バ美肉系決闘者お嬢様筋肉おじさんの往く遊戯王VRAINS 作:mazy
※主人公の転生時期は更新時点でフレキシブルに移動すると思っていただけると幸いです。
Field
Teruo
LP4000
Hand 5
□□□□□
□□□□□
□ ①
④□□②③□
■■□□□
①王神鳥シムルグ A2700 マーカー:左下・下・右下
②溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム A3000
③護神鳥シムルグ D1300
④神鳥の霊峰エルブルズ
Fuga
LP4000
Hand 1
霊迷院アリアとして自分のデッキは、動画映え等を意識して、(そして例の増殖するアレがソリッドヴィジョンだとあまりにも精神のライフを削ってくるのもあるため)所謂"汎用手札誘発"は基本的には入れていない。
一応、【ラビュリンス】とのシナジーもあるため無限泡影くらいは入れているが、しかし基本的には相手の展開等を妨害するよりも、出来上がった盤面を崩すための"捲り"に使うのが基本である。
他にも基本的に相手の初動を潰すのは出来るだけ避け、切り札を出させてからそれを罠にかけるようにしたり、相手に動く隙を与えるため、あえて使えるタイミングで効果を使わなかったり、いわばプロレスを演出して動画を盛り上げることが、Dentuber霊迷院アリアのスタイルである。
それは人によっては舐めプと取られるかもしれない。あるいは某所の遊戯王二次創作でやたらとヘイト描写が盛られたリスペクトデュエル(笑)のように思われるだろうか。
だが、決闘こそが多くの人々の日常であるこの遊戯王の世界においては、決闘は神聖な犯さざる儀式であると同時に、決闘者同士の魂の対話でもあると自分は考えている。
ただ相手の心を折り、勝ち続けるだけの、
では、そういった事情を考えずに済むリアルの
「手札から魔法カード発動、アームズ・ホール。このターンの通常召喚権利を破棄する代わりに、コストでデッキトップからカードを一枚墓地に送り、デッキ・墓地から装備魔法カードを一枚手札に加える……」
「アッハイ、チェーンは無いですどうぞお好きにどうぞッス…てかラヴァゴの時点で召喚権無くしてるのに使えるのズルくないッスか…?」
それが遊戯王だ風雅君。納得出来なくても受け入れろ。
「では、
──
世界に一枚しか無いカードが多数存在する異常なカードプール?何故か発生するリアルダメージ?対戦相手がいきなり変身すること?いやいやいや、それらは結局決闘それ自体の根本を変えているわけではない。
では何が大きく違うか? 勿体振っても仕方ないので答えるが、それは単純にして明解。
そう──
「手札からデーモンの斧を発動。モンスター一体に装備し、攻撃力を1000アップする。対象は溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム。そして更に手札から堕落を発動する。フィールドにデーモンカードが存在するため、装備した相手モンスター、溶岩魔神ラヴァ・ゴーレムのコントロールを得る」
この世界、何か特別な事情でも無い限りは決闘をする際は必ずと言っていいほどライフポイントが4000で行われる。それは前世のアニメなどでは尺や脚本の負担などのある種の
──こんな場面を観たことがないだろうか?
アニメ遊戯王で主人公がステータスの低い弱小モンスター(なおその効果は……)を召喚するも、周りのモブや敵決闘者からは「何だその雑魚モンスターは?」などと嘲笑を受ける場面。それは主要キャラが一般的な決闘者とは異なる価値観・強さを持ち合わせている一種のお約束の展開であり前世では割りとお決まりのその展開で、自分自身も思慮の足りないモブ達を馬鹿にする立場であったが、しかし、実際に遊戯王アニメの世界で数多くの決闘をこなしてきた結果、その価値観も仕方ない部分があるのではないか? と思うようになった。
ライフポイント4000。これはOCGのライフポイントの半分の数値である。これがどういうことかと言うと、決闘がスタートした時点でお互いに4000ダメージを受けているようなもの。
つまり、《非常に勝ちやすく、負けやすい》状態なのである。
相手の盤面を破壊した上で、攻撃可能なモンスターの総攻撃力が相手のライフポイントの数値を越える。それが決闘の基本的な勝利条件と言える。
カードプールの増加とそれに伴うカードパワーの上昇により高速化が進んだ前世では、8000を削るのはそこまで難しくはなくなっていたが(主に我らが主人公の最後の切り札のせいとも言えるが……)、それでも相手の妨害を乗り越えた上でそれを為せるデッキはやはり上澄みだった。
──では、その削るべき数値が《たったの》4000だったら?
