KAMEN RIDER WISEMAN IN FAIRY TAIL 作:Gussan0
続き書けたで候。
では、どうぞ∠( ゚д゚)/
「火竜の鉄拳!!」
炎を纏った拳が、大空のアリアへと迫る。だが、届かなかった。ナツの身体が、何もないはずの空間で弾き返される。床に足をついて踏ん張ったものの、続く衝撃が胸を打ち、壁際まで押し戻された。
「ぐっ……!」
ナツは歯を食いしばり、顔を上げた。目の前にいる大男は、相変わらず涙を流している。目元を布で覆ったまま、こちらへ両手を向けていた。
「悲しい……まだ立つのか……」
「そっちこそ、いつまで泣いてんだ!」
ナツが吼え、再び床を蹴る。アリアの魔法は見えない。炎を飛ばしても、その手前で押し流される。近付こうとすれば、身体そのものを吹き飛ばされる。それでも、止まれなかった。巨人は今も魔法陣を描いている。あれを止めなければ、仲間も、ギルドも、街も危ない。
「ナツ! 横から来る!」
ハッピーが叫んだ。ナツが身を捻る。その脇を、見えない衝撃が通り抜け、壁の石を砕いた。飛び散った破片が頬を掠める。今のは、ハッピーの声がなければ避けられなかった。
「……何なんだよ、お前の魔法!」
「空域……お前が立つ、その空間も……私の力の内だ」
アリアが手を動かした。床から足を離したナツの身体が、空中で叩き落とされる。肩から着地し、そのまま転がった。
「ナツ!」
飛んできたハッピーを、ナツは片手で制した。
「……まだ、やれる」
片膝をつき、拳を握る。ジュピターは壊した。途中で乗り物酔いにもやられたが、グレイとエルフマンが助けてくれた。今度は、自分が進む番だ。
「ここで負けてられっか。俺は、フェアリーテイルの魔導士だぞ!」
その声に、ハッピーは小さく頷いた。ナツがそう言うと、不思議と、まだ何か出来る気がする。だが、敵の魔法が見えるようになった訳ではない。再び立ち上がったナツへ、アリアがゆっくり歩み寄った。
「強い者に出会ってしまった……それだけの事……」
「勝手に終わらせんな!」
ナツが大きく息を吸う。アリアの手が動くより早く、炎を吐き出した。
「火竜の咆哮!!」
通路を炎が埋める。今度こそ、避ける場所まで焼き尽くす。そのつもりで放った炎の向こうから、アリアの姿が消えた。
「……どこだ!?」
「ナツ、後ろ!」
振り返る前に、巨大な掌が背中へ迫った。ナツの身体が強張る。内側から何かを引き剥がされるような感覚に、膝が折れかけた。
「……っ、あ……!」
「お前のマスターにも、同じ事をした……」
アリアの低い声が、耳元で響く。
「その魔力を……空に還そう……」
炎が、弱くなる。身体から力が抜けていく。ハッピーが飛び込もうとした、その時だった。
「ナツから離れろ!」
鋭い声と共に、アリアの顔へ蹴りが叩き込まれた。大きな身体が横へ飛ぶ。ナツを押さえていた魔法が途切れ、彼は床へ手をついて息を吸った。
「……エルザ?」
赤い髪が、目の前で揺れていた。エルザはナツの前へ立ち、アリアを睨んでいる。
「お前……寝てたんじゃ……!」
「起きた。身体も、もう動く」
「でも、ジュピターを……」
「ソウタが治してくれた」
短い返答に、ナツの目が見開かれる。
「ソウタが!? あいつ、起きたのか!?」
「ああ。今は外で皆と戦っている」
エルザは振り返らずに言った。その声には、痛みを堪えている様子がない。しっかり床を踏む足も、剣を握る腕も、先程まで眠っていた人間とは思えないほど落ち着いていた。
「だから、お前もまだ戦える。ここで魔力を奪われている場合ではないぞ」
