KAMEN RIDER WISEMAN IN FAIRY TAIL   作:Gussan0

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どうも|ω・`)ノ ヤァ

続き書けて候。

では、どうぞ∠( ゚д゚)/


第九話 抗議文書

笛木奏太がこちらの世界に来てから、約一週間の時が過ぎた。

 

初クエストもなんとかこなし、ようやく生活に慣れてきたこともあって、彼は日課の訓練を再開することにした。

 

白いジャージに着替えて、体力トレーニングに取り組む。

 

最初はマグノリアの街の周りをランニングする。

 

距離はおよそ10キロ。

 

 

「朝はまだそんなに人はいないんだな」

 

 

現在の時刻は朝の六時であり、人の数はまばらであった。

 

そしてランニングを終えると、街の外れにある公園へとやって来た。

 

そこで筋トレを始める。

 

腕立て伏せ、上体起こし、スクワットをそれぞれ百回ずつこなす。

 

体力トレーニングをなんなくこなした奏太であったが、少し違和感を感じていた。

 

 

「あまり疲れを感じない……?」

 

 

この世界に来てから、身体能力が明らかに上がっていたのだ。

 

 

「魔力も前の世界にいたときより、大分感じやすくなってる?」

 

 

奏太は目を閉じて、身体の中の魔力の流れを自覚する。

 

そして、全身に魔力を行き渡らせるように身に纏う。

 

 

「よし……ふっ!」

 

 

奏太はおもむろにジャンプしてみる。

 

軽く跳ぶと、およそ15メートルの高さをジャンプしていた。

 

 

「すげ……」

 

 

クルリと回りながら着地すると、今度は軽く走り回る。

 

陸上競技選手もびっくりするほどのスピードが出ていた。

 

 

「魔力強化で身体能力が随分と上がってる」

 

 

奏太は他にも色々試してみる。

 

目に魔力をさらに集中させると視力が強化され、耳に集中させると聴力が強化、鼻に集中させると嗅覚が強化される。

 

 

「五感強化も出来るっぽい。それじゃ今度は……はっ!」

 

 

そして拳に魔力を集中させ、近くにあった岩を殴ってみると簡単に砕けた。

 

 

「元の世界より魔力操作がスムーズだな」

 

 

魔力付与によって身体が強化されると、変身した程ではないものの、身体能力が上がっている。

 

 

「今思えば、ナツや他の皆も素の身体能力が常人離れしていたな」

 

 

先日知り合ったウェンディも12歳の少女にしては、身体能力が高かった。

 

 

「もしかして無意識に魔力を纏っているからこそ、身体能力も高いのかもしれない」

 

 

魔力コントロールが無意識レベルで自然と出来ているのだろう。

 

だからこそ、身体能力も高いのだ。

 

それだけでなく、エーテルナノという大気中に存在する魔力の微粒子の役割も大きいだろう。

 

魔導士の魔力が切れると体が自動的に吸収し、魔力が回復するのだから。

 

だから、たとえ魔力のない者でも呼吸し、微量ながらもエーテルナノを取り込むことで、身体強化がされているのかもしれない。

 

奏太の場合は、睡眠を取ったり、食事を取れば魔力は自動的に回復するが……。

 

 

「ってことは、魔力操作の修行ももっとした方がいいな。この世界で修行すれば、あの指輪を使いこなせるようになるかもしれない」

 

 

魔力を感じやすいこの世界なら、奏太の切り札の指輪を使いこなす修行には持ってこいの環境であった。

 

 

「まあ、とりあえずはトレーニング再開だな」

 

 

まずは生身でもある程度戦えるように魔力付与を展開したまま、マグノリアの街をパルクールの要領で走り抜ける。

 

 

「風が……気持ちいい!」

 

 

奏太は民家の屋根を跳躍して跳び回る。

 

数十分走り回ると、魔力付与で強化された身体の感覚もある程度掴めてきた。

 

 

「……大分慣れてきたな」

 

 

