ディジェが提督です。(SDガンダム×艦隊これくしょん)   作:たくらまかん

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島風
「風が気持ち良いねー」ゲタニノリナガラ

ゼフィ
「戦っているっていうのに呑気だなぁ」

島風
「走るのも良いけど、たまには良いのっ! おうえぇ」

ゼフィ
「ああ!? 酔ってる酔ってる!?」ハクナー


怒れる瞳

 海が荒れていた。空母より突如出撃したガンダムは凄まじく強い、取り回しの良いビームライフル、背中にマウントしている長身の双砲。そしてその両手から振り下ろされる二振りの対艦刀と、近中遠全ての距離に対応できる武装を備えていた。そして何よりも特筆すべき点は彼の高い機動性だ。広げられるウイングバインダーから青紫の光の翼が展開し、躍動すると同時に残像を起こすのである。その光景に戦士達は翻弄され、勝利へと傾きかけていた戦局が彼によってまざまざと掻き乱されていた。

「オ前達ナンカガ居ルカラ、世界ハァーッ!」

「!? 速さが違う!」

「このぉ!」

 黒いガンダムはひたすら視界に入った敵を叩いていた。今自身の空母に取り付こうとしていた量産機達もその的に過ぎない。しかしそれらは彼にとっては取るに足らない相手ばかりであった。こちらの機動にまったくついてこれない癖に、虫のように銃弾に落とされたり対艦刀に成す術なく斬り倒される。この程度が、俺達の仲間を落としているというのか。視界に映るモビルスーツを眺め、ガンダムは苛立ちを募らせる。

「貴様、ここから先はーー」

「失セロ」

「きさmーー」

「何ニモ出来ナイ癖二! 弱イ癖二……フザケルナア"ァ"ァ"!」

 そんな圧倒的な相手であろうと105ダガー部隊はガンダムへと群がった。ここより奥で敵モビルスーツ隊と交戦している母艦を守護するためだ。

 しかし、そんな彼らの信念もガンダムの前では無意味でしかなく、彼が出てくるまでその性能を活かして善戦していた勇士が瞬く間に討たれてしまう。性能が違えばこうも容易いというのだろうか。戦況を眺めていた赤城は海上に落下する彼らの残骸に声を失う。

「赤城、避けろ!」

「ーーえ?」

 眼前の虐殺に呆然となっていたところへジャスティスが押し退けざまにビームサーベルを掲げた。直後、そこへ光の翼を持ったガンダムが連結した対艦刀を振り下ろしたのだ。

「くそ、なんて力だ!」

「オ前ハァ!」

 受けるには重過ぎる一撃である。頭上で回転するや遠心力でもって威力を向上させて斬り、薙いだ。ただ刃を交差しただけで、ジャスティスは相手の力量がどれほどかを知る。勢い付けてビームサーベルを押し出してガンダムを弾き、続けざまに銃で牽制するが、光弾が直撃する頃には敵は消え、ジャスティスの頭上から刀を二対に切り離して振りかぶる。

 流石にあのダガー隊をひとりで撃破しただけはある。自分でもってしても一筋縄ではいかないことをまざまざと見せられ、ジャスティスは敵味方を越えて彼を賞賛した。

『ジャスティス!』

「!? くっ」

 相方を守ろうと赤城が援護として矢を射るも、直撃したところでガンダムに傷ひとつつかない。戦艦すら貫通する、あの矢でもってしてである。その光景にジャスティスは彼がフェイズシフト装甲を装備している可能性を疑う。いや、装甲が黒いだけであれは自分の見たて通りだろう。

「ジャスティスから離れなさい!」

「やめろ赤城、そいつに矢は効かない!」

「オ前カ! ソノ程度ノ腕デ、邪魔ヲスルナア"ァァッ!」

「そんな!? でもこれぐらい!」

 効力の無かった矢にガンダムは憤り叫び、怒りに染まった瞳を射手へ向けるや双肩の一部を切り離して投擲する。それはジャスティスが扱う、湾曲した短い光刀ーーパッセルと酷似した武器であった。咄嗟に彼は銃で一つを弾き落とすものの、機動の面で劣る赤城は対空砲もなく、回避することで精一杯である。だが、その兵装は避けるだけではいけない。空を斬ったブーメランはガンダムの意のままに操られ、赤城の背後に迫る。

