KAMEN RIDER WISEMAN IN FAIRY TAIL   作:Gussan0

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どうも|ω・`)ノ ヤァ

続き書けたで候。

では、どうぞ(╯°□°)╯︵ ┻━┻


第十六話 妖精の尻尾vs幽鬼の支配者③

ナツは魔導収束砲ジュピターの砲身に乗り、どうにかして壊そうとするが……

 

 

「くはー!ビクともしねぇ!!」

 

 

「やっぱり内側から壊さなきゃダメじゃないかな」

 

 

ひたすら殴っても、砲身は固くて壊せそうにない。

 

 

「おし!行くぞ!!」

 

 

「中は狭いんだね」

 

 

ナツ達は砲身から中に侵入することにした。

 

 

「うがががががっ」

 

 

ナツとハッピーが砲身の中を突き進んでいくと、そこは広い部屋になっていた。

 

そして部屋の中央に巨大な魔水晶(ラクリマ)があった。

 

ジュピターは弾丸の代わりに圧縮した魔力を放出していたのだ。

 

 

「よくわかんねーけど、ここを壊せばいいんだな」

 

 

「そうは……させない……」

 

 

すると、ジュピターの陰から一人の男が出てきた。

 

 

「見張り!?」

 

 

「どうでもいいさ!邪魔な奴は消すだけだ!!」

 

 

「させないよ……」

 

 

「時間がねえんだ!どいてろや!!」

 

 

ナツが男に攻撃を仕掛けようと突っ込むが、驚くべき事が起こる。

 

 

「ぐぼっ」

 

 

なんとナツが自身を殴ったのだ。

 

 

「ナツ!何やってんの!?」 

 

 

「いや、身体が勝手に……」

 

 

ナツは体勢を崩し地面を滑りながらも、上手く着地した。

 

 

「邪魔は……君の方だ……」

 

 

ナツの前には、侍のような格好をした男、エレメント4の大火の兎兎丸(ととまる)が立ち塞がった。

 

 

「どけ!俺はその大砲をぶっ壊すんだ!!」

 

 

「うん!あのラクリマを壊せばジュピターは撃てないハズだよ!!」

 

 

「そうは……させない……と、言ったろ?」

 

 

「時間がねえんだ!モタモタ喋ってんじゃねえ!!うらああっ!!!」

 

 

ナツは再度仕掛けるが……

 

 

「おっ!?」

 

 

今度も自分を殴ってしまう。

 

 

「ナツ!?」

 

 

「おおおお!?」

 

 

ナツはなんとか起き上がるが、自身に起こっている感覚に戸惑っていた。

 

 

「いってぇ……またかよ……何だこれ……」

 

 

「ナツ!こんなの相手にしてる場合じゃないよ!!早くジュピターを壊さなきゃ!!!」

 

 

「このヤロォ!」

 

 

「ナツってば!!」

 

 

ハッピーの説得も心虚しく、ナツは兎兎丸に突っ込んでいく。

 

しかし、三度失敗し、相手の膝蹴りで吹っ飛ぶ。

 

 

「私は火のエレメントを操りし、兎兎丸……全ての炎は私によって制御される」

 

 

「何だとオォ!?」

 

 

「敵であろうと、自然であろうと、全ての炎は私のものだ!」

 

 

「オレの炎はオレのもんだ!!」

 

 

「ナツ!そんな事はどうでもいいから、まずはコレ壊そうよ!!」

 

 

ナツは愚直に炎を纏った拳を叩きつけようとするが、兎兎丸はそれを操ってナツ自身を攻撃させる。

 

 

「相性が悪かったね……火の魔導士君」

 

 

その時、部屋の中央にあった巨大ラクリマが動き始めた。

 

 

「ジュピターが動き出した!!」

 

 

青い炎(ブルーファイア)!」

 

 

「んが!!」

 

 

兎兎丸が青い炎で攻撃するが、ナツはそれを勢いよく食した。

 

 

「うほっ。冷てぇ!こんな火は初めて食ったぞ」

 

 

