「あ、貴方は…!」
「もう一人のシロコちゃん…?」
「助けに来てくれたのね!」
<シロコさんの到着を確認しました!色彩の力の利用、成功です!>
<強制転移シーケンスの停止を確認。ですが、これで…>
「シロコ、俺も行く」
「ダメ。ここは私に「色彩武装」
ノッブは色彩武装する
「信彦、その姿…」
「色彩を武装化させた。今の俺は、
ファトゥス第8位代理で正真正銘の死神『インナモラート』だ!」
神秘を解放すると、ホタルの必殺技のようにオーラが放出し、周囲の空間は歪み緑色の宇宙が広がる
そしてテラー同士の戦いが始まる
「きみたちに、このくるしみは…」
「ううん、知ってる。だって、私は…」
=================================
「あ、ああっ…何だ、アレは…?
…死の神、アヌビスとインナモラート?
あ、あんなもの、無理に決まっている。
何故三つの神聖が同時に?それも、ホルスに匹敵するほどの存在が…
…何故、何故、何故!
何故だッ―――!こんなチートが許されるのか!?
コデックスに反している!ルール違反だろこんなの…!
クソッ、匿名の行人は何をしている…あの役立たずが!
こんな存在がいるなら先に言えよッ!
セトの憤怒の顕現が、止まってしまった…
…これでは、エンディングに辿り着けない。
いや、今こそ五つ目の攻略法の出番だ。
まさか、ここまで手こずらせてくれるとは…タクマにレイムよ!
だが、最後に笑うのは―――
この小生に決まっているッッ!」
レイムに関してはとばっちりである
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ホシノの動きが止まる
「やりましたか…?」
「動きが止まったわ!」
「雷も消えていきます!」
「これでホシノ先輩は元に戻るんだよね?」
「ん。このままいけば、きっと「ううん、そうはならない」
「ど、どうしてですか…?」
「一度でも反転した以上、もう戻って来られない。死人が生き返るようなもの。私が今、こうあるように」
「でも、それじゃあ…」
「ここに私が来た理由は、ホシノ先輩のヘイローを破壊する為。そうしないと、貴方達を助けられない」
「え?」
「早くしないと、ホシノ先輩に呼び寄せられたアレが顕現して世界が滅びてしまう。―――私の所と、同じように」
「けど、ヘイローを破壊したら…」
「…先輩も覚悟していたはず。以前、私達に頼んだように。私が辿った道とは違うけれど―――結局、こうなる運命だった」
「…ううん。覚悟はあっても、望んでいるかは別だと思う。貴方も、そうじゃないの」
「どうしても助けたい。何か方法はあるか?」
「方法…。…これまで失敗ばかりだった私に、何が出来るんだろう」
テラーは何か気付く
「待って。ホシノ先輩の胸元に、何かが…。…初めて見る。まだ、形が定まり切ってない…?」
「ん…」
「もしかして…!」
「何か…手帳、みたいな形してない?」
「…!」
「あ!そういや、手帳がどうたらって言ってた!」
「アイツは砂漠を彷徨ってるのだろう。ユメパイセンの手帳を見つける為にな」
「…」
「…ホシノ先輩」
「…」
「ホシノ先輩は、まだ完全に反転しきった訳じゃない。…恐らく、あの手帳の存在が最後の寄る辺になっているんだと思う」
「―――!」
ホシノが動き出す
「ま、また動き出したわよ!」
一方、シッテムの箱でも解決策を探してた
<…状況を確認>
<プラナちゃん…?>
<方法、リサーチ。…ホシノさんの神秘が完全に反転してしまう前に、接触できそうです>
<ど、どうやってですか…?>
<オーバークロックです、アロナ先輩。シッテムの箱を使って、疑似的なナラム・シンの玉座を生成します>
<えっ!?あれは方舟があったから出来た事で…、シッテムの箱の力だけでは…>
<先程、地下生活者の能力を分析した所…。次元や時間、実在の有無が確定せずに混ざり合う混沌の領域と類似した状況を作り出せれば…。ホシノさんに声が届く可能性があると判明しました>
<で、ですが、今の力では…>
<肯定。なので、今から演算リソースの99%を先輩にお返しします。そして私は、これより休眠状態に入ります>
<きゅ、休眠状態…?>
<はい。シッテムの箱に潜り、混沌の領域を構築します>
<こ、これでもしプラナちゃんの身に何かあったら…!>
<先生には秘密にしてください>
<それはっ…!>
<まもなく実行を開始します。…先輩、一つお願いを聞いてもらえますか?>
<何でも言って下さい、プラナちゃん>
<…手を、握っていて欲しいです>
<手、ですか…?>
<…少し、怖いので>
<もちろんです!プラナちゃんが帰ってくるまで、絶対に離しません!>
<ありがとうございます…アロナ先輩>
タクマはアロナに方法を説明してもらい、シロコ達にも共有した
「ホシノ先輩に直接触れる必要が…」
「正確には、手帳にシッテムの箱を近づける」
「どっちにしろ、先輩に近づかないといけないんじゃ…」
「まずは、ホシノ先輩の動きを止めなくてはいけません」
「…了解。先生、私にも指示をお願い」
「私達だけで、行けるのかな…」
「父さん、俺にも指示を寄越せ」
「あぁ!信彦がいるだけも心強いな!」
「とにかく急ぎましょう。また雷が大きくなってきました!」
「ん、これが最後のチャンス」
=================================
「―――今だ!」
シロコとセリカがホシノを取り押さえる
「…っ!」
「何この熱さ!」
<先生、熱気は私が何とかします!それよりも、セトの憤怒の様子が…急いでください!>
タクマは手を伸ばす
「…先生、どうだった?」
「俺じゃダメだ!
