この素晴らしい世界にMinecraftを! 作:どうにでもなれ
はっきり言って飛ばしても問題ありません。
前回のあらすじ 写真破きやがったぁ!?
8
「うう…せっかく修復したのにぃ…」
アクアが落ち込みダクネスがカズマを睨んで他は何してんだ…と言わんばかりに呆れている。ナンダコレ
「お、落ち着けお前ら。その痛い視線を向けないでくれ。いい案があるんだよ。」
「その案が下らない物なら今すぐお前の首の骨をへし折ってやるぞ…」
物騒だな
「ダクネス。仮にこのままずっと見合いを断り続けてもいつか限界が来るだろ?今回の話だって無しにできたとしても、親父さんはまた新しい見合い話を持ってくるはずだ。そこで…一回その見合いを受けてみるんだダクネス。」
「おい!正気か!?私に諦めて結婚しろと!?」
「話は最後まで聞け。肝心なのはその見合いを台無しにしてしまえばいいんだよ。…もちろん、ダスティネス家の名に泥を塗らない程度にだけどな。そうすれば親父さんも、多少は慎重になって見合い話も少なくなると思うぞ?なんなら、俺らがついていってダクネスが相手に嫌われるようフォローするのもいい。」
なるほどな
「それだ!それが成功すれば、もういちいち父を張り倒さなくても済む!」
ダクネスのお父さん苦労してるだろうな
「確かにそれはいいわね!カズマの事だから結婚を利用して、都合よくダクネスをパーティから追い出そうとしてるのかと思ったわ!」
ありえるんだよなあ
「まあ、それならスティーブ1人で十分でしょう。スティーブはこのパーティー全員よりもスペックが高いので」
おお、嬉しい
.........カズマ、なにその『え?』みたいな顔は?
9
「ほ、本当に? 本当にいいのかララティーナ! 本当に、見合いを前向きに考えてくれるのか!?」
「本当ですお父様。ララティーナは、此度、このお見合いを受けようかと思いますわ」
.........口調の変化が激しいなぁ
「ララティーナ、この方は?」
「わたくしの冒険仲間です。今回の見合いに、臨時の執事として同伴させようかと」
「ふむ……」
娘に紹介された冒険仲間とやらを眺める親父さんの視線は鋭い。
けどそれは敵意や警戒ではなく、思慮深い親と言う物の視線だった。
結果は見合いへの同伴を認められた。
それどころか、見合いの成功を手伝って欲しいと依頼までされた。
.........やっぱ寿退社させようかなぁ
ダクネスの親父さん、娘の将来を心配しているようだし
その後、執事服に着替えてみた
「どうでしょうかお嬢様。似合いますかね?」
「お嬢様はやめろください。けど、意外にも似合っているぞ」
「ありがとうございます」
「口調も戻せ」
「はい、戻せばいいんだろ」
にしてもダクネス、ドレス似合ってるなあ
「手筈は分かっているな、頼んだぞ?」
はっきり言って親父さんのために寿退社させたい
堂々と先頭を歩みながら言って来るお嬢様(笑)は、二つの意味で見合いに挑む意気込みが違う。
まるで決闘に赴く様に気合を入れていて、余程見合いを破談にさせたいらしい。
玄関ホールの大階段前に当主とその娘が並び、その背後にずらりと使用人達が並ぶ。その使用人にまざってならんでおく
「お前が見合いを受けてくれて、本当に嬉しいよ……。幸せになるんだぞ、ララティーナ」
「いやですわお父様。ララティーナは、見合いを前向きに考えると言っただけです」
「なに……!?」
「うふ……。そして考えた結果、やはり嫁入りなどまだ早いとの結論に達しました」
断固拒否の姿勢かよ
「もう今更遅い! 見合いを受けはしたが、結婚するなどとは言ってはいない! ぶち壊してやる! 見合いなんぞぶち壊してやるぞ!!」
「ら、ララティーナ……」
絶望しちゃったよ。
「はしたない言葉遣いはおやめください。先方に嫌われてしまいますよ」
.........もう寿退社させてやるよ
「貴様裏切るのか!?」
「今の自分は、ダスティネス家の臨時執事。お嬢様の幸せが、自分の望みです」
「スティーブ貴様ぁ!!」
キレるキレる。
「おお、バルター殿……」
「よく来たな、貴様が私の見合い相手か!」
あ、これあかんやつ
「我が名はダスティネス・フォード・ララティーナ!私の事はダスティネス様t.........」
「お嬢様、御足元にお気を付けて!!」
ぶっつけ本番だったけどうまくいった。
『採掘』で床の摩擦を採取できた。
ダクネスは滑って顔面から床に倒れ込んだ。
親父さんも他の使用人も、もちろん見合い相手も愕然と口を開ける程の、見事な顔からの着地であった。
お嬢様が 不 幸 に も 転んでしまった為に、その場は一度仕切り直しとなった。いいかい? 不 幸 に も 転んでしまったんだ?いいね?(圧)
ちなみに今は廊下で呼び止められ、一連の裏切りと妨害を問い質されていた。
「手助けをしてくれるのではなかったのか!」
「家の名前に傷をつけないって所を、すっかり忘れてるでしょうが」
忘れるのならば寿退社な?
