この素晴らしい世界にMinecraftを! 作:どうにでもなれ
あとタイトルのように少しだけ、本当に少しだけドラクエネタを使いました。
前回のあらすじ 屋敷と幽霊少女とサキュバスと機動要塞デストロイヤーと………(長い)
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「おお!カズマ!お前なら来ると思ってたぜ!スティーブも来たな!」
その台詞に皆がこちらも見る
「スティーブだって!?」
「スティーブが来たぞ!」
「威力がおかしい破壊神だ!これで勝てるぞ!」
………ちょっと待て、なにその二つ名は?あれか、ベルディアの鎧を粉砕したからか
「スティーブさん来ていただきありがとうございます!」
よく見れば来ている冒険者は男性が多いような…ああそういうことか。あの店のおかげか
遠くには……ミツ………ミツビシもいる…あいつこちらを見つめてきてやがる。
対象は十中八九アクアだろう。で、冒険者もある程度集まり…
「皆さん!集まっていただきありがとうございます!只今よりデストロイヤー討伐の緊急クエストを開始します!このクエストは全員参加で討伐が無理と判断した場合には街を捨て、逃げていただくことになります!どうかよろしくおねがいします!それでは皆様席についてください!ところでデストロイヤーについて説明が必要な方は手を挙げてください。」
その言葉に数人が手を挙げた。
「機動要塞デストロイヤーは魔王軍対策兵器として魔導技術大国ノイズで作られた超大型のゴーレムです。莫大な予算を投じられ作られたこの機体は魔法金属製でとても丈夫で巨大で、走れば馬以上の速度が出せます。」
この世界ではそれが常識なのでほとんどの人物が知った顔で聞いている。
「恐るべきはその巨体と進行速度。この8本の脚で潰されれば大型モンスターであれひき肉と化します。更に強力な魔法結界が張られており魔法攻撃は意味を成しません。」
なるほど…アクア達が逃げ出そうとするのも当然だ。それだけ無謀な戦いになるのだから。
「魔法が効かない以上物理攻撃するしかないのですが近づけば確実に死にます。遠距離攻撃しようにも魔法金属によるゴーレムであるため弓矢は弾かれ投石機も運用は難しいです。更には空中の敵に備えるため胴体部分には自立型の中型ゴーレムが備え付けられたバリスタで空の敵を撃ち落とし更には戦闘用のゴーレムまで配置されています。」
とんでもねぇな。
「何故デストロイヤーが暴れまわっているかについてですが開発責任者がデストロイヤーを乗っ取ったらしく現在も要塞の中枢部で指示を出しているとか…速度が速度なので既に荒らされていない土地もほとんど無く、どんな悪路でも踏破してしまいます。これが接近してきた場合、街を捨てて通り過ぎるのを待ってから建て直すしかないという、正に天災として扱われています。現在デストロイヤーは北西方向から真っ直ぐ接近中です。では意見、質問等どうぞ!」
その後様々な意見や質問が出たが全て却下された。この兵器を作ったノイズは真っ先に滅び魔王軍は城の強固な結界で被害を退けているらしい。落とし穴を作ったりバリケードを作ったりと様々な案が提案されたがデストロイヤーはそれすらも攻略してしまうという。
「スティーブさん!貴方はどうにかできますか!」
ふむ………
「まず、結界を破壊する」
「結界を破壊するできるんですか!?」
「できる。次に爆裂魔法で両足を破壊する。めぐみん!できるか!?」
「ひゃい!片方だけならできると思いますが………」
「ならもう片方は………今から来る人に任せるか」
「えっ?」
すぐに来るよ
「遅れてすいません!ウィズ魔道具店の店主です。一応冒険者の資格は持ってるのでお手伝いに…」
「店主さんだ!」
「貧乏店主さんが来たぞ!」
「いつも夢で世話になってます!」
ほら、来た。
「ウィズ、お前確か爆裂魔法使えたよな」
「はい。そうですけど………話しましたっけ?」
「じゃあウィズとめぐみんで両足を破壊してくれ。もしできなかった時用のバックアップも用意しておく」
あとは………
「迎撃場所は街から出来るだけ離して………穀倉地帯前でいいか」
こんなものか
「あの………穀倉地帯前って結構離れていると思うのですが………」
「安心しろ。量子もつれ転送機がある」
「???」
あとは………
「ねえねえカズマさん。スティーブってあんなのだっけ?」
「………知らねえよ………………」
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量子もつれ転送機には驚かれたが神具と言ったら納得された。
「スティーブ、何してるんだ?」
「ああ、爆裂魔法が効かなかった時用のバックアップ」
そう答えながらTNTキャノンを組み立てる。
ちなみに弾はもちろん核爆弾だよ♪
『冒険者の皆さん!機動要塞デストロイヤーが見えてきました!住人の方々は直ちに街の外へ避難してください!冒険者の皆さんは戦闘準備をお願いします!』
そのアナウンスと共にデストロイヤーが見えてきた。うわ、なにあれ……確かに蜘蛛のような脚でこちらへ向かってくる。大きさの割に結構速い。ホントなにあれ……欲しい(ええ!?)
にしても凄い量の苔が生えてるなあ。デストロイヤーが深緑に見えるくらいには生えてるぞ?