「けど、対策委員会だったら行けるはずだ」
「…これは、対策委員会にしかできない」
「シロコも行くんだよ!」
テラーは驚く
「ん、貴方もアビドスでしょ。一緒にホシノ先輩を助けて。…覆面水着団の一員として」
テラーは覆面を装着する
「そういう意味じゃないから!シロコ先輩が調子に乗るじゃない!」
セリカにツッコまれて覆面を外す
「やっぱりこの人、シロコ先輩だわ…」
「さっさとやれ!」
「お前ら、頼んだぞ!」
~多分、精神世界~
ノノミはホシノに呼びかける
「…ホシノ先輩」
(ユメ先輩は、最後に何て言おうとしたんだろう
手帳には、何が書いてあったんだろう
…もう、二度と知る機会は訪れない
分かっていても、諦められない。けど、この苦しみは…
ううん、この苦しみこそ…。私に与えられた罪)
「違いますよね、先輩。手帳を見つけられなかったから後悔しているんじゃなくて…。ユメ会長に気持ちを伝えられなかったから…。だから、今も苦しんでいるんですよね?」
(アレが最後と分かっていたら…
…違う。そんなの関係なく、普段から気持ちを伝えておくべきだったんだ)
「急に会えなくなるだなんて…誰も、思いもしませんから」
続けて、シロコが呼びかける
「あれは事故だよ、先輩」
(だとしても、受け入れられるどうかは別)
「先輩のせいじゃない」
(頭では理解してる…けど、納得は出来ないんだ。私が間違ってた)
「ホシノ先輩がいなかったら…。あの日、私は死んでた筈。…でも、先輩がマフラーをくれたから」
(ユメ先輩が、そうしろって…)
「ん。なら、ユメ先輩にもお礼を言わないと」
(…)
次にアヤネが呼びかける
(私達は、苦しんで、意味もなく死んでいく。そういう定めにあるんだろうね
だって、死に意味があるというのなら、先輩があんな風に死んだ事に、一体どんな意味があるの?)
「ホシノ先輩…」
(ユメ先輩は、砂漠で迷って力尽きた。水も、コンパスも、通信機も無い状態で。あの日は、星一つ見えないくらい悪天候だった
せめて、スマホが最新だったなら…。そうしたら、先輩の言葉を受け入れたかもしれないのに…。もっと早く、発見できたかもしれないのに
でも、先輩は借金を返済するからって機種変更を後回しにして…
私が…もっとちゃんと話をしていたら…)
「ホシノ先輩!」
(…)
「ホシノ先輩とユメ会長の事情に、私は口を挟べきじゃないかもしれません。ですが、そうやって自分を苦しめてたら、先輩が…」
(…学校の水道。直してくれたの、アヤネちゃんだよね)
「え…?」
(ありがとう。本当はもっと前に言おうと思ってたんだけどさ)
「…ホシノ先輩」
次にセリカが呼びかける
「…。ふぅ…ごめん、うまく言葉に出来ないや。…早く帰ってきてよ、先輩のバカ!それで、また一緒にラーメン食べに行くわよ!もし帰ってきてくれたら、アヤネちゃんと一緒にアイドルやるから!」
(…セリカちゃん。やっぱり、セリカちゃんは可愛いね~)
「ちょ、ちょっとぉ!?」
最後に、シロコ*テラーが呼びかける
「…。―――もう、十分。過去は過去として―――そのままでいい」
(シロコ、ちゃん…?)
「これからを…セリカやアヤネに信彦のように彼女を知らない生徒が増えていく未来を、大切に。彼女を知らない子達も、今、笑顔でいられる事は、悪い事じゃない。だから…。死に囚われるんじゃなくて、思い出を未来に連れて行こう。生徒会長がどんな人だったかは、先輩が一番よく知っているんでしょう?だから、その手を、離してあげて」
(…ありがとう。君の事、よく知らないけど…分かるんだ。…同じ過ちを繰り返してほしくないんだよね。シロコちゃんは優しいから。…それに。―――君も手放せてないんでしょ?)
「…!」
(…皆が使ってた武器を。今も、まだ持ってるよね?)
