A:タクマが真っ先に浮かんだのが信彦だから
~引き続きナレーションサイド~
(…体が動かない)
「お前の負けだ(これで終わり…なわけねぇか)」
ホシノは起き上がる
「どうして?アビドスの問題に、首を突っ込んでくるなんて…」
「父さんに頼まれたんだよ。ホシノを止めろって。…それに、俺はもう無関係じゃねぇ」
「…」
「あんなトンデモ兵器を破壊しなきゃ、ラーメン食えなくなるからな。ヒナから聞いたな。確か、あのトンデモ兵器作ったのって…雷帝、だったか?」
「ゲヘナの暴君…雷霆?」
「何かアイツの置き土産は、何度もキヴォトスを危険に晒したらしくてな?…どうやらアビドスにもあったようだな」
「そっか…信彦君も列車砲を狙ってるんだね。でも、アレはカイザーが―――」
「俺と父さんがいれば何とでもなるはずだ。それはお前も分かるだろ?」
「…」
「分かんねぇとは言わせんぞ。『きっと、何とかなる』。父さんも、アイツらも、言ってたんじゃないか?傭兵時代の俺にとっても、そうだったように…。
けど、お前は止まらなかった…いや、止まれなかった。梔子ユメがいたから。ソイツの意志を守りたい、と思ったんだろ?鉄道の権利を取り戻そうとしたのは、列車砲を破壊する為だと決めつけてさ。
けど、それはお門違いってもんよ。そもそもソイツは、存在自体知らなかったんじゃないか?
当時から雷帝の遺産を追ってた、ヒナやマコトすら知らんかった。『砂漠横断鉄道』はな、アビドス生徒会とネフティスが共同で自治区を復興させようとした証だ。
だから残したいと思った。これもアビドスの一部だから、ってな。採算なんざ気にせずにな。
そして残金を振り込む為に、自治区の外れにある銀行へ向かう途中の砂漠で…不慮の事故に遭った」
「どうして、それを知ってるの?」
「…気になった事はとことん調べるタイプなんでね、俺は。
まぁ何にせよ、アビドスの生徒会長が死んだのは天変地異による事故だ。お前が責任を感じる必要はない」
「…私の何を知ってるわけ?それに、ユメ先輩は会長として…」
「そこそこは知ってるな。アビドスの会長がどんな奴か気になって調べたからな。さっき言った事も、芋づる式に知った訳よ」
「君が…?」
「どうやら、お前は当時は結構強かったみたいだな。
ゲヘナでもマークされてたらしいぜ?けど、だからこそ助けを求められなかった。お前よりツエー奴なんざ、早々いねぇし。『一人で守らなくちゃいけない』…。
まぁ、その考えが間違ってるとは言わないけど。最後まで、お前は逃げずにアビドスに残った。…やっぱ、俺やヒナよりツエーよ。そんだけ、守りたいものがある証拠だな」
「…守りたい、もの」
ホシノは過去を思い出す
「…私は、何の為に。それでも、列車砲を放置するわけには…」
「列車砲は、父さんが止めるだろうな」
ホシノは驚く
「雷帝の遺産は厄介だろうけど…父さん達なら、何とかしてくれる。
朝霧スオウの安全を確保したら、こっちに合流すると思う。
それまで大人しく待ってろ。…最初からこれで良かったって、お前も分かってんじゃねぇの?」
「…。知ったような口ぶりだね、信彦君。
でも、最初から絶対って言いきれた?すべてが思い通りに行くわけが無い。寧ろ、思い通りに行かない事の方が多い。
亡くなった人は蘇らないし。過去は変えられない。ユメ先輩の死が、決して覆らないように」
(死んだ奴が蘇ったら、ソイツ呪詛師だろ)
「…どうして?何で、先輩が死ななくちゃいけなかったの?一体どこから間違えちゃったんだろ…あんな最期になるなんて…。
…ねぇ、どうして?手帳、手帳は?どこ?先輩が言う『あそこ』って?一体、あの手帳には何が書いてあるの?
私はずっと、最後の言葉を知らないまま生きていくの…?」
(様子が変だ。こりゃ、マズイ事になるな…)
ノッブはホシノの様子がおかしい事に気付く
「あの手紙には、書いてあるはずなんだ」
(ええ…貴方は真実を知るべき存在です)
「…そう。必ず、見つけないと」
(そこには、長らく欲してきた答えがあるでしょう)
「オイ、誰と話してんだ」
―――もう付き合ってられません!生徒会は終わりです!
「あの時、私が怒らなければ…」
―――見てみて、ホシノちゃん。リュックサック型の水筒だって!便利そうじゃない?
「あの時、私が反対しなければ…」
―――その為にも…まず先輩、これを受け取ってください
―――うん?
「あの時、私が生徒会に入らなければ…」
―――待って!…ひんっ!?
「あの時、私が手を差し出さなければ…」
―――住民の皆さん!署名をお願いします!