「……おう!」
ナツが頷く。ハッピーは二人を見てから、通路の上へ目を向けた。そこへ、小さな白い使い魔が飛んできたのだ。差し出された紙を受け取り、広げる。
「エルザ! エレメント4が、この巨人の動力源だって!」
「聞いている。残りは一人だ」
「うん! グレイも、水の魔導士を倒したって!」
紙に記された情報と、使い魔の身振りを確かめたハッピーが声を上げる。エルザは、アリアへ視線を戻した。
「……なら、お前を倒せば終わる」
壁際で、アリアが立ち上がった。頬に手を当て、ゆっくり首を戻す。その口元から、笑みに似たものが消えた。
「妖精女王……悲しい……お前まで倒さねばならないとは……」
「泣く理由なら、後で考えろ」
エルザが剣を構える。
「貴様が、マスターに手を出したのか」
アリアは、目元を覆っていた布へ手を掛けた。解かれた布が床へ落ちる。同時に、周囲の空気が変わった。ナツが顔を上げる。ハッピーも思わず後退した。それまで抑え込まれていた魔力が、大男の身体から流れ出している。
「……この目を覆っているのは、力を抑えるためだ」
アリアが、エルザを見た。床に落ちた石片が浮く。空気に押されるように壁際へ流れ、細かな砂が三人の足元を抜けていった。
「私の空域は……全てを奪う」
巨人の外で、魔法陣の線がまた一つ繋がった。アビスブレイクは、完成へ近付いている。エルザは剣を持ち直した。ここで時間を使えば、それだけ仲間達を危険に晒す。
「ナツ、ハッピー。下がっていろ」
「俺も――」
「その力は、次の相手に残しておけ」
エルザが一歩前へ出る。光が身体を包んだ。
「換装――天輪の鎧!」
白い鎧が現れ、背に幾重もの翼が広がる。彼女の周囲へ、剣が浮かんだ。一本、また一本と増えた刃が、アリアへ向けて並ぶ。
アリアの両手から、魔力が放たれた。
「空域――零」
エルザの進む先で、空間が歪む。ナツを押し返していた時とは、圧力が違った。壁の表面が削れ、崩れた石が、その空域へ引き込まれていく。エルザは踏み込んだ。最初の一振りが、迫る魔力を切り裂く。続く剣が、その奥へ道を開いた。
「……なに?」
アリアが目を見開く。エルザは止まらない。身体の左右を浮かぶ剣が走り、彼女へ集まろうとする空域を斬り払う。足が床を蹴った。赤い髪が、アリアの目前へ迫る。
「貴様は、マスターの強さを知らない」
エルザが両手の剣を構える。その背後で、宙に浮かぶ幾本もの刃が一斉に切っ先を揃えた。
「仲間を守ってきたあの人が、どれほど強いかも!」
床を蹴り、最後の間合いを詰める。アリアが両手を突き出した。その空域が広がるよりも早く、エルザの二振りの剣が大男の身体を斬り抜いた。
「天輪・繚乱の剣(ブルーメンブラット)!!」
すれ違ったエルザを追い、宙に並ぶ剣が次々とアリアへ降り注ぐ。幾重もの斬撃が空域を突き破り、最後の刃が大男を吹き飛ばした。大きな身体が床へ叩き付けられる。立ち上がろうと動いた腕が、そのまま崩れた。浮いていた石片が落ちる。不自然な圧力が、消えた。
エルザは剣を下ろす。ナツが顔を上げ、ハッピーが外へ飛んでいった。
「……止まった!」
窓の向こうから、声が戻ってくる。
「巨人が止まったよ! 魔法陣も消えてる!」
エルザはようやく、小さく息を吐いた。
◆◆◆
「止まった……!」
レビィが、空を見上げた。超魔導巨人の腕が動かなくなっている。空中に描かれていた巨大な魔法陣も、光を失い、端から消えていった。
「……やった」
マックスが呟く。次の瞬間、周囲から声が上がった。
「止めたぞ!」
「ナツ達がやったんだ!」