「なるほど……君が噂の炎の滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)だったのか。相性の悪さはお互い様という訳か」

 

 

「はァ?」

 

 

「お互いに炎が効かないのだからね」

 

 

「勝手に決めんなよ。まだ食らってもねえだろ?」

 

 

「だから私に炎は当たらないのだよ」

 

 

するとナツは何かを思いついたのか、口をプクリと膨らませる。

 

 

「この魔法ならどうかな?」

 

 

「どんな魔法でも“炎”である限り、私は制御出来る」

 

 

「火竜の……」

 

 

「効かんぞ!」

 

 

(分かっている!口から炎を吐き出す魔法だ……!!)

 

 

ファントムロードにも鉄のドラゴンスレイヤーであるガジルがいるため、(ブレス)だと予想する兎兎丸。

 

しかし、攻撃は予想外のモノだった。

 

 

「つば!!」

 

 

ナツの渾身のツバ攻撃が、兎兎丸の顔にクリーンヒットした。

 

 

「あっはっはっは!」

 

 

「ナツ!やばいよ!!ジュピターが発射する!!!」

 

 

なお、現在巨大ラクリマには魔力が充電されている真最中である。

 

 

「おのれ!騙したな!!橙の炎(オレンジファイア)!!!」

 

 

「火の魔法はオレの食いモンだ!今度は何味かな?」

 

 

ナツはオレンジファイアを食らおうとするが、その瞬間ヒドイ悪臭に襲われる。

 

 

「な、何だコレぁ!くせぇ!!」

 

 

ナツは思わず鼻を押さえる。

 

 

「うおおおっ!鼻がもげるゥゥ!!」

 

 

「はははっ。クソの臭いの炎さ」

 

 

「下品な奴だなテメェ!!」

 

 

「さ、先にやったのは君だろ!!」

 

 

両者がくだらない言い合いをする。

 

ちなみにジュピター発射まであと2分30秒を切った。

 

 

「あったまきたぞ!」

 

 

「ナツ!もういいって!!落ち着いてよー!!!」

 

 

「黙ってろ!!」

 

 

ナツは魔法を使用せずに、兎兎丸に殴りかかる。

 

 

「魔法は諦めて素手か?ならば刀を持つ私の方が有利」

 

 

兎兎丸が攻撃を仕掛ける。

 

ナツはかわすが、やはり武器を持つ兎兎丸の方が有利であった。

 

 

「ちっ」

 

 

ナツは思わず右手に炎を纏う。

 

 

「学習能力のない人だね……」

 

 

「ぬぅぅ……がっ!!」

 

 

「うぉ!?」

 

 

兎兎丸が炎の制御を奪う……が、なんとナツは自身を殴りながらも炎の放つ範囲をデカくする事で兎兎丸に攻撃を食らわせたのだ。

 

 

「へへっ」

 

 

ナツの思わぬ機転に兎兎丸は焦る。

 

 

(こいつ……私に届く距離まで炎の範囲をでかくした!!)

 

 

ナツは再度、炎の範囲をでかくして攻撃を仕掛ける。

 

なお、この時、ジュピター発射まで1分13秒程である。

 

 

「同じ手は二度と食わんぞ!」

 

 

兎兎丸が後ろに下がりながら、炎の制御を奪おうとする。

 

 

「ぐぬぬぬ」

 

 

「なに!?う……動かんぞ、あの炎!!」

 

 

「ぬぉおぉぉおあああ!!」

 

 

(ま……まさか制御返しだと!?戦いの最中に会得したと言うのか!!?)

