すみれは、10日に全国大会と言いましたが……正確には10日に開会式、翌日に個人戦があるという設定です。
……俺は怪盗団リーダー、ジョーカーこと雨宮蓮だ。
北海道中央市に存在する札幌ジェイルは過酷な環境だった。
コアを確保したが、膨大な数のジャックフロストが闊歩して警戒度が上がったために退却したが……。
スミスは帰還後に提案した。
「すまんがもう少し時間をもらっていいか?」
「どうした、スミス?」
「モルガナよ、キーパーのいるトラウマルームに心当たりがある。
通常エリアは奥への探索は無理だが、キーパーを倒しておくことはできる。
現状では皆、今年の初め位まで強さは戻っているし、
ジェイルのシャドウの強さから逆算してキーパーは問題なく対処できると踏んでいる。
このままキーパー排除を提案するが……いかがかな?」
明日は、すみれのインターハイがある。
明日できない分を今日で片付けるつもりだろう。
ならば……
「戦闘員はモルガナと男子のみでなら許可できる。
……やれるか?」
「俺はいけるが……」
「社長がいくなら……」
「ああ、まだ暴れ足りないからな!」
「俺は構わない」
「なら決まりだ。
女子は後衛で援護を。
モルガナは中衛だ」
「任せておけ、ワガハイがリュウジ達をフォロー出来るように待機しておく」
俺たちは、スミスの先導で目的地へ向かう。
亡くなった果穂ちゃんの現場だった。
フレンドコードを入力してジェイルに入ると……声が聞こえてきた。
『あんたのせいよ…あんたが!』
『あんたが許可したんでしょっ!あんな危ない雪像をっ…!!』
『まことに…申し訳ありません……!』
『ここで…あの子は…うぅっ…重かったよねぇ…痛かったよねぇ……
果歩を返して!私の娘を…私の子を返してよぉっ……!!』
『今回の事故は…全て…私の責任…です…本当に、本当に…申し訳……!』
声が無くなった後にジェイルに侵入できた。
目の前には真っ赤に染まった雪の世界。
事故で亡くなったのを暗示させるような不気味な空気を漂わせている。
「ここは……?」
「雪祭りの会場……みたいだけど」
「おい、あそこ。誰かいるぜ」
フォックスが周りを見渡し、ノワールはこの場所を理解したようだ。
スカルが指差した先には二人の男がいた。
『せ、先生!このことはどうか内密に……』
『それは構わんが私にも見返りがないとね。
事故の責任をあの女に押し付けて辞職に追い込んでやりたい。そして、私が市長になる。
そうなれば君のことも悪いようにはしないよ。協力してくれるね?』
『は、はい…それはもう……』
……去年は獅童一派を全て排除したが、悪人はやはりなくならない。
奴等の話を聞きつけて語りかける声がした。
声の主は氷堂だった。
『一体、どういうことかしら……?』
『ヒ…!し、市長……!?』
『…おやおや、聞かれてしまったか。』
『市長!違うんです!これはそういうことじゃ……!』
この光景を見たモナが声を上げる。
「市長ってことは…ヒョードーか!?」
「マリさんはこの密談を見てしまった……!?」
ノワールはこの光景を見て、心を痛めている。
……スミスは静かだ。
眉一つ動かさない。
『事故が起きたのは…あなたのせいだったのね……!』
『…し、市長も話のわからない人ですね…祭りの主催は札幌中央市、税金も投入されてる。
安い業者に頼むのは当然でしょう?