奏太は晴人との修行にて、対人訓練でエクストリームマーシャルアーツを駆使した格闘術を教わっているため、アクロバティックな動きには慣れている。

 

そして街の回りを一周すると、先程の公園へと戻っていた。

 

時計を見ると、時刻は8を指していた。

 

訓練を始めてから、既に二時間が経過していたのだ。

 

 

「……まあ、初日はこんなもんか」

 

 

奏太は訓練を終えると、着替えるために自身のアパートへと戻っていった。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

さっそくギルドへとやって来た奏太は、ミラの元へと向かう。

 

 

「おはようございます、ミラさん」

 

 

「おはよう、ソウタ。クエストは無事完了したみたいね。昨日、町長さんから連絡があったわ」

 

 

「あ、はい。それであの、お金の返済をしたいんですが……とりあえず10万Jです」 

 

 

「はい、確かに受け取ったわ。残りの返済額は90万Jね」

 

 

「はい」

 

 

奏太はギルドから100万Jの借金をしている。

 

残りの返済額は90万Jだ。

 

 

「朝ごはんは食べた?まだだったら、良ければ何か作りましょうか?」

 

 

「あ、じゃあカルボナーラで」

 

 

「はーい」

 

 

奏太はカルボナーラを注文した後、ギルド内を見回す。

 

時間は8時半であるためか、人数はそれなりにいた。

 

奏太は掲示板へと向かう。

 

 

「何か良さげなクエストはあるかな?」

 

 

掲示板には沢山の依頼書が貼り出されていた。

 

奏太がどのクエストにするか考えていると、カウンターの上に座るマカロフを見かける。

 

 

「ん?マスター……?」

 

 

マカロフは紙の束を見ながら、ウンウンと唸っていた。

 

気になった奏太はマカロフへ声をかける。

 

 

「マスター、おはようございます」

 

 

「おお、ソウタか。おはようさん」

 

 

「どうしたんですか?なんかその紙の束見て唸ってるみたいですけど……」

 

 

「おお、これかの……。これは評議会から送られてきた文書じゃ」

 

 

「評議会って、たしか魔道士ギルドを束ねる組織……でしたっけ?」

 

 

「そうじゃ。魔法界全体の秩序を保つためにルールや法律を取り決める機関であり、各地のギルドを纏める役割も担っておる」

 

 

「その評議会から一体どんな文書が?」

 

 

「抗議文書じゃ……」

 

 

「抗議文書?」

 

 

マカロフから許可を貰い、文書を見せてもらう。

 

内容はフェアリーテイルに所属する魔導士達が、クエストでやらかした事に対する抗議文書であった。

 

例えば盗賊の討伐クエストで、ターゲットを討伐したは良いものの、周りの建物を半壊させたり、護衛任務の護衛対象である女性に手を出してその事務所から慰謝料を請求されたり、密輸組織を検挙したものの、その後、街の中を素っ裸でふらついて通報されたり……と言った内容であった。

 

 

「……どうするんですかこれ?」

 

 

「どうするかのぅ……」

 

 

マカロフは頭を抱える。

 

その様子を見た奏太は思った。

 

 

(仕方ない。マスターにはお世話になってるし、ここは俺が一肌脱ぐか)

 

 

「マスター、慰謝料とか通報案件は別として、この半壊した建物とか完全倒壊した建造物はどうにかなるかもしれません」

 

 

「ん?どういう意味じゃ??」

 

 

「俺が直してきます」

 

 

「なぬ?」

 

 

「ちょっとそこ、お借りしますね」

 

 

マカロフが奏太の言葉に首を傾げるが、奏太はカウンターの一番端に座ると、ベルトのバックルに右手を翳す。

 

 

【コネクト!ナウ!】

 

 

奏太の右隣にオレンジの魔法陣が現れる。

 

奏太がそこへ右手を突っ込むと、様々な工具が出てきた。

 

カウンターの上にそれらを並べると、再度右手をベルトへ翳す。

 

 

【ゴーレム!ナウ!】

 

 

奏太の前方に白い光が現れる。

 