 

「赤城、そんな避け方じゃダメだ!」別行動を取っていた友軍機の声が彼女の元へと届く。

 同時に赤城の首を狙っていた飛刀は側面から飛び込む矢によって射抜かれた。振り向く赤城隊は頼もしい味方として、ガンダムは新たな敵として彼らを視認する。

「フリーダム! 加賀さん!」

 

「お待たせふたりとも!」

「赤城さん、お怪我は?」

 

「大丈夫、おかげで助かったわ」

「ジャスティス、行こう!」

「まったく、遅かったぞ?」

 ふたりの合流は何にも代え難く、赤城隊には心強い登場だった。加賀の背後から四機全ての105ダガーが突出、フリーダムらに続いて黒いガンダムへと襲いかかる。

 奴はここで食い止める。そう決意し加賀、赤城両空母は鋭角な視線をもってあの黒いガンダムを擁する空母に立ち塞がる。位置的なこと、駆逐艦一隻が天龍隊によって撃破されたとはいえ、全体的に敵艦隊は二隻も残存しており、出撃してくるモビルスーツ隊もゲルググMやザメルなど強力且つ高い戦術と陣形を駆使した動きを見せるようになってきた。それはフリーダムと立ち向かい、撃破した加賀隊がよく分かっていた。そして、

 ーー惜しくも守ることが出来ず散ってしまった戦士達の無念を晴らす為にも、彼はここで撃破する……。

「各機、散開して取り囲め!」

「あのガンダムは僕とジャスティスで抑える、君達はそこから援護してくれ!」

 ジャスティス、フリーダムからの指示に従い、105ダガー隊は即座にエールストライカーの副翼を可動、敵機の周りを飛んだ。それを確認すると、ガンダムは背後の空母に振り向く。

「ヲキュウ!」

「ヲッ。インパルスハ私ガ守ルッ!」インパルス、それがあのガンダムの持つ名なのだろうか。氷のように冷たい表情を、その饅頭笠から覗かせていた空母が温かみのある感情をあらわにしたのだ。直後、彼女の周りからザクに酷似したフォルムのモビルスーツが多数出現、ライフルを構えるや105ダガー隊を目掛けて一斉射撃を刊行した。

 はじめて自分達の関係と変わらないやり取りに四人は一瞬だけ親近感のような気持ちを持ってしまうが、新手の登場でその緩んだ意識は引き締められる形となった。

「ソウヤッテ、ヤレルト思ウナ! ザクウォーリア隊、撃チ落トセ!」

 ザク型の放つ横殴りの弾雨を背にインパルスは砲撃を行う。彼一機の砲なら今のダガーでも十分回避出来るはずだったが、敵の支援攻撃によって脚を取られ、そこをインパルスによって撃たれた。

 頼もしい戦士がたった一瞬で沈む。油断である、空母はあのインパルスだけしか搭載していないと判断して送り出したのは自分だ。過酷な戦場に加賀は強く歯を食いしばった。

「、!?」

 だがそんな中、三番機だけが生き残り、果敢にザクの陣へ飛び込むもミサイルポッドを撃たれたことで咄嗟に振り向きエールストライカーを切り離したことで直撃を免れた。手足を失った反動で浮遊力を失った彼は紺碧の海に勢い良く落下した。

「っ、フリーダム!」

 加賀の悲痛な叫びがあがり、フリーダムはすぐさま引き返して応える。親友の行動にジャスティスが瞬発的にインパルスへとパッセルを投擲、次いでビームライフルで釘を刺した。

「す、すいませんフリーダム」

 抱え上げたところでダガーはいたたまれない気持ちをあらわにする。ヒビの入ったバイザーに光が灯っていることで、フリーダムは安堵しながら再び空へ舞い、加賀の下へ急ぐ。友軍機を助けるのにほかに理由などない。彼にとっては彼もゼフィランサス達も大切な仲間であるからだ。

