加古望……A級の加古隊の隊長。庶民なのにセレブ感がある。入隊時期は神戸のが上なのに謎のセレブオーラによって神戸はさん付けしている。チャーハン作りが趣味だが訳の分からない隠し味のせいで10回のうち2回はだいたいクソマズチャーハンを作る。過去に3桁以上チャーハンを食べてその全てで2割のクソマズチャーハンを引いた神戸にはチャーハンを食べたくないという理由で避けられている事を本人は知らない。そして加古チャーハンはクソまずい事で有名な事も、そのせいで後に神戸の好物が加古チャーハンのヤバいやつという噂が流れる事も知らない。ゴーイングマイウェイ庶民セレブ。
黒江双葉……加古隊の一人、神戸とは初対面だったが加古のチャーハン(ハズレ)を3桁以上食べさせられたという話を聞き、神戸の事を密かに尊敬するようになる。加えて実力も申し分無いらしいのでさらに気になっている。緑川とはお互いに若くて強いルーキだと思っている節があるが実力は認めあっている。無口な為勘違いされやすいが割と気配りは出来るし人を嫌うことも無いが何故か木虎の事だけは大嫌い。実は加古隊への入隊を断ってた時も個人戦を断られた時も少しだけショックを受けていた。
「香取の調子はどうだ?上手いこといっているか?緑川。」
今日も俺たちは日課の香取隊の訓練を終えて、進捗を確認していた。緑川には無理矢理付き合わせる形となってしまったが快く引き受けてくれたのでよしとしよう。
「香取さんねぇ……センスはあるよ。ただなんて言うか…どうにもムラがあるって言うか…気分屋っていうか…まぁそれが持ち味でもあるんだけどね。ノリに乗れば個人ポイント1万超えもそう難しくないと思うよ。……ところでいつも気になってるんだけど常に持ち歩いてるそのノートパソコンって何?」
緑川はあたかもやる気をだす出汁に俺を使ってますと言わんばかりの顔をしているが多分気の所為だろう。そして俺のノートパソコンに訝しげな視線を送るのは辞めて欲しいところだ。そんなやべぇものでもないんだから。
「ん?これは色々な事に使ってるノートパソコンだな。例えばアイデアノート代わりにしたりとか、思いついたトリガーを開発させるだけの実用性があるか3Dモデルを作って計算とかしてシュミレートしたり、色んな隊員とかトリガーの情報を纏めたりする用だな。とは言っても隊員のデータは2年分のブランク分が纏められて無いから今絶賛困り中なんだけどさ……。」
勿論ログとかで入れられるだけの情報は入れているがそれでも時間的猶予や実物との相対した感覚がなかったりで色々と欠陥したデータになっている事は事実だ。可能な限り埋め合わせをしていきたい……なんか周りのC級の隊員にヒソヒソ言われている気がする。気の所為かな?
「……相変わらず凄いけど訳わかんないね神戸先輩って。でもそれならそれでちょうどいいタイミングなのかも。」
「ん?何がだ?」
なんか少し期待…?香取が向けてくるような目線を向けられているような気がする。
ちなみに香取隊や緑川から「先輩なら呼び捨てで呼ぶのがセオリー」と言われたので呼び捨てになった。まぁ俺国治よりほんの少し早い入社だからな。ここ。
「神戸先輩、BBRって知ってる?」
「何それ、なんの略だ?」
全くわかんない。新しく出来たBARの名前か何かだろうか。緑川未成年だよな?