 

 

なんとナツは土壇場で制御返しを会得し、兎兎丸の魔法を打ち破ったのだ。

 

なお、ジュピター発射まであと32秒程しかない。

 

 

「オレの炎だ!勝手に動かすな!!」

 

 

そのままナツは兎兎丸へ大火力で攻撃するが、兎兎丸は間一髪でかわす。

 

 

「はっはー!当たらなければ意味があるまい!!」

 

 

ジュピター発射まであと10秒を切った。

 

しかし、ナツの狙いは別にあった。

 

 

「ハナっからお前なんか狙ってねえよ!」

 

 

巨大ラクリマの破壊をずっと狙っていたのだ。

 

 

「わあっ!!」

 

 

それを見ていたハッピーは嬉しそうに声を上げる。

 

 

(考えてみたらあいつ倒すか、制御を克服しなきゃ、ここを壊すのは無理だったんだ。冷静さを欠いてたのはオイラの方か……)

 

 

落ち着きを取り戻したハッピーは、冷静に現状を理解する。

 

 

「次はお前達を潰す番だ。ファントム!!」

 

 

(オ、オイオイ……マスター、話が違くないか!?フェアリーテイルにはまだ……こんなヤバイ奴がいたなんてさァ!!)

 

 

「もうお前の魔法は見切ったぞ」

 

 

「たぞ」

 

 

「くっ……」

 

 

兎兎丸は焦る。

 

巨大ラクリマは破壊され、目の前のナツも炎の制御を克服したため絶賛大ピンチであった。

 

その時……

 

 

 

ゴッ!!!!!!

 

 

 

部屋が激しく揺れ始めた。

 

 

「何だ?」

 

 

「ま、まさかアレをやる気か!?ここは水平維持の機能がない部屋なんだぞ!?」

 

 

「水平?」

 

 

すると、ギルドが乗り物のように激しく動き出す。

 

 

「うあああっ!?」

 

 

「ナツ!?……あだーっ!?」

 

 

「ハッピー!?……おぷ」

 

 

乗り物と認識してしまったナツは途端に気持ち悪くなり、蹲って動けなくなってしまう。

 

ハッピーも落ちてきた瓦礫で頭を打ち、気絶してしまう。

 

 

「終わったな……これぞ我がギルドの最終兵器……超魔道巨人ファントムMkII」

 

 

なんとギルドの建物が変形し、巨大ロボットになったのだ。

 

 

「お……おお……おぷ……」

 

 

「ど、どうしたんだ……コイツ……?」

 

 

そして今更ながら、兎兎丸はナツの変化に気が付いた。

 

 

「お……おお……コレ……動いてねえ……か?」

 

 

「コイツ、乗り物に弱いのかっ!!」

 

 

さらに運の悪い事にナツの弱点にも気付かれてしまった。

 

 

「しめた!逆転のチャンス!!いくら炎が効かんといってもその状態で食らったらどうなるかな?我が最強魔法、七色の炎(レインボーファイア)!!」

 

 

「おおお……」

 

 

兎兎丸の背後に赤、橙、黄、緑、青、藍、紫の七色の炎が展開される。

 

 

「くらえ!!」

 

 

レインボーファイアがナツに放たれようとしたその時……

 

 

「え?」

 

 

兎兎丸の両腕が凍っていた。

 

そして、それはゆっくりと広がっていき……

 

 

「ええっ!?ちょっ……何よコレェ!?」

 

 

全身を凍らせてしまった。

 

グレイの氷結魔法だ。

 

 

「頼んだ、エルフマン」

 

 

「吹き飛べ」

 

 

「え?……おああああああ!?」

 

 

さらにエルフマンによって、地の果てへと投げ飛ばされてしまった。

 

哀れ、兎兎丸。

 

 

「情けねえなァ、ナツさんよォ」

 

 

「漢なら乗り物なんぞ逆に酔わせてやれぃ」

 

 

「おおっ!かっこよすぎだぜ!!お前ら!!!……うぷ」

 

 

グレイは気絶したハッピーを抱えていた。

 

ハッピーに怪我はないようで、すぐに目を覚ました。

 

 

「それより、これはジュピターの残骸か?」

 

 

「あい」

 

 

「グッジョブじゃねーか」

 

 

「しかし、何で急に傾いたり動き出したりしたんだい?」

 

 

グレイとエルフマンが疑問に思っていると、動いていたギルドが止まった。

 

 

「ん?」

 

 

「止まったーっ!!」

 

 

動きが止まったことでナツもようやく復活した。

 

 

「オイラ、ちょっと外の様子見てくるー!!」

 

