サンサーラ同盟掲示板   作:Dadaga

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将門公やサタンにはまだ会えていない……10月はロマサガ2だ!
スミス君の精神描写や新スタイル戦闘よりも、すみれ弄りの方が注目度が高い件。
……あくまでイマジナリー、イマジナリーだから!




ベルベットルームにて
蓮「なあラヴェンツァ」
ラヴェンツァ「なんですか、マイトリックスター」
蓮「……なんか増えてる」


(ベルベットルームの無数のキタローやハム子木像が撤収されている。
 代わりにベルベットルームに大きなグランドピアノが設置されており、
 目隠しをしたピアニストと、美しい歌を歌う女性がいる)


ラヴェンツァ「主の古き従者です。
       主の上司の元へ行っていたらしいのですが、
       盤面崩し(ボードクラッシャー)のもとに派遣されていたそうです。
       疲弊した主人を癒すために此処に戻ってきたとのことです」


(真の声を真似て歌を熱唱するスミス)


スミス「なぜか地声よりこの方がしっくりくるな。
    真は恥ずかしがって歌わないからな……あ、蓮よカラオケに誘ってみては?」
(※そりゃ中の人が歌っているんだし)


ペルソナ5 オルタナティブ killer9 TARGET79「なつのよのゆめ」

「よくやった、すみれ」

「スミレの華麗な演技、ワガハイは感動した!」

「ああ、すげえ動きだったぜ!

「うんカッコよかったよ!」

「新たな絵の着想が浮かぶ……!!」

「優勝おめでとう」

「体操はよく判らないけど凄かったぞ!」

「すっごく良かったよ、すみれちゃん!」

 

 

怪盗団の優勝祝いの言葉を聞き微笑む芳澤。

丸喜先生が両手を広げて褒め称える。

 

 

「優勝おめでとう、芳澤君」

「丸喜先生……あの時、かすみが亡くなって挫けていてあのままだと、全てを諦めていました。

 私が『すみれ』に戻るまで助けてくれたお陰です」

「僕は……」

「素直に礼を受け取っておくように。

 手段は間違ったかもしれないが救われた人間だっていたんだ。

 ……大きな一歩を踏めたんだ。

 目標を見据えながらも、焦らず自分なりに歩みを進めればいい。

 丸喜先生も芳澤も」

 

 

……おい、芳澤ぁ!

何訝しげに見ているぅ!?

 

 

「スミス先輩がマトモに喋っている?」

「この場面でふざけたこと言うほど狂っていないぞ?

 (『彼女』も見ているようだし』)」

(※嘘だ!!)

 

 

視界の端で薄っすらと見える赤毛の少女……。

あえて言及は行わないがな。

まぁ芳澤は祝勝会に行く様だが、俺たちはジェイルへ潜入して進んだ。

大掃除でジャックフロストの群れが出ていたが、今はいない。

キーパーを倒してコアも揃っているのでネガイのルートは確認できた。

夜にキャンプカーで予告状をどうするかの相談を行っている。

 

 

「鞠子さんに届く様にすればいい。

 改心後は責任をとって市長を辞職するのは仕方がない。

 責任者だからな。

 だが、復帰の目が出る様に、職員や対抗議員の悪行はリークする・・・既に逮捕されているやつもいるが追い討ちで余罪を明かせばいい。

 柊アリス、夏目安吾とジェイルの主は被害者にして加害者。

 そしてまだ致命的な悪行をしていない。

 社会復帰の目が出る様にはしないとな。

 禍根が残らん様に.丸く治めるつもりですよ、長谷川刑事。

 すずしろの選挙ポスターの場所なら予告にちょうど良いので送る予定です。

 どうにか娘さんとの約束に間に合うのでは?

