KAMEN RIDER WISEMAN IN FAIRY TAIL   作:Gussan0

15 / 16
どうも|ω・`)ノ ヤァ

続き書けたで候。

では、また(╯°□°)╯︵ ┻━┻


第十五話 妖精の尻尾vs幽鬼の支配者②

数分前……

 

マカロフが魔力をまき散らしながら、ジョゼの元へとゆっくりと歩いていく。

 

そしてマカロフの怒りに呼応するように、魔力の波動も徐々に跳ね上がっていく。

 

 

「ジョゼぇ……あれは何の真似じゃ……お?」

 

 

「これはこれは……お久しぶりです、マカロフさん。六年前の定例会以来ですか……いやぁ……あの時は参りましたねぇ……ちょっとお酒が入っていたもので……」

 

 

 

ドゴォ!!!!!!

 

 

 

間髪入れずにマカロフが巨人の腕を振るう。

 

 

「世間話しに来た訳じゃねぇんだよ、ジョゼ」

 

 

「ほほほ……それはそれは」

 

 

しかし、ジョゼはダメージを受けるどころか、その姿がボヤケていた。

 

 

「思念体じゃと!?貴様……このギルドから逃げたのか!?」

 

 

聖十大魔道(せいてんだいまどう)同士の戦いは天変地異さえ起こしかねない。私はただ合理的な勝利を好むものでしてね」

 

 

「どこにおる!正々堂々来んかい!!」

 

 

マカロフが叫んだ直後、ジョゼの足元にある少女が現れる。

 

 

「ルーシィ!?」

 

 

なんと気絶したルーシィがいたのだ。

 

 

「な、なぜ……!?」

 

 

混乱するマカロフを他所に、ジョゼはナイフをルーシィに向けて刺し殺そうとする。

 

 

「よせぇっ!!??」

 

 

直後、焦るマカロフの後方に巨大な目隠しをした男が姿を現す。

 

 

(しまった!こやつ……気配がない!!)

 

 

現れたのはエレメント(フォー)が一人、大空のアリアであった。

 

 

「かっ……か……か……悲しい!!」

 

 

「くぁあああ!?」

 

 

マカロフはアリアによる不意打ち攻撃を食らい、吹き飛ばされる。

 

 

「ほほほ……我々がルーシィ様を殺す訳がないでしょう。今はまだ……ね」

 

 

「あぁぁあああ!!!!」

 

 

(何じゃこれは!力が出ん!!)

 

 

マカロフの魔力がみるみると減っていく。

 

すると、マカロフの魔力が全てなくなってしまった。

 

 

「まさか自分のギルドの仲間だというのにルーシィ・ハートフィリア様が何者かご存知ない?まあ、貴方にはもう関係のない話ですが……ね」

 

 

「あぁぁあああ!!!!」」

 

 

マカロフは悲鳴を上げながら、最上階から落下してしまった。

 

 

「悲しすぎる!この悲しみはどこから来るのだ!!嗚呼!!!偉大なる魔導士が消えゆく悲しみなのか!!!!」

 

 

アリアはその様子を見ながら号泣する。

 

 

「アリアさんの魔法は相手の魔力を“(から)”に、すなわち“()”にする魔法なのですよ。これはもう我々の勝ちですねぇ」

 

 

そしてジョゼも、そんなマカロフの姿を見ながらほくそ笑んでいた。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

突然、天井から何かが落ちてきた。

 

 

「何だ!?」

 

 

「何か落ちて……」

 

 

「え?あれって……」

 

 

「そんな……まさか……!!?」

 

 

落ちてきたものを見て、一同は驚愕する。

 

 

「あ……あ……う……あ……ワ……ワシの……魔力が……」

 

 

落下してきたのはマカロフであった。

 

魔力がなくなった影響からか、年相応に弱々しくなっていた。

 

 

「じっちゃん!!」

 

 

「マスター!!」

 

 

マカロフの周りにいたナツ達が駆け寄る。

 

 

「マスター!しっかり!!」

 

 

「ど……どうなってんだ!!?マスターから全く魔力を感じねぇ!!!」

 

 

「お、おい……それじゃ、ただのじーさんになっちまったのか」

 

 

「何でだ!?」

 

 

マカロフを見て動揺するフェアリーテイルの面々。

 

 

「ありえねぇ!どうやったらマスターがやられるんだ!!」

 

 

「一体……上で何があったんだ……」

 