 

ハッピーが外に飛んで行き、しばらくするとまた飛んで戻って来た。

 

 

「大変だー!ギルドが巨人になって、魔法を唱えてるんだ!!」

 

 

「ウソつけ!!」

 

 

「ウソなんかつくかー!!」

 

 

ハッピーの言葉に思わずツッコむナツ。

 

負けじとハッピーも言い返す。

 

 

「カルディア大聖堂まで消えちゃう魔法だって!!」

 

 

「街の半分じゃねえか!!」

 

 

「そんな魔法ありえねーだろ!!」

 

 

三人と一匹は思わず顔を見合わせる。

 

数秒経過すると、各自バラけて動き出した。

 

 

「止めるぞー!!」

 

 

「手分けして、この動くギルドの動力源を探すんだ!!」

 

 

「次から次へと、とんでもねぇ事してからにィ!!」

 

 

三人は巨人を止めるために、動力源を探す。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

一方、ナツ達がジュピターの砲撃をなんとかするために乗り込んだのを見たルーシィは自分も戦いに参加しようとするが……

 

 

「ルーシィ!こっちに来て!!」

 

 

ミラがその腕を取り、移動を促す。

 

 

「隠れ家があるの!戦いが終わるまでそこにいましょ!!」

 

 

「でも……あたしも皆と戦わなきゃ!あたしのせいでこんな事になってるんだ!!」

 

 

「違うわよルーシィ。誰もそんな事思ってないの。やられた仲間の為、ギルドの為、そして貴方を守る為……この戦いには皆、誇りを持ってるのよ」

 

 

「……っ」

 

 

「だから言う事を聞いてね?」

 

 

「わっ……あ」

 

 

ミラはルーシィが油断した瞬間、眠りの魔法をかける。

 

そのままリーダスへと引き渡し、フェアリーテイルの隠れ家へと向かうように指示を出す。

 

 

「リーダス!ルーシィを“隠れ家”へ!!」

 

 

「ウイ!!」

 

 

リーダスは絵画魔法(ピクトマジック)の使い手であり、自分の書いた絵を動かし、武器とする魔法を使用する。

 

ただし、この魔法はどこに書いても発動する訳ではなく、自分の身体に直接描き込む必要がある。

 

そのため、マスターに巨人の魔法をお腹回りにかけてもらい、独特な体型をしている。

 

リーダスがお腹に馬車と馬を描くと、それが現実に展開された。

 

 

「お願いね」

 

 

「ウイ!」

 

 

ルーシィをそこに乗せると、リーダスは隠れ家へと向かっていった。

 

それを見送ったミラはルーシィに変身魔法で変身すると、戦場へと戻る。

 

 

(私は……今の私には戦う力はないけど……仲間は必ず守ってみせる!!)

 

 

この時、ジュピター発射まで残り14分である。

 

広場では妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔導士達がジョゼの幽兵(シェイド)と激闘を繰り広げていた。

 

マックスが砂魔法で攻撃すると、シェイドの軍団は爆散していく。

 

しかし、1体だけマックスの後方に回り込んでおり、攻撃を繰り出そうとしていた。

 

 

「やべっ」

 

 

万事休すかと思われたその時、カナが魔力を帯びたカードをぶつけると、シェイドは爆散した。

 

 

「すまねえ、カナ」

 

 

「気を引き締めなさい!マックス!!ギルドは何としても守るんだよ!!!」

 

 

カナがマックスに活を入れる。

 

 

「こいつらは仲間をやられる悲しみも、ギルドを壊される悔しさも持ってない!そんな奴らにギルドは取らせないよ!!」

 

 

そして戦う事、十数分後……いよいよジュピターが発射される直前というところで砲台が爆発した。

 

 

「見ろ!」

 

 

「おお!」

 

 

「砲台が崩れてく!」

 

 

「やったぞー!!」

 

 

ナツがジュピターの破壊をやり遂げたのだ。

 

 

「さすがね」

 

 

フェアリーテイルの士気が上がる。

 

 

「よっしゃー!」

 

 