「街が……助かった!」
カナも巨人を見上げ、張り詰めていた息を吐いた。だが、カードは手放さない。近付いてきたシェイドを撃ち抜き、その向こうを睨む。
「まだ敵はいるよ! 最後まで気を抜くな!」
「ああ。分かってる!」
ジェットが答え、ドロイと共に前へ出る。ワイズマンは二人の横で、銃剣を振り抜いた。黒い影が消える。その奥にも、まだ軍勢がいた。
「……ジョゼは、止まってくれないか」
仮面の奥で、奏太が目を細める。街を消す魔法は防げた。それだけでも、大きな前進だった。だが、敵のマスターはまだいる。その魔力で作られた幽兵も、消えていない。巨人が止まった今、ジョゼが次に何をするのか。奏太は前へ出すぎず、仲間達と並んで構え直した。
ミラは、消えていく魔法陣を見送っていた。エルフマンが乗り越えた恐怖。グレイの勝利。そして、戻っていったエルザ。皆が、繋いでくれた。もう、あの魔法で街が消える事はない。
「……ありがとう」
誰へともなく呟き、彼女も周囲へ目を戻した。ここには、まだ戦っている仲間達がいる。自分も、最後まで側にいなければならなかった。
◆◆◆
その歓声は、ルーシィには届かなかった。彼女が目を覚ました時、いるのは隠れ家ではなかったからだ。
床が冷たい。身体を起こそうとして、脇腹の痛みに顔をしかめる。少し離れた場所で、男達がこちらを見ていた。その中に、見覚えのある黒い髪の男がいる。
「……ガジル……」
男が、口元を歪めた。
「起きたか」
ルーシィは周囲を見た。リーダスがいない。自分を逃がすために馬車を出してくれた仲間。最後に覚えているのは、眠りに落ちる前のミラの顔だった。
「……リーダスは?」
「お前を隠してた奴か? 邪魔だったから、どかした」
ガジルの返答に、ルーシィの指が床を掴む。
「何を……したの」
「気になるなら、後で探せばいい。お前にそんな時間があればな」
ルーシィは歯を食いしばった。身体が、思うように動かない。それでも、ここで諦めたくなかった。自分のために皆が戦っている。その人達が傷付けられた事を、目の前の男は何でもない事のように言った。
「……最低」
ガジルが、目を細める。
「何だ?」
「人を傷付けて、笑って……そんなの、魔導士の仕事じゃないでしょ」
側にいた男が、落ち着かせるようにガジルへ声を掛けた。
「おい。あんまり傷物にするなよ。マスターの依頼だぞ」
「分かってるよ」
ガジルは面倒そうに答える。その時、部屋の外からジョゼの声が響いた。
ルーシィの確保は済んだ。そして、もう一つの目的は、妖精の尻尾を潰す事だと。
ルーシィは顔を上げた。
「……まだ、皆を……?」
自分を捕らえる事が目的なら、それはもう達成されている。なのに、止めるつもりがない。自分を渡せば戦いが終わるという考えが、どれほど危ういものだったか、ようやく分かった。
ガジルが、鉄の刃を指先で弄ぶ。
「退屈させんなよ。せっかく連れてきたんだからな」
ルーシィは、彼を睨んだ。怖くない訳ではない。痛みもある。逃げる道も見つからない。それでも、ここで怯えて口を閉じれば、仲間まで侮られる気がした。
「……私のギルドは、あんた達みたいにはならない」
「まだ言うか」
「仲間を傷付けた事も、ギルドを壊した事も……皆、忘れないから」
ガジルの笑みが、薄くなった。鉄の刃が、彼の手の中で止まる。
ルーシィは、拳を握った。ナツ。ハッピー。グレイ。エルザ。ミラ。そして、怪我を負って眠っていた奏太達。帰りたい場所にいる人達の顔が、一人ずつ浮かんだ。
◆◆◆
「……ルーシィが、捕まった?」
