なんでや!なんでメガラグラージはんはアニメに出てこんのや!!   作:性癖複雑骨折

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第二話 オシャレしたことない奴がオシャレの話を書いたもの

「ここが【ブティック・タマナシ】か…」

 

(本当にこの場所で合ってんのか!?)

 

 ユウトは内心で荒ぶる。

 

 彼はタウンマップを頼りに、カロス地方の現地人におすすめされたブティックを目指していた。

 

 そして、時間はかかったものの、きちんと目的地には到着した…はずだった。

 

(ここって完全に路地裏だよなぁ… さっきから嫌な視線をメチャクチャ感じるんだけど…)

 

 タウンマップのナビ機能に従って移動した結果、彼が辿り着いたのは、ミアレシティの端にある路地裏だった…

 

 当然のことだが、路地裏なので治安は少々悪いし、バッドガイやバッドガールがたむろしている。

 

 彼、彼女らは先程から余所者であるユウトにガンを飛ばしているため、ユウトはほんの少し居心地が悪かった。

 

(看板はちゃんとあるし、タウンマップもここで反応しているから場所は合っているんだろうけど、今、開店しているのか?)

 

 ユウトは店のドア付近に立て掛けられているボロボロの看板を見て不安になる。

 

 色落ちしてボロボロの壁に、窓にはひび割れを補強するためのガムテープがびっしりと貼ってあり、まさにボロ屋と言っても過言ではない店の風貌。

 

 今にも閑古鳥が鳴き出しそうであった。

 

 知る人ぞ知る隠れた名店と聞いていたから、少しだけ街から外れた田舎にあるのか考えていたユウトは、まともな人間なら絶対に寄り付かないであろう路地裏に存在するという真実を知って、驚愕していた。

 

 【ブティック・タマナシ】カロス地方で知る人ぞ知る隠れた名店。

 

 手頃な値段でオシャレでなおかつ機能性に優れた旅服を売りとしており、旅服の他にも、旅をする上で必要な小道具やパーティーセットといったネタ装備も取り扱っている個人営業の店だ。

 

 少し値は張るが、オーダーメイドも可能という店主が一人で切り盛りしているにしてはかなりのサービスぶりである。

 

(ええい!入ってみないと始まらない!大丈夫、893さんとかその類が出たらすぐに逃げればいい。)

 

 ユウトは意を決してボロボロのドアノブに手をかける。

 

 そして、扉を開いて中に入る。

 

 古くなっていたせいか、蝶番はギギギィと不快な音を立てていた。

 

 店の中に入ったその先で、ユウトは見てしまった。

 

 この世のものとは思えない光景を…

 

 扉を開いた先には…

 

「オウッ!オレサマの店によく来てくれたなっ!かわいいお客が来てくれて嬉しいぜ!た〜っぷりサービスしてやるよ!」

 

 893よりもヤバイ未知のバケモノがいた…

 

 生まれる世界線を間違えたとしか言いようのない、ポケモンの世界観をブチ壊すほどの身長、おそらく2メートル強はあるだろう。

 

 爽やかでありながら、熱血さを感じさせる言動にピッタリと言える真っ黒に日焼けした顔面、顎髭によって大人の雰囲気がある顔つき、いわゆるタフガイと世間一般に呼ばれる容姿をしている人間。

 

 それだけならどれほど良かっただろうか。

 

 残念なことにソイツは顔面に大きな問題があった。

 

 真っ黒に日焼けした肌、これはまだいい。

 

 しかし、分厚い唇にべっとりと塗られている真っ赤な口紅、デカ盛りキャバ嬢顔負けの付けまつ毛、オカマタレントでもそんな大量につけないだろ!?とツッコまれてもおかしくないほどのアイシャドウ。

 

 そして、ジブリ映画のかぐや姫に出てくる帝や遊戯王の城之内もびっくりするほどのしゃくれたアゴが全てを台無しにしていた。

 

 さらに、髪型がツインテールである。

 

 側頭部から生えたツインテールは三つ編みにされており、先端にピンク色のリボンが付けられてある。

 

 おまけに頭頂部が禿げていて、髪の毛が一本だけチョコンと生えてある波平さんスタイルである。

 

 極め付けはその服装である。

 

 セーラー服にミニスカート、どちらも身長2メートル強の男?いや、漢が着るにはあまりにもサイズが小さすぎる。

 

 セーラー服はミチミチギシギシミシミシと音をたてる筋肉という名の鎧によってパッツンパッツンになっており、鍛え抜かれたバッキバキの腹筋がこんにちはしている。

 

 ミニスカートは股下何センチだ!?と聞きたくなるほど短く、これまたその太くて逞しいバッキバキの太ももが惜しみもなく日の元に晒されている。

 

(なんだこのカイブツは!?身長的にONE PEACEか刃牙の世界にいる方が違和感無いだろ!?ていうか、あんなに需要の無いツインテールを見たのは初めてだ… ツインテールに対する冒涜もいいところだろ?!)

