トカゲさんはポカポカしたい   作:蓮太郎

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決着ゥゥーーーーーッ!!ということでデミえもん描くのめっちゃ難しい…………難しくない?


8. トカゲさんの落としどころ

 

「ひとまず最低ラインはクリアだな」

 

 目の前で倒れた昆虫の戦士から視線を外し、骨で出来た王座に座るモモンガを見る。

 

 アインズ本人は顔を覆って後悔しているような感じではあるが、この際置いておく。

 

 それよりも警戒するべきは側近らしき横に並んでいる者達である。

 

 種族は様々、ダークエルフの双子という例外を除けば多種多様と言える。

 

 付き添いのメイドまで殺気立っているようだが、一斉に襲い掛かってきたことに備えて何もないふりをしつつ交戦に備えていた。

 

「おお怖い怖い。流石に一斉に襲い掛かられたらどうなることやら」

 

 よっと、という掛け声で昆虫の戦士を担ぎ上げる。

 

「っ、冷たいな。忘れていたが、沼地も凍ってるから寒い…………早く焚火で暖まりたいな…………」

 

 種族的に寒さに弱いリザードマンであるためぶるりと身体を震わせた。

 

 冷たい血を流し続ける昆虫には困ったものだが交渉のためには必要な我慢である。

 

 弱点についてはさておき、問題はここからである。

 

 向こう側がどうしたら引いてくれるのか、その妥協点を探りたい。

 

 わざわざリザードマンを殲滅しようとしていた理由、それが何故占領に変わったのか?

 

 叩き潰すなら最初から戦力をこちらに全部向けていたら済んでいた話である。

 

 メルトが居るため話は大きく変わるが、総力戦になった場合だと全て守り切れる自信はない。

 

 いわるゆ試合に勝って勝負に負けたという奴である。

 

 今、一つの勝負に勝ったところで試合に負けてしまう(自分だけ生き残る)ことがあればメルトの敗北である。

 

 それだけは回避しなければならない。

 

 ゆったりと歩きながら、されど堂々とモモンガらの前に立つ。

 

「ギルド『アインズ・ウール・ゴウン』代表のモモンガに聞こう!俺があんたらの使者を倒した、これからどうするつもりだ?」

 

 メルトは一つの問いかけを彼らに浴びせた。昆虫の戦士を担いでいる以上、不意打ちを食らうようなことがあればさっさと放棄するし、何もしないならそれでよし。

 

 今のところ彼の危機察知には何も反応していないため殺気立っているだけでまだ手を出そうとしないのだろう。

 

 後なんでメルトがモモンガの名を呼んだ際にサキュバスがぴくッと反応したのだろうか?

 

「ふむ…………まさか、貴方が居るとは思いもしませんでしたよ」

 

 突然の敬語。ぎょっと家臣らしき異種族ら(NPC達)はモモンガをみた。

 

「まあな、ここのリザードマン達には色々と恩があるんだ。そこを踏み荒らそうとしたらあんただって『全力』で守りにいくだろ?」

 

「確かに、ナザリックが攻め込まれたら全力で守ります」

 

「それと同じだ。だから言わせてもらおう」

 

 そこで一区切り、メルトは息を大きく吸い…………

 

「帰るといい!この世界はお前たちのものではない!この世界に住まう者たちだ!もし、かつての世界のような頂点に立とうというなら…………

 

 

この『メルト・ダウン』が受けて立つ!」

 

 

 

 豪、という覇気を纏い大声量で発せられたそれは階層守護者ですら一歩後ずさる。

 

 コキュートスですら負けるはずだ。こんな化け物、見たことがない…………!

