ランダム展開の世界で冒険者が生きのこるには 作:無料お試しセット
証拠になるようなものではありませんが、執筆中の雰囲気が伝わればいいなと思って載せてみました。
差し込む朝日が部屋を暖め、微睡みの中でゆっくりと意識が覚醒する。ぐっと背伸びをしてから窓を開けると、澄んだ空気に混じって人の声や馬車の足音が部屋の中に入ってきた。外にはいつもと変わらない一日の始まりを予感させるには十分な、いつもと変わらない朝の風景が広がっている。
ここは辺境の町ルーメル。*
僕はここの冒険者である一人の男だ。*
昨日買っておいたパンをモソモソと食べながら着替えた僕は、愛用の武器である短杖 *を持って今日も冒険者ギルドへと向かった。
……
「スライムの討伐あと一組ですよー! 受けてくれる新人さん達はいませんかー?」
「は、はいはいっ! 私達に行かせてくださいっ!」
「はーい、ありがとうございます。スライム終わりでーす!」
「あいよー! 次、オルグ誰か行ってくれねえかー!?」
ルーメルは辺境の町だが、冒険者ギルドは今日も賑わっている。周辺に人の手の入っていない森や山が多ければ多いほど魔物が増え、それを狙う冒険者が集まるからだ。
魔物は人を襲う危険な生き物ではあるが、そうして集まった冒険者達に狩られ、素材や燃料として利用されている側面がある。荒くれ者と揶揄される事の多い冒険者だが、人々の生活に欠かせない仕事である事も確かであり、僕はこの仕事を誇りに……は思っていないが、割と重要なものだと思っている。
腕っ節に自信のある凄腕の冒険者ほど危険な魔物を求めて辺境を訪れる性質があるが、そんな彼らにとってこのルーメルは力試しに丁度良い狩場だ。国境ギリギリで、深い森に囲まれていて近くに険しい渓谷もあり、竜種の目撃情報も珍しくないという中堅レベルの狩りスポットとなっている。
(今日はどの依頼を受けようかな……)*
ゴブリン、オルグ、ワーウルフ……クエストボードには、個体数が多く脅威度の低い普段通りの依頼が並んでいる。パーティーで受けるには物足りない仕事かも知れないが、ソロでこなすには手間と収入のバランスが丁度良い狙い目の討伐依頼だ。こういうのでいいんだよ、こういうので。
複数のパーティーが合同で挑むような大型の魔物は先日知り合いのパーティーが討伐したばかりなので、しばらくは落ち着いた依頼状況になりそうだ。
「……これかな」
僕はピークの時間帯を過ぎて少し人の減ったクエストボード前の冒険者達に混ざり、低い位置に貼り付けてあったオルグ *の討伐依頼票を剥がして受付に持っていった。
カウンターでは何人かの受付嬢が横並びになって忙しそうにしているが、僕は特に苦手な相手もいないので何も考えず一番手前の列に並ぶ事にした。人が減ってくる時間帯だったのもあり、夕飯に何を食べようかと考えている内にも順番が回ってくる。
「おはよう。これの手続きを頼んでもいい?」
「あっ、レッドさん! 今日はオルグの討伐ですね。少々お待ちください!」
最近はすっかり新人の面影もなくなった若い受付嬢に依頼票を渡すと、彼女はパタパタと小走りで裏手に引っ込み、すぐに一枚の小さな依頼票を持って戻ってきた。
これはメイン依頼の目的地や難度に応じてギルドが勝手に追加してくるもので、依頼中のスキマ時間で報酬の上乗せを狙えるシステムである。受けるのは任意なので"サブクエスト"と冒険者たちの間では呼ばれているが、無視し続けると見えないところで評価が下がっていくという冒険者ギルドの闇が隠れていたりする。怖いね。
「これが今回の追加依頼です。いつもすみません」
「えーっと……薬草の採集か。*うん、任せてよ」
「ありがとうございます! レッドさん、どうかお気をつけて!」
大した依頼でもなかったので快く引き受ける。
ブンブンと手を振る元気娘に見送られながらギルド入口に向かうと、待機所のテーブル横を通り抜けたところで同業者から声をかけられた。*
足を止めて振り向くと、小さな人影が赤い長髪を揺らしながら近付いてくるのが目に入る。
「ひ、ひひひ。レ、レ、レッドくん。いひ。と、討伐に行くんだ……?」
話しかけてきたのは細剣を胸に抱いた女冒険者──エレクシア。
低い身長を猫背によって更に小さくし、長い前髪を掻き分けるようにして顔を出している彼女の風貌からはいかにも暗い性格で引っ込み思案な少女といった印象を受けるが、割と脳筋で負けず嫌いなところがあるのを僕は知っている。
「そうだけど……何か用?」*
「う、ううん。レッドくんがオルグの討伐にい、行くって聞こえたから、気になって。いひ。こ、今度さ、そんな小物じゃなくて、私のパーティと何か大物でも狩りにい、行こうよ。次は私がトドメ、刺しちゃうから。へへへ……」
「うーん……エレクシアのパーティ、なんか怖い人多いからなぁ」
「そ、そんなことないよ……?」
そんな事あるのだ。
彼女のパーティメンバーはリーダーであるエレクシアより一回りは年上の精鋭揃いで、今は近くにいないようだがエレクシアと話しているとゴブリンくらいなら殺せそうな眼光で睨みつけて威圧してくる悪い大人達である。自分達のリーダーに対して過保護すぎる。
エレクシアにはああいう大人にはならないで欲しいと願うばかりだが、同じパーティで活動していると多少は影響を受けてしまうんだろうな。ルーメルの冒険者ギルドの未来は暗い。
「まぁ考えておくよ。じゃあ、行ってくるね」
「あっ、い、いってらっしゃい……えへへ……」
冒険者ギルドから外に出た僕は、早速オルグを討伐するために森に入った。
時間的にまだ日差しも弱く、緩やかに風も吹いていて過ごしやすい。ちょっとしたハイキング気分で森の奥へと歩いていると、その途中で何やら喧騒が聞こえてきた。
辺境の町ルーメル 0.7759830235
一人の男だ 0.4565046029
短杖 0.6138757241
ナックル 0.1272852501
弓 0.1010165918
粒子加速ブラスターキャノン 0.1720511702
ソロで依頼を受ける 0.579930638
オルグ0.9075095088
ワーウルフ 0.2507609712
下水ネズミ 0.3727484427
小型爆撃機FACT-13 0.90092673
荷物の配達 0.3414668866
森の警邏 0.4087683983
新人冒険者の観察 0.1497486474
肩揉み 0.896528342
誰にも声をかけられなかった 0.1155571178
無視する 0.5650040672
喧噪の先では……
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冒険者がピンチに陥っていた
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馬車が襲われていた
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ヒポポッタスがピリリートしていた
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気のせい。何もなかった