ソフィアの存在はそうじろうは知っています、原作と違って最初から。
びっくりしたけど割と受け入れているし、コーヒーやカレーを味見して喜んでくれるので満更でもない。
あとゴメン善吉&鏑木。
最初の構想ではもう少し優しい展開だったけどね。
ジェイルをみた長谷川刑事のショックが大きかった。
怪盗服の変身やモルガナやソフィアの存在にもね。
とりあえず、話を信じてもらえて何よりだ。
『お土産』を渡すから安心だし。
怪盗団の面々にはシャドウワーカーやらの案件はおいおい話せばいいか。
(※丸喜先生とは共有済み)
最悪PDFでレポート読ませりゃいい。
取引成立できて何よりだ。
「ああ、スミス同盟の誠意として……
俺の正体は多々良・カフカ・スミスだ。
でも長谷川刑事の胸の内にしまってくれよ?
バレたらスミス同盟を取り込みたいヤツ、消したいヤツが日本に殺到するから。
もし、公安のミスで漏洩した場合は、
甚だしく遺憾の意を表明し、再発の起こらぬよう断固とした対応をするが……」
(※やらかしたら、全て更地にするの意)
「ぐ……オェエエエ!」
(※あーあ、胃液が逆流しちゃったよ)
なお、丸喜先生には偽装を張ったままだし、俺の分身が会社で仕事している為アリバイは完璧なので逮捕は困難だがな!
敵意を持たれている長谷川刑事へ怪盗団に同情させる事で信頼関係も構築を促す緻密な作戦よ。
(※それにしても酷すぎる)
どうにか再起動した長谷川刑事が要請を語る。
「お、お前達には8月8日までに札幌中央市に来て欲しい」
「どうして8月8日なの?」
「ターゲットが海外に出ていて帰ってくるのがその日だからさ、真。
キーワードを入手済みで分身に観測をさせているがな」
真の質問に代わりに答える俺。
この件に関して他人事じゃないからな。
長谷川刑事が自身の髭を撫でながらアドバイスをする。
「一つ忠告だが……、
飛行機や電車、公共交通の類はなるべく利用しない方がいい」
「ドライバーを改心させて事故を起こせばそれで俺たちが終わるからな」
「そんな……!」
「けど、飛行機がダメならどうやって札幌に行くの?」
蓮が懸念事項を先回りして語る。
すみれよ、最悪を想定できていないのう。
「とりあえず車にしとけ。
それが一番安全だ」
「俺と部下は変身を駆使すれば問題なく交通機関は利用はできそうだ。
時間がない場合には先行するのも選択肢に入れられるな。
あと、前の如くスミス同盟は別働隊で動けた方がいいだろう」
「いや、警察が用意してくんねえのかよ?」
「竜司、あくまでも非公式な協力関係だ。
金・物のやり取りはできんだろう?
それに獅童の時のようにシンパが混ざっている危険もある。
そうでなくでも改心でむりやり動かす可能性はあるな」
「マジかよ?」
「改心対策は二人分用意した。
土産の中に入れておいた。
鏑木管理官に長谷川刑事が渡したうえで肌身離さず持っていてくれ」
「至れり尽くせりだが、効果は大丈夫なのか?」
「ペルソナ使いなら改心はほぼされないからな、それに基づいた対策アイテムさ」
俺の影を入れたペンダントだ。
丸喜先生の曲解相手でも効果があったからな、改心にも当然弾けるだろう。
イゴールに聞いたら問題ないと太鼓判を押されたしな。
「ああ、それとアリスの事情聴取は俺に任せろ。
後でお前らにも共有する。
んじゃ、そういう事でよろしく頼むぜ……」
「よろしくな、ゼンキチ」
「あ、ああ…化け猫扱いして悪かったな、猫」
「反省してんのか、コラ!」
「大丈夫、俺はまだ正気だ、まだやれる、いけるいける……
そうだろう、長谷川善吉……」
脇腹を押さえながら去って行く長谷川刑事。
アジトで話し合うが……
「恐らく、アリスのが特別じゃないだろうな。
心の傷を持った人間でメメントスがあった時にはパレスを作れるような精神性であれば使える可能性だな。