 

「そういうことだ。ひとまず彼は返す」

 

 担いでいた昆虫の戦士を下ろし、彼は背を向けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 無防備だ、格好の的だ。だが身体が動かない。

 

 もし、あの背中に攻撃すれば、回避されて首から上が切り落とされる、もしくは吹き飛ばされる未来しか見えない。

 

 誰も動かなかった。動くことすらできなかった。

 

 もし、至高の御方の命令さえあれば喜んで行っただろうが、我らの不死者の王(オーバーロード)は何も言わなかった。

 

 もしかしたらあのトカゲについて何か知っているのかもしれない、そう考えた瞬間、悪魔の頭にある考えがよぎった。

 

「(もしや、アインズ様はこのことを見越して?)」

 

 思い返せば第一陣でコキュートスが敗北した際に唯一見張りをしていたのは、『メルト・ダウン』と名乗るリザードマンだった。

 

 モモンガは言った。コキュートスは負けると。

 

「(最初から奴の存在に気づいて、そして我々がどう動くか見守ろうとしていた…………?)」

 

 目の前が真っ暗になるような感覚に陥る。己よりもはるかに優れた頭脳を持つ至高の御方がこの程度の考えを持たないはずがない。

 

 そもそも、今回の敗北した要因は相手を侮り情報収集を怠ったこと。

 

 もしもの話ではあるが、『メルト・ダウン』という名を知っていれば、奴が村の中でどのような存在であるか調べていれば、戦闘力を蚊ほどでも知っていれば、対応は大きく変わっただろう。

 

 それを怠った結果、コキュートスが相手に手心を与えられながら死にかけるという結果になった。

 

 階層守護者全員でかかっていたら結果はまた違ったものだったかもしれない。『メルト・ダウン』の情報を至高の御方に少しでも話していれば何かしらの情報をくださったのかもしれない。

 

「(なるほど、そういうことでしたか…………!)」

 

 この世界に侮れぬ強者が居るかもしれない。懸念はその通りであり、その教訓を階層守護者の命、もしくは今貴重となったユグドラシル金貨を失う可能性が非常に高いリスクを背負ってでも私たちに教えてくれようとしていた。

 

 確かに、今の彼らでは『メルト・ダウン』にはかなわないだろう。

 

 しかし、いつの日か、全てを調べ上げ至高の御方の夢のために障害物になるであろう奴を倒す策は今からでも思いつく。

 

「(これは、この気づきは皆で共有しないといけないかもしれませんね)」

 

 悪魔は震え、怒り、そして屈辱を露わにする同胞を見てそう考えた。

 

「全軍、撤退だ。もう、この地には用はない」

 

 至高の御方の一声により我に返った階層守護者たちは急いでアンデットの軍勢を撤退させる準備に入る。

 

 今は(・・)これ以上刺激したくない。藪蛇という言葉があるように眠れるトカゲのふりをしたドラゴン、いやそれ以上の何かを目覚めさせる必要は無い。

 

 この失態は挽回しなければならない。

 

 そして、あの怪物をいずれ倒すという目標を胸に残し、

 

 死の軍団は凍った沼地だけを残して消えていった。

 

 





〜誰でもできるメルト・ダウンの倒し方〜

まずタンクとマジックキャスターと攻撃速度極振り型の人を大量に用意します。

高速で攻撃して回避を誘発させ攻撃をさせず、タンクで全力で足止めして超位魔法、それ相応の魔法を足止め役を巻き込みながら叩き込みます。

それを3回繰り返せば倒せるよ!

メルトは装備の関係上、範囲攻撃のダメージカット率は異常に高くても攻撃と速度極振りビルドのため超位級だと全体力の1/3は削れます。近接攻撃も、実はレベル100の戦士職なら、運がいいと一撃で沈めることも可能だったりする。

なお、それを感知して全力で回避しようとするので足止めして仲間もろともぶっ飛ばせ!×3

『徒手聖○』シリーズは発生まで1秒あるのでその間に攻撃すると回避モーションを取って中断されます。BLACK SANも0.1秒を隙というくらいだし、何とかなるから頑張って倒そう!

なお、油断したら距離関係なく攻撃が飛んできたり、懐に入られてボコられる模様。

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