ナツが、顔を上げた。聞こえてきたジョゼの声に、ハッピーも耳を伏せる。
「そんな……隠れ家に行ったはずなのに……」
エルザは剣を握り直した。アリアは倒した。巨人は止まった。だが、それで終わりではなかった。
「ナツ」
呼ばれ、ナツが振り向く。エルザは彼の顔を見た。アリアとの戦いで傷を負い、魔力も使っている。それでも、その目から炎は消えていない。
「ルーシィを連れ戻してこい」
「……おう」
「ジョゼは、私が引き受ける」
ナツが、眉を動かした。相手は、マカロフと同じ聖十大魔道の一人だ。その事は、ハッピーから聞いている。だが、エルザの声は揺らがなかった。
「お前には、まだ出せる力がある」
彼女が続ける。
「今、必要な場所で使え。仲間を助けるために」
ナツの拳に、炎が灯った。ハッピーが側へ飛ぶ。二人が目を合わせ、頷く。
「行くぞ、ハッピー!」
「あい!」
駆け出したナツの背中を、エルザは見送った。彼なら、ルーシィの所まで辿り着く。その間、自分はジョゼを止める。
背後の通路から、足音がした。グレイとエルフマンだった。
「エルザ! 最後の奴は!?」
「倒した。巨人は止まったぞ」
「……よし!」
エルフマンが拳を握る。グレイは、駆け去っていくナツへ目を向けた。
「ナツは?」
「ルーシィの所へ向かった」
その名前に、二人の顔が変わる。エルザが短く事情を伝えると、グレイは舌打ちした。
「……ガジルの野郎」
「俺達はジョゼを止める。ナツが仲間を連れ戻すまで、好きにはさせん」
エルザの言葉に、二人が頷いた。その時、通路の奥から、重い魔力が流れてきた。
「……随分と、私のギルドを荒らしてくれましたね」
声が聞こえる。ジョゼが、歩いてきた。
グレイは、握った拳へもう片方の手を添えた。エルフマンの右腕が、獣の腕へ変わる。エルザは二人より一歩前へ出て、剣を向けた。
「これ以上、仲間には手を出させない」
ジョゼは、彼女の姿を見た。
「おや。ジュピターを受け止めたと聞きましたが……思ったより元気そうだ」
「貴様が気にする事ではない」
「ほほほ……なるほど。まだ、潰し甲斐があるという訳ですか」
笑いながら、ジョゼが片手を上げる。その掌に、黒紫の魔力が集まった。エルザは、剣を持つ指に力を込める。傷は治っている。足も動く。だからこそ、今の圧力が、自分の身体の不調から来るものではないと分かった。
相手が、強いのだ。
「アイスメイク――槍騎兵!」
グレイが魔法を放った。同時に、エルフマンが踏み込む。獣の腕を振り上げ、氷の槍が開く道へ飛び込んだ。ジョゼは手を動かした。黒紫の波動が広がる。氷が砕けた。
「っ!?」
エルフマンの身体が、押し戻される。エルザが前へ入り、剣で魔力を受けた。刃の先から、腕へ衝撃が伝わる。押し合えば、不利になる。彼女は剣を傾け、波動を横へ流した。背後の壁が崩れ、石片が床を叩く。
「……なるほど。妖精女王と呼ばれるだけはある」
ジョゼが言う。エルザは答えず、次の攻撃に備えた。
グレイとエルフマンも、立ち上がる。一度で退くつもりはない。だが、今の攻撃は、二人の連携をまとめて押し返した。エルザはジョゼから目を離さず、二人へ声を掛ける。
「正面から受けるな。動き続けろ」
短い返事が返る。三人が、もう一度構えた。
◆◆◆
「……こいつら、さっきより強くなってないか?」
ドロイが腕を引き、迫ったシェイドから身をかわす。ジェットが横から蹴りを入れた。だが、黒い身体は崩れなかった。
「しつこいんだよ!」
続けて放ったカードが、シェイドを貫く。カナは消えていく霧を睨み、巨人へ目を向けた。