 

 ユウトは硬直する。

 

 身体はまったく動かないのに、心の内は店に入る前よりも荒ぶっていた。

 

「ううん?オイオイ、どうしたどうしたあんちゃん?せっかくカッコいいツラをしているのに、そんな顔してちゃだめだぜぇ。ほら、笑って笑って?ニッコリニッコリ、笑顔は大事だぜぇ。」

 

 どうかしているのはお前の方だ、笑えないのはお前のせいだ!と盛大にツッコミたいところだったが、ユウトは必死になって何とか堪える。

 

 これまでの五年間の一人旅でさまざまな経験を重ね、かなり肝が座ったと自負しているユウトだが、このバケモノにはどうやっても勝てる気がしなかった。

 

 しかし、何というか物凄い笑顔でそこら辺のおっぱいよりも大きく、しかし、どのおっぱいよりも硬いであろう胸筋をピクピクと痙攣させながら接近してくる未確認生命体に、つい堪えきれずユウトは呟いてしまった。

 

「……人間?」

 

 その瞬間、バケモノが怒りの咆哮を上げた。

 

「だぁ~れが、伝説級のポケモンですら裸足で逃げ出す、見ただけで正気度がゼロを通り越してマイナスに突入するようなカイブツだゴラァァアア!!」

 

「ご、ごめんなさい……」

 

 ユウトはふるふると震え涙目になりながら後退る。

 

 そして、壁際まで後退した後、へたり込んだ。

 

 すぐさま立ち上がろうとしたが、うまく立ち上がることができない。

 

 どうやら腰が抜けてしまったようだ。

 

 ユウトが、咄嗟に謝罪するとUMAは再び笑顔?を取り戻し接客に勤しむ。

 

「分かればいいんだぜぇ。それでぇ? 今日は、どんな商品がお望みだい?オレの店は質にこだわってるからなんでもオススメだぜ!」

 

 ユウトは気を持ち直して、なんとか立ち上がり、服を買いに来た旨を伝える。

 

「なるほどな。要するにイメチェンしたいわけか。高校デビュー改め、カロスデビューってわけだ。いいぜ!オマエさんにピッタリな旅服をコーディネートしてやんよ!オレの名前はショーン・ターベル。よろしくな!」

 

「あ、ああ… よ、よろしく… 俺の名前はユウトです。」

 

 サムズアップしながらインパクトありすぎる顔面をズイッと近づけてくるバケモノ店長改め、ショーン店長にユウトはたじろぎながら返事をした。

 

 ショーン店長は【ブティック・タマナシ】を始める前までは俺と同じくバリバリ現役のポケモントレーナーだったらしいが、十数年前のカロスリーグでの準優勝をキッカケにポケモントレーナーを引退したらしい。

 

 そして、引退をキッカケに前々から興味のあった服作りに専念して、技術を学び、数年前にやっと念願の店を持つに至り、今があると言う。

 

 店を案内しながら彼は自身の経歴について語ってくれた。

 

(カロスリーグ準優勝かぁ… 見かけによらず結構凄い経歴してるな。てっきりオネエさんとかが接待する店の出身かと思ったよ…)

 

 ショーン店長に案内をしてもらいながら、ユウトは店内を見回してみる。

 

(それにしてもこの店、外装はオンボロ屋敷だったけど、内装はかなりしっかりしているな。)

 

 床や壁は汚れ一つ無いように、掃除が行き届いており、清潔感が素晴らしい。

 

 衣装コーナーにはそれなりの数のマネキンが等間隔に配置されており、それぞれがおそらくショーン店長デザインかつ手作りであろう旅服を身につけていた。

 

 ガラスケースの中には腕時計やサバイバルナイフが飾られており、そのどれもが丁寧に手入れをされているため、美術館で作品を見ているかのように思えてしまう。

 

 店内を見回しているとどうやら案内が終わったらしく、ユウトは試着室らしきカーテンのついた小部屋の前に連れてこられていた。

 

「さてと、これからオマエさんにはいくつか質問に答えてもらおう!本来なら客であるあんちゃんが自由に商品を選ぶべきなんだろうが、オマエさんそういうの苦手だろ?」

 

「まぁ、そっすね…」

 