 反抗期やら色々重なっているから大変でしょうし、鏑木管理官にはちゃんと申請すれば聞き届けてくれますよ」

「なんで俺の個人情報を知っているんだよ、怖いぞ……」

「社長なら世の中の事大体知ってそうだなぁと流していたけど、公安の構成員も詳細を

 知っているのはホラーだよね」

「オッサン、娘居るのかよ!」

「ああ……」

「ああ、マディス社社長の情報……できれば両親の詳細も欲しいので。

 開発者の一ノ瀬の方もまとめ次第、資料に目を通したいので。

 まぁ明日は大仕事があるのでそれどころじゃないですが」

「ああ、早急に纏める」

「予告状は既に『影』を派遣しているので……。

「なぁ、スミス……お前はどこまで見えている?」

 

 

長谷川刑事は、俺へ疑問投げかける。

 

 

「予想はできる……が、正解かどうかの確信が欲しい」

「全て見据えているとおもったんだがな……」

「俺の仮想敵は世界を滅ぼせる邪悪な存在なんでね、常に対策をとり得るように対策をしているが……。

 まだまだ道のりが遠い……」

「なんなんだ、どんなバケモノだよ……」

「俺に苦労を背負わせた元凶」

 

 

ファッキュー、糞双子!!

 

 

 

 

 

8/12(土 カーン!)

札幌中央市、氷堂鞠子も選挙ポスターに無数の予告状が貼られていた。

 

『心の凍った偽りの女帝、氷堂鞠子さま。

 他者を意のままに操り、道具のように使い捨てるその冷徹さ。

 己が権力に縋るあなたを私たちは許さない。

 あなたが奪った人々のネガイ、今宵我々が頂戴致します。

 心の怪盗団 ザ・ファントム』

 

 

遠目から鞠子さん本人が予告状を読んだ。

 

 

「待ってて、マリさん。

 もう少しだから。

 スミス君、力を貸して」

「ああ……。

 頼まれ事もあるが、俺にとっては鞠子さんは恩人だからな」

「頼まれ事?」

 

 

蓮が俺に問いかける。

 

 

「白く寒い世界からあの人を助けてくれってね。

 力を貸してもらうぞ、蓮」

「ああ、SHOWTIMEだ!」

 

 

ジェイルに潜入すると、キーパーを倒した影響でネガイまで直通の鎖の道ができている。

一気に駆け上がっていく。

ネガイの部屋では巨大な太った巨大な女性が豪勢な食事を貪っていた。

姿は違えど、鞠子さんの面影はある。

 

 

「こんにちは、市長。

 こんな寒い場所で一人で暴飲暴食は身体に毒ですよ?」

「……ってアイツが市長かよ!?」

「観察力が足りないぜスカル。

 観察力がない男はモテないぜ?」

「は、反論できない……」

「アレがマリさん……?」

「どうしてあんな姿に?」

「アレがヒョードーの歪みが現れた姿って事か?」

 

 

俺とジョーカーを見てからガックリと首を下げるスカル。

クイーンやモナも俺の言葉で歪んだ精神で変わり果てた鞠子さんだと理解できたようだが……。

シャドウの鞠子さんがこっちを向いた。

 

 

 

「なんなのかしら……貴方たち?」

「殺し屋さ。

 アンタの妄念を、この世界を殺してくれってね」

 

 

俺は草薙剣を抜く。

多々良・カフカ・スミスでなく、killer9のエージェント・スミスとして此処に立っている。

 

 

「ワタシの邪魔をしないで頂戴!

 あと少し……あと少しで市長を続けられるだけの票を…」

「そんな偽物の票で嬉しいんですか?」

「マリさん、人の心を捻じ曲げるなんて間違っています!」

「それに今のままではあなたの部下、職員の人たちが倒れてしまう!」

「誰も信じられなくなるのも、わかるよ…。

 でも、だからって人を傷つけていいわけない!」

 

 

俺、ノワール、クイーン、そしてパンサーの言葉も鞠子さんには届かない。

 

 

「うるさいわねっ…!

 私は間違ってなんていない!!

 汚職を働く職員は徹底的に働かせて更生させる!

 私を裏切るクソ市議どもはすべて粛正する!

 私に従わない市民の票も私が全部食ってやる!

 そうすれば…誕生するのよ!

