今回のお客さんは……ぶっちゃけ金色のガッシュのガッシュカフェと同じである。
奥村春であある。
スミス「注文はなんだ?」
春「スミス君!」
パケチ「コイツ……スミスが絡むと知能が下がる」
スミス「正義の美少女怪盗を名乗っておいて実態はコレである。
まさに蛮族!まさに悪役令嬢!」
龍魚「スミスパイセン、surviveのマスターから冷麺の差し入れッス」
スミス「では返礼にルブランカレーとコーヒーを……」
龍魚「あざーす!」
スミス「ところで……春日先輩のナンバさんや足立さんの距離感はいいよね、相棒感があって」
龍魚「なんすか、藪から棒に……」
スミス「蓮とはスタンス上仲間でも距離空けているからなー。
丸喜先生は部下でパケチはシモベだが」
パケチ「殺すぞ」
京都に着いたが、問題が発生した。
長谷川刑事が運転中に電話が鳴って、それを蓮が出たんだが……。
相手は娘さんで、怪盗団の女子の声も入ったせいで怒って切ったそうな。
長谷川刑事の奥さんの命日なのに女遊びをしたと思い込んだそうな。
そんなタマじゃないのにねー。
「……いっちょ俺と春で一肌脱ぎましょう」
「どういうつもりだ?」
「貴方の残された家族……その関係が崩れるとパフォーマンスが落ちる。
そうなると警察と怪盗団の連携体制も問題が生じる。
それに誤解が生じたのはこちら側の責任もあるからな。
では方針を説明する!」
……長谷川刑事の奥さんの葵さんは2年前に轢き逃げされて死亡し、娘の茜が残された。
茜の証言が容疑者は判明したが……政治家の先生だったようで、その罪を秘書に被せて今も娑婆を満喫している。
長谷川刑事も追及したが、これ以上捜査するなら娘を脅すという脅迫に屈してしまった。
そのせいで娘との仲も疎遠になり、自身の正義を見失いつつある長谷川刑事。
鏑木管理官の元で真犯人の尻尾を掴んで逆襲を窺っている……ってのが事前に知っている情報だ。
だからこそ、公安の中でこちら側の窓口として信じられると判断した。
これを知っているのは俺と丸喜先生のみで怪盗団とは共有していない。
あくまでプライベートの問題であって今回の件とは関わっていないからね。
長谷川刑事が奥さんのお墓に向かうと娘さんである茜がいる。
21時間の運転に加えて全力疾走して息も絶え絶えな長谷川刑事。
だが、それを冷たい視線で見つめる茜。
「ハァ……ハァ……すまん、遅くなった」
「……言い訳とかいいです、女の子と楽しく遊んでいてください、さよなら」
「すまないが、刑事さんは仕事だったんだ、そう責めないでやってくれ」
俺がそれに割って入る。
俺の隣には春がいる。
「貴方は?」
「俺は、多々良・カフカ・スミス。
こっちが婚約者の……」
「奥村春です。
私たちのせいで誤解をさせてごめんなさい」
「どう言う意味ですか?」
「さっきの電話の周りにいたの、私たちだったの」
「あっちにも学友がいてね。
本来は秘密にしておきたい話なんだが、そのせいでお世話になっている長谷川刑事にご迷惑をかけるのは問題だからね。
ある程度は情報を伝えようと思ってね……」
カバーストーリーは事実を流用した。
俺と春は幼馴染で、春の義親父さんは政界進出の為に春を政略結婚の弾丸(タマ)とした。
婚約者になった『あの男』は家柄や実家の財力こそ一流だが、女遊びが酷く、その上女性を嬲るのが趣味だった。
俺は、『あの男』から護る為、様々な手段で匿った。
幸い、俺の両親や叔父は義親父さんと対立派閥だからな、指図を聞く義理はないんでね。
だが……俺が所用で離れていた際に『あの男』が春を捕まえてね。
危うく拉致されかけたが、それを救ったのは俺の友人の飼い猫のモルガナでな。
引っ掻かれて逆上したあの男は、モルガナを蹴飛ばして踏み潰そうとした……もっとも、俺が間に合って撃退したがな。
幸い義親父さんは怪盗団の改心を受けてな……パワハラ思考や政界進出とか酔っ払った考えを捨てたお陰で『あの男』との婚約話は解消して、なんやかんやあって春と婚約したわけだ。
「奥村……ってオクムラフーズの」
「そうだね」
茜の目が少し輝いた。
察するに怪盗団のファンガールか。
「なんやかんや……って」
「それ聞いちゃう?