ジョゼの声は、こちらにも届いていた。ルーシィが捕らえられた事。そして、ギルドへの攻撃を止めるつもりがない事。
軍勢が、再び増えていた。それまでより濃い影が、仲間達へ押し寄せる。
「……本気で、全部潰すつもりか」
ワイズマンはハーメルケインガンを銃へ切り替え、敵の密集した場所を撃つ。分身も動いた。一人が負傷した仲間を下げ、もう一人がギルドへの道を塞ぐ。残る一人は、レビィ達と共に前線を支えた。
奏太は周囲を見渡す。エクスプロージョンで数は減らせる。ヒールで怪我も治せる。だが、ジョゼが魔法を使い続ける限り、敵はまた増える。このままでは、同じ事を繰り返すだけだ。
白い使い魔が、巨人の方から戻ってきた。ワイズマンの肩へ降り、懸命に身振りをする。
「……エルザ達が戦ってるのか?」
使い魔が頷く。指し示すのは、巨人の内部。そこから、壁が砕ける音が聞こえた。
カナが近付く。
「ソウタ」
「……あいつを、止めに行きたい」
ワイズマンは巨人を見たまま言った。
「エルザ達だけに任せておくには、厄介すぎる相手だ」
カナは、分身達へ視線を向ける。三人とも、それぞれの場所で仲間と戦っていた。本体が向かっても、ここには援護が残る。
「こっちは皆で持たせる。けど、向こうへ行くなら、エルザ達と一緒に戦いな」
「ああ。一人で全部どうにかする気はない」
ワイズマンは答え、分身へ声を掛けた。
「守りを頼む。怪我人が出たら、治療も忘れるな」
「了解」
「ここは任せろ」
白い仮面が、それぞれ頷く。ミラも、奏太の側へ来た。
「……ジョゼの所へ行くのね」
「はい。エルザ達の援護に」
彼女は仮面を見上げた。引き止めたい気持ちは、あった。だが、奏太が戻ってから、仲間達は何度も助けられている。エルザも、その魔法で立ち上がった。今は、彼を信じて送り出す。
「帰ってきてね」
「……はい」
ワイズマンは頷き、右手をベルトへ翳した。
〖テレポート! ナウ!〗
オレンジ色の魔法陣が、身体を包む。白い姿が消えた後、入口に残った分身が銃剣を構え直す。ミラも振り向き、戻ってきた負傷者へ手を差し伸べた。まだ、戦いは続いていた。
◆◆◆
転移先へ降り立ったワイズマンは、すぐに銃剣を構えた。黒紫の魔力が、通路を走っている。
「エルザ!」
彼女の側へ入り、右手を翳す。
〖バリア! ナウ!〗
オレンジ色の防御壁に、ジョゼの魔力が衝突した。足が、床を滑る。ワイズマンは膝を曲げ、力を受け流すように防御壁を傾けた。逸れた波動が天井を削り、崩れた石が背後へ落ちる。
そこでようやく、彼は敵の姿を見た。深い色の衣服。薄笑いを浮かべる顔。ジョゼが、こちらを見ていた。
「……今度は、白い魔法使いですか」
奏太は、防御壁を解く。銃剣を握る腕に、衝撃が残っていた。
「ソウタ。来たのか」
エルザが、息を整えながら声を掛ける。グレイとエルフマンもこちらを見た。二人とも、まだ立っている。
「外は分身に任せた。俺も加わる」
ワイズマンは短く答え、ジョゼへ向き直った。
離れた場所から感じていた魔力より、ずっと重い。先程まで相手をしていた幽兵とは、比べものにならなかった。それでも、後ろへは退かない。今、自分の隣には、仲間がいる。
「妖精の尻尾のソウタ・フエキだ」
銃剣を構え直す。
「仲間を傷付けた分、あんたには付き合ってもらうぞ」
ジョゼの口元が、ゆっくり歪んだ。
「……貴方に、それが出来ればね」
黒紫の魔力が、男の掌へ集まる。ワイズマンは、その動きを見据えた。倒すために何が必要か。まずは、この魔導士の力を見極めなければならなかった。
また投稿しますー。
では、また∠( ゚д゚)