本作戦ではヘリを2機で向かうため、ロドス艦は待機となる。
そのため必然的に参加する人員も少なくなる。私は格納庫に並ぶ参加オペレーター達の名簿に目を落とす。
『第一部隊』
隊長:プラチナ
•ミヅキ
•アカフユ
•カッター
•エクシア
•マトイマル
•ガヴィル
•アンジェリーナ
『第二部隊』
隊長:セイロン
•シュヴァルツ
•へラグ
•イフリータ
•ヤトウ
•ノイルホーン
•ドゥリン
•レンジャー
•ススーロ
•ワルファリン
•グラベル
『第三部隊』
隊長:マドロック
•エイヤフィトラ
•プロヴィデンス
•スカイフレア
•アンブリエル
あとは各班にサポートとして数人オペレーターをつけている。
第一部隊はシエスタに侵攻している『海』の侵入口と推測される水路の封鎖もしくは破壊。これは被害の拡大を防ぐ目的もあるが、それ以上にシエスタで学習し進化した個体を逃がさないためだ。アンジェリーナだけは作戦後のオペレーター回収のためヘリで待機となる。
第二部隊は今回1番人数が多い。建造中の移動都市のシエスタに入り、避難民の救助とトラブルの対処を行う。私もグラベルを連れてここに同行する。
第三部隊は襲撃で火山の観測が行えなくなってしまったため、火山へ向かってもらう。加えて『海』が何故火山へ立ち入らないのかも調査する。後者の調査にはあまり期待はしていないが、シエスタで採掘された黒曜石は“鉱石病を予防する”というデマを抜きにしても通常と異なる特性を持つ可能性があると報告してされている。火山観測ついでに何か分かれば儲け物だ。
「‥クター。ドクター」
現地での行動について思案しているとオーキッドが私の脇腹を突く。
「ドクター、出撃前の声掛けを」
…あぁ、そうだったな。いつも出撃の前にはドーベルマンが気を引き締めるために声掛けを行うのだった。もう彼女は居ないから私がやるのか。
あまり人前で話すのは得意ではないが、気持ちの切り替えのためにこういった発破は必要なのだろう。
一歩前に出る。皆の視線が私に集まるのを感じる。何度立っても慣れないものと思いつつ口を開く。
…オペレーター諸君の中には大きな不安を抱えているものも多いだろう。
知っての通り、私達は奴らに多くを奪われた。多くを傷つけられた。
再び失うことを恐れる気持ちは私も深く理解できる。
だが、だからと言って手を伸ばせば助けられる無辜の民を見捨てることをケルシーが、アーミヤが、先に逝ったオペレーター達が許すだろうか?
いいや許しはしない。許してはくれない。
これ以上この大地に悲しみをもたらさないため、明日を開くため、私達は立ち上がらなければならない。
だからどうか諸君の力を借りたい!
一息吸い。私は高らかに出撃を宣言する。
それが死への旅路になるかもしれないと理解しつつも。
ーーーー
ヘリに乗り込む前にブレイズとオーキッドにロドス本艦のことを頼む。
「こっちは任せておいて」
「心配せずドーンと任せていってらっしゃい!」
深く頷き返事し、ドアに手をかけていたガヴィルに閉めるように目配せする。
間も無くヘリは飛び立ち、ロドスがみるみる離れていく。外を眺めていたプラチナは視線を私に向ける事なく話す
「お節介達が手を振ってるけど、見なくていいの?」
見なくていい。
私はそう答え、PRTSに作戦資料を表示する。
プラチナは意外そうな顔をして私を見た。
「ふーん?ドクターはもっと感傷的だと思ってた」
皆を無事にここへ帰らせたい。それが私の役目だ。だから今は、見ない。もっと優先する事がある。
………それにその景色は帰ってこれさえすればまた見ることが出来るのだから。
「やっぱ感傷的ね、ドクターは」
プラチナは口角を少し上げて笑った。
【飛行装置】
ロドスが運用する航空機。人員や物資を運搬することが可能。
今回出撃する飛行装置は「バッドガイ」と「グッドボーイ」の2機。
非常に貴重で、破損させた場合ケルシーに死ぬほど怒られる。
が、もうそのケルシーは居ないので怒られる事もない。