 

それを見たファントムはチャンスとばかりに攻め込んできた。

 

 

「いけるぞ!これで奴等の戦力は半減だ!!」

 

 

「今だぶっ潰せ!!」

 

 

その勢いに、次第に追い詰められていく。

 

 

(いかん……!!戦力だけではない……士気の低下の方が深刻だ)

 

 

涙を拭い、そう判断したエルザは……

 

 

「撤退だー!全員ギルドへ戻れーー!!」

 

 

そう命令を出した。

 

 

「!!!」

 

 

「バカな!!!」

 

 

「漢は引かんのだー!!!」

 

 

「俺はまだやれるぞ!!」

 

 

「私も!!」

 

 

当然一同は反対するが、それでもエルザは曲げない。

 

 

「マスターなしではジョゼには勝てん!撤退する!!命令だ!!!」

 

 

エルザの言葉に、納得出来ない表情をするものの、大人しく撤退を始める妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔導士達。

 

 

「あらあら、もう帰っちゃうのかい? ギヒヒ」

 

 

ガジルが可笑しそうに笑っていると、彼の側に目隠しをした巨漢の男、アリアが現れる。

 

 

「悲しい……」

 

 

「アリア……相変わらず不気味な野郎だ。よくあのジジイをやれたな」

 

 

「全てはマスター・ジョゼの作戦。素晴らしい!!」

 

 

「いちいち泣くな」

 

 

ガジルの問いに答えながら、大量の涙を流すアリア。

 

 

「で……ルーシィとやらは捕まえたのかい?」

 

 

「〝本部〟に幽閉している」

 

 

「何!?」

 

 

「どうしたのナツ」

 

 

そんなガジルとアリアの会話を、ナツの耳が捉えた。

 

 

「ガジルーー!!!」

 

 

「いずれ決着をつけようぜ……火竜(サラマンダー)

 

 

「待て!!」 

 

 

そう言い残すと、ガジルはアリアの魔法によってその場から消えた。

 

 

「ルーシィが捕まった?」

 

 

「え!!?」

 

 

ルーシィが捕まったと言う事に驚くハッピー。

 

 

「撤退だ!退けぇ!!」

 

 

「逃がすかぁ!フェアリーテイル!!」

 

 

撤退しようとするフェアリーテイルに追い討ちを掛けようとするファントム達だったが……

 

 

「お?」

 

 

「来い」

 

 

ナツがその内の一人の男の襟首を掴み、そのまま連れて行く。

 

 

「ナツ!どうするの!?」

 

 

「決まってんだろ!ルーシィを助けに行く!!」

 

 

ナツはそう言うと、ルーシィを助けに向かった。

 

 

「こんな所で退けるかよ!ソウタやレビィ達の仇をとるんだ!!」

 

 

撤退にも関わらず、未だ戦おうとするグレイ。

 

そんなグレイを、エルザが抱き締めて止めた。

 

 

「頼む……」

 

 

「エルザ……」

 

 

「今は退くしかないんだ……マスターの抜けた穴は大きすぎる……」

 

 

「分かった……」

 

 

エルザの説得に、グレイは悔しそうに歯を食い縛りながら、撤退を始めたのだった。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

その頃……街の外れではナツがファントムの男を引きずりながらハッピーと共に走っていた。

 

 

「言えよ。ルーシィはどこだ?」

 

 

「し……知らねえよ……誰だそれ……」

 

 

ナツの問いに男がそう答えた瞬間……

 

 

 

ゴォォォオオオ!!

 

 

 

「うわっ、あちっ、あちィーー!!!」

 

 

男は勢いよく炎に焼かれ、ナツに首を鷲掴みにされる。

 

 

「言え。これ以上、仲間を傷つけられたらテメェを灰にしちまいそうなんだ」

 

 

「ひっ……し、知らねえ!そんな奴は本当に知らねえ!!けど……俺達の〝本部〟はこの先の丘にある。そ……そこかも!!」

 

 

そこまで言うと、男は口からブクブクと泡を吹いて気絶した。

 

 

「よし、行くぞハッピー!」

 

 

「あいさー!」

 

 

ナツとハッピーは急いでファントムの本部へと向かう。

 

一方その頃、ファントムロードの本部では……

 

 

「ん?え?え!?ちょ……何コレ!?どこぉ!?」

 

 

ルーシィは両手を縛られた状態で独房のような所で目を覚ました。

 