―――…
「そもそも、私がいなければ―――
―――ユメ先輩は死なずに済んだ
…あぁ。―――やっぱり
ユメ先輩を殺したのは―――
―――私だ。
私のせいだ。
私が殺したんだ。
私が、私が…私が。
私が。私が。私が。私が。私が。私が。私が。私が。
私が。私が。私が。私が。私が。私が。私が。私が。
私が。私が。私が。私が。私が。私が。私が。私が。
私が。私が。私が。私が。私が。私が。私が。私が。
私が。殺したんだ。」
―――…この苦しみは、誰にも分かるはずがない。
―――何も知らないくせに
突然赤い奔流が放たれノッブは吹っ飛ばされる
「ぐぅっ!?(チッ、的中しちまったか!)」
その付近にタクマとアビドス一行がやって来る
「…何事だ!?」
「な、何が起きて…?」
「あっちで爆発が!っていうか、空が…」
「…!」
「これは…」
「ぐっ…」
スオウは倒れる
「おい、しっかりしろって監督官!寝てる場合じゃないけど!?」
「むーりー、完全に伸びてるー」
「先生…」
「ひとまず、列車砲は停止できましたが、今度は何が…?」
「も、もはや列車砲どころじゃなさそうだけど!?」
「ホシノ、信彦…!」
「…一体、どうすれば」
反転したホシノを見た信彦は小さくつぶやく
「…。ゆめ、せんぱ…」
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「ホ、ホシノさんは…」
「…存在が反転しました。もう、これでは…」
「ほ、方法は無いのでしょうか!?」
「…否定。ありません」
「何…だと…」
「そ、そんな…!」
プラナの言葉に、アロナとタクマは驚く
「死んでしまった人を、蘇らせるようなものです…」
「羂索…いや、アイツは他人の死体を乗っ取ってるだけか」
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「最初から、列車砲は餌に過ぎなかった。
真のターゲットは、あのキヴォトス最高の神秘。
六つ目の古則、『非有の真実は真実であるか』―――
いつか我々は死ぬ。それは、定められし運命。
しかし、自分自身の死を人は認識できない。
ただ、他人の死を認識するだけ。
故に、我々は死に対して理解が及ばぬ!
…だが、あの神秘から一つの解を得た。
我々は、『死』と並びうる概念を知っていたのだ。
―――『苦しみ』。
己が苦しみは他人に理解できないように、
他人の苦しみを真に理解する事も、また不可能。
…そう、これは苦しみに寄って反転した神秘。
いわば、『恐怖』の顕現。
神性の頂点に立ち、最も古く、最も偉大な神々の原点―――『ホルス』よ」
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「…それでも、止めなければなりません」
「えっ?」
「今のホシノさんは、恐怖へと反転しホルスになりました。
このままでは、本質に導かれ、世界を崩壊させていくでしょう」
「…!」
「チッ!」
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「…ん、ぱい。ゆめ…せん、ぱい」
やっとこさ、アビドス一行は信彦と合流する
「…!」
「…ホシノ先輩」
「あ、アレがホシノ先輩なの…!?」
「何が起きて…」
「信彦!」
タクマはノッブに駆け寄る
「…ったく、おせぇんだよ…」
「信彦、何か刺さりまくってるけど大丈夫か!?」
「わり、止められんかった」
ノッブは刺さってる瓦礫を引き抜く
「先輩!」
「て…ちょう…」
「ホシノ先輩、しっかりして!」
ホシノはショットガンを撃つ
「きゃああっ!?」
「ホシノ!」
<気を付けて下さい!あの攻撃は、私達でも…!>
<先生、手を!>
ホシノは更にショットガンを撃つ
(クソ…、何もできなかったか…。…何も。俺には、死人を蘇らせる事も、過去改変も、出来ねぇ…。プラナ…俺はどうすりゃよかったんだ…)
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「オ、オオオオオ!オオオオオオオオオ―――!
今度は貴方が!そうか、ホルスの神格に応じて!
原初の神格ホルスの宿敵であり、この世界の創造を巡り対立していた存在…。『セトの憤怒』よ!
ルールを変える前のテクスチャだが、いいだろう。
セトの憤怒と暁のホルスの激突。
これこそ、まさに世界創造の戦い!
早く、早く小生に見せてくれたまえ!
語り継がれし神秘と恐怖の
非有の真実は真実であるか―――
この不可解な問いに対して、あの神秘と恐怖は答えているのだ!
真実は常に観測されてきたが、それら全てを自らは経験できない。
それ故、我々が真実に至る日は来なかった。嗚呼ッ!そうだ!