「ボーダーバトルロワイヤルの略なんだけど……ちょっと待ってね、たぶん詳細をノートパソコンに送っちゃった方が早いから。」
そう言ってそのまま俺は緑川に送られてきた規則事項を読む。
【ボーダーバトルロワイヤル規則事項】
・S級隊員は参加出来ない。(天羽、迅)
・玉狛の強化トリガーは参加出来ない。(小南、木崎、烏丸)
・一度でもボーダーバトルロワイヤルで優勝した人物は出場できない。(現在は太刀川、風間、当真、奈良坂、里見、出水、二宮、影浦、村上、加古、弓場、東、雪丸、生駒、嵐山、三輪、片桐、佐伯、菊地原は参加不可能)
・緊急脱出時には緊急脱出させるのに最もダメージを与えた人間に個人点が移動する。(逆に緊急脱出させればさせるほど個人点は増える。)
・正隊員しか参加出来ない。
・A級のトリガーを使用しても構わない。また、トリガーは基本的に自由である。
・優勝者には個人ポイント+1000が与えられる。
・攻撃手、射手、狙撃手、銃手のみ参加可能である。
「なるほどなぁ……」
何人かは知らんが、錚々たるメンバーは全員居ないらしくて何よりだ。
「ちなみに俺以外の草壁隊と片桐隊は明日から遠征らしいから参加できなくて、嵐山隊も広報の仕事があるから参加出来ないらしいからチャンスだよ。」
「となると参加出来るA級は誰がいるんだ?」
B級を舐めるわけではないがA級次第で優勝も狙える、と言ったところか。
「A級なら…今回は唯我先輩、歌川先輩、古寺先輩、黒江さんとよねやん先輩かな?」
「あれ?二宮さんがA級部隊作ったって前言ってたような気がするんだけど……。」
二宮さんとは普段あんまり話すことは無いけどこれに関しては嬉しそうに話してたぞ。周りには嬉しいかどうか全くわからんだろうが。
「なんか二宮隊はB級に降格したんだよね…何でかわかんないけど。犬飼先輩と辻先輩も出られるよ。」
知らん人が大半だが何とかなるだろう。データも沢山欲しい所だ。
「よし、アイツらを出してみるか。あいつらの成長にも繋がりそうだしな。」
「え?神戸先輩は出ないの?なんか予定とかある感じ?」
緑川よ……誰もがそんなコミュ強だと思うなよ……?俺みたいな人見知り陰キャの気持ちになってくれよ。
皆もちょっと想像して見てほしい。転校してきた俺、既に出来ているクラスの結束の輪、入れるわけも無くぼっちとなる毎日。
つまりはそういう事だ。うん。
「いや……知り合いとか特にいないし…。俺は情報s」
「多分柿崎先輩も出るし香取隊の皆も出るし俺も出るから大丈夫だね。という訳で参加希望っと…。大丈夫大丈夫、いい人たちばっかりだから!」
「えぇ…。」
緑川によって俺の発言は遮られ無事強制参加が決定する。いい人か悪い人かとかいう問題では無い。100人の二宮さんに囲まれる絵面とかだったら最悪だぞ本当に。
「それよりも神戸先輩個人戦しよ!」
「まぁいいけども……先に香取隊に出るように連絡だけしとくぞ?」
「了解。」
こうして拒否権は全力で侵害されて俺の参加が決定するのだった。
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個人戦のロビーの一室、そこへ向かう途中で俺は数少ないボーダーで見知った会いたくない人間のうちの1人に出会う事になる。
「あら、神戸くんじゃない……もう個人戦に復帰できる時期になったのね、チームへの所属もそろそろ解禁された頃かしら?」
「げっ……加古さん、なんの用かな?」
それこそ、思わずげっ…と着けてしまうぐらいには会いたくないのだ。A級6位、加古隊隊長、加古望、趣味の一つがチャーハン作りであり、このチャーハンはある種のギャンブルである。外した日には舌を始めとして胃、腸、喉などの様々な器官が死亡する。
そして不幸にも、俺はそのチャーハンの犠牲者として何度も死にかけている。故に、俺が加古さんと会いたくないのは必然と言えるだろう。
ちなみに直近で食べたのはもう二年前になるが『鮟鱇生クリーム炒飯』だ。元々偏食家な所がある俺だが、好物に好物を混ぜて食べたが綺麗に死んだ。チャーハンとは何たるかを一回学んできて欲しいものだが残念ながら誰も彼女に指示できる立場には居なかった。勿論俺もである。
「げっ……って酷いわね。2年前はあんなに沢山チャーハンを食べてくれたのに…。」
その言葉を聞いた隣に居る少女…恐らくこれから加古さんが個人戦をする予定だったと思われる相手は同情するような目線を向けてくる。こいつも犠牲者か?