「大丈夫、生きていて嬉しいよ。おーい!」

「!? ご無事で」

「うん。彼を頼む」

「はい!」

 五体満足で居られなくなったダガーは成されるがままフリーダムの手から加賀に抱かれる。

 これではまるで赤子である。再び戦火の中心へと飛び去るフリーダムの背をダガーは複雑な気持ちで見送る。手足などは加賀の格納庫に入れば妖精が修理してくれるから問題はない。生きて着艦出来たことには安心できるが、同時に戦士としてフリーダム達の足を引っ張ってしまったことが悔やまれる。

「加賀様」

「何でしょうか?」

「この生き恥は「決して生き恥じゃないわ!」赤城様?」

「その命は私達の誇りよ、無下に考えないで!」

 自分の右肩に刻まれた03の番号に赤城が手を当てながらダガーの言葉を否定した。それは既に部隊が全滅となった彼女だからの叱咤である。

 モビルスーツとして、それ以上母艦の心を痛める真似は出来ない。生き残れたことを素直に受け入れながら、ダガーはさっきまで自分の居た場所を眺めた。

「加賀様、修理が終わり次第、俺に出撃を! ガンバレルで「却下です」そ、そんなぁ」

 

 

 ジャスティスはインパルスへ近接戦を仕掛け、ファトゥムでもって彼を突き飛ばしたところでザクを相手に奮戦した。その性能は105ダガーを上回るほどだが、インパルスさえ封じれば、雑兵に等しかった。

「甘い!」

 ビーム刃の斧を翳すザク型を斬り伏せ、中距離に入った敵機をライフルで撃ち墜としていく。

 既にジャスティスの視線はモビルスーツ隊の奥に居る空母を捕捉していた。

「ジャスティス!?」

「フリーダム!」

 

「インパルスは!?」

「クソオォォ! モビルスーツ隊ハ俺ニ続ケ!」

 ジャスティスの背中にファトゥムが帰還した直後、突き放したはずのインパルスがビームライフルを乱射させながら突撃を行った。

 弾速から見ても回避は容易だが、後方には母艦がいる為、ふたりは躊躇うことなく武装を全て展開、インパルスをはじめ周囲でうごめくザク型をロックし、一斉射を放ったーー。

 直後、大きな爆発と共に水柱が生まれた。

 その白く水圧の高い壁を突き破り、フリーダムが同じく対艦刀で突っ切ってきたインパルスと刃をぶつける。敵空母の存在も気掛かりだが、視線を送ると既に親友がザク隊に切り込みを行っていた。パッセルで穿ち、近づく者達には息を吐き吸いするように抜刀、煌めいた一瞬のうちに桃色の光刃で漆黒を斬り伏せてしまう。

 ありがとう、声に出すことなくフリーダムはジャスティスに感謝を述べた。自分以上に近接戦闘を得意とする彼の存在が、フリーダムの心に孕んでいた不安を払拭していく。自身に振り下ろされる大刀を盾でもって弾いた直後、彼は羽ばたくように翼を広げて宙返りをする。フリーダムの背後から強靭な矢が二つ、インパルスへと直撃した。

「ッ! 舐ルナァ!」

「加賀、赤城!? ーー今だ!」

 並のモビルスーツなら粉砕する一撃を受けたにも関わらず左右二択から対艦刀を振るうインパルスにフリーダムは眼を見開く。まさか、と彼にある疑問を抱きつつ、斬撃の軌道を見据えて避ける。

 かつてストライクガンダムだった頃に自分も対艦刀を使ったことがある。戦艦やモビルスーツに対し多大な威力を発揮できるが、その反面長重さ故に刃を引き戻すラグが生じるのだ。それも眼前の敵は二刀を一撃一撃づつ扱うしかない為、自分以上に得物に振り回されてしまっていた。その隙を見出した刹那、フリーダムは蜻蛉を切り、高く逆さに飛んだところですかさずウイング、腰部の砲を展開、右手のビームライフルを構え、頭部の機関砲を加えて一斉射(フルバースト)した。

