SAOがデスゲームになってから一ヶ月が経過した。この1ヶ月の間第一層を攻略することがきなかったがついに、午後に広場で迷宮区にあるフロアボスの攻略会議があるとの情報が入った。ユウとキリトは会議に参加するために移動中である。
「1ヶ月経ってやっとフロアボスを発見か。このペースで行くとクリアまで何年かかるんだよ。」
「アインクラッドが100層だから8年くらいかな。」
「8年!?そんなにかかったら攻略するやつなんかいなくなるだろ。」
「そうか?俺は絶対にクリアしてみせるからな。もちろんユウもやるんだろ?」
「当たり前だ。そのために初日からここまでやってきたんだろ。それに、仮に攻略する奴がいなくなっても茅場なら何か仕掛けてきそうだけどな。」
「いや、多分それはないんじゃないか?茅場はここが現実だと言っていた。奴がそんな調整みたいなことをしたらこの世界は現実とは別物になってしまう。」
「なるほどな。つまり結局は地道にやるしかないってことか。」
そう言いながら二人は広場に向かっていった。
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広場に到着するとそれなりに人はいた
「大体40人くらいか。これだとちょっと心許ないな。」
「そうなのか?他のゲームだとこのくらい居れば十分だと思うけどな。」
「こういったボス戦はレイドを組んで攻略するのはわかると思うけど、このゲームでは1レイド6人パーティ8つの48人なんだ。それにSAOはHPが全損したら終わりだから安全を考えたら2レイド、最低でも1.5レイド分は欲しいかな。」
「でもボスに挑みに来るってことは相当な実力者が揃ってるんじゃないのか?」
「多分だけどボスに挑むには少しレベルが足りないプレイヤーもいると思う。この手のゲームでは一度最前線に入れないだけで一気に置いてかれることもあるからな。それに、自分が知らないうちに攻略されてるってのは案外不安にもなるんだ。」
「ふーん。まぁ俺たちはレベルに多少の余裕があるし余程のことがない限り死ぬことはないな。最悪俺とお前が死ななければあとはあまり興味ないし。」
「ユウ・・・」
キリトは最後の一言が周りに聞こえなくてホッとしていた。もし、他のプレイヤーに聴こえていたら今回だけでなく今後全ての攻略に参加できなくなることになっていただろう。
会議の開始時間になると青髪のプレイヤーが前に出た。
「皆!今日は俺の呼びかけに応じてくれてありがとう!俺の名はディアベル。職業は、気持ち的に
SAOにはジョブシステムは存在しない。生産職のプレイヤーを区別する際には役職名を使うがこの場においては特に意味があるわけではない。ユウにとっては茶番でしかなかったが他のプレイヤーの緊張がほぐれたように明るい雰囲気が広場を包んだ。ディアベルは話を続けるために手を上げ皆を制した。
「今日、俺たちのパーティーが迷宮区の最上階で、ボスの部屋を発見した。俺たちはボスを倒し、第2層に進む。そして、≪はじまりの町≫で待ってる皆にこのゲームがクリアできるってことを伝えるべきなんだ。それが、ここにいる俺たちの義務だ。そうは思わないか?」
彼がそう問いかけると会場からは拍手と歓声が起こった。プレイヤーの士気が上がるのを感じ会議を本格的に始めようとしたが、
「ちょお待ってんか、ナイトはん。」
一人の男が声を上げた。棘のようなヘアスタイルのプレイヤーがディアベルの元へ歩を進める。
「仲間ごっこする前に、こいつだけは言わしてもらわんと気が済まんのや。」
「こいつと言うのは何かな?まぁ、なんにせよ積極的な意見は大歓迎だ。でも、発言するなら、まずは名乗ってもらおうか?」
「ふん………ワイはキバオウや。会議を始める前に、こん中に何人が詫び入れんとアカン奴がおるはずや。」
その言葉により広場に再び緊張感が張り巡らされる。
「キバオウさん、詫びと言うのは誰にだい?」
「決まっとるやろ!死んでった2000人にや!それもこれも、全部β上がり共の所為や!β上がり共は、自分らだけうまい狩り場やボロいクエストでかっぼり儲けとる。そんでもって、9000人のビギナーは知らんぷりや。あいつらがはなから情報やアイテム、金を分けとったら2000人は死なんかったし、今頃、2層、3層、突破できとったはずや!せやから、ため込んだ金とアイテム、全部出して謝罪と賠償せい!」
誰も名乗り出ることはなかった。自分の財産全て失えと言われているのだから当然のことである。このまま沈黙が続くかに思われたが、
「発言いいか。」
スキンヘッドで巨体の男が手を挙げ前に出る。