 

「お目覚めですかな?ルーシィ・ハートフィリア様」

 

 

すると、独房に一人の男が入ってくる。

 

 

「誰!?」

 

 

幽鬼の支配者(ファントムロード)のギルドマスター、ジョゼと申します」

 

 

男の正体は全ての元凶である男……ジョゼ・ポーラであった。

 

 

「ファントム!?」

 

 

(そうだ……あたし、エレメント4に捕まって……)

 

 

ルーシィは自分がエレメント4の手によって、捕まったことを思い出す。

 

 

「このような不潔な牢と拘束具……大変失礼だとは思いましたが、今はまだ捕虜の身であられる。理解のほどをお願いしたい」

 

 

「これ解きなさい!何が捕虜よ!!よくもソウタやレビィちゃん達を!!」

 

 

「あなたの態度次第では捕虜ではなく〝最高の客人〟としてもてなす用意も出来ているんですよ」

 

 

「何それ……」

 

 

ジョゼの言葉にルーシィが疑問を感じていると、彼女の足にムカデが這う。

 

 

「ひあっ」

 

 

「ね?こんな牢はイヤでしょう?おとなしくしていればスイートルームに移してあげますからね」

 

 

「な……何であたし達を襲うのよ?仲悪いとは聞いてたけど……」

 

 

「あたしたち?ああ、フェアリーテイルの事ですか?ついでですよ、ついで」

 

 

ルーシィの問い掛けに、ジョゼは顎を撫でながら意地の悪い笑みを浮かべて言った。

 

 

「私たちの本当の目的は、ある人物を手に入れる事です。その人物がたまたまフェアリーテイルにいたので、ついでに潰してしまおう……とね」

 

 

「ある人物?」

 

 

「あのハートフィリア家のお嬢さんとは思えないニブさですねぇ」

 

 

ジョゼはムカデを踏み潰しながら続けた。

 

 

「あなたの事に決まってるでしょう。ハートフィリア財閥(コンツェルン)令嬢……ルーシィ様」

 

 

ジョゼがそう言うと、ルーシィは恥ずかしそうに顔を赤くさせる。

 

 

「な……何でそれ知ってんの?」

 

 

「あなた……ギルド内では自分の身分を隠していたようですねぇ。この国を代表する資産家の令嬢がなぜに安く危険な仕事をしているのかは知りませんがね」

 

 

「誘拐……ってこと?」

 

 

「いえいえ滅相もございません。あなたを連れてくるよう依頼されたのは、他ならぬあなたの父上なのです」

 

 

それを聞いたルーシィの表情は驚愕に染まる。

 

 

「そんな……ウソ……なんであの人が……」

 

 

「それはもちろん可愛い娘が家出をしたら捜すでしょう、普通」

 

 

「しない!あの人はそんな事気にする人じゃない!!あたし絶対帰らないから!!あんな家には帰らない!!!」

 

 

「おやおや、困ったお嬢様だ」

 

 

ジョゼは溜め息混じりに言う。

 

 

「今すぐあたしを解放して」

 

 

「それは出来ません」

 

 

ルーシィの申し出をジョゼは即答で却下する。

 

すると、ルーシィは焦ったような表情を見せる。

 

 

「……てか、トイレ行きたいんだけど」

 

 

「これはまた随分古典的な手ですね」

 

 

「いや……マジで……うぅ……助けて~~」

 

 

「どうぞ」

 

 

「!!!」

 

 

そう言ってジョゼが指差したのは、独房に備え置かれていたバケツであった。

 

ルーシィも、さすがにこれには引いていた。

 

 

「ほほほ……古典ゆえに対処法も多いのですよ」

 

 

「バケツかぁ……」

 

 

「するんかいっ!!」

 

 

もぞもぞするルーシィを見てジョゼは驚く。

 

まさか本当にしようとするとは思わなかったのだろう。

 

 

「な……なんてはしたないお嬢様なんでしょう!そして私はジェントルメン!!」

 

 

ジョゼは百面相したあと、そう言って後ろを振り向く。

 

それを見たルーシィはニヤリと笑い……

 

 

「えいっ」

 

 

「ネパァーーーーー!!!!」

 

 

ジョゼの股間を思いっきり、蹴り上げた。

 

これには流石のジョゼも溜まらず倒れ込む。

 

 

