決戦!葦名城!   作:ポン酢おじや

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月見櫓

咲夜は梟の攻撃は受けず、避けに専念して反撃の機会を待つ。

 

しかし彼は手裏剣や爆竹等を扱い反撃の隙を見せず、さらに大太刀の巧みな扱いに避けるのもキツくなってきていた。

 

「はぁ...はぁ...厄介ね」

 

咲夜は足技とナイフを組み合わせた連撃を仕掛けるも、梟は大太刀で弾いて背撃を仕掛けて大きく薙ぎ払う。

 

防御した咲夜のナイフの刃が折れるが、彼女は折れた刃を蹴って彼の肩に突き刺した。

 

「むぅ...!」

 

しかし梟は後ろに跳躍して空中にいる瞬間手裏剣を投げ、その一つが咲夜の腹に突き刺さる。

 

「いった...!」

 

咲夜はすぐに手裏剣を抜いて、梟に投げ返した。

 

しかし彼は手裏剣を避けると、大太刀を両手で握りしめて突撃と同時に横に振るう。

 

咲夜は屈んで避けると、両手にナイフを握り素早い攻撃で彼の背中を斬りつける。

 

「むっ...」

 

梟は咲夜が自分の速度に追いついてきていることに気づき、懐から毒煙玉を取り出し彼女の前に投げた。

 

しかし咲夜は直ぐ様距離を取ってナイフを六本同時に投げた。

 

「!」

 

梟は跳躍してナイフを避けると、爆竹を咲夜の上空にばら撒き爆発させる。

 

「きゃっ!」

 

咲夜は思わず手で顔を覆うと、梟は兜割りと同時に爆竹の炎を大太刀に纏い振り下ろした。

 

彼女は直ぐ様回し蹴りで大太刀の鍔を蹴って軌道をずらし、刃が地面に埋まると同時にナイフで脇を刺した。

 

「ぐおっ!」

 

流石の梟も脇にナイフを刺されては表情にも苦悶が現れ、すぐに距離を取って刺さったナイフを抜いた。

 

「ぬぅ...見事な女よ。ここまで儂を相手に戦うとは」

「紅魔館のメイド長を舐めるんじゃないわよ」

「殺すには惜しい...が、葦名の黄泉帰りの為、殺す他ない」

「ならさっさとかかってきなさい。無駄な時間は嫌いなの」

 

咲夜はナイフを取り出して構えると、近くの地面に魔理沙が倒れてきた。

 

「ちょっと魔理沙、邪魔しないでよ」

「あ、あの婆さん強すぎるんだぜ...もう魔法瓶なくなってきてるんだよぉ!」

「だからって私にどうしろってのよ」

「...なぁ、咲夜」

「何よ」

「賭けに出てみないか」

「賭け?」

 

すると魔理沙は立ち上がり、咲夜の耳元で敵に聞かれぬよう小言で話し始める。

 

 

 

 

 

 

「.....それ本気?」

「このままじゃ私達に勝ち目はないぜ」

「賭けに負けたら問答無用で私死ぬわよ」

「そん時は私も一緒に死んでやるぜ」

「.....」

「どうする?」

「あー、もう。わかったわよ。好きになさい」

「さっすがメイド長」

「あんたも我慢しなさいよ」

「おうよ。全く散々な一日だぜ」

 

咲夜はナイフを構えると近づいてくるお蝶と梟目掛けて投げて二人を足止めすると、魔理沙は魔法瓶を地面に投げる。

 

魔法瓶からは煙が一気に吹き出し四人を包み込んだ。

 

「ぬぅ...」

「梟、惑わされるな」

「わかっておる」

 

梟は手裏剣を五つ取り出し二人の所に投げ、お蝶は幻影兵を二人に襲わせる。

 

煙が晴れると二人の姿は無く、梟とお蝶は上を見る。

上空では咲夜は魔理沙を掴んで、なんとお蝶目掛けて投げ飛ばしたのだ。

 

「行け!」

「おう!」

 

魔理沙はお蝶に突撃するが、彼女は顔面に蹴りを入れて吹き飛ばした。

 

