決戦!葦名城!   作:ポン酢おじや

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消滅

葦名城 天守閣

 

弦一郎は天守閣から大手門まで突破された道、燃える虎口門、破壊された月見櫓、逃げ惑う兵士達、倒れている多くの寄鷹衆を見て、持っている刀を落としてしまった。

 

「...これで...終いか」

 

霊夢は畳の上に着地すると、明らかに落ち込む弦一郎に話しかける。

 

「終わりなら質問していいかしら」

「.....」

 

弦一郎は答えないが、霊夢は勝手に質問し始めた。

 

「下にいた一心って男が葦名の奴等は自分が存在する理由を知らないって言ってたけど、何のことかしら?」 

「お祖父様が...」

 

弦一郎は霊夢の方を振り向くと、彼女は他の質問をし始める。

 

「なら...今から言う歌について心当たりがあったら言って頂戴」

「歌...?」

「幻想郷に残ってた唯一の『葦名』に関する情報らしいわ。慧音と阿求が探し出してくれたの」

 

すると霊夢はゆっくりとその歌を歌い始める。

 

『野にはむくろが、山となり

 

竜泉川は、あけの川

 

鬼はおおかみ、あけの神』

 

「!!!」

 

弦一郎はその歌を聞いた瞬間、全身が震えだし汗を垂らす。

 

「...その歌が書いてあった巻物には他にも『兵士、民草あわせて、死者数千。生き残りは、殆どなし。葦名には、鬼が潜んでいる』って書いてあったそうよ」

 

弦一郎は何も答えられない。

 

「葦名の復活願ってるようだけど、その巻物から察するにあんたの故郷ではかなり悲惨な事が起きたみたいね」

「葦名...俺は.....そうだ、俺は.....御子の忍びに斬られ.....黒の不死斬りを手に入れ...梟に.....」

 

弦一郎はブツブツと何かを呟いていると、何も前兆もなく彼の体が紅い炎に包まれる。

 

「!?」

 

霊夢は驚くが、それは弦一郎も同じようである。

 

「これは.....」

 

しかし痛みや熱さはないらしく、弦一郎は燃える体を見て悲しげな表情になった。

 

「思い出した...俺は...梟に斬られ...死んだのか...」

 

霊夢は燃える弦一郎をなんとか救おうとするも、近づいた瞬間炎が大きく燃え盛り近寄れない。

 

「.....葦名の黄泉帰りなど...最初から出来ぬことだったのか.....ならば何故俺はここにいる?何故俺は...」

 

すると弦一郎は自分の燃え盛る体がゆっくりと白い灰になっていくのを見て、大きく目を見開いた。

 

「ああ、そうか.....これは.....記憶か。俺は...最初から黄泉帰っていなかったのだな」

 

そして弦一郎はその場で倒れて、灰となり消えてしまい燃え盛る炎は天守閣に広がっていく。

 

霊夢は最早ここにいられないと悟り、すぐに下にいる妖夢と共に脱出することを決める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

葦名道場

 

霊夢は階段を駆け下りて、道場に到着すると倒れている妖夢を見て驚いた。

 

「妖夢!」

 

霊夢はすぐに妖夢に駆け寄り体を支えると、彼女はゆっくりと目を開けた。

 

「れ、霊夢...」

「何があったのよ」

「い、一心と戦っていたら...変な男が現れて...そいつに斬られた」

「!」

「霊夢は...敵の総大将はどうした」

「...もういないわ。とにかくここから脱出するわよ」

 

霊夢は妖夢を抱えると、すぐに窓から出て飛行し人里へと向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

水手曲輪

 

魔理沙と咲夜は大忍びの二人と戦っていたが、城が燃え盛る光景を見て戦闘を止めてしまっていた。

 

「し、城が燃えてるぜ...」

「どうやら終わりのようね」

 

二人は梟とお蝶を見ると、二人は城の方をジッと見つめて動かない。

 

「...梟よ」

「.....」

「どうやら...ここまでのようだね」

「...思い出した。儂は...倅に...狼に、いや...修羅に」

 

すると梟の体から紅い炎が吹き出し、彼はその場に倒れ灰となって消えてしまった。

 

その姿を見てお蝶はため息をついた。

 

「...ふぅ...己の野心のために狼を巻き込み、修羅へと変える手助けをしたのか。馬鹿な男よ」

 

お蝶は魔理沙と咲夜を見ると、クナイを地面に落として空を見上げる。

 

「誰かに作られたまぼろしとわかっていたが...まさかあ奴が創り出していたとは。腕を上げたね...狼」

 

するとお蝶の体からも炎が溢れて、その場に倒れて灰となって消えてしまった。

 

「な、何が起こってるんだぜ」

「わからないわよ...」

 

すると水手曲輪のあちこちから同じ紅い炎が現れ、すぐに辺り全体を炎の海へと変貌させた。

 

「とにかく脱出するぜ!」

「同感!」

 

魔理沙と咲夜も浮遊して、人里へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人里

葦名城に侵入していた全員が人里へと帰還すると、その場にいた全員が燃え盛る葦名城を見つめていた。

 

そして城はどんどんと灰となって空に舞い上がり、やがて妖怪の山の頂きが露わとなってくる。

 

そして数十分後には城は完全に消え去り、幻想郷から消え去ってしまった。

 

妖夢を地面に置いて霊夢は城があった場所を見つめる。

 

「.....これで.....終わり?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

太陽の畑

紫は椅子に座りエマの話を聞いていた。

この異変の真実を、葦名の城、そして葦名の者達が現れた理由を、そして歪みの正体を




最終話書き終えました。
最後までよろしくお願いします!
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