決戦!葦名城!   作:ポン酢おじや

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敗北と疑問

水手曲輪

 

梟は咲夜の頭目掛けて大太刀を振り下ろした。

その威力は石の階段が真っ二つに斬れてしまうほどで、人間が喰らえば骨すら同じ結果になる筈だ。

 

しかし彼は斬ったはずの敵がいつの間にかいなくなっている事に気づき、驚き目を見開いた。

 

「!」

 

すると辺りを見渡した瞬間突然眼の前に何十ものナイフが現れ梟の方へ向かってくる。

 

熟練の忍びである梟でさえ全てを弾くのは容易ではなく、何本かのナイフが体に突き刺った。

 

「ぐぅっ!」

 

咲夜は階段の上から血が地面に垂れる梟を見下ろし、大きなため息を出した。

 

「本当に間一髪...あと数秒遅れてたら死んでたわよ」

「貴様...」

「さっきはよくもやってくれたわねお二人さん。さぁ、反撃開始よ魔理沙」

 

咲夜は後ろを振り向くと、崩れた月見櫓から猛スピードで箒に乗った魔理沙が現れた。

 

「おう!もう負けはないぜ!」

「小娘が...!」

 

お蝶はクナイを上空にいる魔理沙目掛けて投げるが、彼女は懐から八卦炉を取り出し箒の穂先に着けてまるで流星のように素早くそして力強く移動し始める。

 

「!!」

「ブレイジングスター!!」

 

魔理沙は箒に乗りながら高速でお蝶の目掛けて突撃し、最初は避けるもすぐに軌道修正して彼女の背中へと箒をぶつけた。

 

「がっ...!!」

 

お蝶は吹き飛んで地面に叩きつけられる。

 

「!」

 

梟はお蝶が吹き飛ぶ姿を見て驚くが、次の瞬間咲夜がいきなり目の前に現れ、全身が斬り刻まれた。

 

「傷魂『ソウルスカルプチュア』。貴方の時間は既に私の物よ」

「ぐはっ.....」

 

梟はたまらず大太刀を手放し、片手を地面につけた。

 

「幻想郷に喧嘩売ったのは間違いよ」

「その通りだぜ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地下牢

神奈子は赤目となった妖怪達を相手していると、急に敵全員が頭を抱えて苦しみ始めた。

 

「おや?」

 

神奈子は後ろを振り向くと、後ろで援護していた鈴仙が波長を狂わす狂気の目を発動していた。

 

「よ、ようやく能力使えるようになりました」

「ほぉ、やるじゃないか」

「これでここは大丈夫です。早苗さん達を追いかけましょう」

「そうするとしようか」

 

二人は地上へと続く階段を登り始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

虎口門付近

 

妹紅は城へと歩みを勧めていると、城側から諏訪子、早苗が率いる妖怪達が現れ驚いた。

 

「!?何だ何だ!?」

「あ!貴方は確か妹紅さんでしたよね!?」

「そういうあんたは...ああ、もう一つの神社の巫女だったか」

「た、助けてください!なんか城の入口は開かなくてこっちに逃げてきたんです!」

「そうなのか?そういえばここから逃げていった敵と遭遇しなかったのか」

「諏訪子様と皆さんが片付けてくれたんです」

「そうか。けどここ戻った所にある虎口門は私燃やしちゃって通れないよ?」

「うえぇ!?」

「いや能力が弱くなったからさ、油とか使っちまってそりゃボーボーよ」

 

早苗はどうするかと迷っていると、集団の後ろから浮いてる諏訪子が近づいてきた。

 

「早苗ー、なんか飛べるようになった」

「ええっ!?牢では飛べなかったじゃないですか!」

「地下牢から出た時も力使えなかったんだけどね。なんか爆発音が聞こえてから使えるようになったよ」

「なら...」

「...決まりだね。皆ー!飛べるようになったから空に逃げるぞー!」

 

諏訪子の言葉に妖怪達は半信半疑で浮かぼうとすると、今まで使えなかったのに急に飛べるようになり、全員が歓喜の声を上げた。

 

そして皆空を飛んで葦名城から脱出し、早苗、諏訪子、妹紅も飛んで人里へと帰還し始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

歪みが消え去り、あちこちから爆発と煙を起こす葦名城を紫は人里から見ていた。

そして心から安堵し、大きく息を吐いた。

 

「これで異変は解決しそうね」

「どうする?一気に攻めるか?」

 

紫の横にいた萃香は紅魔館から来た紅美鈴率いる妖精部隊を見下ろし、攻撃の合図を送ろうとする。

 

「いえ、霊夢達が戻って来てからでも遅くはないわ。それにもう歪みはないから私が一掃してもいいのだけども」

「?なら何でやらないんだ?」

「...少し気になる事があるの」

 

紫は目の前にスキマを開くと、その中に入っていく。

 

「ちょっと席外すわね」

「どこいくんだい」

「幽香に話を聞いてくるの」

「幽香に?今更何を?もう決着つきそうなのに」

「疑問を残したまま宴会はいやなの。霊夢が葦名城を脱出するのを確認したら勝手に攻めちゃって」

「...わかったよ」

 

紫はスキマと共に消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紫は太陽の畑へと移動する合間に、彼女の脳裏に浮かぶ疑問の答えを考えていた。

 

(この戦...弦一郎とかいう若造は葦名に戻るために私の能力、そして内府とかいう組織に対抗するため幻想郷に住まう妖怪達が目的だと言った。そして各地を攻撃したのは葦名軍の武力の証明と幻想郷全域を戦争に巻き込むという私への脅しとも...)

 

紫はゆっくりと歩みを進め、太陽の畑への隙間を開こうとする。

 

(紅魔館、永遠亭を攻めた理由はわかる。各地に影響を及ぼしている勢力だし、主力メンバーは幻想郷でも強い部類に入る奴等ばかり。倒せば『紅魔館、永遠亭すら倒した俺達は人里なんて簡単に落とせる』と証明してハッタリだと思わせない材料になるわ)

 

 

紫は太陽の畑に降り立つと、炎で焦げた花々が辺りをまだ舞っていた。

 

(けどそれならば何故『太陽の畑』まで攻めたの?幻想郷を調査済みならば、ここの戦略的価値は無いに等しいのはわかってる筈なのに...それに幽香を悪戯に怒らせれば計画が滅茶苦茶になるわ。幻想郷では常識の筈である『風見幽香を怒らせるな』は知らなかったとでもいうの?)

 

紫は太陽の畑にある幽香が住む一軒家の扉を叩いた。

 

(敵はここを攻め落とさないと...いえ、幽香を倒すもしくは戦闘不能にさせる必要があった。その理由は何?)

 

すると扉からは、幽香ではなく見知らぬ女性が出てきた。 

髪をまとめて赤の着物の上に黒の羽織を着て、顔の整った美人で、色々な薬の匂いを放っている。

 

「どなた?」

「.....」

 

その女性は紫を怪しみ、近くに置いてある農具の鍬を掴む。

 

「エマ、その人は知り合いだから大丈夫よ」

 

すると女性の後ろから、包帯を巻かれているが斬られたはずの左腕がくっついている幽香が現れる。

 

「幽香!その腕...」

「話は中でしましょ。丁度会いたかったのよ」

 

 




UA9000突破!
なんか予想より伸びすぎてて驚いてます!
やっぱ隻狼は永遠だ!

連続投稿は一旦終了です。

また少しストック溜めます

追記
やっぱ連続投稿再開します。楽しすぎて書いちゃった
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