 まっさらで美しいスノウ・シティが!!」

「…偽物で満足か?」

「マリさんが集めた人々のネガイ、それは本来人が『選択』すべき心の意思。

 それを奪って思いどおりにしたところでなんの意味なんてありません。

 人は自ら立ち上がって答えを見つけ出す。そのために心を授かったのです!」

「お、お黙りなさい……!」

「いいぞ、ノワール。もっと言え。」

 

 

ノワールの言葉にもっと煽るソフィー。

 

 

「…マリさん。あなたが人々から奪った数々のネガイ…!

 この美少女怪盗と怪盗団が!今宵、頂戴致します!」

「あなたたち皆…私が食べてあげるわ!!」

 

 

シャドウの鞠子さんが異形に変わる。

腹であったはずの場所の大部分が顔、特に口となる。

まるで悪魔アバドンのようだ。

 

 

「うおっ!なんだこの料理!つか…スゲェうまそう……」

「んなこといってる場合じゃないっての!来るよ!」

「さぁ、踊って見せろ……!!」

 

 

無数の影の分身が撹乱させる。

触手や胴体にワイヤーを絡め取る。

影からウィンチを取り出しており、そのまま機械のパワーと質量で拘束をさせる。

 

 

「いけ、アダム・カドモン!」

「絶景かな!」

「舞って、ペルソナ!」

 

 

ラビのタメなしのブン殴りとフォックスの斬撃、そしてヴァイオレットのペルソナであるエラの攻撃をくらうがあまり怯まない。

 

 

「あまりダメージがない……!!

 あと弱点は念動と呪怨!」

 

 

ラビの分析で弱点がわかった。

ふむ……

 

 

「作戦がある。

 俺が奴の動きを止める。

 止まったら『俺に何があろう』と全力で攻撃を行う様に。

 いいかい?」

「ああ、頼むぞスミス!」

 

 

鞠子さんに聞こえない様に作戦を伝える。

ジョーカー機動力で撹乱しながらラウールで呪怨をとばし、ノワールが念動を叩きつける。

だが、鞠子さんが吹雪を生み出し分身を氷結して砕いたり、

パワーで押し切って分身を噛み砕く。

だが分身故に手応えなく消えていき、それ以上の分身が生み出され鞠子さんの怒りを増幅させる。

 

 

「うわー、マジでまおーはまおーだ」

「ナビ君の援護もあってこそ、しゃ……ボスの技が光るんですよ」

 

 

鞠子さんは、苛立つが……

 

 

「(あの男は……分身を生み出すときは影から出している。

 そして、生み出しているのはたった一人…本体はあそこだ!!)

 喰ってやる!!」

「しま……」

「スミス君!?」

 

 

俺は鞠子さんに丸呑みされる。

我が子を食らうサトゥルヌスのように。

 

 

「この歯応え……本物よねええ!」

 

 

鞠子さんの口から真っ赤な鮮血が口から飛び出る。

ソフィーは怒りの感情をだして突っ込もうとする。

 

 

「まだだ、ソフィー!」

「でも、スミスが!!」

「ノワールだって我慢している」

 

 

ノワールは両手を握りしめている。

スカルのウィリアムの『闘魂注入』で全員にチャージ状態を付与する。(一度だけ物理攻撃ダメージ2.5倍)

パンサーのセレスティーヌの『ハイテンション』で全員にコンセントレイト状態を付与する。(一度だけ魔法ダメージ2.5倍)

クイーンのらぶらぶアグネス様のチェックメイトで敵の全能力が低下するらぶ。

フォックスのゴロキチの百花繚乱で全員の攻撃・防御力と命中・回避率を上昇させる。

 

 

「アイツを……俺の盟友を舐めるな!」

「今だ、まおー!」

 

 

俺はナビの援護による偽装を解除した。

鞠子さんの背後で草薙を地面に突き刺す。

巨大な水の牢獄が鞠子さんを拘束する。

 

 

「馬鹿な!!」

「お生憎さん。

 影から影はだせるんだよ。

 柘榴饅頭……美味かったか?」

 

 

鞠子さんを挑発するためにあからさまな妨害をしていた。

そして本体を演じていた影だけが新たな分身を生み出していたのさ、ワザと喰わせるためにな。

える、しっているか?