「悪評が立って嫁の行先が無くなれば、心置きなく冒険者家業が続けられる。勘当されるのも覚悟の上だ!!それでも必死に生きようと無茶なクエストを受け続けた私は、力及ばず魔王軍の手先に捕らえられ、組み伏せられて……私はそんな人生を送りたい!」
「長い、十字でまとめろ」
「魔物に捕まりたい」
まものにつかまりたい.........本当に十字だ。まとまってない気がするけど。
「というか今回の見合い相手は好みではない。私の好みは外見はぱっとせず、体形はひょろくても良いし太っていても良い。私が一途に思っているのに、他の女に言い寄られれば鼻の下を伸ばす意志の弱いのが良いな。年中発情して、スケベそうなのは必須条件だ」
.........なんだろう?そんなやつが知り合いにいた気がする。
カから始まって真ん中がズで最後がマの三文字の.........
「出来るだけ楽に人生送りたいと、人生舐めている駄目な奴が良い。そして働きもせずに酒ばかり飲んで、俺が駄目なのは世間が悪いと文句を言い。空の瓶を私に投げてこう言うのだ、『おい、ダクネス。そのいやらしい身体を使って、ちょっと金を稼いで来い』……にゅふぅん!! ああっ、はあっはあっ! ああ……」
んー。なんだかさらに近づいたような?
いい加減に見合い相手を待たせておく事も出来なくなり、嫌がるダクネス共々客間へと集められた。
こうして父と娘、付き添いの少年と婚約者それぞれに思惑の異なるお見合いが開始された。こう書くと字面だけは良いんだよな。字面だけは。
まず口火を切ったのは婚約者の青年。まずは無難な所から自己紹介から始める様だ。
「では、自己紹介を。アレクセイ・バーネス・バルターです」
そんな名前なんだ。覚えとこ
「わたくしはダスティネス・フォード・ララティーナ。当家の細かい紹介は省きますわね。成り上がり者の領主の息子でも知っていて当ぜえええええ!?」
返答の最中に当たり前の様に不穏当な事を言い出したお嬢様が、その途中で突然とんでもない奇声を上げた。
当然、みんな驚いている。
「ど、どうしました……?」
「い、いえ……。バルター様のお顔を見ていたら気分が悪くうぅぅ!?」
続けようとしたがまたもや奇声を上げて、失言が食い止められる。ついには顔を赤くして、息も絶え絶えになってしまった。
「お嬢様はバルター様にお会いできて、少々舞い上がっておられるのです」
そう言いながらさっきまでダクネスの背中に入れていた氷袋を隠す。
「そう言えば顔が赤いですね。いやあ、お恥ずかしい……」
.........実はこの人のこと調べて見たのだが、ものすごくいい人だったんだよな。
「お嬢様。失言が多いようでしたら、もっと強め痛い目にあわしますからね?」
「ご、ご褒美だ……」
.........当家のお嬢様は、何時だってぶれないなぁ
「あはははは……、私が居てはお邪魔かな? どうだね、庭の散歩でもしてきては」
唐突にそんな事を言い始める親父さん。
多分フォローしてくれてるんだろう
ダスティネス家の中庭は、真冬だと言うのに色取り取りの花に溢れていた。手入れもしっかりと行き届いており、大貴族の名に恥じぬ様相を見せている。おっ向日葵だ。いやなんで?
「……ご趣味は?」
「ゴブリン狩りを少々うぐっ」
「お嬢様。もう少し可愛いげのある趣味の方が良いのではないでしょうか?」
そう言いながら肘鉄を食らわす。バルター様には肩を少し強く叩いたようにしか見えないように。
「んっ……。ずいぶんと、仲がよろしいですね」
それを見咎めたバルター様が、流石に距離が近い事に対して疑問を持った様だ。
あからさまにやり過ぎただろうか?