奏太はその光についている指輪をはめると、白いプラモデルのような小型の人形が動き始めた。

 

これが奏太の使い魔、プラモンスターのホワイトシリーズの最後の1体、ホワイト・ゴーレムだ。

 

ゴーレムは奏太を認識すると、元気よくジャンプする。

 

 

「いつも通り、よろしくな」

 

 

奏太の言葉にゴーレムは敬礼する。

 

 

「ソウタよ、それはもしや使い魔か?」

 

 

「はい。他にもいますよ」

 

 

続けて奏太はベルトに手を翳す。

 

 

【ケルベロス!ガルーダ!ユニコーン!クラーケン!グリフォン!ナウ!】

 

 

続けてケルベロス、ガルーダ、ユニコーン、クラーケン、グリフォンが現れる。

 

 

「俺の使い魔で、プラモンスターのホワイト・ゴーレム、ホワイト・ケルベロス、ホワイト・ガルーダ、ホワイト・ユニコーン、ホワイト・クラーケン、ホワイト・グリフォンです。お前達、マスターに挨拶」

 

 

奏太の命令を聞くと、ホワイトシリーズ達はマカロフの周りを回り始める。

 

 

「今まで長年生きてきたが、このような魔法は初めて見たのぅ」

 

 

マカロフは楽しそうに使い魔達の頭を撫でる。

 

基本的にプラモンスター達は温厚で従順であるため、奏太的にも癒やし枠として重宝している。

 

 

「それじゃ、俺は作業に移ろうかな」

 

 

奏太は何かするつもりなのか、目を閉じて集中し始めた。

 

マカロフはその様子をジッと観察していた。

 

 

(む……ソウタの両手に魔力が集中しておる。何をするつもりじゃ?)

 

 

直後、奏太の両手から小さな白い光が溢れる。

 

 

「はあぁぁぁぁ!!」

 

 

奏太は声をあげて、さらに意識を集中させる。

 

すると、彼の前方には小さな水色の石があった。

 

 

「それはもしや……魔宝石か!?」

 

 

「はい……俺は自分の魔力から魔宝石を生成出来るんですよ。かなり魔力は消耗しますけどね」

 

 

奏太の中にいるファントム、ワイズカーバンクルの特殊能力が魔宝石を生み出すもので、彼は自分の魔力から魔宝石を生成することが可能なのだ。

 

 

「今からある魔法の指輪を作ります」

 

 

そして奏太はさっそく魔宝石の加工作業に取り掛かった。

 

 

 

 

 

 

数時間後……

 

 

「で、出来た……」

 

 

奏太の前には水色の指輪があった。

 

その指輪に描かれている絵柄は、スパナが2つ重なっているようであった。

 

 

「マスター出来ましたよ……って、うお!?」

 

 

奏太はマカロフへ声をかけようと顔を上げたのだが、その瞬間驚いて声を上げてしまった。

 

なんとほとんどのギルドメンバーがこちらを見ていたのだから。

 

 

「あの、皆して何やってんの?」

 

 

奏太が声をかけると、代表してエルザが答えた。

 

 

「驚かせてすまないな。ギルドへ来たら、ソウタが何やら真剣な表情で作業をしていたものだから皆気になってな……その様子を見る限り、新しい魔法の指輪を作っていたのか?」

 

 

「そ、そうです。ちょっとマスターが困ってそうだったから、なんとかフォロー出来ないかなって」

 

 

「やはりそうか。それと、別に敬語でなくて構わんぞ。普通に話してくれ」

 

 

「わ、分かった。それにしても……皆はしゃいでるな」

 

 

見ればプラモンスター達が珍しいのか、ギルドメンバーの大半が目を奪われていた。

 

特に女性陣が。

 

 

「ソウタ〜この子、物凄く良い子ね。私の作業手伝ってくれるのよ〜。あ、カルボナーラ出来てるから食べてね」

 

 

いつの間にか、ゴーレムはミラの作業を手伝っていた。

 