「私は…」
(それを捨てられる?段々と記憶が薄れていく中、
「…。…分からない。…出来るのかな。私達は…。罪から…悲しみから、苦しみから、抜け出せるのかな?…きっと、死んだ人を生き返らせるのと同じくらい、難しいと思う」
(…)
=================================
「完成だ!遂にセトの憤怒が顕現する!オオオオオッ、雷撃の怒りよ…!
地上を燃やし尽くせ―――!!」
=================================
<先生、気を付けて下さい!巨大なエネルギー反応が…!>
(…。私には…。…出来ない。先輩が最期に残したもの。その意味が何なのか確認しないと。でないと、私は…)
雷撃がタクマに襲う
<避けて下さい、先生!あの攻撃は、今の私じゃ防げません!せ、生徒の皆さんも…!うわああああああっ!?>
「ホシノは手帳に何が書いてあると思う?」
(分からない。だから、それを知る為に「ああ。それは誰にも分かんないもんだからな」…)
「それでも、信じてるんだよな」
(…ユメ先輩は、どんな言葉を残したんだろう)
「アイツを一番知ってるのは、お前なんだろ?」
(…)
「なら、そこにはきっとお前を信じる言葉があるはずだ。事実は分からないかもしれないが、真実はそこにある。存在しなかろうが、それが真実である事は変わらないからな。それが、俺達に出来る唯一の選択だ。死を、時間を巻き戻せない、平凡な俺達にとって…。“たった一つの―――奇跡だから”」
~???~
砂漠のような場所に、ホシノがいた
「ここは…。…ん?」
ホシノは手帳を拾う
「…手帳?えっ。ど、どうして!…どうして、こんな所に!?」
「ホシノちゃん、元気にしてる?」
声がした方を見ると、そこには梔子ユメがいた
「えへへっ。3年生になったホシノちゃんは、どんな風に成長してるんだろうね」
「ユメ、先輩…?」
「この手紙は、未来のホシノちゃんに送る手紙だよ。私は3年生になったホシノちゃんを見られないけど…。きっと、立派な先輩になってるんだろうなぁ」
「…先輩」
ユメはホシノの手を握る
「どうどう?良い先輩になれた?後輩の面倒は見られてる?守れるくらい頼もしい先輩になれたかな?皆と協力は出来てる?困った時に手を貸してくれる友達は出来た?ちゃんと未来に向かって進めてる?…tyなと、うへ~って笑えてる?」
ホシノはユメに抱き着く
「ユメ先輩っ!!
せんぱい…せんぱいっ…!私…わたし、ずっと…。わ、わたし…っ…わたしっっ…!ユメせんぱいっ…!うっ…ううっ…!
うああああああああああっっ―――!!
…いえ。トラブルを起こしたり、心配をかけてばっかりです…。役立たずで、バカな私は…。後輩に、いつも迷惑を…」
「何だか、私と似てるような…」
「…ふふっ。そうですね、先輩みたいです」
「良かった。やっと笑ってくれたね、ホシノちゃん。…でも、私は知ってるよ?ホシノちゃんは後輩の事をちゃんと守ってくれて、本当に困った時は、絶対に助けてくれる頼もしい子だって。私の大切な後輩は、ちょっぴり意地悪だけど…。本当は誰よりも優しいんだって…ちゃんと、分かってるよ」
「全然、違います…」
「めっ」
「…?」
「自分を責めないの。ホシノちゃんはいつも頑張ってる、良い先輩だよ」
「…」
「お疲れ様、ホシノちゃん。大変だったよね…ずっと、一人で頑張って」
「…はい。皆の為になれば良いなと思って…ずっと、ずっと。努力してきた、つもりです…。先輩がいなくなって、辛かったですけど…それでも、私は…」
ユメはホシノを抱きしめる
「よしよし、ホシノちゃん。いっぱい頑張ってきたんだね」
「…」
「大丈夫…?息苦しくない…?」
「ユメ先輩…。会いたいです…。…会いたいです、先輩」
「うん…知ってるよ。でも、ホシノちゃんにはまだやる事があるでしょ?」
「…やる事」
「うん」
「後輩を守ってあげないと、ね」
ユメは消える
「先輩…。…ユメ先輩。行かないで下さい…。…先輩
…分かりました、ユメ先輩。二人で過ごした幸せな時間も、一人になってからの時間も…。…繋いでくれたもの全てを、大切にします
…ちょっぴり意地悪な後輩を、ユメ先輩が大切に思ってくれていた事も
だから、私はもう立ち止まりません。進んでいきます。前に向かって、歩いて行きますね」
~アビドス~
「ったくよぉ、ちったぁ空気読みやがれ!」
信彦が跳んでセトの憤怒の雷撃を代わりに受け、地面に叩きつけられた彼の体中に雷が駆け巡る
「いっつぇ…」
信彦は平気で起き上がる
(…そうですよね、先輩。私がいる事が、その証ですから)
「…へっ、おせぇんだよ」
復活したホシノを見た信彦はどこか嬉しそうだった