「がはっ!!」

「何をするかと思えば...この程度か」

 

お蝶は近づいてとどめを刺そうとするが、その瞬間魔理沙は隠し持っていた瓶を彼女にぶつける。

 

「っ!」

 

そしていつのまにか後ろにいた咲夜がナイフを大きく振り上げお蝶に斬りかかり、魔理沙から遠ざけた。

 

「おのれ...」

 

しかし梟がそれを黙って見ているわけもなく、お蝶と斬り合っていた咲夜を背中から一刀両断する。

 

「!」

 

しかし斬ったはずの咲夜からは血を吹き出すこともなく、煙となって消えていった。

 

「まぼろしか...!」

「!梟、後ろだ!」

 

お蝶の言葉に梟は後ろを振り向くと、なんと今眼前に倒れている魔理沙とは別の魔理沙が月見櫓へと全力疾走していたのだ。

 

「何...!?おのれ謀ったか...!」

「作戦成功!このまま月見櫓調べて歪みを消してやるぜ!」

 

梟は手裏剣を投げて魔理沙を止めようとするが、その瞬間倒れていた魔理沙が起き上がりいつの間に持っていたのかナイフで彼の腕を突き刺す。

 

「ぐぬっ!」

 

ナイフを突き刺した魔理沙の全身から煙を出し、中から咲夜が現れた。

 

「幻影魔法よ。さっき斬ってくれたのは魔法で私の姿を模倣した偽物。騙されたわね」

「おのれ...!」

 

するとお蝶はクナイを取り出し、魔理沙目掛けて何本も投げた。

 

「!?」

 

しかしクナイは魔理沙に突き刺さることなく煙と消えてしまい、彼女は気にせず走り続ける。

 

「まさか!」

 

お蝶は体の装備を見ると、今投げたクナイの数と体に仕込んでいるクナイの数が合わない。

 

「さっき貴方にぶつけた幻影魔法が込められた魔法瓶は貴方のクナイに化けたわ。ご愁傷さま」

「おのれ...二度も騙すとは...!」

 

梟とお蝶は咲夜に襲いかかる。

 

「魔理沙!早めに頼むわよ!」

「任せとけ!」

 

魔理沙爆発魔法が込められた魔法瓶を構えながら、月見櫓の扉を蹴って開ける。

 

しかし中には何もなく、大量の本や奥には開けられた檻等があるだけであった。

 

「う、ウッソだろ」

 

すると梟とお蝶の猛撃を紙一重で防いでいる咲夜が魔理沙に向けて大声を出す。

 

「魔理沙ぁ!そろそろ限界!」

「駄目だ咲夜!ここには何もねぇ!!」

「っ!!冗談でしょ!?」

 

すると梟の攻撃が咲夜のナイフを飛ばし、魔理沙の魔法瓶を貫いた。

 

「うわっ!?」

 

咲夜は倒れてしまい、お蝶のクナイと梟の大太刀を首に向けられる。

 

「終いだ」

「くっ...」

「安心しろ。貴様を殺し、後にあの小娘も送ってやる」

「お、お嬢様...」

 

 

 

 

 

 

その瞬間

 

魔理沙のナイフに貫かれた魔法瓶が地面に落ちると、込められた魔法が発動して大爆発を起こした。

 

その爆発は葦名城全土を揺らし、青い光が城全体に広がった。

 

「な、何なんだぜ?」

 

すると魔理沙は崩れ始める月見櫓の中に、黒いボロボロの着物のような服を着て、黒髪の一部が白く染まっており、紅く光る姿をした少年を見た。

 

「だ、誰だぜ!?さっきまでそこにはいなかったのに」

 

するとその少年は魔理沙を見て、ある方角を指さした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「我が忍びを止めてくだされ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少年が指差す方角には、太陽の畑があった。

そして月見櫓は完全に崩壊し、その少年は瓦礫と共に消えた。

 

魔理沙は呆気にとられていると、すぐに咲夜のことを思い出して彼女の方を向いた。




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