饅頭はウェイバー君が生贄の生首の代わりに作ったのが始まりだったさ!(※ウェイバーじゃないです、エルメロイ2世…もとい諸葛亮孔明でです)。

認知世界で人間の味と錯覚させるために柘榴を餡子にした。

かつて他人の赤子を喰った女の鬼ハリティー……鬼子母神はいた。

釈迦は鬼子母神の1000人いた子供の中の一人を攫った

子供がいなくなったのに気がついた鬼子母神は半狂乱になった。

その時釈迦は、「多くの子を持ちながら一人を失っただけでお前はそれだけ嘆き悲しんでいる。それなら、ただ一人の子を失う親の苦しみはいかほどであろうか。」と説いた。

鬼子母神は、赤子の代わりに吉祥果を食べ、仏門に入る様に言われ,それに従い仏法の守護神にして子供と安産の神となった。

吉祥果は、仏典が漢訳された時は吉祥果の正体が分からなかったために代用表現で柘榴を用いられた。

仏典中の吉祥果とザクロは同一ではない。

また鬼子母神が人間の子を食べるのを止めさせるために、人肉の味がするザクロを食するように釈迦が勧めたからと言われるのは、日本で作られた俗説にすぎないが、この認知を利用して生贄饅頭を食わせてついでに影が消える前に輸血用血液をぶちまけてから消えれば誤魔化せるってわけだ。

まぁ俺の演技力もあるがな!!

 

 

「さあ、諸君……準備はいいかな?

 いくぞ……!!」

 

 

全員のペルソナの最大火力を無防備なシャドウの鞠子さんに叩きつける。

巨大だった鞠子さんは最初のサイズに戻った。

 

 

『まだ…まだよっ!私は…倒れるわけにはいかない……!不正を1つ残らず…排除するまでは……!』

「もういい……もういいんだ」

 

 

俺は剣を仕舞い、鞠子さんの手を取る。

ノワールも同様に鞠子さんの手を握る。

 

 

「この世界は寒く、寂しい。

 此処から出るべきだ」

「マリさんは優しい人だから…全部背負おうとしたんですよね……?

 汚職をしようとしていた部下のことも、自分を陥れようとした市議の人も、そして…事故で亡くなったあの子のことも……」

「……っ!」

「全て自分が責任を負って二度と悲劇が起こらない街を作ろうとした、そうなんですよね……?」

「…何の罪もないあの子が犠牲になったのは市長である私の責任。

 部下の裏切りのせいで…!腐った連中の金勘定のせいで…!

 私が退けばいいとも思った。でも、それじゃダメなのよ。

 …次のクズが権力を手にするだけ!

 だから私は市長であり続けようとした!

 どうせ食うか食われるかだけの世界なら私が全て食ってやると!

 例え偽物の票で得た地位だとしてもそれで悲しみのない世の中を作れるならと!

 だって…私が食われたら…誰が、あの子の責任を取るって言うの……!

 あんな小さい子が亡くなったのに…私は!悪を一掃することもできずに……!」

 

 

ノワールの言葉に、悔恨の情を絞り出すように語る鞠子さん。

怪盗団もそれを静かに聞く。

ノワールは鞠子さんへ語りかける。

 

 

「今からでも遅くない。事件の真相を皆に語ってください!そして、もう一度やり直して。マリさん自身の力で!」

「…そんなこと…無理よ……私自身が市長であり続けるために真相を隠すことに加担してしまったのだから……これでは…もう……!」

 

 

俺とノワールは、彼女の手を離す。

 

 

「立ちなさい、氷堂鞠子!」

「そこで倒れたままでいいのですか!

 あなたの優しさは、意思は…こんなとこで躓くような弱い想いではなかったはず!

 だから…立って、立ち上がりなさい!

 例え躓いても、何度でも、立ち上がるのです!」

 

 

鞠子さん、貴方のお陰で春は……気高く美しい女性になれた。

貴方のお陰で……俺は人間に戻れた。

彼女の言葉を聞いて鞠子さんは反応した。

 

 

「その言葉は……」

「そう……昔マリさんが私に贈ってくれた言葉です!

 例え真実を告白しても必ずマリさんの想いを見てくれる人がいます!