もしくは……運営元がそういう奴を選んでそういう機能を足したか。
さっきも言ったが試験運用的な雰囲気があるな」
「まおーは、本番はどうなると思う?」
「ネガイを奪って他者をコントロールする機能が足されたから……。
全世界の人間を操る……かな」
「「「「「「「「!!!」」」」」」」」
「フレンドコードを入れてジェイルを招くわけだが……。
開発元ならダウンロードして、名前を入力したからそれでジェイルに強制連行できるかもしれない。
最悪の想定だが」
まず、マディス社が一切関係ないとかはない。
あとリアル童貞でもないな……JOKER(蓮じゃないぞ?)とかもっと悪質な手を使うしな。
マディス社自体は健全な企業でプログラマーの悪意による可能性はゼロじゃない。
劇場版パトレイバーでレイバー(ロボット)に暴走プログラムをいれたのを必死に警察が対応した話はあるが……。
最悪は社長とプログラマーがタッグで悪事をしている。
もう一つは社長とプログラマー、それぞれで行動している場合だ。
「まぁ、まずは長谷川刑事の報告待ちだな。
あと他のジェイルの主のスマホも調べないとなあ。
疑惑のある場所が東北にもあるが……確認がなぁ」
「わかるぞ、スミス」
「ほう」
「ジェイルの存在は匂いでわかるぞ」
「マジか?」
「匂いって…」
竜司と杏の言葉にソフィアは自信を持って言う。
「ジェイルには独特の匂いがある。
ジェイルの中に入ればそれが感じられる」
「スゲーじゃんか、ソフィア!」
「褒められた〜、〜♩」
「わからない事は山積みだが、俺たちの行動指針は定まったな」
「皆さんすいません、新体操の練習で同行ができなくて……。
8月10日に札幌で大会の開会式があるので直前では合流できるんですが……
(翌日に個人戦が開催される)」
「それは仕方ないよ、すみれちゃん」
「芳澤さんの夢に繋がる大会だ、そちらを優先するべきだ。
大丈夫、僕や社長がついているからね」
春と丸喜先生が優しく諭す。
まぁ差し当たっての問題は……
「それじゃあ、車をどうするか、だな」
「スミスと丸喜先生を抜いたとしても……怪盗団全員が乗れる車って……
かなり大きくないとダメじゃない?」
「どうしようかねえ……トレーラーだとデカすぎるし目立ちすぎるな」
「あるんだ」
「金持ち舐めんなよ?ああ、自前で稼いだ金なので悪しからず」
「俺もあるぞ、費用の事は気にするな。
先月、絵画の賞で得た賞金と、スミスからの定期的な仕事の給金がある!」
「いいからおやつ代にとっておけ、オイナリ」
「画材で全て使い果たしかねないから預金口座は俺が預かって、自由に使えるお小遣いを渡している」
「親父かよ?」
祐介はドヤ顔だが、セメントなコメントをする双葉。
心はおっさん通り越してジジイだが、稼働年数的に。
「メメントスで稼いだ金もあるが……」
「蓮の独り立ちの為の資金にとっておけ」
「デカい車か……
なんか……そうじろうがそんな話をしていたような。
ちょーと聞いてみよう!」
屋根裏降りてマスターに聞くと……
「お前ら全員が乗れる車ねえ…」
「なんか、おおきな車の話、
誰かとしてなかったか、そうじろう!」
「ああ、知り合いのキャンピングカーの話か。
使わなくて宝の持ち腐れとかボヤいていたな」
「そうじろう、それだー!
頼む!その車借りてきてくれないか!」
「……それも例の濡れ衣騒動と関係あるのか?」
「は…はい」
「なら仕方ねえな。
連絡しとくから明日まで待ってろ」
「さすがゴシュジン、話が早いぜ」
モルガナは歓声を上げる。
マスターは年長者として注意をする。
「だが、いいか?
ハメを外しすぎるなよ。
それから、旅費なんかも大丈夫なのか?」
「ええ、みんな夏休みに備えて各自で貯金はしておいたので」
……さて、俺も準備をするかねえ……
7/31(月)
「キャンピングカー!?
