決戦!葦名城!   作:ポン酢おじや

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重要な選択

「いい加減にしろ雅孝」

 

弦一郎の言葉に顔を赤くした鬼刑部は酒瓶を侍達に渡して彼の後ろに立った。

 

「.....」

「弦一郎、話を続けよ」

 

弦一郎は酒臭い鬼刑部の息に不安を抱きつつも、紫に話を続ける。

 

「我々の目的は葦名の黄泉帰り。しかしただ帰っても強大な内府が待ち受けている。その為まずは葦名に帰る手段として八雲紫の能力を。そして内府対抗の為、幻想郷に住む強力な妖怪共をぶつける」

「.....」

「戦は始めたが、それは我らの力を示すと同時に貴様を説得する為。貴様が降伏せぬならば幻想郷全土で戦を仕掛け、無論人里も今度こそ落とす」

 

紫は盃を持って酒を飲み干すと、ゆっくりと息を吐いた。

 

「...なぁるほど。確かに私ならば葦名とやらに貴方達を帰すことは可能ですわ。幻想郷の妖怪達ならばどんなに強大だろうと敵はいません。それに大切な幻想郷が戦により混沌に落ちるなんて私も嫌ですわねぇ」

「.....」

「ですが。お断りさせていただきます」

 

弦一郎はその言葉を聞いて、紫を睨んだ。

 

「...戦が望みか」

「貴方は私達と戦をし、既に被害が出ています。幻想郷の管理者の一人としてこのままはい降伏とはいきませんわ」

「.....」

「貴方の思惑通り私が動くとでも?出直してきなさいな、青二才」

「...そうか。穏便に済めばと思うたが...」

「幻想郷が崩壊すれば私も死ぬ時よ...調査不足でしたわね」

「...戦場で」

「ええ、またお会いしましょう」

 

紫は立ち上がると、弦一郎も立ち上がり侍達達は垂れ幕を上げて彼女を陣から出す。

 

「紫、戦が始まるな」

「そうね。早く準備しなくちゃ」

 

二人は大手門広場から出ていき、葦名城から脱出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人里 稗田家

 

霊夢、魔理沙、慧音は人里でも一番巨大な屋敷を持つ稗田阿求が住む稗田家で紫の帰りを待っており、彼女がスキマを使って帰るとすぐに会議が始まった。

 

そして紫は葦名家の目的、手段を彼女達に伝える。

 

「葦名の復活ねぇ...そんな理由で私達攻められたの?」

「彼らからすれば十分な理由なんでしょ」

「紫の能力と妖怪達が狙い...なんか計画が雑過ぎない?戦争おっ始めた理由が紫の説得なら普通に話せばいいじゃない。そんな事すれば逆に怒ることくらい予想つかなかったのかしら」

「ええ...穴だらけと言ってもいいわね」

「余程作戦立てるの苦手なようね。その総大将とやらは」

「話した印象ではそんな雰囲気はなかったけれども...」

「とにかく決裂したんだからこれからのこと考えないと」

 

すると紫はスキマを開き、中から地図が描かれた紙を取り出して霊夢達に見せる。

 

「決裂はしたけれど、それは勝てる見込みを見つけたからよ」

 

すると魔理沙が地図を興味深く見つめ、残る二人も地図を見た。

 

「これ...城の地図じゃない!」

「あそこでは能力は淀み...あぁ、彼らは歪みと呼んでいたわね。その歪みでは能力が制限されるのだけど...ならそこに私の式神を入れたらどうなると思ってね」

「藍のこと?」

「ええ、葦名城に近づいたら式神が解けて九尾の狐に戻っちゃったの」

「へぇ、式神化も能力に含まれるのね」

「九尾の狐の藍は元々知能も高く、自我も残ってたし、変化も出来たからいっそ狐になってもらって忍び込んでもらおうと思ってね」

「それで地図が出来たと」 

「ええ。時々食料と見なされて食われそうになったらしいけど」

「藍もやるじゃない」

 

紫は地図を使って三人に説明し始める。

 

「私達はこの大手門の広場で会談を行ったわ。正直ここまでなら侵入は簡単ね」

「それでその先は」

「大手門を越えた先は外からも見えた本城よ。建物が密集しててまるで迷路。それに高く狭間も多い」

「飛べない今の私達にとってはキツイわね」

「けど藍の調査によってこの城の弱点に気づけたわ」

「弱点?」

 

すると紫は建物の屋根の部分を指し示す。

 

「屋根よ」

「屋根って...どういうことよ」

「本城付近の建物の屋根を伝って行けば、簡単に本城に辿り着けるのよこの城...いや、外の世界のどの城も同じよね」

「伝っていけばって簡単に言うけどね...」

「つまり大まかな作戦はこうよ。まず少人数でこの城に忍込み、大将倒して指揮系統を滅茶苦茶にして、敵を混乱させてから大人数で攻め込むの。いきなり軍勢集めて攻めても被害が大きくなり、結果的に勝っても幻想郷のバランスに影響が出てしまうわ。勝つなら被害は最小限よ」

「その少人数ってのは誰にするの」

「そうね。霊夢、魔理沙、十六夜咲夜が妥当でしょう」

「咲夜も?また協力してくれるのかしら」

「紅魔館は協力を惜しまないと確約してくれたわ。咲夜も同意済」

「あの巨大な城に三人だけ...」

「人数については一人当てがあるわ。それに鈴仙にも声をかけて...」

「妹紅にも声をかけてみよう。彼女なら参加してくれる筈だ」

「それでも六人だぜ?」

 

すると魔理沙は冷や汗を垂らし、紫に確認する。

 

「も、勿論能力制限されちまうんだよな?」

「当然ね」

「おいおい...それ私役に立つか?」

「実は魔理沙にはお願いがあってね」

「お願い?」

「ええ」

 

紫は葦名城の地図にある、水手曲輪と書かれた場所を指差す。

 

「あいつらが使う歪みという敵の能力を制限させる謎の術。それが強く発せられてる場所があるの」

「発せられてる?どういうことだぜ」

「水手曲輪を越えた先には月見櫓という塔のような場所があるのだけれども、警備が多く藍も中までは見れなかったらしいわ。そして私が葦名城に入った時、水手曲輪の方角から強い力を感じたの」 

「ほほう」

「もしかしたらそこに歪みに関する情報が眠ってるかもしれないわ。解除する方法とか...歪みの原因とか」

「もし歪みを何とかすれば私も魔法が使えるようになるな」

「というか状況が一変するわ。そうなれば勝利確定よ」

「けど獣一匹侵入できない位だと忍び込むの難しいぜ?」

「近接戦が得意な咲夜と共にいきなさいな。それに侵入メンバーの中でこういう力や魔法の類いの解読に一番詳しいのは貴方よ。」

「ま、まぁ確かに何度かこういう技術解読の研究したことはあるが」

 

すると会議中に稗田家当主の稗田阿求が部屋に入ってくる。

 

「お話中すみません。慧音さんか紫さんのどちらかにお見せしたいものが」

「私はまだ作戦考えてるから慧音、行ってきて頂戴」

「わかった」

 

慧音と阿求が部屋を出ると、紫は作戦会議を続行する。




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