 そんな王冠の力に負けないで自分の意志を思い出してください!」

「そうだぜ、負けんなよ市長!」

「あんたの気持ち絶対みんなに届くから!」

「私も…1人で強くなれたわけじゃない……

 怪盗団の皆やスミス君が支えてくれたから今の私があるんです。

 だから…きっとマリさんだって!

 何度倒れても立ち上がることを教えてくれた強くて優しいマリさんを思い出して!!」

 

 

ノワールの言葉は……鞠子さんに届いた。

彼女はジェイルの王の証である王冠を投げ捨てた。

 

 

「そう…そうね…ありがとう…春ちゃん……間違っていたのは…私の方だった……

 議員には無理難題を押し付けて、おかしな力で無理矢理支持を得て……

 私怨に駆られていつの間にか最初の思いを失っていたわ……

 自分がどうして市長になったのか。

 誰からも愛される素敵な街のことを作ること。

 私を育んでくれた街への恩返し…だから、もう一度立ち上がって見せる。

 二度と…間違えたりしない。こんなもの…始めから必要なかった。

 春ちゃん…立派になったわね……今のあなたを見ればお父様もきっと喜んでくれるわ……」

「…ありがとうございます…マリさん……」

「市長さん、あんたを嵌めた議員や職員も近々消えることになる。

 この一件以外にも余罪がある。

 マスコミや警察にもリークされ然るべき報いを受ける。

 安心していい」

「……ありがとう、スミス君」

「俺はアンタを知らねぇ……仕事をしただけだ」

「姿も声も喋り方を変えても私にはわかる……。

 春ちゃんを庇ったり労ったりする所は変わらないから……」

 

 

シャドウの鞠子さんは消えた。

……俺の芝居もまだまだの様だな……。

 

 

 

 

8/13(日)

『…お忙しいところお集まりいただきありがとうございます。

 本日、市民の皆様にご報告申し上げたいことがあります。

 …この度、私は市長選より撤退し市長の座も退く所存です』

 

 

鞠子さんの記者会見が開かれている。

俺達は生配信を視聴している。

 

 

『私は市長という立場にありながら皆さまの信頼を裏切りました。

 先に発生した雪像崩落事故に関しまして真相をお伝えいたします。

 崩落した雪像は市の職員が不適切な業者からワイロを受け取り製作したものでした。

 私は…責任者でありながら、そうした行為を見抜けず…雪像の製作を許可いたしました。

 結果として雪像は崩落し、1人の女の子の尊い命が…奪われたのです……

 更に私は真相を知った後も自らの立場を守るために事実を隠蔽しました。

 市長であり続けるため仮初の支持票を獲得していたのです。

 保身のために皆さんを裏切り…不正行為に荷担したのです……

 私も加害者の1人…私が…あの子を殺したのです……』

 

 

鞠子さんの調査過程で他議員や職員、建築業者の余罪も含めた悪行が判明している。

一子さんや警察にその情報を回すからな…全てを一掃できるだろうさ。

 

 

『よって、当該事件は改めて警察に捜査していただくと共に…私は全責任を負うため市長選から撤退し、市長を辞任させていただきます。』

 

 

鞠子さんは深々と頭を下げて会見を終えた。

会見が終わり、各々が話し合う。

鞠子さんは責任をとって辞任するが改心はどこまで法の適用ができるのやら。

事故の事のみに絞って裁判行うのだろうが……。

電話が鳴る…長谷川刑事だ。

 

 

『よっ、氷堂の会見、見てたか?』

「ええ、見てましたよ長谷川刑事」

『一応、礼は言っておくぜ。で、氷堂は崩落事故の重要参考人として事情聴取されることになった。

 スマホの解析も必要だと思ってな。コネを使って俺が護送を担当することにした。』

「それはそれは…ご苦労様です」

『一応、本人と話す機会くらいは作ってやれる。何処かで待ち合わせられないか?』

「ありがとうございます、では……」

 

 

鞠子さんは果歩ちゃんの事故現場で手を合わせていた。

 

 