「古典的な作戦もまだまだ捨てたもんじゃないわね。今度小説でつかお♡」

 

 

「ぬぽぽぽぽ」

 

 

「それじゃ!お大事に♡」

 

 

苦しむジョゼを尻目に、ウィンクしながら独房から出ようとするルーシィ。

 

しかし、出口の前で思わず動きを止める。

 

何故なら……

 

 

「え?」

 

 

ルーシィの居る独房は空高く立った塔にあり、とても降りられるような高度ではなかったのだ。

 

 

「残念……だったねぇ……ここは空の牢獄……」

 

 

腰をトントン叩きながら、何とか起き上がるジョゼ。

 

 

「よくも……やってくれましたねぇ……」

 

 

「う……」

 

 

目の前はジョゼ、後ろは断崖絶壁。

 

とても逃げられる状況ではなかった。

 

 

「さあ……こっちへ来なさい……お仕置きですよ……ファントムの怖さを教えてやらねばなりませんね」

 

 

そう言って、ゆっくりとルーシィへ歩み寄るジョゼ。

 

すると、ルーシィは一瞬悩むが、やがて決心したような顔付きになり……

 

 

 

たんっ

 

 

 

何と、塔から飛び降りたのだ。

 

 

「な!?」

 

 

驚愕するジョゼ。

 

 

(声が聞こえたんだ!絶対……いる!!)

 

 

ルーシィは真っ逆さまに落下しながら、頭の中に浮かんだ人物の名前を叫んだ。

 

 

 

 

 

 

「ナツーーーー!!!!」

 

 

 

 

 

 

「ぬおああっっ!!!!」

 

 

直後、呼ばれたナツが焦った表情で間一髪ルーシィを受け止める事に成功する。

 

二人はそのまま転がりながら、壁に激突することでやっと止まった。

 

 

「ルーシィが降ってきたーーー!!!」

 

 

「無茶苦茶だなおい!てかチチ……」

 

 

「やっぱり!いると思った」

 

 

「大丈夫か?」

 

 

「うん……なんとか」

 

 

ナツに両手に巻かれたロープを解いてもらいながら、ルーシィは答えた。

 

 

「よかった!オイラ達もギルドに戻ろう!!」

 

 

「はぁ?ここが本部だろ?だったら……」

 

 

「エルザは撤退って言ってたよ」

 

 

「ビビってんだよ!オレはこんな奴等ちっとも怖くねえ!!」

 

 

「マスターだって重傷なんだよ!!」

 

 

「じっちゃんの仇も取るんだよ!!」

 

 

「ナツ一人じゃ無理だよ!!」

 

 

「何だと?」

 

 

「無理だよ!」

 

 

「二回言うな!!」

 

 

「みんなケガしてんだよ!!」

 

 

「オレはしてねー!」

 

 

「ナブなんか骨折して……」

 

 

「弱ぇんだアイツは!」

 

 

「ウォーレンだって……」

 

 

ナツとハッピーが戻るか戻らないかで激しく口論する……が、その口論を聞いていたルーシィが段々と表情を暗くさせる。

 

 

「ごめん……」

 

 

「「?」」

 

 

突然のルーシィの謝罪に二人は首を傾げる。

 

 

「ごめんね……全部……あたしのせいなんだ……」

 

 

ルーシィは段々と涙声になり……

 

 

「それでもあたし……ギルドにいたいよ……フェアリーテイルが大好き」

 

 

大粒の涙を流しながら、そう言った。

 

 

「オ……オイ!どした!?何の事だ!?」

 

 

「ルーシィ?」

 

 

泣き止まないルーシィにナツは焦る。

 

 

「いればいいって!何だよそれ……」

 

 

「ナツ……戻ろうよ」

 

 

「お……おう。しゃあねえな……」

 

 

ルーシィの涙を見たナツは折れ、そのままギルドへと戻ることになった。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

そして、ギルドに戻って来たフェアリーテイルであったが……

 

 

「痛て……」

 

 

「あーくそっ!!」

 

 

「まさか俺達が撤退するハメになるとは!!」

 

 

「悔しいぜえ!!」

 

 

「ギルドやソウタ、レビィ達の仇も取れてねえ!」

 

 

「ちくしょオ!!!」

 

 

ファントム戦にて負傷し、勝つことが出来ずに悔しがる者達……

 

 

「奴等の本部はここだ」

 

 

「南西の高台から遠距離魔法で狙撃すれば」

 

