2,3話やったらメインストーリー突入。
翌日の昼。ミレニアムの僻地に存在する廃墟のような跡地に3機の機体が降り立った。
「ふぅ....なんとかバレずに来れたな...。」
「ここに、私達と同じ存在が...。」
「本当にいるとは断定できないけどね。でも、明らかにこの建物、なにかの研究所だった痕跡があるよ。ほら、ここにあるガラスだって周囲の物を見る限り、何らかの機械の外装だよこれは。」
そう言って最後に降り立った人物....クロエが早速見つけた建物の入口へと走る。続いて展開したまま浮遊するハナヨと装備を整えてアサルトマシンガンを片手に構えたヴィンセントが周囲の安全確認をする。今回、廃墟へと足を運んだのはこの3人だけなのだが、実際にこれらには明確な理由が存在する。割れてる情報だけでも、重要事項が2種類あるのだが、一種類は博士でないと解決できない。そう考えると、残りの戦闘人員は自ずと廃墟の内部にあると思われる人工ボディの調査へと割り振られるのだ。ずんずんと進んでいく中、クロエは手に持っている一枚のタブレットを見つめる。
「それにしても....こんな大事なもの、私が持っててもいいのかなぁ...?」
クロエがそう呟くのは朝の出来事が原因である。
朝、訪ねてきたユウカはひとまず内部へと案内してもらい艦橋ブリッジへとあがらせてもらった。
「へぇ...ここが。」
「ふぉぁ...寝起きだから着替えてくるね〜...。」
流石に寝間着で対応するのもアレなので着替えるためにしばし席を外すクロエ。そして、数分して戻ってくる。
「よし...それで?要件って?」
「ええ、これを預かってもらおうかと思いまして。」
そう言ってユウカは手に持っていたアタッシュケースのロックを外し蓋を開けた。中には昨日のタブレットが入っており、純正の充電器も入っていた。
「これって、昨日の...。」
「ええ、昨日あのあと連邦生徒会で完全移管を確認して、今後の対応を協議したの。先生が行方不明である以上、誰がこれを持つべきか、ってね。色々揉めたけど、最終的には今回の一見を収めてくれたあなたに一旦預けておこうってなったの。...まあ、最もあの子を制御できそうなのはあなたしか居ないっぽいしね...。」
「あの子って....ハヤナのこと?」
「ええ。あの子隙あらば私達の建物の全制御権を奪い取ろうとするから焦ったわよ。うちのヴェリタスの妨害がなければ...。」
「ア、アハハ....。」
とんでもない事実に一瞬引くクロエと呆れているユウカ。更に出てくる一言がなければ穏便に終わっただろうに...。
「おまけにこのタブレット、どうも指紋認証しちゃったみたいで、まともに使おうと思うとあなたしか使えなくなっちゃったみたいで...。」
「えっ...いつ指紋なんて....あっ!!!」
一瞬考えた後、すぐさま察した。よくよく考えれば、絶対に触ったタイミングが一つあったではないか。
「っーーー!!!!あのときに!!」
タブレットを手渡す際に一度だけ手で持ったじゃないか。絶対それしかなかった。
「....はぁ、ますます滞在する理由ができちゃったよ...。」
クロエが項垂れ、ユウカが溜息をつく。しかし、そこからの行動も早かった。タブレットを左手で持ち、右手でコンソールを叩いていく。
「ユウカちゃん、ちょっと揺れるから気をつけてね〜。」
「揺れるって....うわぁっ!?」
ガコン、という音ともに揺れる船体。ユウカは突然の出来事に対応できずふらついたが、エルが咄嗟に出てきて助けてくれたため事なきを経た。目の前の大きな画面を見やると、そこに写っていたのはDU地区の全体図だった。
「まだ本調子じゃないけど、このティーレをこの前の場所に移動させるよ。」
「こ、こんな大きな船をですか!?置ける場所なんて...!」
「だいじょぶだいじょぶ!そこまでスペースは取らないし、また襲われたときにこの子がいればどうにかなるから!」
「は、はぁ...。」
言われるがままに移動していくさまを見ていることしかできないユウカ。果たしてほんとにクロエに渡してよかったのだろうかと悩むのはこの翌日の出来事となる。
そしてその翌日。本格的に渡されたタブレット、名を【シッテムの箱】と言うが、これを用いての協力が始まった。拠点として借り当てられたシャーレの建物に入ったクロエは即座に全システムをシッテムの箱の中にいたアロナと言う少女とハヤナに掌握してもらい、自身もエルに魔改造を頼んだ。一時間もすれば、掌握は終わり、住みやすく魔改造がされていた。そしてようやく執務開始となったのが、この日のお昼の事である。そうして業務を処理していくうちに、ふと、目についた報告があった。
「うん?人工身体を用いた研究?」
『どうも人工的に体を製造することで、非人道的な研究も合法化できるとか考えたんじゃない?そんなの狂気の沙汰だと思うけど。』
「ハヤナ?あなたイノベイドでしょ?人工の身体でしょ?人のこと言えないよ?」
「はうっ!?」
ハヤナの心にクリーンヒット。アロナは意味がわかってないらしく、首を傾げていたので簡潔に説明してあげた。だが、そんな研究がなぜこんな辺鄙なところで行われているのか。意味はわからなくもないのだが、わざわざこの学園都市キヴォトスでするメリットが見当たらないのだ。不穏に思ったクロエはアロナに頼んで施錠準備をしてもらう。それと同時に通信を開いた。
「お兄ちゃん!」
『クロエか。どうした?』
「トーリスリッター発信準備!合流地点は後で転送するから!」
『何がなんだかわからないがわかった!』
これが約2時間前の出来事である。
探索地点に来たのはクロエとヴィンセント、そしてしばらくの間補佐につくことになったユウカだった。出発の準備をしていたらユウカがやってきて、場面を見られて事情を詰められた。そのためトーリスで抱えてここまで連れてきたのだ。尚なんの防護もしなかった為ユウカはノックダウンしている。
「成程な....いくつも生成していた痕跡がある。でなければこんなにカプセルがあったようなあとは残らない。」
と、喋っているとぷよぷよと浮いている機械が数体、こちらに向けて銃口を向けているのが見えた。しかし...
「はーい制御権奪取しちゃおうね〜!」
クロエが距離を詰めて銃口に触れた途端、ザク、ザクと侵食されていき、数秒もすれば残りの機械に乱射するドローンの姿が。
『ひ、ひえ...怖いですよこれ!?こんなのアロナにされたら....。』
「大丈夫だってアロナちゃん、こう見えても私は信頼した人以外にはこんなひどいことはしないから!」
そう言っては居るが、片手間で制御権を強奪しながら探索を進めているあたり何も言えなかったりする。少しずつ進んでいくにつれ、襲いかかってくる自立ロボの数も増えてきたが、そこは本分。クロエのトーリスとヴィンセントのツヴァイで次々とハエたたきのごとく撃ち落とされていく。やがて大きな扉へと辿り着いた。
「これが....。」
一回り大きな扉の前についた二人と抱えられたユウカ、そして後から帰りのための残敵掃討をしていたハナヨも合流した。
「藪が出るか蛇が出るか....!!!」
ヴィンセントはビームサーベルを展開すると、扉へと突き立てるのだった。
To be continued....
長らくおまたせしてしまいすいません....
来月以降は社会人になる関係上、更に更新頻度は落ちてしまいますが、エタらせるつもりは金輪際ございませんので気軽に待っていただけると幸いです。