と、ダクネスがフヒッと哂う。フヒッてなんだよフヒッて
「……ええ、この執事とは常に一緒におりますの。食事やお風呂も一緒。も、もちろん夜寝る時も……。んくうぅぅ……」
何言ってんだコイツ?
というかお前の羞恥のラインどこにあるの?
と、もじもじして俯いて居たダクネスは突然大声を上げだす。
「ええい!! こんな事、何時までもやって居られるか!!!」
いい加減に我慢の限界だったのだろうか?
聞き慣れた口調に戻りながら、ダクネスは身に纏っていたドレスのスカートを力任せに引き裂いた。大胆にストッキングに包まれた足を曝け出し、それどころか下半身がほぼ丸出しになってしまう。
バルター様は恥じらいつつも、女騎士のあられもない姿に視線が行ってしまった。
まあ、バルター様も男の子ですしね?
「おい、バルターとか言ったな。今から修練場に付き合ってもらおう。そこでお前の素質を見定めてやる!!」
最早貞淑な令嬢の面などかなぐり捨てて、冷徹な声で告げながらダクネスは見合い相手に指先を突き付ける。
正に脳筋
「お嬢様?」
.........ハァハァ言ってますが?
「ララティーナ様、僕は騎士です。女性に剣を向けるなど……」
おっバルター様、良いこと言いますね。
「なんと言う腑抜けな! ある男はな、自称男女平等主義者で、女相手にドロップキックを喰らわせられると豪語してるぞ!!」
.........カズマに風評被害
「実は……、ここには見合いを断る為に来たんです」
意を決した様な表情のバルター様が、唐突にそんな事を語り始めた。
「でも、貴女を見て気が変わった」
バルター様は更に己の胸中を言葉にして行く。
「豪放にして、それでいて可愛い一面もある。物事をはっきり言える清々しさに、執事に対しても同じ目線で接するその態度」
再び目を見開いた時、バルター様は新たな決意を抱いた様に見えた。
「僕はあなたに興味が沸いた!」
「もう良いでしょう!? なぜ諦めないんですか、貴女は!?」
狼狽えながら叫んだバルター様の目には、強い困惑の色が浮かんでいた。
「どうした! 遠慮などせずもっとどんどん来い!! 徹底できる強さを見せろ!」
中庭から屋敷の中の修練場に場所を移して、早くも三十分程が過ぎている。部屋の中央では木刀を持ったダクネスとバルター様が向かい合っているのだが、それはもう練習試合とはとても言えない様相を呈していた。
バルター様がダクネスを一方的に攻めて叩き伏せる。
こんな光景が三十分の間に幾度も繰り返されて、ダクネスはその度に嬉しそうに何度も向かって行く。
どんなに実力に差がある事を見せ付けても、お嬢様は諦める事を知らずに顔を赤らめてハアハアと息を荒げて悦んでいた。
「参りました……。技量では勝っていても、心の強さで負けました。これ以上貴方を打つ事は出来ません。……貴女は、とても強い人だ」
ダクネスはまだまだやる気の様だが、バルター様の方はついに木刀を取り落として俯く。
精神での敗北を認め、これ以上の攻撃を振るえぬ自分を恥じる彼は、やはり立派な騎士なのだろう。
最後には、けっして挫けなかったお嬢様を称える様に、青年は朗らかに微笑んで見せた。
一見すれば感動的な場面なのかもしれないが、そんな立派な騎士の相手はただのドMである。
これは微妙な表情以外でどんな表情をすればいいと言うのだ。
「この腑抜けが! 良しスティーブ、お前の容赦の無さと外道さをバルターに教えてやれ!!」
「ちょっと待て!カズマと混ざってる!混ざってるから!」
どうやらこの変態のなかではカズマと同類のようだ。シバき倒すぞ
「僕も見たいな。ララティーナ様が信頼を寄せる君が、どんな戦いをするのか」
.........ああもう!
「どうせ見合いは失敗だ。それならやってやろうじゃないか」
「よし、良いぞスティーブ! 実は一度お前とやり合いたかったのだ! さあ、全力で掛かってくるが良い!」
そう、木刀を投げつけてくる
木刀か、抜刀剣ぶりだな。今でも持っているけど。普通の木刀は作らないからな
「そいっ」
受け取った瞬間に間合いを詰めて横凪ぎ
「ふぐぅ!?」
そのまま横に吹き飛ばされるダクネス。今のはいい一撃だったはず
「.........ってあれ?」
木刀がない。いや、粉砕されている。
「.........脆くないか?」
そういえばこっちの武具は脆いんだった
というかダクネスが起き上がらないのだが?