ミラはゴーレムに夢中なのか、肩の上に乗っているゴーレムの頭を撫でている。

 

他のプラモンスター達もギルドメンバーに可愛がられていた。

 

奏太はカルボナーラを食べながらエルザと話す。

 

 

「それより一体なんの指輪を作ったんだ?」

 

 

エルザの質問に、奏太はニヤリと笑いながら答えた。

 

 

「まあ、それは見てからのお楽しみってことで」

 

 

そう言いながら、奏太は周りを見回す。

 

 

「おっ、丁度良いものが」

 

 

すると、半分に割れたテーブルを発見する。

 

 

「む、それは以前ナツとグレイが喧嘩して割ったテーブルだ」

 

 

「……あの二人、ほぼ毎日喧嘩してるな」

 

 

奏太は新しく作った水色の指輪を右手にはめると、ベルトに翳した。

 

 

【リペア!ナウ!】

 

 

魔法を発動させると、半分に割れたテーブルが元に戻った。

 

 

「テーブルが元に戻った!?」

 

 

「ふぅ……なんとか上手くいったか」

 

 

この結果にはエルザも驚く。

 

 

「まさかこれは……修復魔法か?」

 

 

「ああ。上手くいくか心配だったが、この様子なら心配いらないな」

 

 

そう言うと、奏太は一部始終見ていたマカロフの元へと向かう。

 

 

「と言うわけなのでマスター、フォローは任せて下さい」

 

 

奏太の言葉を聞くと、マカロフは目から涙を勢いよく流し始めた。

 

 

「うううぅぅ……ここに来て……ここに来て……ようやくまともな者が入ってくれた……!ソウタよ!今ならお主にギルドマスターの座を譲っても構わん!!」

 

 

「それはいくらなんでも駄目でしょうが!っていうか、普段どれだけ精神的に追い詰められてんですか!?」

 

 

勢い余ってギルドマスターを譲ろうとしてくるマカロフにツッコミを入れつつ、抗議文書の大半を受け取る。

 

驚いた事に抗議文書の半分は、ナツが起こしたものであった。

 

思わず遠い目をする奏太にミラが声をかけてきた。

 

 

「それならソウタ、ついでにこのクエストに行ってきてくれないかしら?」

 

 

「ええっと……なになに、『盗賊フロスト一家の壊滅・報酬金50万J』……前より額上がってますけど……」

 

 

「モリバルカンを単独で仕留められるなら問題ないわ♪」

 

 

「あ、はい」

 

 

ミラが笑顔で言う。

 

 

「出来れば私も手伝ってやりたいが、あいにく別のクエストがあってな……そうだ。ソウタさえ良ければ今度、私のクエストを手伝ってくれまいか?」

 

 

エルザはフェアリーテイルの中でも僅か五人しかいないS級の最強女魔導士だ。

 

そんな彼女からクエストを手伝ってほしいと言われることは、力を認められたことに等しい。

 

 

「俺なんかの力でよければ」

 

 

「そう謙遜するな。お前は強い。いつか手合わせしてみたいものだ」

 

 

「もしそうなったときは、お手柔らかに頼むよ」

 

 

そう言うと、出していた工具を片付け、奏太はギルドを後にする。

 

 

【コネクト!ナウ!】

 

 

そしてマシンワイザーを出すと(またが)り、バイクを発進させる。

 

 

「先にクエスト終わらせようか。あ、使い魔達は……そのままでいいか」

 

 

そうして、奏太は盗賊の討伐クエスト兼マカロフのフォローに回るためにバイクを走らせた。




次回予告。

盗賊討伐クエストの依頼人に会うために、ルピナスという城下町へやって来た奏太であったが、騒がしい場所があった。

様子を見に行ってみれば、ある一人の少女が男達に囲まれていた。

咄嗟に助けに行こうとする奏太であったが、少女は瞬く間に男達をノシてしまう。

その少女こそ、人魚の踵(マーメイドヒール)に所属するカグラ・ミカヅチであった。

では、また( `・∀・´)ノ
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