ちなみにこの年のインターハイは北海道だったり……リアルでは。
あとイゴール達のエミュが難しいー。
7/24(月)
俺…雨宮蓮はこの夏休み、再び東京へ行く。
去年の4月から始まった怪盗生活ではかけがえのない仲間を得た。
実家に戻ってからは両親と過ごしていたが蟠りが解けなかった……。
モルガナが居てくれて良かった……学校ではそこそこ楽しくはやれている。
たまにスミスが遊びにくることもある。
社長と学生の兼業はどうしたと聞いたら、
「分身して影武者立てればいくらでも身体は空くんだよ!
……脳は常に休みは無いがな、ハハッ!」
と狂気が垣間見えたが。
電車に乗り、四軒茶屋に降りる。
勝手知ったる道を進み、喫茶ルブランに入る。
電気は消してあり、時計の進む音のみがする……。
「せーの」
電灯がついて、クラッカーが鳴る。
「お帰りー!」
怪盗団の皆が隠れていた。
竜司が真っ先に近づいて肩を組む。
「どぅだ、驚いたか?」
「ちょっとはな」
「会いたかったぞー!」
「久しぶりだな」
「俺もだ、双葉。
チャットでやり取りはしていても直接会うのは久しぶりだな」
小動物めいた愛くるしさを出す双葉。
右手を挙げてマイペースな祐介。
「少し背伸びた?」
「元気そうで良かった」
「モルガナもね!」
「そうかな?実感はないが…。
見ての通りだ」
「にゃふー!」
おっとりとした春に、真面目な真。
杏はモルガナに近づき撫で回す。
モルガナはご満悦だ。
「先輩、おかえりなさい」
「ただいま、すみれ」
花の様に可憐な微笑みをするすみれ。
そういえば、来月は北海道で行われるインターハイで忙しいはずのすみれ…。
忙しい中、やってきてくれたのは嬉しく思う。
「スミスは?」
「スミスは仕事が忙しくて抜け出せないってよ」
竜司がスミスが今日は欠席だと伝える。
春が更に捕捉説明する。
「スミス君、最近悪い夢を見てうなされているし心配。
そういう時はギュッて手を握ってあげているんだけど…」
「え!?どどどういうことですか!?」
「知らなかったのか?婚約しているから一つ屋根の下で暮らしているぞ」
(※すみれ以外の怪盗団の面々はもはや春の発言に慣れてしまっている……!!)
奥では、この店のマスターである惣治郎さんが口角を少し上げていた。
いつも通りの様な態度をしているが、
サプライズに協力するくらいには歓迎してくれたのはわかる。
「元気そうじゃないか」
「久しぶり」
「そうだな、数ヶ月前のはずが、ずいぶん経ったような気がしやがる。
積もる話があるだろうが…
そろそろ店、開けるからよ。
続きは上でやりな。
お前の部屋だ、好きに使え」
「ありがとう」
「…はいよ、その代わり、後で店手伝えよ」
「いよっし!じゃあ全員アジトに集合!」
双葉が先頭に屋根裏に上がっていく。
屋根裏にはピザとお菓子、キンキンに冷えたジュースが用意されていた。
今日来れないからとスミスが用意したらしい。
たわいの無い話で盛り上がる。
竜司は赤点三つ、杏が一つとって危うく夏休みが消えるところだったという。
春と真は大学が充実しているらしい。
……そういえばスミスは時間が合えば春を迎えに行ったりするし、学業も仕事(表裏)と過労死しないか心配だ。
双葉も学校に通い始めて満員電車と体育以外は大丈夫の様だ……。
夏休みの予定を今日決める予定だが、祐介は神社仏閣をみたいから京都旅行を提案するが……バーベキューであっさり陥落する。
全会一致でまずはキャンプに決定した。
すみれも参加できる日程で組むつもりだ。
そうすると双葉がスマホに語りかけると、スマホがキャンプに必要なものをピックアップした。
モルガナが驚いた様子で聞く。
「おお!?なんだ今のは?」
「コンシェルジュアプリのEMMAだ、知らないのか?」
「そういえば、スミスが言っていたな。
非常にレベルが高く便利なアプリとか言っていたな…」
俺は、スミスとの雑談で話題に出たのを思い出した。
高性能AIで天候や状況に応じて最適なプランを提示するらしい。
皆もテレビなどで聞いた事がある様だった。
モルガナが面白そうだから入れたらどうだと言われたのでアプリをダウンロードした。
明日はキャンプ用品を買い出す事にして今日は駄弁ろうという事になった。
夜は疲れもあってすぐ寝てしまった。
「……!!」
気がついたら囚人服を着ている。
周りを見ると牢獄だった。
あの時と同じだ!
「おひさしぶりですね」
「ようこそベルベットルームへ」
青い服を着た少女・ラヴェンツァと長鼻のベルベットルームの主・イゴールだ。
あの戦い以来、一度も会っていなかったが。
「またお会いしましたな、この再会は喜ぶべきか悲しむべきか…。
契約を果たされましたが……」
「貴方をここにお呼びしたのは他でもありません。
貴方と、貴方が奪い返した未来に、
危機が迫っている事を知らせるため」
……スミスの懸念が当たってしまったか。
今のこの服装とベルベットルームが俺の今の状況を表しているらしい。
それもショックなのだが……。
「何者かが策動し、貴方を厄災に満ちた運命へと誘おうとしています。
その邪悪な意志を前に、貴方の内なる声が叫んでいます…『抗え』と」
「私共は再び貴方の手助けをいたしましょう。
ペルソナ全書を用意しましたが、十全に扱うには再び力を磨き直す必要があります」
「……ラヴェンツァ」
「なんですか、マイトリックスター」
「奥の青い服を着たエレベーターボーイとエレベーターガールは一体……?」
奥で必死な形相で男女の木像を削っている青年と、それを野次って扱き使っているボブカットのエレベーターガールの奇行のお陰で気が散ってしょうがない。
「……見なかった事にして下さい」
「もしかして兄姉」
「見なかった事にしてください」
キタロー君の鼻は三ミリ高いからやり直しとかとことんこだわって木像を作っているわけです。
スミスの見た夢……最後にスミスが選ぶ道は?
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マガタマを飲み、人修羅の道へ。
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悪魔と合一し、ナホビノとなる。
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宇宙の卵を確保し、孤独な観測者となる。
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うるさい!(拳銃で返答)