをかました。ちょうど鼻にヒットしたようで、いい年して鼻血を出して喚いている。
「あ、やべ。」
上を見てみると、チラシに書いてたような船が漂っている。恐らく間に合わなかったのだろう。此の儘じゃ助ける事など不可能だ。何か手は無いか……。
………あそうだ。
私は後ろを向き其のパトカーに飛び乗り、ボンネットに着地した。
「紅葉さん!」
「テメェ如何いうつもりだ!」
新八君と銀時が何が起こったか分からず戸惑っている。同様に其の運転手も戸惑った。
「ごめん運転手さん!借りるよ!」
私はそう言い運転手を窓から無理やり出し運転席に乗る。ついでに助手席に乗っていた人も蹴飛ばした。ふむ、運転は普通の車と大差無いのか。これは安心だ。
「銀時!新八君!乗って!」
「強盗じゃねーか‼︎」
「違いますぅ。借りるって言いましたぁ。ほら早く乗って。お姉ちゃん、助けに行くんでしょ。」
「!はい!」
新八君と銀時が車に乗ると私はアクセルを全力で踏み物凄いスピードで車を走らせる。スピード違反など言ってられない。
「というか何処から入るんですか?其の儘入り口に行っても追い返されますよ。」
「突っ込む。」
「え?」
相手は犯罪者だ。正攻法のやり方では太刀打ち出来ない。目には目を歯には歯を。そして犯罪者には犯罪者を。生憎私はテロリスト歴十年のベテランだ。まぁテロリストにベテランなど何言ってんだって感じだが。
徐々に船へと車が近づき、そのスピードのまま船に突っ込む。車体はボロボロになり見る影もない。如何言い訳しようか考えていると、社長らしき人が「警察がきよった!」と叫んでいるのが聞こえた。
「安心しなァ。コイツはただのレンタカーだ。」
——どーも万事屋でーす。
私達は車から降りてその少女、お妙ちゃんのところに向かう。成る程。これは別嬪さんだ。
「姉上ェ‼︎まだパンツははいてますか‼︎」
姉上と呼ばれた彼女は「新ちゃん‼︎」と何故ここにいるのか分からない様子だった。
「おどれら何晒してくれとんじゃー‼︎」
社長らしき男が憤慨している。私は其の大声が耳障りで顔を顰めてしまった。
そして其の男は「こんな真似晒して道場タダですまんで‼︎」と喚いているが、新八君は真っ直ぐな瞳で、迷う事なく「道場なんて知ったこっちゃないね。」と言い切った。
「俺は姉上がいつも笑っている道場が好きなんだ。姉上の泣き顔見るくらいならあんな道場いらない。」
そう、彼は言った。自分の家が無くなろうと、生活が苦しくなろうと、たった一人の、世界で一人の家族の笑顔を守る。それが志村新八なのだろう。
「ボケがァァ‼︎たっ三人で何出来るゆーねん‼︎いてもうたらァ‼︎」
気がつくとあたりは敵に囲まれており、逃げ場なんてあってないような物だった。
然し、勝機が無いわけじゃない。
「オイ、俺が引きつけといてやるからてめーは脱出ポットでも探して逃げろ。」
「あんたは⁉︎」
「てめーは姉ちゃんを護ることだけ考えろや。俺は俺の護りてェもん護る。」
そう言い銀時は敵に向かう。
「銀時。」
私が呼びかけると、銀時は此方を向いた。其の表情は、昔の頼りない表情ではなく、覚悟を決めた、曇りなき顔だった。
「紅葉、コイツらを頼む。」
「いいよ。やっといで。ただし危険になったら直ぐに私のところに来ること。」
「わーってる。」
銀時は即座に敵の方に突っ込み、「はイイイイ次ィィィ‼︎」と吹っ飛ばしていった。
私は二人を連れて走り出す。大丈夫。銀時なら。
「あの、いいんですかあの人…いくらなんでも多すぎよ敵が!なんで貴方達はここまで私達の事を…。」
「彼奴は知らないけど私は其処の新八君に頼まれたんだよ。」
私はお妙ちゃんの問いに応える。それ以外に特には理由が無いのだ。