それで少々見返りをもらうくらい職員はみんなやってることじゃないですか!』
『それを…雪像が1つ壊れたぐらいで…たまたま運が悪かっただけだ!』
太々しい男の開き直りに氷堂は激怒した。
『なんてことを…!今すぐ警察に連絡します!』
『い、いいですよ?告発するならすればいい。だけどあなたも道連れだ!』
『なんですって……!?』
『あなたの指示でやったと証言しますよ。
そうなればあなたも破滅だ。あなたは市の最高責任者。
署名付きの決裁文書だってある。』
『そういうことだよ、市長。残念だが君はもうオシマイだ。』
「……こんな事って酷すぎる……!!」
「……」
「……!!」
ヴァイオレットは、この卑劣な行いに怒りの声をあげ、
ラビはメガネを無言で付け直す……冷静になるために精神をリセットするルーティンを行なっている。
ナビは、奥歯を噛み締めて手を振るわせている……かつて汚い大人に受けた仕打ちを思い出しているのだろう。
『あなた…市議会議員でありながら不正を正そうという気はないの!?』
『私はただ事実を語っているだけだよ。』
『…どうです。私の話を聞く気になりましたか?ねえ市長ぉお!?」
男二人が溶けて4本の腕をもつ巨人に変わる。
トラウマルームの風景が牢獄になった。
それぞれの手に機動隊のライアットシールドを持っている。
スミスはスマホを弄る。
「スミス、なにやってんのよ!?」
「録音」
「へ?」
パンサーがスミスへ問いただすと簡潔に返答をする。
「現実の奴らの所業……
建築会社へのリベートや議員や職員の他の後ろ暗い余罪の証拠は確保している。
(※大宅・三島コンビ、ガルシアンの調査)
この音声データも然るべきタイミングで使えば効果的に地獄に叩き落とせる」
「まおーが不意打ちをしないのはおかしいと思ったけど……
一番怒っているのはまおーだったか……!!」
「来るぞ……おい、スミス!」
スミスがキーパーに無造作に近づく。
キーパーは叫びながら盾をスミスに叩きつけた。
ノワールが叫ぶ。
「スミス君!!」
「私は悪くない!全部役所の給料が低いせいだ!
世の中、金、金、金…!!
金が全てなんですよ、市長!」
「テメエが悪いに決まってんだろうが」
ドスの効いた声と共に天井からキーパーへ剣の上段の振り下ろしを叩き込む……。
キーパーに叩き潰されたはずのスミスだ。
……いや、叩き潰されたのはスミスが生み出したデコイだろう。
派手にデコイが突っ込んで散ったのを他所に、本体のスミスは影を使って天井に飛び移り、
隙を晒したキーパーへ攻撃したのだ。
「ギャアアア嗚呼!!」
「水よ!」
「嗚呼嗚呼嗚呼!!!」
スミスを剣を掲げると、大波が現れてキーパーを飲み込む。
潮の香りがする。
キーパーは痛みでもがく……恐らく海水を呼び出したのだろう。
更にここからスカルが追撃に入る。
「ぶっ込め!」
ウィリアムの雷撃がキーパーへ襲いかかる。
海水塗れのキーパーは更に苦しむ。
怒りの反撃をしようとするが……
「覚悟の時間だ」
フォックスがゴロキチによる凍結攻撃だ。
海水が凍りキーパーを拘束する。
「これで決める……!!
アダム・カドモン!!!」
「ヨシツネ!!」
無数に分身したかのように見える位に高速でキーパーを切り刻むヨシツネ。
最後は力を貯めて渾身の力を込めてアダム・カドモンの拳がキーパーを叩き潰す。
アイテムを使ってスミスは敵にはデバフを、味方にバフを撒いていた。
スミスは短期決戦で決着がつくようにここまでの段取りを組んでいた。
空いた時間で男性陣で連携技を考案していたが、見事に成功した。
もっとも、知らない人間が見れば心臓に悪かったようで……
「スミス君!貴方に何かあったら私……」
「ノワール,心配するな。
俺は死なない……必ずお前のところに戻ってくる」
「うん……約束だよ」
スミスの見た夢……最後にスミスが選ぶ道は?
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マガタマを飲み、人修羅の道へ。
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悪魔と合一し、ナホビノとなる。
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宇宙の卵を確保し、孤独な観測者となる。
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うるさい!(拳銃で返答)