 

「今度は爆弾魔水晶(ラクリマ)、ありったけ持っていくんだ!!」

 

 

所持(ホルダー)系魔導士用の強力な魔法書を倉庫から持って来い!!」

 

 

今度こそ、ファントムを潰そうと奮起する者達がいた。

 

その様子を、ルーシィは浮かない表情で見ていた。

 

 

「どーした? まだ不安か?」

 

 

そんなルーシィに、グレイとエルフマン、ナツ、ハッピーが歩み寄る。

 

 

「ううん…そう言うのじゃないんだ……なんか…ごめん……」

 

 

「まあ金持ちのお嬢様は狙われる運命よ。そしてそれを守るのが漢」

 

 

「そういう事言うんじゃねえよ」

 

 

エルフマンの発言をグレイが注意する。

 

 

「でもオイラも驚いたな。ルーシィ、何で隠してたの?」

 

 

ハッピーの問いにルーシィは顔を俯かせながら口を開く。

 

 

「隠してたわけじゃないんだけど……家出中だからね……あまり話す気にもなれなくて……。一年間も家出した娘に関心なかったクセに……急に連れ戻そうとするんだもんな……パパがあたしを連れ戻すためにこんな事したんだ……最低だよ。でも……元を正せばあたしが家出なんかしたせいなんだよね……」

 

 

「そ……そりゃ誓うだろ!悪いのはパパ「バカ!」あ……いや……ファントムだ!!」

 

 

グレイに怒鳴られ、すぐに訂正するエルフマン。

 

 

「あたしの身勝手な行動で……まさかみんなにこんなに迷惑かけちゃうなんて……本当にゴメンね……あたしが家に戻れば済む話なんだよね」

 

 

「そーかなあ」

 

 

ルーシィの話を聞いて、今まで黙っていたナツが口を開く。

 

 

「つーか『お嬢様』ってのも似合わねえ響きだよな。この汚ねー酒場で笑ってさ……騒ぎながら冒険してる方がルーシィって感じだ。ここにいたいって言ったよな? 戻りたくねぇ場所に戻って何があんの?妖精の尻尾(フェアリーテイル)のルーシィだろ?ここがお前の帰る場所だ」

 

 

ナツの言葉に、ルーシィは再び目に涙を浮かべる。

 

 

「泣くなよォ、らしくねえ」

 

 

「そうだ!漢は涙に弱い!!」

 

 

「だって……」

 

 

ナツ達の温かい言葉によって、ルーシィの中にあった罪悪感が少しずつではあるが、薄らいでいった。  

 

一方ミラは今、この場にいないラクサスに助太刀してもらえるよう頼むため、通信用魔水晶(ラクリマ)の前にいた。

 

通信用魔水晶(ラクリマ)は遠く離れた相手と会話をするための魔水晶であり、基本的には大きな水晶が使われている。

 

最近は小型化が進んでいるが、実用化するまでにはまだ時間がかかるらしい。

 

側ではカナがカードを使った占いでミストガンの居場所を探しているが、雲行きは怪しい。

 

ラクサスとミストガンはフェアリーテイルにおけるS級魔導士である。

 

そんな二人が帰ってきてくれれば、危機的状況にあるフェアリーテイルの戦力が増強されるのではあるが……。

 

 

「ダメ!ミストガンの居場所は分からないっ!!」

 

 

「そう……残念ね……」

 

 

ミストガンはいつも放浪しており、どこにいるかは不明。

 

たまにギルドに来たとしても、皆を眠らせてしまうため他人との関わりを避けている。

 

占いで居場所を探ろうにも効果は無く、ミストガンに関しては完全にお手上げだった。

 

 

「ルーシィが目的だとすると奴等はまた攻めて来るよ。怪我人も多いし……ちょっとマズイわね」

 

 

「マスターは重傷、ミストガンの行方は分からない……頼れるのは貴方しかいないのよ……ラクサス」

 

 

ミラはラクリマに映し出されている金髪の青年、ラクサスに話しかけた。

 

 

『あ?』

 

 

「お願い……戻ってきて。フェアリーテイルのピンチなの」

 

 

ミラは悲壮な表情をしながら、ラクサスに帰還を頼む。

 

しかし、ラクサスはそんなミラを嘲笑うかのように返した。

 

 

『あのクソじじいもざまぁねぇなァ!ははは!!!オレには関係ねぇ話だ、勝手にやっててちょうだいよ』

 