「ごめんなさい…本当にごめんなさいね…果歩ちゃん……」

「マリさん……」

「春ちゃん……スミス君。

 私、どうかしてた。

 おかしな夢を見続けた気分よ」

「……そんな事もありますよ、苦しみや悲しみで何も思考が回らない日々だってあります」

「いつからこんな風になってしまったのかわからないけれど…

 でも貴方達に言われて昔の自分を思い出したの。

 街の人たちを……家族の様に護ろうと誓ったあの気持ちを…

 貴方達のお陰で私はようやく自分と向き合えた…。

 そして、私がやったことは亡くなった子への裏切りだと気づいたの。

 現実から目を背け、独りよがりだった私はあの子に何も返せていないって」

「そんな事……マリさんはマリさんなりに…」

「いいの、事実よ。

 もしかすると私は、この先ずっと人々を苦しめ続けていたかもしれない。

 でもそんな事はあの子は望むはずがないもの。

 だからお礼を言わせて、春ちゃん、スミス君。

 この街を、私の家族を救ってくれてありがとう……!」

「マリさん……!」

 

 

春は感極まって鞠子さんに抱きつく。

 

 

「お父様が出頭してまだ浅い大変な時に……本当にごめんなさいね。

 この先、困ったことがあったら私に言って。

 何かあったらすぐに駆けつけるから。

 春ちゃんだって私の大事な家族なんだから」

「ありがとう、マリさん……!」

「春ちゃん…」

「良かったね、春……」

 

 

……ああ、良かった。

 

 

「…じゃあ、もう行かないと。

 急に市長を退いて街のことは心配だけれど…後に続く人たちに頑張ってもらうわ。

 横暴で愚かな市長の代わりにね。」

「…マリさん…それって……」

「えぇ、これ以上、市民に会わせる顔なんてない。私も歳だしこれからは若い人が……」

「…市長……」

「…あなたは……!」

 

 

……痩せた女性……果歩ちゃんの母親だ。

あの事件の一番の被害者だ。

 

 

「ニュース…見ました。本当に辞めるんですね。しかも…政治家を引退する……?」

「は、はい…もう二度と皆様の前には……」

「ふざけないで!あなたが消えたところであの子は帰ってこない!

 …果歩の…娘の死は変わることはない!

 だからあなたは…!

 逃げずに戻ってきて!

 すべてやり直してもう一度市長になって!」

 

 

竜司は止めようとしたが……。

彼女の言葉は、鞠子さんにとって意外なものだった。

 

 

「えっ……?」

「やり場のない怒りをぶつけた私の前で…あなたは涙を流してくれた……

 あなたは逃げずに私の悲しみに寄り添ってくれた!

 その姿は…私が一番よく知ってるわ!」

「…お母さん…ありがとう…ありがとうございます……」

「それに……昨日、果歩が夢で言っていたの。

 『おばさんは、寒い所でずっとごめんなさいしていてかわいそう』って。

 だって、あの子は優しいから……」

「約束します…あなたやあの子のために…必ずもう一度立ち上がって市民を守る市長になると……!」

「…マリさん……!」

 

 

蓮のスマホが振動する。

ソフィアが反応しているようだ。

 

 

『…何故だ、蓮。これは多分哀しい場面のはず。

 だって皆涙を流している。なのに、温かくて優しい。これは…いったい何だ?』

「喜びだ」

『そうか…!だから春は氷堂を助けたのか。

 哀しいを嬉しいにするために…重要情報を記録。ソフィアは『喜び』を学習した。』

 

 

 

 

 

----その夜-----

俺は春とのデートの待ち合わせをしている。

一緒に行動しているから待ち合わせの必要がない?

様式美だよ!

それに女性には然るべき支度もあるのだ。

そうしていると……

 

 

「ありがとうおじちゃん」

「頼まれごとはキッチリこなしたぞ。

 お母さんに会えたのか?」

「うん……最後になるって」

 

 

果歩ちゃん……母親への未練や鞠子さんが苦しみを見て成仏できずに現世に留まっていたようだ。

 

 

「おねえちゃんと一緒に変なお姉ちゃんが連れて行ってくれるの」

「そうか……達者でな。

 選別だ」

「ありがとう、おじちゃん!

