……俺がいない間に異世界に行って冒険してモルガナと蓮以外は洗脳されてた?
行方不明だった政治家の春日部統志郎の心象世界でトラウマ乗り越えてペルソナ能力を持った?
大体わかった。
「春」
買ってきたものを投げ渡す。
小型の箱の中身は……
「指輪…」
「やるよ。婚約者なら指輪の一つは渡さないとな。
大学の男避けになるだろ?
全く、この年で男やもめは御免だ。
そもそも俺がいなくて守りきれなかったせいだからな」
「スミス君……」
切腹しようと暴れた春の暴走は止まった。
「とりあえずなんとかなったな」
「春日部統志郎には俺はノーマークだからな、折を見て接触しよう。
吉田先生とは未だ繋がりがあるからな。
話を聞けば、議員辞職してまたやり直しそうだからな。
やり直しの大先輩から話をするのはいいだろう」
3/12(日)
「武器や防具や嵩張るものは預かっておく。
公安に目をつけられているからな」
「ああ、ありがとう」
蓮の屋根裏部屋で怪盗団で使っていた道具を全て実家に持ち帰るのは問題になる。
トカチェフと怪盗ステッキ以外は俺が預かることに……。
蓮が俺に問いかける。
「スミス、何故ここまで助けてくれた?」
「……」
「怪盗団の皆より一歩引きつつも大人の立場で冷静に導いた。
同年代とは思えないくらいに」
俺は、春に話した秘密を同じように蓮(ついでに一緒にいるモルガナ)に話した。
モルガナみたいな存在もいるし、蓮は俺の素性を信じたようだ。
「一先ずは世界の混沌は収まりつつある」
「混沌に叩き込んんだのはスミスだがな」
「違いない。
年長者として言えることは二つ。
メメントスが消えても違うイセカイや怪異に出くわすかもしれない。
そん時は素直に俺を呼びな。
もう一つは「絆を信じ、愛を唄え」だ。
そうすりゃ何とかなる……かもしれん。
定期的に夢で何者かが語りかけているし」
「……覚えておく。
スミスがいなかったら途中で潰れていただろうし、忠告はしっかり聞いておく」
「俺がいなくてもどうにかはなっただろうがな、背負った負担の一部を背負っただけだ。
……ところで、バレンタインのお返しは考えているのか?」
「あ……」
「俺は準備はできるからいいがな。
材料の買い出しは手伝おう」
3/14(火)
俺は複数のセーフハウスを持っている。
その一つに春を招いた。
日本庭園で、敷地の外の山を借景し、桜や梅の花が美しく映える。
「わぁ……」
「庭は手入れは行うが入れ込みすぎると山の風景と調和しない。
今くらいの塩梅が良いと自負している」
「スミス君らしい、落ち着いた庭……」
「ホワイトデーのお返しだ……ご賞味あれ」
陶器には液体が湯気を出している。
苺のショートケーキも添えている。
「このコーヒー……フルーティだけど今まで飲んだことない。
ケーキはクリームが濃厚だけど苺の酸味に合っている」
「近所の農家から苺やミルクは調達した。
このコーヒーは……コーヒー豆じゃない代替なんだ」
「え?」
「あの山に生えている木からどんぐりを集めてね。
入念に煎って作った。
売り物には面倒だからできない(分身で人海戦術で作ったからな)が、こういう特別な出し物には良いだろう」
「素敵……スミス君、ありがとう」
「どういたしまして。
大学合格祝いも兼ねて頑張った甲斐がある」
その後は、風景とケーキを楽しんだ。
……野点も捨てがたいが、それは別の機会にしておこう。
次回でペルソナ5ロイヤル編は最終回。
ファントムストライカーまで幕間が少々かな?
スミスの見た夢……最後にスミスが選ぶ道は?
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マガタマを飲み、人修羅の道へ。
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悪魔と合一し、ナホビノとなる。
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宇宙の卵を確保し、孤独な観測者となる。
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うるさい!(拳銃で返答)