「ジュピターは壊れたぞー!」

 

 

「はっは〜!ナツをなめんなよ!!」

 

 

チャンスと見たカナは周囲に指示を出す。

 

 

「これで恐れるものはなくなった!敵を殲滅しろォォ!!」

 

 

しかし、ここから形勢逆転だと思ったのも束の間、突如ファントムのギルドが動き出す。

 

 

「え!?」

 

 

「た、立ち上がった!?」

 

 

「今度は何をする気だ!?」

 

 

それはまるでロボットのように変形していく。

 

 

「お、おい……」

 

 

「何だよアレ……」

 

 

「な、何よアレ……冗談じゃないわよ……」

 

 

「巨人……」

 

 

超魔道巨人ファントムMkIIが現れた。

 

巨人はゆっくりと動き出す。

 

 

「向かってきたー!?」

 

 

「まさかギルドを踏み潰すつもりかっ!?」

 

 

「ひぇーっ!!」

 

 

突然現れた巨人にせっかく上がり始めた士気がまた下がり始めた。

 

カナは動揺しながらも、周囲に指示を出す。

 

 

「目の前の敵に集中しろ!あの巨人はナツが必ず止めてくれるハズだ!!」

 

 

「いや……でも……ナツは乗り物……」

 

 

「あ」

 

 

しかし、肝心な事を忘れていた。

 

ナツは乗り物に極端に弱いのだ。

 

すると、巨人は立ち止まり、空中に文字を描き始めた。

 

 

「何だ……アレ……?」

 

 

「文字……!?」

 

 

「これは……」

 

 

「魔法陣だ!この建物自体が魔導士だと言うのかい!?」

 

 

「「「「「なにィィ!!??」」」」」

 

 

「しかもこの魔法陣は煉獄砕破(アビスレイク)……!?禁忌魔法の一つじゃない……」

 

 

「このサイズはマズイ!カルディア大聖堂辺りまで暗黒の波動で消滅するぞ!!」

 

 

アビスブレイクとは、空中に魔方陣を描くことで闇の波動を放つことができる大魔法である。

 

妖精の尻尾(フェアリーテイル)がある裏の湖から町の中心に建つカルディア大聖堂までの広い範囲を消し飛ばす程の威力がある。

 

しかし、強力な一撃で小さな町一つを破壊できるほどの力を持っているものの、その発動には時間がかかるといったデメリットもある。

 

 

「どうすんだよアレ!?」

 

 

「ナツ達を信じるしかねーだろ!!」

 

 

フェアリーテイルの魔導士達は慌てるものの、現状彼らに取れる手段は限られていた。

 

カナはギルドの中にいるミラへと窓越しに話しかける。

 

ギルドの中ではエルザが眠っており、ミラはその看病をしていた。

 

 

「ミラ……あの魔法が発動するまでどれくらいかかる?」

 

 

「10分……ってとこかしら?なんとか動力源を壊せないかな」

 

 

「中にいる連中も同じ事を考えてるハズだよ」

 

 

「ナツ以外にもいるの?」

 

 

「うん……グレイとエルフマン」

 

 

エルフマンの名を聞くと、ミラは大声を上げる。

 

彼女らストラウス姉弟は、()()()()()()()()()()()によって、魔法が上手く使えなくなってしまったのだ。

 

 

「エルフマン!?何で!?」

 

 

「何でって事もないでしょ……あいつだって」

 

 

「無理よ!エルフマンは戦えないの!!カナだって知ってるでしょ!!!」

 

 

「戦えるわよ……カチコミの時だって活躍してたしね」

 

 

「そんな……兵隊相手ならともかく……向こうの幹部との戦闘になったら……今のエルフマンじゃ……」

 

 

「ねぇ……ミラ……()()()()があって、あんたもエルフマンも深く傷付いたけどさ、あいつはあいつで前へ進もうと努力してるんだよ」

 

 

カナは不器用ながらも前に進もうとしているエルフマンの事を気にかけていた。

 

彼女はその姉であるミラにも、いつまでも立ち止まらず前に進んでほしいと思っている。

 

 

(エルフマン……前に……私も前に……)

 

 

そんなカナの言葉を聞いたミラは、何かを決意したのか、ギルドから勢いよく飛び出した。

 

戦っていた仲間達は今すぐ戻れと言うが、ミラは大声を張り上げる。

 

 

「貴方達の狙いは私でしょ!今すぐギルドへの攻撃をやめて!!」

 

 

なんと彼女は時間を稼ぐために、自ら囮を買って出たのだ。

 

 

(これで少しは時間を稼げる!!)

