バ美肉系決闘者お嬢様筋肉おじさんの往く遊戯王VRAINS   作:mazy

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現実回スタート。
まずはちょっとしたおさらい。
そしてバ美肉筋肉おじさんと、とあるキャラの登場です。


4話 現実①

今自分が生きるこの世界。

その原作に当たる──と言っていいものだろうか?──とにかく遊戯王VRAINSには、大きく分けて三つのストーリーがある。

 

一つ目は主人公がかつて幼少期に巻き込まれたある事件によって生まれた因果を巡る、彼の復讐と恩人の捜索、そしてLinkVrainsの存亡を巡る戦いの日々を描く"ハノイの騎士"編。

 

二つ目はハノイの騎士達との戦いを終え、新たに生まれ変わったLinkVrainsに巻き起こる、意思を持つ人工知能達と、それにまつわる過去の因縁や渦巻く黒幕の思惑に翻弄される人々の物語である、"イグニス"編。

 

そして三つ目が、主人公のパートナーとして共にあった、相棒とも呼べる意思持つ人工知能が引き起こす、願いと別れの物語である、"Ai編"。

 

実のところ、これら三つの物語は、一人の天才(或いは天災)科学者のやらかしが発端であると言える。

 

それは本編第一話を基点としておよそ十年前。一人の男の未来への()()が生んだ狂気の実験。

俗に言う"ロスト事件"である。

 

ピピピピッ!ピピピッ!

〈ジカンデス。キテイキョリ ノ ランニング ガ シュウリョウ イタシマシタ。クールダウン ヲ オエテカラ キュウケイ シテ クダサイ。〉

 

「……む」

と、そこで乗っていたトレッドミルが設定距離の終了を告げた。すぐには立ち止まらず、息が整うまでゆっくりと歩いてから、器具より降りる。

 

ほどよい発汗が心地好い。今日も気分よく身体を動かせそうだ。

置いておいたタオルで軽く汗を拭うと、お気に入りのチェストプレスマシンに腰かけ、ゆっくりと筋肉に負荷をかけていく。

「フゥン……フッ…ハァッ……ッ!」

 

さて、ロスト事件の話に戻ろう。

この事件を起こした首謀者の話──は一旦置いておくとして、ここで考えをまとめておきたいのは何よりもその被害者についてだ。

 

彼らは全員が誘拐され親元から(あるいは施設から)離され監禁され、VR機器以外存在しない暗い部屋でただひたすらに決闘(デュエル)漬けの日々を送らされた。ただ決闘するだけではなく、敗北すると全身に電流を流され、勝利しない限り満足な飲食すら許されないというものだった。

六歳の子供に与える処遇か? これが?

そんな地獄に投げ入れられた子供達の数は六人。内訳としては男児が五人に女児が一人となる。

 

一人目は藤木 遊作。我らが主人公にして、LINKVRAINSのヒーローPlaymaker(予定)である。ロスト事件に大きなトラウマを抱えており、アニメの描写を見る限り天涯孤独の身の上でもあるようだ。

彼がLINKVRAINSに現れた時がすなわち本編スタートの合図であると言えるので、常にその動向には注目していきたい。

 

二人目は穂村 尊。アツい魂を持つ少年であり、イグニス編から登場する、いわば追加キャラである。アニメ視聴者はこれまでの過去作の経験から()()()()()()()()()と期待半分不安半分に構えていたが、その予想に反して最後までアツい男であり、最後には主人公やヒロイン(暫定)を差し置いてリア充になっていた。カードゲームアニメの主人公みたいな男である。

とりあえず彼が出てくるのは暫く後になるので、今は故郷で幼なじみとイチャイチャしていてもらおう。

 

三人目は草薙 仁。ロスト事件で大きな心の傷を負い、本編開始時点でもその心は元には戻らず、施設でリハビリを続けてはいるが、未だ暗闇の中にいる。これだけでもかわいそうなのに、本編では人格データを奪われたり道具のように扱われたりと何かと不憫である。

彼の居る施設は一応把握してるが、彼の心の闇を払えるのは医療と家族の愛であるため、自分が出来ることはあまり多くはない。だが、それでもやれることはあると考えているので、どうにかしたいところだ。

 

四人目は杉咲 美優。ロスト事件被害者の中でも唯一の女性であり、本作の(恐らくはきっとそうだと思われるいや思いたい)ヒロインである少女・財前 葵の旧友である。事件後は()()()()()によって意識を奪われ、ずっと寝たきりにされており、作中においてはほとんど出番がなかった。なんとも不遇な少女であり、なんとか救いたいとは思っているが、現在の彼女がどうしているのかは残念ながら不明であるため、自分としては忸怩たる思いを抱いている。

 

五人目はスペクター。本名不明である。多くのロスト事件被害者が大きなトラウマを抱えたり家族を失ったりなど様々な面で人生に暗い影を落としている中、一人だけそれを楽しんでいたというちょっと、いや、かなり異常な男である。誰が呼んだか"ロスト事件エンジョイ勢"。彼の立ち位置は他のロスト事件被害者とは異なり、基本的に主人公達とは敵対する。

彼についてはこちらから何か出来ることはない。というか正直彼だけなんか世界観が違っててあんまり関わり合いになりたくない……これから原作に介入していくつもりである以上その邂逅は避け得ないものではあるが……まあ、その時は未来の自分がなんとかしてくれるだろう。

 

そして最後に六人目なのだが──。

 

「……」

と、そこで自分の居るトレーニングルームへ、一人の少年が入ってきた。彼は、キョロキョロと誰かを探すような素振りをすると、目当ての人物を見つけたのか笑顔を浮かべると、その表情のまま()()()()()()()()()()

 

「あっミノさん! こんちゃッス!! 今日も凄い筋肉ッスね!? キレてる!…でいいんでしたっけ? ホント憧れちゃいますッス!」

 

「風雅、か……」

 

「ハイッス!今日もトレーニングお付き合いするッスよ!」

 

トレーニングはそのままに、人懐っこい表情を浮かべる少年を見る。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()その少年。

東雲 風雅(しののめ ふうが)

彼との出会いは、およそ二年程前の話になる。

 

 

 




◆この少年は…!?

本編スタート前に主人公以外の視点からの番外編を入れようと思うのでアンケートにお答えいただくと嬉しいです

  • 血に染まらぬ猟犬
  • 悩み多き番犬
  • 風を追う少年
  • 未だ英雄ではない二人
  • 悪魔に闘志を燃やす天使
  • 燃える闘魂と筋肉
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