#0 「貴女には生きていて欲しい。」
全てが真っ白、何処までも果てしなく。
歩いてみたり走ってみたりしたが何処までも白い。
上を見ても下を見ても前後左右変わらない景色。
「ここは……何処…?」
ついさっき死んだはずの私はこの白い世界にてそう呟いた。
♢
零章【慈悲転生篇】
《この世に絶望した者の転生》
♢
時をさかのぼる事数時間前、
数時間と言っているが私の感覚でしかないので実際には数日、いや数週間、はたまた数年間経っているのかもしれない。
その日は何をしていた訳でもなく、
久しぶりの外をぼーっと眺めて過ごしていた。
久しぶり、とあるがいつから出ていないと聞かれると自覚している範囲内であれば11年間、でも恐らく15年間。
下手するとこの世に生を受けて一度も外へ出た事がないかもしれない。
でもまぁ話はどうでもいいだろう。
私は
そして私はおおそよ15年ぶりの外を歩いていると目の前に黒猫を横切った。
「あっ…猫……」
ところで目の前を黒猫が横切ると不幸になる。という話を聞いた事はあるだろうか。
昔、黒猫は魔女の使いとされていたり不吉の象徴なととされていた為にこう言われていた。
これは当然迷信なのだが今はその迷信をふと思い出す。
そしてその猫はそのままの勢いで道路に走っていく。
そう、車が行き交っている道路へ。
タイミングは最悪、ドストライク死への直行ルート。
しかもその運転手は運悪く居眠りしているのがこちらから確認できた。
(危なっ……!)
そう思うのと飛び出すのはほぼ同タイミング。
人をも葬り去るのに容易いスピードで車が来ているとは頭では理解していたが足を止められなかった。
直ぐ息切れがする。
「そりゃ人生ずっと引きこもってたらそうなりますね。」
足がもつれこけそうになる。
「運動神経以前の問題です。」
何か声が聞こえる。
「聞こえるんですか。まぁもうすぐ○○ますもんね。」
何と言ったのか一部聞き取れなかったが走り続ける。
人によってはこう言うだろう。
『たかが猫の為に死ぬだなんて』
そうとも頭では理解していたが足を止められない。
分かってて飛び出すなど最早自殺。
そして私は物の見事に間に合ったが
グチャッ
骨が軋み、折れ、肉が潰れる音を伴奏にし、
野次馬の甲高い
大きく真っ赤な華を咲き、
黒猫が無事に走り去るのを見届けると共に
肉の塊と成り下がった私が残った。
♢
そうして私は死んだはずだ。
はず。
なのにこの空間にいる。
この空間内を走り回ったから息切れがする。
ほっぺをつねると普通に痛い。
でもまぁここまで病的に真っ白だと死後の世界とも思えてくる。
となるとここは地獄なのだろうか、こんな地獄は存在するのだろうか。
永遠に同じ景色、空間に閉じ込め続ける。
そういう地獄かもしれないが何一つ分からない。
「何なの…ここ……」
「ここは生死の境界ですよ。」
生死の境界?
生と死にそんな曖昧なものがあるのだろうか。
「ってだれ…?」
「私は神です。」
カミ?神というと…あの神だろうか?
「そうです。現に死ぬ直前に話しかけたじゃないですか。」
この神となのる女の声に聞き覚えがあると思ったらそういう事らしい。
それに心を読んでいる事も考えると神と考えるのが正解かもしれない。
「さて、本題に入るますが
貴女、死にましたよね?」
「………ええ、多分」
「それはね、神、つまり私の責任なのですよ。」
「……というと?」
「本来死ぬはずでは無かった貴女は現に今こうして死んでいる。
それは私の魂の管理の不行き届きが原因なの。」
『魂の管理の不行き届き』
別段それに対して何も怒ったり悲しんだりもしない。
寧ろありがたいくらいだったりもする。
「それで…どうするのですか……?」
これがテンプレートなら転生。
はたまたそのまま死後の世界行き、最悪この神の部下になるだろう。
「転生させてあげれます。」
やっぱりか、でも私は魂の管理の不行き届きに感謝していた。
「断ります…」
きっぱり、そう神に伝える。
そうしたら神は驚いたような顔で質問する。
「どうして?」
私はあの日、生に対しての拘りは全くと言っていいほど無くなった。
先程言った通りその神のミスには感謝している。
それになによりあの瞬間、死のうとしていた面も大きい。
黒猫が助かったのならそれは良かったと思う。
心読みができる神ならこの思考も読んでいる事だろう。
「言い方を変えます。
転生させてあげれるじゃなく、転生してもらいます。」
「……話は聞いてました?」
「神は悩めるものに手を差し伸べる義務があります。
そして貴女もその一人です。」
そして神はんー…転生先はラノベにしましょうと。などと言っている。
待て、このままだと私は本当に転生してしまう。
「そ、そんな無茶苦茶が……」
「通じるのですよ。」
そうして神のその言葉を聞くやいなや私の意識は段々薄れていく。
そして視界がフィードアウトしていく途中、転生はもう決定事項なのだと悟り、何のラノベに転生するのかと考えていた。
♢
「さてと…転生先はインフィニット・ストラトスの世界にしましょう。
でもまぁ幻想郷が存在するんですけどねぇ…
まぁいいでしょう。
まぁ取り敢えずあの作品の人達なら彼の子を変える事は出来るでしょうからね。
…いえ、変えてもらわないと困りますよ。本当にね」
そう、神は不敵に笑いながら呟き、転生の術式であろう魔方陣を展開した。
そしてその呟きは誰にも聞かれる事はないのだろう。
神「リメイク版なので転生旅行と展開が似てるとこもありますが、なるべく変えていきたいのでよろしくお願いします。
そして、感想をくれると嬉しいです。」ちらっちらっ