 

 

だがそんな彼女の思惑も……

 

 

『消えろ、ニセモノめ』

 

 

マスタージョゼは見破っていた。

 

 

(そんな……)

 

 

『はじめから分かっていたんですよ。そこにルーシィがいない事は。狙われてると知っている人間を前線に置いておく訳がない……とね』

 

 

(私は……なんて無力なんだろう……)

 

 

ミラは己の無力さを痛感し、涙を流す。

 

 

「大丈夫よ。エルフマンは戦える……」

 

 

そんな彼女を、カナは静かに慰めるのであった。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

「こ、ここ……は?」

 

 

マグノリア病院の病室で眠る奏太は静かに目を覚ます。

 

 

「俺は……一体……」

 

 

しばらくボーッとしていたが、段々と意識が覚醒していくのと同時に記憶を思い出した。

 

 

「そうだ……確かファントムロードのガジルとかいう奴がレビィ達を襲ってて……それで、俺は彼女達を逃がして……それから、確かブレスを食らって気を失ったはず。ということは……ここは病院か?」

 

 

奏太は起き上がろうとするが、その瞬間凄まじい激痛に襲われる。

 

 

「い、いでででで!?」

 

 

激痛でのたうち回るが、さらに動き回る事で痛みが増していく負の連鎖に陥りそうになったので、歯を食いしばって痛みに耐える。

 

 

「お、おおおおおお……ぜ、全身が痛ぇ……」

 

 

目から一筋の涙がこぼれ落ちた。

 

よっぽど痛いらしい。

 

すると、奏太が起きた事に気付いたのか、白い小さな六つの影が奏太の周りに集まってきた。

 

 

「お、お前達……」

 

 

奏太の使い魔であるプラモンスターのホワイトシリーズ達だ。

 

 

「あれ……お前ら、魔力切れになってないのか?」

 

 

ホワイトシリーズ達は元気に答える。

 

 

「あれから数日経つのに、魔力切れになってない?一体どうして……?それにお前ら、そのマーク……」

 

 

ホワイトシリーズの使い魔達の身体には、黒いフェアリーテイルの紋章が入っていた。

 

どうやら奏太が抗議文書の後始末に追われている間に、入れてもらったらしい。

 

 

「……まあ、今はその事は置いておくとして……お前らに頼みがあるんだけど……俺のベルトと指輪がどこにあるか知らないか?」

 

 

奏太の質問にゴーレムが答える。

 

ピョンピョン跳ね回り、側にある机の上に着地すると、そこには件のワイズドライバーと、チェンジウィザードリングにコモンウィザードリングが置かれており、すぐ側ではハーメルケインガンも立てかけられていた。

 

 

「側にあったんだ。痛みで気付かなかった……」

 

 

奏太は少し恥ずかしがるものの、気を取り直し、ゴーレムに頼み込む。

 

 

「ちょっと手伝ってくれ」

 

 

奏太の頼み事にゴーレムは頷くと、奏太のお腹の上にワイズドライバーを置く。

 

そしてコモンウィザードリングを咥えたユニコーンが、ソッとかざした。

 

 

【ヒール!ナウ!】

 

 

すると、回復魔法が発動し、奏太の身体を優しい光が包み込む。

 

しばらくして痛みが消えた奏太は、ようやく動けるようになった。

 

右手にコモンウィザードリングをつけ、左手にチェンジウィザードリング、腰にワイズドライバーも装着する。

 

 

「あー……ようやく動ける……」

 

 

ベッドから起き上がった奏太は、部屋の中を見回る。

 