溶岩魔神ラヴァ・ゴーレムは相手モンスター二体をリリースして相手の場に特殊召喚出来るモンスターであり、その攻撃力は3000。デーモンの斧の効果は装備モンスターの攻撃力を1000上昇させる。そして堕落。
3000+1000=4000
小学生でもわかる足し算だ。
そして、実際にかつて風雅がモンスターを二体だけ出してターンを渡して来た時、この三枚でワンターン・キルが成立して決闘が終了したものである。
「──かかったッスねミノさん! お得意の装備魔法戦術もこれまでッス!!俺はセットカード発動!砂塵の大嵐ッス!これによりデーモンの斧と堕落は破壊!」
おっと、読みが少し外れていたようだ。やはりフリーチェーンで使えるカードではあったが、今回はそれか。最悪エルブルズを破壊して烈風の覇者の効果を使うことも考えていたとはなかなか思いきったな。流石にこちらの戦術もバレているため、このようなことも、まあそれなりにあるか。
……まぁ、無駄なんだけども。
「では、手札から魔法カード・簡素融合を発動。1000ライフポイントを支払い、エクストラデッキから、レベル6以下の効果を持たない融合モンスター、ソウル・ハンターを融合召喚」LP4000→3000
現れたのは黄色のドラゴンに騎乗する大鎌を持ったピエロのような悪魔。簡素融合で出せる唯一のレベル6闇属性悪魔族だ。不気味な笑みを浮かべ、風雅に向けて大鎌を見せつけるように振る舞う。
「カード一枚で融合ッスか!?」
「だが、このモンスターは攻撃出来ず、エンドフェイズに破壊される。──尤も」
それより前に破壊するんだが。
「ソウル・ハンターを対象に、手札のバーサーク・デーモンの効果を発動。自身を特殊召喚し、対象に取ったモンスターを破壊し、この効果で破壊した数まで相手モンスター、ラヴァ・ゴーレムを対象に取り効果を発動。その攻撃力を、自身に加算する……!」
「バーサークは2000でラヴァゴは3000だから……攻撃力、5000!? させないッスよ!! 手札から朔夜しぐれの効果を発動!! その効果を無効にするッス!! 更にこの効果を受けたモンスターがこのターンフィールドを離れたら、ミノさんのライフはその元々の攻撃力分失われるッス!!」
ソウル・ハンターを背後からその斧で斬殺し、その気勢もそのままに雄叫びを上げる狂戦士の悪魔だったが、秋の月を思わせる愁いを含んだ表情の妖怪少女がふわりと舞い降り、そのまま効果を無効化してしまった。バーサーカーと美少女……なんか前世で既視感があるような…いやいや。
残念ながらやっちゃえ、バーサーク!とは行かなかったが、ここで最後の妨害を切って来る辺り、やはり風雅も《この世界の決闘者》であると言える。
ライフポイントが少ない決闘においては、何の耐性も除去効果も持たないモンスターであっても、ただ打点が高いというそれだけで、いつでも自分のライフに届きうるという大きな脅威として見えてしまう。
これは実にこの世界特有の価値観と言えるもので、馬鹿にされるべきではないと思っているが、やはりそれでもこの決闘では──致命的だ。
「手札から、チューナーモンスター・
「チューナー……!?」
「霊迷院アリアの最新動画を観たそうだな風雅。ならば──
「シンクロ、召喚……ッ!!」
「自分はレベル6、バーサーク・デーモンにレベル2、混沌核をチューニング……!!」
悪魔が闇纏う六連星となり、それを二つの光輪が包み込む。そして──。
「闇と光交わりて、今此処に混沌の地平が
現れたるは白銀の光輝く鎧とぬばたまの闇を司る漆黒のマントを纏いし混沌の魔神。
前世では『まぁ…弱くは無いけどさぁ…』とか『コイツ出す手間かけるくらいならレベル10のアイツでいいじゃん』と言われてたシンクロモンスターだが、この世界では破格の能力を持っている。
「まさかミノさんがシンクロ召喚を使うとは思わなかったッス…でも、その攻撃力は2500! ラヴァゴどころか王神鳥にも届かないッスよ! それにバーサークデーモンが場を離れたことでミノさんのライフは2000減少してたったの1000ッス!!」
