決戦!葦名城!   作:ポン酢おじや

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修羅

修羅は幽香の家から出てきた霊夢達をその虚ろな目で睨むと、彼女達全員がまるで蛇に睨まれた蛙のように動けなくなっていた。

 

彼から発せられる気味の悪い何かは、歴戦の妖怪である紫や幽香すら不安にさせる。

 

するとエマは彼女達の前にでて、修羅に訴えかける。

 

「狼殿...九郎殿に『現れ』を使い会ったとしても、なにも満たされはしません。最早貴方が本当の九郎殿に会う方法はないのです」

「.....」

「...何故私は他の方々とは違って自分の意志を持っているのですか?貴方は私に何を伝えたいのですか」

 

修羅はエマの問いかけに答えず、ジッと彼女の目を見つめていた。

 

「お答えください...おおか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その瞬間、エマの胸には修羅が投げた楔丸が突き刺さり、血を吐いて彼女は両膝を地面につける。

 

「かは...」

 

エマの口からは血が溢れ、修羅を見つめた。

 

「後悔を.....願いを見出しても.....貴方は.....やはり...修羅...なのですね」

 

 

 

 

 

 

 

エマが倒れた瞬間、霊夢は爆発する護符を投げ、魔理沙は八卦炉を構え、咲夜は時を止めようと準備し、紫は修羅の近くにスキマを開けて、幽香は日傘を構えて力を溜める。

 

 

しかし修羅は両手を合わせて目を瞑った。

 

「...大歪み」

 

その瞬間修羅の体から黒い気が幻想郷全域に放たれ、それを受けた紫と幽香はその場で気を失い倒れてしまった。

 

霊夢、魔理沙、咲夜の人間組はなんとか意識は保つも、能力は勿論使えなくなった。

 

「早速『歪み』を使ったわね。また浮遊出来なくなったわ」

「けど今までのとはまるで別物よ」

「ゆ、紫と幽香が気絶しちまったぜ!?」

「どうやらあいつか使う『歪み』は人以外の生物をそもそも活動させないって感じらしいわね...」

 

修羅は背負う二刀の大太刀を鞘からゆっくりと抜く。

 

右には赤の不死斬り『拝涙』を、左には黒の不死斬り『開門』を握り、二つの刀から発せられる赤と黒の気が混じり合って不気味な光景を生んでいた。

 

霊夢はお祓い棒を構え、魔理沙は念の為に用意していた魔法瓶を取り出し、咲夜はナイフを構えた。

 

「霊夢、咲夜。マスタースパークはいつでも撃てるぜ。合図してくれ」

「「了解」」

「それと霊夢、お祓い棒が使えなくなったら言ってくれ」

「わかったわ」

 

霊夢と咲夜は構えながらゆっくりと修羅に近づいていく。

 

「行くわよ」

 

まず最初に動いたのは霊夢であり、跳躍して空中で回転しながらその勢いと共にお祓い棒で薙ぎ払う。

 

しかし修羅は簡単にお祓い棒を弾くと、直ぐ様反撃するが彼女は避けて足払いを仕掛ける。

 

だが彼は跳躍して霊夢を踏みつけると、空中にいながら忍義手から黒く光る手裏剣を咲夜に投げた。

 

「っ!」

 

咲夜はナイフで防ぐも、手裏剣は止まらず回転し続け黒い気は彼女の体を傷つけた。

 

霊夢は踏みつけられ、手で頭を押さえる。

 

「咲夜!仕掛けるわよ!」

「わかってるわ!」

 

霊夢は回し蹴りを仕掛けると、咲夜もナイフで近接戦を仕掛けて修羅を斬り刻もうとする。

 

しかし彼は二つの不死斬りで全てを防ぎ斬ると、後ろに下がり腕の力を抜いて刃を下に向ける。

 

霊夢はその姿に嫌な雰囲気を感じて、動こうとする咲夜を手で押さえる。

 

すると修羅は二つの不死斬りを同時に振り上げ、二つの奥義不死斬りを使った八の字の斬撃を彼女達に向かわせる。

 

「!?」

 

霊夢と咲夜は受けようとは全く思わず、すぐに横に避けて魔理沙は紫と幽香を引きずって移動させた。

 

斬撃は幽香の家をまるで豆腐のように斬り裂き、断面は磨かれたように綺麗であった。

 

「あ、あっぶな!」

「あんなの受けたら...」

 

霊夢と咲夜は二刀の不死斬りを構えた修羅を見て、焦りと共に武器を構え直す。

 

すると修羅はその場で軽く回転すると、不死斬りから斬撃を出して回転の勢いと共に飛ばした。

 

霊夢は姿勢を低くして避け、咲夜は跳躍して避けた。

 

「これでもくらいなさい!」

 

霊夢はお祓い棒を両手で握りしめて、隻狼の頭を思いきり叩きつけた。

咲夜はナイフで首、脇の下、太腿を斬り裂き最後には後ろ蹴りを喰らわして吹き飛ばした。

 

「どんなもんよ!」

 

霊夢と咲夜は吹き飛んだ修羅を見ると、彼はすぐに立ち上がって何事もなかったかのように立ち上がった。

 

「!」

「冗談でしょ...」

 

修羅は二人に向かって走り出すと、跳躍し一回転して赤の不死斬りを霊夢の頭目掛けて振り下ろした。

 

彼女は攻撃を避けて反撃しようとすると、彼は直ぐ様黒の不死斬りを振り上げて跳躍しながら後転して距離を取る。

 

これは寄鷹衆が使っていた寄鷹斬り・逆さ回しである。

 

「今のって...」

 

さらに二刀の不死斬りを鞘にしまって赤の不死斬りを腰に構えると、霊夢の近くまで移動して素早く抜刀し、赤い残像を残して十字に斬り裂いた。

 

葦名流奥義 葦名十文字である。

 

霊夢は受けるしかなく、神樹で出来た堅いお祓いはいとも簡単に斬られた。

 

「魔理沙!」

「おう!」

 

魔理沙は霊夢の合図と共に魔法が込められた瓶を投げると、彼女は受け取って砕いた。

 

すると砕かれた瓶の中から青色に光る魔法で作られた棍棒が現れ、修羅の赤の不死斬りの刃とぶつかり合う。

 

赤い火花と青い火花が辺りに散らされ、修羅と霊夢の力比べが始まる。

 

 

 

 

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