 

「ラクサス!あんた!!」

 

 

ラクサスのあまりの言いように、カナが立ち上がって怒るが、ラクサスは意に返しておらず、ニヤニヤ笑っている。

 

 

『だってそうだろう?じじいの始めた戦争だ。なんでオレたちがケツを拭くんだ』 

 

 

「ルーシィが……仲間が狙われてるの」

 

 

『あ?誰だそいつァ……あぁ……あの乳のデケぇ新人か。オレの女になるなら助けてやってもいいと伝えておけ!それとじじいにはさっさと引退してオレにマスターの座をよこせとな』

 

 

「あんたって人は……!」

 

 

『オイオイ……それが人にものを頼む態度かよ?とりあえず脱いでみたら?オレはお色気には弱……』

 

 

 

パリィン!

 

 

 

ミラはとうとう怒りの感情のまま、ラクリマを壊してしまった。

 

 

「信じられない……こんな人が、本当にフェアリーテイルの一員なの……?こうなったら、次は私も戦う!」

 

 

「な……何言ってんのよ!」

 

 

「だって私がいたのにルーシィはさらわれちゃって……」

 

 

「ダメよ。今のアンタじゃ足手まといになる。たとえ、元・S級魔導士でもね」

 

 

カナに止められ、ミラは悔しげに俯いてしまう。

 

もう一人のS級魔導士であるエルザはというと、汗を流すためにシャワーを浴びていた。

 

 

(マスター不在……ラクサス……ミストガンも。怪我人も多い……これ以上戦争を続けるのも不可能か……)

 

 

 

ガンッ!!!!!!

 

 

 

エルザは己への怒りで、思わず壁を殴りつけた。

 

 

(あの時、私がついていれば……情けない!私のせいだ!!)

 

 

エルザが自身の判断ミスで後悔していると……

 

 

 

ズウゥン!!!!

 

 

 

突如、轟音が響いた。

 

 

「なんだ!?」

 

 

エルザが身体にバスタオルを巻いて外へと出てみると、巨大な建物が四足歩行で海の向こうからフェアリーテイルへと向かっていたのだ。

 

 

「な、なんだ……あれは?」

 

 

「ギルドが歩いて……ファントム……か?」

 

 

巨大な建物の全貌が見えていた。

 

まるでお城のような建造物で、それがロボットになったかのようだった。

 

そして、ファントムロードのマークがあった。

 

 

「想定外だ……こんな方法で攻めてくるとは……ど、どうする!?」

 

 

エルザは焦っていた。

 

まさかギルド事攻めてくるとは、想定外にも程があるからだ。

 

そして、ファントムのギルドはこちらのギルドの前で止まると、建物についていた砲身に魔力を溜めていく。

 

 

「あれは……魔導収束砲ジュピター!?」

 

 

「そんなの喰らったら……」

 

 

「ギルドを吹っ飛ばすつもりか!?」

 

 

そのとき……

 

 

 

「全員伏せろおおおおおおおおおお!!!」

 

 

 

エルザが叫び、皆の前に立ち塞がる。

 

ギルドを、皆を守るために。

 

 

「ギルドはやらせん!!」

 

 

エルザは超防御力を誇る『金剛の鎧』に換装した。

 

 

「金剛の鎧!?」

 

 

「まさか受け止めるつもりじゃ……」

 

 

「いくら超防御力を誇るその鎧でも……」

 

 

「よせ!エルザ!!死んじまうぞ!!!」

 

 

「ふせろォオ!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

ドゴオオオォォォォォォォォン!!!!!!

 

 

 

 

 

 

そして、魔導収束砲ジュピターが発射された。

 

エルザはそれを全身で受け止める。

 

 

「ぐああああっっっ」

 

 

鎧が少しずつ剥がれ落ち、全身から激痛もするが、エルザはなんとか耐えていた。

 

 

「ぐ、うううううう!!!」

 

 

それでも威力がとんでもないのか、エルザは少しずつ押されていく。

 

だが、彼女はここで負けるわけにはいかなかった。

 

 

(私の後ろには……守るべきギルドと家族がいる!!負ける訳にはいかん!!!)