カーテン越しで分からなかったが、向かい側のベッドにはレビィ、ジェット、ドロイの三人が眠っていた。

 

 

「あ、三人共無事だったんだ……良かった」

 

 

奏太は三人にもヒールの魔法をかける。

 

すると、ヒールの魔法で三人共に体力が回復したのか、同時に目を覚ました。

 

 

「あれ、私……」

 

 

「うぅ……」

 

 

「何が……」

 

 

三人はしばらくボーッとしていたが、現状を理解したのか即座に起き上がった。

 

 

「は!そうだ!!ファントム!!!」

 

 

「そうだった!!」

 

 

「ガジルの野郎!?」

 

 

そして目の前にいる奏太に気付く。

 

 

「「「ソウタ(君)!!」」」

 

 

「よっ。気分はどうだ?」

 

 

「よっ……じゃないよ!大丈夫だったの!?あの後どうなったの!?」

 

 

レビィが凄い剣幕で質問をする。

 

奏太は内心ビビりながらも、素直に説明した。

 

 

「あー……ブレスでこっぴどくやられて今に至る……」

 

 

「何がなんとかする……よ!やっぱりやられてるじゃん!!」

 

 

「いや、あの時は近場とはいえ、三人を移動させる程度の魔力しか残ってなかったからさ。仕方なかったんだよ……」

 

 

「だからって納得出来る訳ないじゃん!!」

 

 

さらにレビィが問い詰めようとすると、外から騒音のようなモノが聞こえた。

 

奏太とレビィが窓の方へ近付くと、フェアリーテイルの面々が黒い人影の軍団と戦っていた。

 

その後方では、謎の巨人までいた。

 

 

「あれは!?」

 

 

「もしかして……ファントム!?」

 

 

レビィの言葉により、ジェットとドロイも現状を理解する。

 

 

「皆がファントムと戦ってんのか!?」

 

 

「そりゃそうだよな。俺達四人が怪我させられたんだ。マスターが怒るのも無理ねえよ」

 

 

「皆を助けにいかないと!」

 

 

「ああ!」

 

 

「だな!」

 

 

レビィ、ジェット、ドロイのチームシャドウ・ギアは戦う気満々なのか、すぐに広場へ向かおうとする。

 

そこに奏太が待ったをかけた。

 

 

「ちょっと待て。三人共、さっき起きたばかりなんだぞ。病み上がりなのに戦える訳ないだろう?」

 

 

それに答えたのはレビィだった。

 

 

「多分、大丈夫だと思うよ。なんというか身体が、物凄く軽いんだよね」

 

 

「ああ。それに魔力も充実してるし」

 

 

「ダメージもねぇみたいだしな」

 

 

三人が不思議そうに呟くと、奏太がボソッと答えた。

 

 

 

「あ、それは俺が回復魔法を使ったからだ」

 

 

 

「「「ええぇぇっっ!!??」」」

 

 

回復魔法は失われた魔法(ロストマジック)のひとつであり、それを使った奏太に三人は驚いているのだ。

 

 

「まあ、そこまで言うなら問題ないか。なら、それらしい格好にもちゃんとしないとな」

 

 

奏太は右手をベルトにかざす。

 

 

【コスチューム!ナウ!】

 

 

すると四人の服装が病衣から、いつもの服装へと変化する。

 

 

「すごーい!服装が変わった!!」

 

 

「換装……とはちげぇよな」

 

 

「もう何でもありだな、お前の魔法」

 

 

奏太は立てかけていたハーメルケインガンを持つと、三人に振り返る。

 

 

「それじゃ、今すぐ皆を助けに行こうか。絶賛ピンチみたいだし」

 

 

「うん!」

 

 

「ああ!」

 

 

「おう!」

 

 

そして四人は急いで病室を出た。

 

 

「ここからは俺達の……ショータイムだ」

 

 

目指すはファントムロードの打倒だ。




四人ふっかーつ。

ぶっちゃけウィザードリングってぶっ壊れ性能なやつ、多い気がします。

では、また( `・∀・´)ノ
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