 たしかにユウトは、10歳からスタートした五年間の旅の服装をすべて、ジャージで済ましてしまうくらいにはオシャレに疎いし、興味がなかった。

 

 一応、普通の洋服とかも持ってはいたが、それらを着た回数は10にも満たなかった。

 

 ちなみに、ユウトの服装?オシャレ?なにそれおいしいの?状態は前世から続いているものであり、前世と今世共に、両親から服装についてのお小言をもらっている。

 

「やっぱりな… だから、俺はあんちゃんみたいな客には、ソイツの色とか材質の好みを聞いて俺が選ぶってやり方をしてんだよな。」

 

(なるほどね。たしかに、そのやり方だと俺みたいな奴が四苦八苦せずに済むな。)

 

「そういうわけで質問を始めさせてもらう!好きな色はなんだい?」

 

「………特に無いです。」

 

「オイオイ!いきなり、出鼻を挫かれちまったな!」

 

 ショーン店長からの質問が始まったのはいいものの、出てきたのは初っ端から店長を困らせる迷惑野郎の返答であった。

 

「まあ、大丈夫だ!あんちゃんみたいな客は何度か経験しているから任せときな!派手なのと地味なのどっちが好きだ?」

 

(あんまり、パリピ的なのは好きじゃないな…)

 

「地味なのかな…」

 

「明るい色と暗い色どっちが好きだ?」

 

「………暗い色かな。」

 

 前世から性格が陽キャと陰キャの狭間とか言われていたユウトだが、個人的に自分は陰キャだと思っているため、自分が明るい色なんて陽キャが着るようなものを着るのは畏れ多いし、絶対に似合わないと思い、少し悩んだ末に暗い色を選ぶ。

 

「了解だ!そんじゃあ、次の質問だが…」

 

 その後もショーン店長からの質問は続いていった。

 

「オーケイ!あんちゃんが好きそうな服のだいたいのイメージは掴めた。期待して待ってろ!ピッタリなやつをコーディネートしてやる!」

 

 いくつか店長を困らせる返答をしてしまったものの、最後の質問まで答え終わり、ユウトは近くにあったイスに腰掛ける。

 

(せっかく、真面目にオシャレしようと思ってこの店に来たんだ。コーディネートされた服についてしっかり意見を言ってみるか…)

 

 遠くへ離れていくショーン店長の背中を眺めながらユウトは一人でそんなことを考える。

 

 そして、数分たった頃…

 

「オウ、待たせたな!いろいろ持ってきたから試着してみてくれ!」

 

 ショーン店長は大量の衣服を抱えてきた。

 

「まずは、ズボンから試してみようと思います。」

 

 ユウトはそう言って衣服の山からズボンを取り、試着室へ入った。

 

(さすがに評判がいいだけあって、材質は俺好みなやつをちゃんと持ってきている。色は… まあ、ズボンは気にしないでいっか。)

 

 ユウトは試着をしながら思う。

 

 何度か試着を繰り返して、最終的にショーン店長からアドバイスを受けながら、ジーンズなどの他に、ストリート系のカジュアルなズボンも購入することになった。

 

 ちなみに色は多少の色の違いはあれど、ジーンズ以外のものは全て、黒系統の色であった。

 

(次は上の方か… 材質は問題ないけど、色がなぁ…)

 

 シャツはズボン以上に難航した。

 

 インナーはすぐに決めることができたのだが、店長が選んだ服はカーキ色や紫色などが多くユウトの好みとは微妙に合わなかったり、大きなロゴや文字が入っているなどの理由で却下したものが多かった。

 

 結局、ショーン店長に服を選び直してもらい、黒や白、紺色といったTシャツや長袖シャツ、ボタン付きシャツを買うことにした。

 

 その際に、ストリート系のズボンにも合うようなものをショーン店長が見繕ってくれた。

 

「せっかくだし、すぐに着ていくかい?」

 

 ユウトは店長の提案に乗って、試着室に入り直して着替える。

 

 着替え終わり、鏡の前に立ったユウトは思った。

 

(これはなかなかカッコいいのでは!?)

 

 ユウトの反応は正しかった。

 

 それはそうだろう。

 

 最初の上下ジャージ姿とショーン店長コーディネートの服装を比べてしまえば雲泥の差が出るのは当然のことである。

 

 ショーン店長の腕に改めて感心しながら、ユウトは試着室を出る。

 

 試着室を出た途端、いきなりショーン店長が抱きついてきた…

 

「オウオウ!カッコよくなったじゃねえか!あんちゃん!見違えるほどだぜえ。」

 

(うぉわあァァァああ!?ヤベェ顔面がヤベェくらい近くに来ているゥゥゥ!?)