ご丁寧なフラグ建築、ご苦労様ですわ~!!(内なるお嬢)
「カオス・デーモン第一の効果。このターンカードが除外されているため、その攻撃力を2000上昇させる。カオス・エンチャント……!」 LP3000→1000
とかなんとかカッコつけて効果名言うの楽しすぎるよね! 参った、テンション上がって来た……。
「攻撃力4500!? いや、それでも俺のライフはまだ…それに王神鳥には他のシムルグを身代わりに戦闘破壊を免れる効果があるッス! そうすればエンドフェイズにまた更なるシムルグを……」
「──それは、次のターンが存在すれば、の話だろう」
「えっ」
「手札からフィールド魔法発動、
「迷宮……悪魔……」
「バトルだ! カオス・デーモンで護神鳥シムルグを攻撃! 魔神槍・開闢斬!」
白銀の魔神がその手の禍々しい槍を振りかぶると、黒白の波動を纏った斬劇が紫の神鳥を切り裂き、跡形もなく消滅させた。
「グワァアアア!!……って!えっ護神鳥を!? 戦闘ダメージは無いッスよ??」
「カオス・デーモン第二の効果! このモンスターが戦闘破壊したモンスターはゲームから取り除かれ、そしてこのモンスターは相手のすべてのモンスターに一回ずつ攻撃することが出来る!」
まぁ自身の効果で蘇生したシムルグはそもそも場を離れたら除外されるんだけどね。
「さぁ次だ……カオス・デーモンで王神鳥シムルグを攻撃!! 魔神槍・開闢斬、二連!!」
奇しくも光と闇を背負った二体のモンスター同士の激突だが、王神鳥の健闘もむなしく、やはり魔神の槍がその身体を貫き、消滅させた
「くっ…王神鳥まで…!」 LP4000→1700
「トドメだ……カオス・デーモンでお前の溶岩魔神ラヴァ・ゴーレムを攻撃!!!」
「いや、ミノさんのラヴァゴでしょう!? ……くっ迎え撃つッスラヴァゴーレム!!」
「──因みにラヴァ・ゴーレムの攻撃名は『ゴーレム・ボルケーノ』だ」
是非、高らかに宣言していただきたい。
「うるさいッスよ!? ええい! やれっマグマストーム!!」
まぁ、言われないのがもう様式美デスヨネー。
「魔神槍・開闢斬、三連打ァ!!!」
「くっ…うっうわぁあああ!!!」LP1700→0
かくして溶岩魔神は混沌魔神に叩ききられ、哀れにも爆散。その余波で風雅もまた、吹き飛んで決着と相成ったのだった。
「やっぱズルいっすよラヴァゴ……今回は王神鳥で耐性も付けて装備対策もバッチリだと思ったンスけどね…」
決闘後、二人でビル一階のエントランスにて飲み物を飲みながら暫しの感想戦。これもいつものルーティンである。
「そう卑下するものじゃない……たまたま引きが良かっただけだ。前回よりも確実に進歩している」
「うーん……そうッスかぁ……そうッスかねぇ……?」
「あぁ、おそらく同年代の決闘者と比べれば相当上位の実力を備えつつあるだろう」
まぁ一部(リボ様とかプレメ様)を除けば…だけどね。
「へへへ…いやぁ~……そんなことも、まぁ……ありますかねぇ!!」
単じゅ…もとい素直な性格をしてるのは風雅の持つ美徳だと思う。何度負けても決闘を楽しむことをやめない彼の気性は、だからこそあのロスト事件を経験してもちゃんと立ち直れた土壌なのだろうと自分は考察している。
……あ、そういえば。
「決闘前に言っていた、『気になること』とは何だったんだ」
「えっ? あ~、それッスか……いやぁなんというか……う~ん……」
? なんだろう、彼にしてはなんだか歯切れが悪い。
「言ってみるといい。どんな内容であれ、話さないことには何もわからない」
「うーん……まぁそうなんスけど……じゃあ、言いますけど、笑ったり怒ったりは無しッスよ??」
「……? あぁ」
そして風雅はこう言った。
「──ミノさんって、霊迷院アリアの関係者ッスか?」
本編スタート前に主人公以外の視点からの番外編を入れようと思うのでアンケートにお答えいただくと嬉しいです
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