なんだ、その青春を謳歌する感じは?」
「何もなければ青春を謳歌したからな」
「つか、年頃の年頃の男女が同じ車で寝泊まりか?」
うん、その指摘は最もだ。
ちなみに丸喜先生と俺で弥次喜多よろしくサイドカー付きバイクで移動か、影に仕舞って公共交通機関使うかだが。
キャンプ無理そうなら民宿かビジネスホテル使うがね。
(※ああ、毎日のキスでスミスニウムを補給する春が禁断症状に……!)
善吉の指摘に双葉が答える。
「だいじょーぶだ。
男子は全員屋根の上で寝るし。
まおーがテント用の冷房具用意したし」
「真もいるし、何かあったら鉄拳制裁だし」
「あ、私、薪割りも得意です」
(※サスペンスで殺人シーンをやれそうな……明智君にも背後から薪割りしたもんね)
うーん、朗らかに言う春はやはり蛮族……。
竜司も力無い声で答える。
「そ、そだな…」
「お手柔らかに」
「頼りがいのある女性陣だな。
まぁ好きにしろ」
で、長谷川刑事がアリスのスマートフォンを持ってきたので双葉が解析を開始した。
アリスの証言ではEMMAでフレンドを作ると思い通りに操れた事しかわからないらしい。
改心したので謝っているようだ。
双葉の調査の結果はEMMAのアプリ自体は特別じゃないのと、誰かが監視した痕跡があったらしい。
EMMAのホストサーバーを調べないといかんな、こりゃ。
あと朗報として黒幕は今の所は人間だな、擬似神格ならこうはいかんし。
長谷川刑事が情報共有が終わるとアリスのスマホを回収して帰っていった。
アリスへ返却しにいくそうだ。
その直後に電話が鳴る。
マスターがキャンピングカーを持ってきたそうだ。
なかなかしっかりしたもので皆の好評だった。
ソフィアの検索によると、車種はワルゲン社のレトロライフ。
ベットは四つ、ルーフテントを配備。
十分な電源と調理設備もある。
「さっすがゴシュジン!言う事なしだぜ」
「わぁ…!内装も素敵!」
「ああ、50年代のアメリカンダイナーを彷彿とさせる」
「うわぁ……同乗できなくて残念です」
「こんな車、運転できるかしら?」
目の肥えた春がいう位だ、なかなかの趣味人じゃないかな、マスターのご友人は。
まぁ運転したことのない車種だしね。
「クセがあるだろうが、すぐ慣れる。
それまでとにかく安全運転だ」
「一人で長距離運転は大変だからね、こまめに休憩をとるようにね。
最悪、僕が運転するよ」
「その時は春は隣に乗ってくれ、日焼け止めを忘れずにな」
「うん、スミス君」
「つーか、スミスバイクもってたんだな、カッケーな!」
「(去年、明智を助ける際に、バイクを犠牲にしていたな)」
「そりゃロマンだからな」
仮面ライダーファンならできるならバイクの免許を取るし拘りたい。
風をきる感覚、バイクのエンジン音……そしてバイクは孤独を楽しめる。そこが好きだ。
一文字隼人もそれを好んでいたのも共感できる。
サイドカーに愛する女性を乗せてそれを共有するのもいい。
……二人乗りで密着すると邪念がでそうだしな。
準備を整えてから出発をする。
冤罪を晴らす世直しの旅……いやあのハゲ(獅童)と同じシャアみたいな胡散臭い言い回しは嫌だな。
まぁ辛気臭いには良くない、エンジョイ&エキサイティングの精神で行こう。
俺と丸喜先生(当然両方偽装済み)はサイドカーで追いかける形になる。
ジェイル探しながら地方の美味いもの食べたり観光できればいいね。
ドライバーは真で、双葉に話しかけるマスター。
「本当にお前らだけで行くのかよ?」
「心配するな、多分大丈夫だ!」
「行ってきます」
「……たく、気をつけろよ」
「はい、では」
「皆さん、気をつけて!札幌で会いましょう」
蓮も無言で頷く。
キャンピングカーが発進していく。
すみれは車は見えなくなるまで手を振る。
皆楽しく、過ごせるだろう。
大変な事があっても仲間がいるからな。
マスターが俺と丸喜先生に頭を下げる。
「多々良君、丸喜さん……
双葉とアイツの事をよろしく頼みます」
「ええ、わかりました」
「承知しました……ですので顔をあげてください」
困難を進む若者を助けるのが年長者の役目だからな。