「もう二度と食べたくないけどな。なんで俺が食べるチャーハンに限っていつも隠し味を入れてくるんだよ。」
かれこれあのチャーハンを3桁は食べさせられているが、その全てで俺は外している。特に不味かったのは『トロピカルフオレカルピスたくあん納豆チャーハン』だ。あれは人間……いや生物が食するべきものでは無い。今度近代民対策で加古さんのチャーハンを使う方法をエンジニアに提案してみるか。反対した奴にはチャーハンを食わせる事にしよう。そうしよう。
「隠し味は大事じゃないかしら?3桁もチャーハンを食べてくれたのは神戸くんぐらいのものなのよ?」
俺が3桁以上加古さん直伝クソマズチャーハンの犠牲になっている事を知って隣の少女は同情を通り越して尊敬の目線を向けてくる。俺はこの人のチャーハンのせいで食べれないものが年々増加しているのだがそれを加古さんに伝えても何処吹く風だろう。
「もう食べたくない…それよりも、それよりも何の用なんだ?俺はこれから緑川と個人戦をするつもりなんだけど。」
ちなみに後ろの緑川からも同情の目線を受けている。加古さんのチャーハンでボーダー内の死者でも出たのかもしれない。俺の後釜には頑張って欲しいものだ。
「止めといた方がいいと思いますよ、駿と個人戦するの。」
だが、個人戦をする事を加古さんの隣に居る少女に止められた。
「取り敢えず神戸くんの復帰は後で二宮くんや弓場くんにも教えてあげるとして……どうしたの双葉?」
双葉……どうやらこの子が黒江双葉か。それにしても止めとけとはどういう事だろうか。
というかその2人とは本当に会いたくない。辞めろ。
「駿は強いですから…神戸先輩の個人ポイントが減らされますよ。」
どうやら俺の心配をしてくれていたらしい。頭の中の黒江双葉の特徴に気配りができて優しいと入れておくことにしよう。
「あら珍しいわね。双葉がそんな気遣いするなんて、もしかして神戸くんの事を気に入ったのかしら?それなら私としても尚更有難いわね。」
そんなこと無かった。俺の脳内語録は3秒で消されてしまった。
「双葉…俺今んとこ1度も神戸先輩に勝ててないし、神戸先輩のが強いよ。ところで加古さんはなんで有難いの?」
緑川、BBR前に余計な情報を与えるんじゃない。
「駿が1回も…神戸先輩、私も個人戦してもいいですか?」
嫌だ、BBR前に手がバレると俺の強みは半減するんだ。
「あらあら、そういえば言い忘れたわね。神戸くんうちの隊に来ない?」
こっちはもっと嫌だ、もう二度とあのチャーハンを食べたくないんだが。
「ぇぇぇぇ!?…いやまぁ神戸先輩強いしそうか。」
緑川よ、あんまり叫ばないでくれ。なんか悪目立ちしてるから、いや本当に。
「うーんと…ごめんけどどっちもまたの機会にさせてもらおうかな。」
前者はまだしも後者はもう二度とこんな機会来て欲しくないけどな。
「あら、それはどうしてかしら?」
加古さんはなぜ不思議そうな顔をしているのだろうか。あんたなら俺にあった一切は知っておろうに…。
「取り敢えず俺はこれから緑川と個人戦をする約束をしているからな。黒江さんはまたの機会にでも誘ってくれ。」
「…双葉でいいですよ。これ私の連絡先です。また機会がある時にぜひ連絡してください。」
なんか隣で加古さんがニヤニヤしているのがムカつく。殴り飛ばしたいこの笑顔。
「次に加古さん…俺はまだ部隊所属を許されていない。誘われようともそもそも入ることは無理だぞ。」
チャーハンを食べたくない事は黙っておく。
「あらそうなの…?」
「確か次のシーズンまでは無理だったもんね神戸先輩。」
緑川、だからお前は余計なことを言うな。
「なるほどね…また次にでも勧誘に来るとするわ。行きましょ双葉。」
「はい、神戸先輩、失礼しますね。後駿も。」
「俺の扱い酷くない?佐鳥先輩じゃないんだからさ。」
俺は心の中で佐鳥に同情しておく。お前2年で何があったんだよ。いや二年前からこんなんだったっけか。
そのまま2人は去っていった。
「それじゃあやりますか、個人戦。」
ちなみにこの後チャーハンの味を思い出して奮いに奮いまくった俺に緑川はフルボッコにされるのはここだけの話にしておこう。
神戸の心の声
→加古…チャーハン怖い
→双葉…意外とアクティブな後輩
←加古…チャーハンの試食人
←双葉…強くてハズレチャーハンを3桁食べた凄い人。尊敬。
現在のポイント
アステロイド→10216→10269
スコーピオン→9615→9741
バイパー→6165→6211
ちなみに普段あんまり個人戦をするのに使用はしないが
テンペスト→6011
ハウンド→5816
アイビス→5596
メテオラ→5565
イーグレット→5109
レイガスト→5011
ライトニング→4711
弧月→3916
全トリガー総合系ポイント67956(全トリガー総合1位)
ただし2年間の謹慎、多種多様なトリガーに手を出しすぎている等でその事を知っている人は少ない。各種トリガーを使用した時の事については設定もしくは物語で触れていくが研究者として全部のトリガーを最低限は試している。色んなトリガーをある程度扱えるのはサイドエフェクト故、こちらも話が進んでいくに連れて説明されていくと思います。