 ばいばい」

 

 

お菓子を受け取った果歩ちゃんは去って行った。

誰かに導かれ、来世に行くのだろう俺の様に。

その後には、赤毛のポニーテールの少女がやってきた。

 

 

「こんばんは先輩」

「芳澤……」

「可愛い女の子をナンパですか?

 奥村先輩が怒っちゃいますよ?」

「……」

「どうしました、先輩?」

「はじめまして」

「え?やだなぁ、ボケちゃったんですか先輩」

「こうして会話するのは初めてですよね芳澤かすみ君」

「……なんでバレちゃったんですか?」

 

 

舌を少し出して言うかすみ君は可愛いね。

先日、視界の端にいたのは気のせいじゃなかったわけだ。

 

 

「芳澤は俺に対して生意気さとか太々しさとか対抗心があるが、かすみ君にはないからな。

 既に何人も幽霊は見ているし……」

「すみれの反応は残当じゃないですか、先輩?」

「え?」

「胸を手に当てて考えてください」

「(胸に手を当て)はて、とんと見当がつきませんなぁ。

 心配かい?」

「去年までのすみれだと心配だったけど……今のすみれなら世界を目指せる。

 雨宮先輩のお陰かな?」

「そうだな……だが恋愛クソ雑魚なんだよなぁ」

「我が妹ながらあのファッションセンスはないなぁ……」

 

 

ひとしきり、芳澤を話題にして雑談をする。

かすみ君は大きく伸びをする。

 

 

「それじゃスミス先輩、私……行きますね」

「ああ、芳澤の事は蓮がなんとかするだろう。

 俺は適当に相手をしてやるさ」

「おねがいしますね。

 あの子が私以外でライバル心出す人はいないので……。

 それじゃあ先輩、奥村先輩とお幸せに!」

 

 

かすみ君も去っていく。

遠くで消えたはずの果歩ちゃんがセミロングの女性に手を繋いで歩いていた。

かすみ君は、果歩ちゃんのもう一方の手を繋いで歩いた。

三人は霞の様に消えて行った。

 

 

「ス、スミス君……」

「おう、どうした春?」

「すみれちゃんがあっちで消えた様に見えたんだけど……私、疲れているのかな?」

 

 

春が夏のファッションを決めてやってきた様だが、顔色が青い。

ああ、見えちゃったのか……。

 

 

 

「ああ、かすみ君は芳澤の事が不安だったけど、大会の活躍で安心したから

 果歩ちゃんと一緒に成仏するってさ」

「え、あ、え!」

「そもそも俺は転生者だから幽霊だって居てもおかしく無いだろうに。

 草薙剣を教えてくれた平家の武者の幽霊とか、

 双葉がパレスを作ったお陰で縛られて成仏できなかった一色若葉さんとか実物見ていないから実感が湧かないか」

「初耳なんですけど!?」

「あ、皆に言っていなかったな」

「変な隠し事はしないでください!

 そもそも……」

 

 

 

 

 

-----------------------------

 

 

「君達、やり残した事はないかな?」

「大丈夫!」

「で、どこにいくんですか?」

「マブダチの冥界神に最速で裁判をして最速でいい来世に転生させるから!」

「でも……いいんですか?」

「苦しゅうない、苦しゅうない。

 ワンオペで裁判して定期的に絶叫しているけどいつもの事だし。

 もっふんグッズ渡せばどうにかなるし。

(あと、スミスって子……転生者だったみたいだし、もしかしたら同盟につながるかも……)」

 




NGシーン
スミス「マリさん。あなたが人々から奪った数々のネガイ…!この美少女怪盗ヴァイオレットと怪盗団が今宵、頂戴致します!」(適当な裏声とギニュー特戦隊のポーズを決める。やっつけな赤毛のカツラつきで)
ヴァイオレット「フン!」(鋭いローキック)

スミスの見た夢……最後にスミスが選ぶ道は?

  • マガタマを飲み、人修羅の道へ。
  • 悪魔と合一し、ナホビノとなる。
  • 宇宙の卵を確保し、孤独な観測者となる。
  • うるさい!(拳銃で返答)
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