この世界は滅びる。他人の苦しみを理解できぬような存在は、
元より滅びゆく運命に会ったのだ。
黒服よ、代わりに小生が叶えてやったぞ。
これこそが、貴様の見たかった光景―――
―――世界の滅亡だ!」
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<状況確認。タクマ先生、このままでは世界が滅びてしまいます>
「ホシノを止める手段はあるのか?」
<回答。…ホシノさんのヘイローを破壊するしかありません>
「それだけは絶対にダメだ」
<いずれにせよ、ホルスとなったホシノさんを止めるには、対抗できるだけの力を持つ神聖がいなければ…>
「…神聖、か」
<ですが、そんな存在はここに…。…恐怖に匹敵する恐怖>
「ダメだ、ホシノ…」
<アロナ先輩。このままでは、先生が…>
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「ごほっ、ごほっ…シロコ先輩」
「逃げ、ましょう…」
「シロコちゃん…」
「ゆめ、せんぱい…」
「…。私が弱いせいで、こうなった。でも、分かった気がする。
今、ホシノ先輩を止められるのは私だけ。
アヤネも、セリカも、ノノミも、ホシノ先輩も…。それに、先生も、信彦も。絶対、助ける。
その為に、私はここに存在してるから」
シロコは色彩を呼び寄せる
<色彩が観測されました!ど、どうして…このタイミングで!?>
<せ、先生!>
<確認。意識を失ってしまいました。脈拍、不安定。先生の命が危険です、アロナ先輩…!>
<…!>
「私が、止めないと…!私が」
シロコが色彩に触れようとする(トンッ)と、信彦がシロコを押し退けて代わりに手を伸ばす
「信彦…?」
「コイツは俺が食らい尽くす」
色彩を掴んで取り込む
「―――色彩武装」
信彦はそう言うと、黒い光が彼を包むとアーマーが形成され、ヘイローが黒くなり、ライフルと鎌が合体した武器が出現する
その姿はまるで、魔王武装した死神のようだった
「おぉ、タルタリヤの色違いか!アイツの魔王武装、カッコいいんだよな~。それに、ライフルと鎌の変形武器かぁ。結構イカすねぇ~」
そして、武装を解除する
呑気に言ってる場合じゃないでしょうに…
~過去:アビドス~
「…あの~。そろそろ起きないと…。タクマ先生?」
「…んんぅ…」
タクマは気が付くと、目の前にはユメがいた
「…先生」
「何だ?」
「ひぃん…ご、ごめんなさい。そろそろ準備しないと、ホシノちゃんが怒っちゃいそうで…」
「ユメ先輩、タクマ先生、早く来てください!オアシスで宝探しをするんですよね!先に校門で待ってますよ!早く来ないと一人で行っちゃいますからね!?」
ホシノは先に行く
「ふふっ…すっごく楽しそう。ホシノちゃん、先生が来てから変わった気がするなぁ。あっ、もちろんいい意味で!」
「…」
「…先生?」
「ユメ…だったな」
「そんなに悲しそうな顔して、どうされました?怖い夢でも見た、とか…?」
「すまない…俺は、大人なのに。出来る事なら、俺は…。俺は…」
「先生。事情は分からないですけど…。きっと、先生のせいじゃありません。だから、謝る必要なんて無いと思います」
「俺は、時間を巻き戻せず、死を、無かった事も出来ない。…そんな力は、存在しない。俺は、フィジカルが強いだけの平凡な人間だ。目の前に苦しんでる子がいたら…手を差し伸べるだけで、精一杯だ」
「…先生。今はそれで十分だと思いますよ。小さな積み重ねが、いつか大きな奇跡になりますから。あっ。奇跡なんて簡単に言うと、また怒られちゃうかもしれないけど…。私は信じて…ううん、信じたいの」
「お前のその言葉、忘れないから」
「はぅ、そんなに深い意味は…。…先生は、これから苦しんでる子を助けに行くんですか?」
「手の届く子を、俺は救いたいんだ」
「助けられるといいですね!」
「助け出してやるよ」
~???~
とうとうタクマは地下生活者と対面する
「よう。初めまして、でいいか?」
「貴様は、タクマ先生!?な、何故ここに…!」
「―――お前が地下生活者?」
空間が裂けて、そこから氷の角と翼が生え、ヘイロー含めてコハルに似た男子が出てきた
「何か、マントヒヒみたいだな。…いや、マントヒヒに失礼か」
「お前は信彦の孫のレイム…だっけか。姉のヨロズはどうした?」
「置いて来た」
「な、何だ貴様は!?」
「未来からの使者、境界の竜!」
レイムはスパイダーマッのポーズをとる
「2人揃って何のつもりだ!?小生の勝ちでゲームは終了した筈だ!負け犬が今更何をしに来た!?」
「…いや?」
「ゲームは終わりじゃない」
<座標確認。信彦に取り込まれた色彩の力で、強制転移シーケンスを発動します>
「(ハハッ、やっぱ信彦は狂ってるな!)シロコ!2人の手助けをしてくれ!」
~現代:アビドス~
「信彦」
声がした方に向くと、シロコ*テラーがいた
「お前はテラーか」
「シロコ!信彦!」
そこにタクマが来る
「「ん」」
「よ、父さん」
「助けが必要なんでしょ?」
「ホシ「ホシノ先輩を放っておいたら、世界は破滅へと向かう」う、うん…」
「私は知ってる。アレは、アビドスで始まってるから」
テラーはホシノの銃撃を避ける
「避けた…!?」
「…分から、ない。他の人に、この苦しみは…」
「ううん。私も、よく知ってる。勝負しようか、ホシノ先輩」
「勝てるの?」
「ん、戦い方は分かってる」
テラー同士の戦いが始まる
~信彦*テラー~
普通に魔王武装した信彦。以上