「それに心配しないで。彼奴は必ず戻ってくる。そう約束したからね。」
そう言うと、後ろから「あああああ‼︎」と言う叫び声が聞こえてきた。
銀時だった。
銀時は敵を複数連れて此方に走ってくる。
「ホントに戻ってきた!キツかったんだ‼︎思ったよりキツかったんだ‼︎」
「もうちょっと頑張ってよ‼︎こんなんで戻ってくるなよ‼︎」
「テメェ!さっきと言ってる事が違ェじゃねーかァァ!」
「限度があるわ!」
私はそう言い足を反対方向に向かわせ敵に挑む。私はベルトに嵌めてた小刀を取り出し敵を切った。
相手は雑魚。一人一人の力はそうでも無いが数が多い……てあれ?此のシチュエーションデジャブだな。
そしてある部屋に入ると何かしらの機械が連なった物が沢山あった。
「んだココ⁉︎動力室⁉︎」
「いきどまりや。」
男はそう言い此方に銃口を向けてきた。袋の鼠って訳か。
「哀れやの〜。昔は国を守護する剣だった侍が、今では娘っ子一人護ることもでけへん
そう言うと、敵は不敵な笑みを浮かべた。
其の言葉には心底腹が立った。
彼らの苦しみを知らないくせに。
彼らの犠牲を知らないくせに。
然し、其の言葉に踊らされる訳でも無く、苛立つ訳でも無く、銀時は淡々と喋り出した。
「国だ空だァ?くれてやるよんなもん。こちとら目の前のもん護るのに手一杯だ。それでさえ護りきれずによォ、今まで幾つ取り零してきたかしれねェ。俺にはもうなんもねーがよォせめて目の前で落ちるものがあるなら拾ってやりてェのさ。」
其の言葉に少し胸が締め付けられる。
救えなかった命。
掬えなかった人々。
銀時はそれすらも抱えて生きていこうとしている。
目を逸らさずに。
男は如何でも良さそうに此方に発砲しようとするが、それを部下に取り押さえられていた。
なんでも後ろのでかい球体が此の船の心臓らしい。いい事聞いちゃった。
「銀時ぃ。あそこに上りな。」
「いいけどよ、落ちたら如何すんだ?」
「大丈夫大丈夫。」
——私がみんな助けるから。
私は銀時を上へ放り投げた。
銀時も乗り気なようでニシシと笑っている。
「客の大事なもんは俺の大事なもんでもある。そいつを護る為なら俺ぁなんでもやるぜ‼︎」
銀時はそう叫び原動機を木刀で破壊する。そうして私達は地上へ落ちていったのだ。
3
幸い落ちたのは海だったので、転落死は免れた。尚銀時は泳げないし、お妙ちゃんは着飾った着物を着ているので、私と新八君で担いで港まで泳いだのだ。其のせいで服もびちゃびちゃ。猫もブルブルと体を振り水を飛ばしている。
「ホント、よく思いつくわ。したが街だったら如何すんだよ。」
「街だったら場合また別な手を考えたさ。」
通報できた役人達からようやく解放され、私達は二人で海を眺める。其の海は夕焼けに照らされまるで宝石の様に輝いている。
「ありがとな。助けてくれて。」
「私は何もしてないよ。銀時が頑張っただけじゃん。」
私はそう言い「頑張ったねぇ。」と銀時の頭を撫でた。銀時は「ヤメロ」と言っていたが、手も払い除けないし、満更ではなさそう。
「にしてもお前もよくあのガキどもの為にあそこまで出来たな。」
「そう?当然じゃない?子供に助けてと言われたら助けない訳にはいかないでしょう?子供はねぇ、大人が護るべきだよ。」
大人としてそうありたい。人間としてそう生きたい。私はそう思う。
「さて、そろそろ帰るかね。銀時、送ってってよ。スクーターで。」
「しゃーねーな。」
私はスクーターの後ろに座り、銀時に身を預ける。
風を感じながら、先程海の衝撃で怪我をした頭の傷が、ヒリヒリと沁みるのがわかる。三人分の体重を支えるのは無理が言ったか。
まぁあの子達も銀時も無傷だったしよしとするか。
その後、新八君が万事屋で働く事になった事を私はまだ知る由もなかったのである。