 

 

そして、魔導収束砲ジュピターは細くなり、とうとう撃ち終わるが……

 

 

「ぐ、わあああああ!!!」

 

 

最後の最後で、耐えきれずにエルザは吹き飛ばされてしまった。

 

 

「エルザー!!」

 

 

「しっかりしろ!!」

 

 

ナツとグレイが直ぐ様、エルザに駆け寄る。

 

エルザはボロボロだった。

 

身体に相当なダメージを負っていた。

 

 

『マカロフ……そしてエルザも戦闘不能』

 

 

すると突然、ファントムにあるスピーカーから聴き覚えのある声がした。

 

 

「この声は、マスタージョゼだ!!」

 

 

『もう貴様らに、凱歌は上がらねぇ。ルーシィ・ハートフィリアを渡せ。今すぐだ』

 

 

「ふざけんな!!」

 

 

「仲間を敵に差し出すギルドがどこにある!?」

 

 

「ルーシィは仲間なんだ!!」

 

 

「そーだそーだ!」

 

 

「帰れ!!」

 

 

「ルーシィは渡さねぇ!!」

 

 

皆の言葉にルーシィは涙が止まらなくなりそうだった。

 

 

『渡せ』

 

 

「あたし……」

 

 

だがこれ以上皆が傷つくなら、そう思い悩むルーシィであったが……

 

 

 

 

 

 

「仲間を売るくらいなら、死んだ方がマシだっ!!!!!!」

 

 

 

「オレたちの答えは何があっても変わらねぇっ!!!!お前らをぶっ潰してやる!!!!」

 

 

 

 

 

 

そんな思いを掻き消すかのように、エルザが叫び、ナツが吠える。

 

 

「「「「「オォオオオオ!!!!!」」」」」

 

 

それに呼応するかのようにフェアリーテイルの魔導士達も雄叫びを上げる。

 

 

『ほう。ならば、さらに特大のジュピターを喰らわせてやる!!!!発動までの15分・・・恐怖の中であがけ!!!!』

 

 

ジョゼの怒り狂う声が響くと、ファントムのギルドから大量の兵が出てきた。

 

 

『地獄を見ろ。フェアリーテイル。様らに残された選択肢は二つだけだ。我が兵に殺されるか、ジュピターで死ぬかだ!』

 

 

それから放送が流れることはなかった。

 

 

「ありえねぇ……仲間事ジュピターで殺す気なのか?」

 

 

「お、脅しさ……撃つハズねぇ……」

 

 

「いや、撃つよ。あれはジョゼの魔法、“幽兵(シェイド)”……。人間じゃないのさ。ジョゼの魔法で造り出した幽鬼の兵士」

 

 

カナの言葉に他の者達は驚く。

 

 

「なに!?」

 

 

「シェイド……お化け!?」

 

 

つまり、何の問題もなくジュピターを撃ってくるということだ。

 

 

「ジュピターをなんとかしないとね……」

 

 

「俺がぶっ壊してくる!!」

 

 

「ナツ」

 

 

「15分だろ?やってやる」

 

 

「頼んだよ」

 

 

「おう!ハッピー!!」

 

 

「あいさー!!」

 

 

ナツは魔導収束砲ジュピターを壊す役目を名乗り、ハッピーと共に砲身に向かっていった。

 

 

「エルフマン!俺達も乗り込むぞ!!」

 

 

「おっしゃー!!」

 

 

その後を、グレイとエルフマンが追っていく。

 

 

「こっちは私とロキで守りをかためる!いいね!!」

 

 

「ああ」

 

 

いよいよ妖精と幽鬼の全面対決が始まろうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『起きて下さい……』

 

 

病院で眠る一人の少年の側で、金髪の少女が声をかける。

 

その少女は透き通っていた。

 

 

『起きて下さい……ソウタ……』

 

 

少女は眠っている奏太に手をかざす。

 

 

「ん……」

 

 

すると、眠っていたハズの奏太が静かに目を覚ました。

 

 

『今はまだ貴方にそんなに干渉出来ませんが……どうやら貴方がギルドにいる影響か、それとも()()()()がここにあるからかは分かりませんが、あの魔宝石も徐々に力を取り戻している様です』

 

 

少女は奏太の頭をソッと撫でる。

 

 

『期待していますよ、希望の白い魔法使いさん』

 

 

少女、妖精の尻尾(フェアリーテイル)初代マスター、メイビス・ヴァーミリオンは静かに消えたのだった。




序盤で初代登場。

奏太の事を知っていたようだが、果たしてどんな関係が?

では、また( `・∀・´)ノ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。