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「表情が硬いな、長谷川警部補
シャドウワーカーから許可を得て取り寄せた資料は読んだか?」
「はい……俺の知らない所で世界が滅びる案件があったとは……。
少々疲れが溜まりまして……潜入捜査も久しぶりなので
管理官のほうは?」
「ああ、スミス同盟からのレポートを読んだ……。
お前の気持ちもわからんでもない」
互いに疲れた表情をしていた。
まるで5年は老け込んだかのように。
桐条グループの先先代のトップがおこした災厄。
地方都市で連続殺人。
それ以外にも通常の科学的捜査が通じない案件があった。
そして去年の怪盗団に、今年の改心事件。
「怪盗団およびスミス同盟の接触は?」
「問題なく、協力を取り付けました。
ですが…」
「本来なら怪盗団を用済みなら逮捕するつもりだったが……」
「あまりに規模が大きい事件になりそうです、一蓮托生で動かざるを得ないでしょう。
それに……スミス同盟は理不尽な裏切りを許さないでしょう」
去年の年末…『怒りの日』と呼ばれるようになったあの日。
世界を操ったのはスミス同盟だった。
それも世界の被害を最小限に抑えて。
だが、もし裏切った場合にはそのブレーキをせずに世界を壊しにかかるだろうと。
あの苛烈さに疑問を持った善吉だが今なら理解できた。
スミス同盟は文字通り憤怒を抱いたのだ。
いずれの案件も人々の尻拭いを若者が行ったのだ……最初の事件では未だに生贄になり昏睡状態になったものもいる。
それでも皆、自らを省みず、過ちを繰り返す。
雨宮蓮は、獅童正義によって冤罪を課せられ、怪盗団の面々も悪い大人に苦しめられた。
その尻拭いをする彼らに恩を仇で返す行いをエージェントスミスは許さないのだ。
善吉は、その事を理解できた。
鏑木は指示を飛ばす。
「シャドウワーカーと連携が取れない以上、怪盗団及びスミス同盟と連携して調査を続けろ」
「ええ……胃潰瘍で入院しない程度にやっていきますよ」
「…あの子は元気にしているか?
たまには家に帰ってやれ、いいな?
それに背負い込みすぎると潰れるからな」
「はい、肝に命じます……。
はあ……あの世界の事は言えたのはいいが、こんな事は他の連中には言えんよな……」
あと、スミスのレポートの最後には
『手遅れになった場合、大阪のマディス社をはじめとしたサーバーのある場所へ核攻撃を仕掛ける』
と走り書きがあった。
間違いなく大勢の死者、社会の混乱がある。
だが、それですら軽傷というレベルの事態をスミス同盟は想定している。
「恨むぜ、犯人さんよ……」
胃をシクシクと痛みを感じる善吉であった。
そうじろうは、スミスをただの子供として扱っていません。
社会人でもあるし、内面を感じ取っているので。
おまけ!
祐介「公安と取引したが大丈夫なのか?」
スミス「問題ない。
最悪は社会の崩壊もしくは人類存亡の危機になるから、
最終手段に核攻撃も考慮すると伝えたからな」
竜司「おい……おい!」
スミス「一度使ったからな、二度も三度も同じ。
ああ、地上では使っていないのでご安心を」
(※フィレモンの認知存在に叩き込んだ)
竜司「安心できる事が何もねえ……!」
スミス「いくら力があっても一人だと失敗するのはパケチが証明したからな。
だから公安にも取引をして黒幕に絆パワーで対抗するんだ」
すみれ「絆…ぱわー?」
スミス「皆で幸せになろうよ」
丸喜以外「どこまで本気なんだろう?」
丸喜「(全部本気なんだろうなぁ)」
スミスの見た夢……最後にスミスが選ぶ道は?
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マガタマを飲み、人修羅の道へ。
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悪魔と合一し、ナホビノとなる。
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宇宙の卵を確保し、孤独な観測者となる。
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うるさい!(拳銃で返答)