 

 ショーン店長の心情としては自分がコーディネートした服、それもオシャレに興味がなかった人間と真剣に考えたコーディネート、それをユウトがいい感じに着こなしていたことによる、歓喜のあまりで抱きついたのだが…

 

 結果として、ユウトは混乱した。

 

 そして、運が悪いことに状況はさらに悪化する。

 

 ショーン店長がユウトを両手と両脚ともにガッチリとホールドしてしまっているため、二人は密着状態になっている。

 

 そのため、何というか、その… ショーン店長の履いている超絶薄いミニスカート越しに彼のもっこりとした、なおかつ巨大な男、いや、漢の象徴が微かに当たってしまい、ユウトはさらに混乱した。

 

(ヤベェ、身長差が大きいから股間と股間がファーストキスをすることは避けれたけど、臍のあたりにイチモツの感触がァァァ!?なにが【ブティック・タマナシ】だ!?タマアリじゃねぇか!)

 

 最終的に、このままだと、ケツの穴掘られて死ぬ!とか、形容し難いバケモノに物理的にも性的にも捕食されて死ぬ!とか、童貞を奪われてから死ぬ!とか、ケツアナ確定!とか絶対にあり得ないことをイメージしてしまい、情報過多になったユウトは、

 

「きゅ〜〜う……」

 

気絶した。

 

 十数分たったころにユウトは目を覚ました。

 

「オウ、目が覚めたかい?さっきは脅かしてすまねぇな!」

 

「うわァァァ!!」

 

 目覚めた瞬間にショーン店長の凄まじい顔面を目撃したユウトは叫びながら後ずさった。

 

 そして、落ち着きを取り戻し、

 

「と、とりあえず、か、会計をお願いします…」

 

震える声でそう言うのだった。

 

 過去一番と言えるほどの恐怖体験をしたユウトはさっさと会計済ませようと思い、ショーン店長にカウンターへ案内してもらった。

 

 その途中で、店の端にひっそりと佇む限りなく黒色に近い灰色の外套が目についた。

 

「ショーン店長、あの外套はなんですか?」

 

「ああ、若い頃に見つけたやつだな。あれは結構な年代ものだったんだが、なぜか安売りされていてな。デザインが良かったから買ってみたはいいものの、見ての通りオレサマはこのガタイだ。結局、サイズが合わなかったんだよな… 」

 

自分にサイズが合わないことくらい見ただけで分かるだろうが!、とツッコミたいのをユウトは我慢する。

 

「だから、着れないなら仕方がないと思って店に商品として置いてみたけど、売れる気配がまったくない状況なんだよ。」

 

 そして、ショーン店長は突然閃いたように提案する。

 

「そうだ!あんちゃん、この外套を貰ってくれねえか?さっき気絶させちまった詫びだ!タダでいいぜ!」

 

「いいんですか?もちろん、喜んで貰いますけど…」

 

 実のところ、ユウトはこの外套を一目見た瞬間に欲しいと思っていたので、喜んでショーン店長の提案を承諾した。

 

 その後、カウンターに向かって、会計を行ったのだが、評判通り、そこそこの量を買った割には、値段は安く済んだため、さすが、知る人ぞ知る隠れた名店である、とユウトは思った。

 

 「今日はありがとうございました。ショーン店長!」

 

 ユウトは元気よくお礼を言った後、ショーン店長からタダで譲ってもらった外套に袖を通して、店を出た。

 

 店長の容姿など、いろいろと驚く点はあったものの、いい店であったと思うユウトだったが、彼は店を出る時に見てしまった…

 

二つのでかい金の玉を紐で繋げた飾り物が天井からたくさんぶら下がっている光景を…

 

「なにが、【ブティック・タマナシ】だ……」

 

 店の扉の前で立ち尽くしながら、ユウトは震える声で呟くのだった…




ショーン・ターベル 40歳
【ブティック・タマナシ】の店長。かくとうタイプ使い。女装?をしているが、ちゃんと女性が好きである。
名前の由来
リメイク前
ショタ食べる 口調がオネエなので…

ショタタベル

ショタベル 語呂が悪い
リメイク後
ショタベル

ショーン・ターベル

ユウト
凄まじい体験だった… タマアリじゃん…

ラグラージ
ワイの出番は…?

参考までに主人公の600族

  • カイリュー
  • アランと被るバンギラス
  • ショータと被るボーマンダ
  • アラン、ダイゴと被るメタグロス
  • ルイ、プラターヌ博士と被るガブリアス
  • サザンドラ
  • サトシと被るヌメルゴン
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