「俺の名はエギルだ。キバオウさん、金やアイテムはともかく、情報ならあった。」
エギルは手の平サイズのハンドブックを出す。
「コイツだ。このガイドブックは道具屋で無料配布されていたやつだ。新しい村や町に行くと必ず置いてあった。情報が早すぎるとは思わないか?」
「だ、だからなんや!!」
「俺は、コイツに載ってるモンスターやマップのデータを提供したのは、元βテスター以外いないと思ってる。」
「だ、だけど、死んだ2000人の中には他のMMOじゃトップ張っとるベテランも「βがどうのこうのなんて今更どうでもいい!」
突然ユウが声を張り上げる。広場にいた全員がユウに注目しており不審な目を向けるが彼は意に介さず続ける。
「βの吊し上げがしたいなら今すぐどっか行けよ!そんなことしてる暇あるならとっとと会議終わらせて攻略の準備させろよ!それに死んだやつの話なんて興味ねぇんだよ。そんなに死人が大切ならクリアした後に茅場に文句でも言えばいいだろ。何を優先すべきか考えろよ。」
「お前、何てこと言うんや!」
「キバオウさん。確かに彼の言うことにも一理ある。もちろん言ってはいけないこともあるが、今俺たちがするべきことはボスを攻略することだ。そして、その勇姿を死んでいった者たちへの手向けにしてやろう。君もそれでいいね。」
「あぁ。早く会議を始めてくれ。」
そう言ってユウは元の位置に戻る。キバオウも渋々戻ると会議は再開する。
「情報によると、ボスの名は≪イルファング・ザ・コボルドロード≫。武器は骨斧と革盾で、HPバーが4つあり最後の1つになると腰の曲刀カテゴリーの武器《湾刀タルワール》に変え、使ってくるスキルも変わる。取り巻きには、≪ルインコボルド・センチネル≫が3匹現れ、HPバーが1つ減るたびにポップされる・・・以上がボスの基本情報だ。それじゃあ、6人のパーティを組んでくれ。」
ディアベルが指示を出すとそれぞれパーティを組んでいった。先ほどのこともありユウたちのところには誰も来なかった。
「キリト、別に俺以外のやつと組んでもいいんだぞ。このままだと取り巻きしか任されないだろうし。まぁ俺はそれでも
「今更なに言ってんだよ。お前が俺のことを相棒って言ったんだろ?なら自分から解消しようとするなよ。それに、お前と組む気があるやつは少なくともあと二人はいると思うぞ。」
「そうね、誰にもパーティに誘われない可哀想な人がいるみたいだし参加してあげてもいいわよ。」
「久しぶりだね。キリト君、ユウ君。」
そう言いながらミトとアスナが二人に近づく。
「何だ、お前らも来てたのか。」
「当然でしょ。アスナと一緒に帰ろうって約束したもの。それに、私だってゲーマーよ。ボス戦に参加しないわけないじゃない。」
「お前がゲーマーかどうかは興味ない。興味があるとすればLAの内容と美人なお前がなぜ俺に絡むのかってとこだな」
「へっ!?」 「なっ!?」 「えっ!?」
ユウは人と関わりたくないだけで一般的な感性はある。今までキリト以外の他者に対し、興味を示したような内容の発言をしてこなかったユウが突然ミトのことを美人と言ったのでキリトとアスナは開いた口が塞がらず、ミトは顔を赤らめる。
「あな・・・ユウ!!急に何言ってるのよ!」
「?何って疑問に思ってることを聞いただけだろ。俺はβじゃないし初ボスだ。ボーナスが取れたら一気に優位になれるかもしれないだろ。」
「そっちじゃなくて!そ、その・・・・・私が・・・美人って・・・・」
「だって本当のことだろ。顔だけは良いのに他が残ね・・・おっと失礼。なんでわざわざ俺たちのところに来るのか謎なんだよ。」
「ちょっとユウ!!!他が残念ってどういうことよ!!この変態!」
「中身の話だバーカ。俺がお前の体型の話なんかするかよ。」
「紛らわしい言い方しないでよ!っていうかいつまで私のこと『お前』って呼ぶつもりなの!もう1ヶ月経ってるのに!」
「それも気になることだ。どうして名前で呼ばせたがる。答えろ。」
「どうしてもよ!大体ユウは・・・・・」
その後も二人の言い争いは続いた。キリトとアスナから、やはりユウたちは取り巻きの相手をすることになったこと、二人の口論を見ていたエギルが面白いやつだと思い、別の機会にパーティを組もうと言っていたと聞いたユウとミトであった。
攻略会議自体が長いのにさらに長くなってしまった。アンケートのもっと長くはこれより少し短めだと思っていただければと。本文にもありましたが、ユウは一応一般的な感性はあります。と言っても興味をもっているのではなくテレビとかの情報が勝手に頭に残ってるみたいな感じです。