「「「『クリエイト・アースゴーレム』!」」」
『クリエイター』という職業の人達がダクネスの後ろにゴーレムを作り出す。
近づいてくるデストロイヤーに一部の人々はパニックをおこしていた。
先ずは………
「『ブレイクスペル』!!」
結界を粉微塵にする。
「今だ!めぐみん!ウィズ!頼む!」
「「『エクスプロージョン』!!!」」
二人が爆裂魔法を放ち、両足が破壊………………
「破壊されてない!」
苔が代わりに吹き飛ばされ、身代わりになっていた。
カズマの叫びと同時にTNTキャノンを作動させる
すぐに起動し、核爆弾が射出され、両足の上で爆発する
さすがに二度目は耐えられなかったのか足が折れる
両足が折れたデストロイヤーが地響きと轟音と共に平原のど真ん中に底部をぶつけ、そのまま滑っていく。
デストロイヤーはダクネスに少し当たって止まった。
さて、これで終わるとは思っていない
とその時。
『この機体は静止いたしました。排熱及びエネルギーの消費が出来なくなっております。登場員は速やかに避難してください。この機体は…』
ほら、なんかヤバそうなコールが………
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警報が鳴り出した。なんか地面も揺れてる。
マズイな。そのうち爆発するのではないだろうか。
冒険者達もそれを察知してたらしくデストロイヤーに乗り込む事に。
アーチャー達がフック付きロープを撃ち出して甲板に引っ掛けそこを冒険者達がよじ登っていく。
「めぐみん!お前は待機しておけ!ダクネスはその装備では流石に登れないだろ!行くぞアクア!お前はフラグを立てた張本人だろ!」
「待ってよ!今回本当に私何にも悪くないんですけど!」
さすがにアクアが可哀想だ
エリトラで飛んでデストロイヤーの上に乗ると、冒険者達が茫然としていた。
なんだろうと思い、覗き込むと………
「………………うわぁ」
大量の苔に絡まり、潰されている。
冒険者達とゆっくり進んで、扉に入ってみる
どうやら開発者らしき人物らしい。白骨化している。ボロボロで骨かどうか分かりにくいけど。
へんじがない。ただのしかばねのようだ。
「?何かしらこれ?」
アクアが手に取ったのは手記と思われる物。それをアクアが読み上げる。
「○月×日 国のお偉いさんが無茶苦茶言い出した。こんな予算で移動要塞を作れなんて無理だ…いろいろ抗議したりヤケになって暴れ狂ったりしたが相手にしてもらえなかった…○月×日 設計図の期限は今日までだ。どうしようまだ白紙なんて言えない…といきなり紙の上に俺の大嫌いな蜘蛛が現れやがった。急いで叩き潰したが…どうしよう。これ上質な紙なんだよな…もういいやどうにでもなれ。このまま出そう。」
皆表情が渋い。なんなんだこのなんとも言えない空気は………
「○月×日 なんであの設計図好評なんだ?いやいいんだけど。蜘蛛潰しただけでいつの間にか計画は進行してなんか所長になれたからいいんだけど!○月×日 なんかどんどん完成してくんだが…俺いらなかったんじゃねーの?もういいや。後は好きにしろ。動力源はどうしようとか言われたが知るか。伝説の鉱石、コロナタイトでも持ってこいって言ってやった。」
アクアが冗談でも言ってるのでは?と考えたがアクアの表情は真剣そのものだ。
「○月×日 マジで持ってきやがった…なんか設置し始めてるし。持ってこれないだろうと思って適当に言ったのに!しかもこれで起動に失敗したら死刑!?頼む動いてください!○月×日 明日は起動実験の日だ。だが俺は何もしていない。…動かなかったら死刑だもんな。もういいや今日は飲もう。どうせこの要塞には誰もいないのだからどんちゃん騒ぎしたところで誰も文句は言うまい。」
気付けば周りの視線がなんか怖い…そしてオチがなんとなく想像できた気がする…
「○月×日 あれ?なんか揺れてる。もしかして起動してるのか?おかしいな…昨日何したっけ?確か酔った勢いでコロナタイトに説教してたような…○月×日 やっべー。完全に暴走してやがる。原因は昨日タバコの火をコロナタイトに焚き付けたこと。絶対俺国家反逆罪とかで死刑になるわ。もう国王も国のお偉いさんも皆クソッタレだ!今日はもう寝ちまおう。」
はい。もう完全に読めたオチが!皆もなんかめっちゃイライラしとるし!
「○月×日 ヤバイ。とうとう国滅んだんだけど。俺国滅ぼしちゃったんだけど!あー…なんかスカッとしたわ。満足したわ。よし決めた。余生はここで過ごそう。どうせ降りられないし。これ作ったやつ絶対バカだろ。あ、これ作った責任者俺でした!」
「お、終わり…」
アクアがおずおずとした感じで言う。
「「「舐めんな!」」」
アクアとウィズ以外の声が見事にハモった。
「ま、まだ続きがあったんだけど………」
「………読んでみろ」
アクアが続きを読み始める
「■月□日 何だか下の方で物音がする。え、どうしよう。壊れた落下して死ぬくね?死ななくても死刑だから死ぬくね?死にたくないんだけど?とにかく、明日に修理し………」
ん?終わりか?
「どうかした?アクア」
「………………」
アクアは黙って手記を見せてくる
腐敗した肉と乾いた血だらけの手記を
黙る冒険者達
「………………なにがあったんだよ………」
くだけ散った骨に問い掛けるが
へんじがない。ただのしかばねのようだ。