「ッ!? ガアアァァッ!」

 頭上からビーム、実弾の織り交った奔流が豪雨のように降り注ぎ、インパルスは対応しきれずに被弾する。薄々だが、対艦刀を使用していることと、加賀と赤城の矢を受け止める姿に自分に近しいモビルスーツであることを鑑みてフリーダムは接近戦を避けることにしたのだ。もしかしたらあの対艦刀は連結も可能なのでは、という憶測もあった。二刀によって逆に振り回されているからと安易に飛び込むところを狙った一手があったかもしれない。だからこそフリーダムはインパルスに対して強く警戒したのである。ジャスティスだったら上手く立ち回ったことだろう。

「チクショゥ、ナンデ! アンタナンカニ、アンタナンカニ!」

 フリーダムの射撃によりインパルスは身体を砕かれてしまう。両手の対艦刀、光盾を発生させる左腕、その高い機動性を支える翼や脚部はもはや使い物にはならない。最期まで止むことのない悪態が断末魔となり、装甲の継ぎ目から閃光が溢れた直後、インパルスは吸い込まれるように海面へ落ち……爆ぜた。

「はぁ、は、ぁ。ジャスティスは?」

「エ……イン、パルス? イヤ、ウソヨ! イヤ、イヤァ!」

「よそ見をしている場合か!」

「ッーー!?」

 大きな水柱を浴びながら赤いガンダムの姿を探すと彼も同じく敵空母をビームサーベルで撃破したところであった。か細い胴が高熱の刃でもって斬り裂かれ、切断面から爆炎が起こり瞬く間に空母の姿が海上から消え去った。

 強敵からの開放にふたりは疲労を感じるが気を引き締めるわけにはいかなかった。味方艦はまだ戦闘状態にあるからと、

「うあっ」肩の力が抜ける感覚を押しとどめようとするがフリーダムは接近するジャスティスの肩に左手を預けた。

「すまない。あのモビルスーツをお前に預ける形になった」

「ううん。大丈夫だよ、君だって量産機全部と空母をやっつけてくれたでしょ?」

 後方支援を行ってくれていた加賀達が移動してくる気配を感じながらインパルスを倒した場所へ視線を向けた途端、フリーダムは眼を見開いて言葉を失う。ある一点を見つめた途端身動きをしなくなった親友にジャスティスは同じ方向を見遣る。

「アレは、戦闘機か?」

「あ、うん」

 青い、どこか友軍機が持つコアファイターのようなフォルムにふたりは視線を釘付けにする。コクピット部分にヒビが入っており、動く気配はしない。ダガー隊の亡骸だろうか? いや、105ダガーにそんな機構は存在しない。ならば他の艦の機体かと思うも、コア・ブロックシステムを採用しているような量産機があるはずもない。加賀達の姿を視界に納めつつ、フリーダムの中である可能性が生じた。

「赤城、その戦闘機を回収しておこう」

「え? ええ、分かったわ」

 ジャスティスの意見に赤城はその真意を尋ねることもせずに海面に漂っていた戦闘機を拾い、自身の格納庫へと収納する。これまでの戦いでも敵味方の残骸やパーツは必ず拾得するようにしていた。それは新しいモビルスーツや追加パーツを開発したいというディジェや整備を得意とする者達のたっての希望だからだ。あの戦闘機もこの類に相当する。もし、これでインパルスが開発されるようになれば味方として心強いことはない。

「なら僕らも回収しておこう。空母のパーツがあっちに」

「はい」

 周囲に敵影が接近していないことを探りながら、加賀・赤城隊はモビルスーツの残骸を回収する作業を続けるのだった。戦いが幕を引いたのはもう間も無くのことだった。

 

 

 




金剛
「シーショウ! ワタシたちの出番がありまセーン!」エグエグ

ゴッド
「馬鹿者! ならばアレをやればそんな問題は意味を成さん!」

金剛
「オーウ、アレですネー?」キラーン

ゴッド 金剛
「うむ! 「流派東方不敗は!」

金剛
「王者の風ヨー!」

ゴッド
「全新!」

金剛
「系烈っ!」

ゴッ&金
「 天破侠乱! 見よ! 東方は赤くファイヤー!」

叢雲
「良いなぁ」ウズウズチラッチラッ

青枠
「戦闘中だろ……」ジャキッ!

叢雲
「ウソよウソウソ! ウソだからナイフ納めて!?」
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