「ダクネスどうし.........あ、」
嬉しそうな顔で気絶している。なんかハァハァいってるし
「.........というかこの状況なんかヤバくね?」
ドレスは無残にも破かれ、あられもなく肌を晒しながら頬を上気させて倒れ込む。
やっていた事は馬鹿らしいいさかいなのに、事後の姿はまるで襲われた様にしか見えない。いやなんで?
はっきりいってこんな現場、とてもでは無いが親には見せられない。
そんな事を考えていると、訓練場のドアを開け放ち、使用人を伴った親父さんがタイミング良く現れた。現実は非情である。
「ちょっとした飲み物の差し入れに.........」
恐らくは、値段はちょっとしたで済まないだろうワインのボトルが、親父さんの手から滑り落ちて見事に砕け散った。というか差し入れがワインなんだ
その瞳が映すのは、無残な姿の自分の娘と、直ぐ近くに居る二人の男。
多分間違った事を察した親父さんは佇まいを直して、腕を払いながら短く告げた。
「良し、処刑しろ」
「「違うんです! 誤解です!!」」
その間1tickにも満たなかった。そのくらい命の危機を感じた。
命の危機とは無縁のはずなんだがなぁ
命懸けの説得で事無きを得た後に、再び客間に集められていた。
見合いが完全に失敗した事もあり、その事の謝罪をした後に、バルター様にも自分の正体を明かす。
もっともバルター様は早い段階で、執事ではないと見抜いていたし、親父さんも特に見合いの成否についてはとがめはしなかった。
どうせこうなる事は、最初からある程度覚悟していたのだと言う。
使用人達によって部屋着に着替えさせられたダクネスは、まだ気絶したままでソファーに横たえられていた。
その娘を見ながら、親父さんは語り始める。
その声色は、娘を思いやる深い滋味に溢れていた。
「娘は元々人付き合いが苦手で、クルセイダーになってもいつも一人きりでなぁ。毎日エリス様の教会に通い詰め、冒険仲間が出来ます様にと祈って居たら、ある日『初めて仲間が出来た、盗賊の女の子と友達になった』と喜んで帰って来たよ……」
クリスのことだろう
「うちは家内を早くに亡くして、男手で甘やかしながらも、とにかく自由に育てて来た。それが悪かったんだろうなぁ……」
関係ないような.........
「ララティーナ様は素晴らしい女性だと思いますよ。スティーブ君が居なければ、僕は本気で妻に貰いたいと思っています」
「すいません。爆裂魔法とリザレクションのコンボ攻撃が必要そうですね?」
何だか知らない間にダクネスが恋人みたいな扱いになっているのだが?
「君の方が、ララティーナ様を幸せに出来るだろう……」
「ハハハハハ、『エクスプr」
周りの使用人に取り押さえられた。はなせえ!
「ふっ、ふははは、あははははっ!! カズマ君、これからも娘を宜しく頼むよ」
え?どゆこと?
「これが馬鹿な事をしないよう、見張ってくれ。頼む……」
「うぇ……? あ……、はぁ……」
いらないのだが.........いやそのうち愛着とか出てくるのかなあ
「うっ……、んん……」
「おお、目が覚めたか」
「ん……? この状況は事後なのか……? はっ!? 意識を失っている間にいかがわしい事を!?.........あれ?カズマは?」
「ちょっと待て、どんな夢見てたんだよ。ここにカズマはいねえよ」
なんでカズマの名前が?
「いや.........カズマと決闘をしていて.........そこでカズマが『俺が勝ったらお前が恥ずかしがって泣いて謝る事をしてやる』と言われて.........」
「うん。そこまででいい。あったかもしれない世界線だけどここにはカズマはいないから。いないから。OK?」
なんちゅう夢見てんだよ
「ちなみにダクネス、お見合いは失敗に終わったからな?いらんこと言ってややこしくするなよ」
「失敗したのか!?」
そう、嬉しそうに叫ぶ。それをしばく
「.........父には僕からお断りをしたと言っておきます。その方が都合が良いでしょうから」
ありがてえ
「バルター様、ありがとうございます」
お礼を言っとく
そうして、バルター様はウインクしてから立ち去って行く。
最後まで本当に、貴族では珍しいぐらいの人の好さであった。
その部屋を出て行く背中を見送ってから、心底あの青年にダクネスを押し付けられなかった事を悔やんでしまう。くそう.........
「.........帰るか」
なんか、どうでもよくなった
スティーブは欲があまり無いようです。せいぜい食欲が常人より高いくらいでしょう