春は昔から俺のことは好きだったようで、俺はその事には当然気がついていた」
「「「(気がついて袖にしてたんか……)」」」
「俺は自分が嫌いでね……そういう好意を受け取れる立派な人間じゃないと思っていた。
だが、春はそんな俺がいいと言ったんだ。
俺は春と一緒に生きる決意をして今に至るってわけさ」
丸喜先生は優しげな眼差しを送り、杏は恋愛話を聞いてツヤツヤしている。
なんだよ、『スミ春で取れる栄養分がある』って?
あと双葉よ、『まおーも人間であったか……』じゃねーよ。
俺が『怒りで人外に変化する天才児』や『勝つのは俺だする閣下』ほど人間は辞めてねーよ。
(※……え?)
「『あの男』は、手酷く振られたのと俺に返り討ちにあった逆恨みで俺達を狙っているらしい。
長谷川刑事は俺たちの護衛をして貰っているんだ。
友人達も『あの男』から逃げるのに協力してもらったのもあって標的にされているから一緒に行動している。
公安としても、獅童正義の悪の片棒を担いだ信頼回復の為に春を守っている。
長谷川刑事は京都府警からの出向で獅童正義とは確実に無関係な為に護衛に推薦された。
あの風貌で刑事に見えにくいのも推薦理由だ。
竜司は『怪しいオッサン』だったしな、第一印象は」
「誰が怪しいオッサンだ!
俺は……イケオジだ!」
皆、冷たい視線を飛ばしている,悲しいね。
「俺たちの為に、奥さんの命日の墓参りの時間すら奪ってしまった、誠に申し訳ない。
茜君にも不快な思いをさせてしまった」
「仕事だからな……謝る必要はないさ」
「私のほうこそ、大変失礼しました。
早とちりしてしてごめんなさい」
「長谷川刑事は、ここに戻るまで不眠不休で車の運転をした位だ、その意を組んでくれればいいさ。
あと俺たちも墓に手を合わせてもいいかい?」
茜君の怒りも静まって良かった。
俺達も葵さんのお墓に手を合わせる。
あと双葉よ、『めっちゃ礼儀正しい、この時点で竜司超えた』は酷いぞ。
……茜君は長谷川刑事への冷たい当たりは変わらないままだがな。
一足先に家に帰って行った茜君。
無理もないが……。
「ありがとよ、スミス」
「別にかまわないですよ」
「一つ聞いていいか?」
「どうぞ」
「なんで俺を助けた?
それに元々怪盗団じゃないお前さんが怪盗団に肩入れしたり、そもそも奥村の婚約問題に首を突っ込んだり……。
よく厄介事に首を突っ込むな……」
「そういえばそうね……」
真も俺の行動に疑問を抱いている。
無理もないか。
「確かにな。
俺は学生と社長の二足の草鞋(※killer9入れて三足の草鞋)だ。
運命(サダメ)とはいえ、静かに暮らしたいし面倒ごとは御免被りたいが……。
春も蓮も……それに長谷川刑事の苦悩を目の当たりにしているからな」
「スミス……」
「それに、俺が無力無能なら兎も角、少しの手間でそれを払い除けられるのに見捨てたら……
俺は『カッコ悪い』大人だ。
それに戻るのは俺の主義に反する」
「(……戻る?)」
長谷川刑事は、俺の言葉に引っかかったようだが……
春が俺の言葉を聞いて目を潤ませる。
「スミス君……好き!!」
「(スミスの事になると時々IQ下がるよな、春は)」
少し、蓮がニヒルな思考になってそうだが。
しかし、茜君と長谷川刑事の溝を少しでも埋めなければ……そうだ!
「長谷川刑事、今夜の食事の場を貸してもらえますか?
強行軍だったから俺と蓮で労おうと思うので」
「俺の料理スキルが火を吹くぜ……!!」
「せっかく会えたんだし、なんとかしてあげたいしね!」
「お父さんにはお世話になっているからな、豪華ディナーでおもてなしだな」
「いいわね、皆で腕を振るいましょう。
食事しながら話もしたいし」
「というわけで、今日はお邪魔しますね。
スミス君の『影』にたくさん食材をしまっていますから」
「よし、アカネの後を追いかけるぞ!」
蓮達も俺の意図を察したようだ。
なし崩しに追いかけ始める。
呆然とする長谷川刑事……事態を漸く理解した。
「は?
ちょ、ちょっと待てコラ!
何勝手に決めてんだ!」
「諦めましょう、こうなった社長達は止められない」
「何諦めてんの!?」
「それに、大事な人とはキチンと話し合う時間は必要ですよ……
そうしないと大変な事になりますし」
(※そうだね、丸喜君。
トラウマ消すために催眠して婚約者と別れたらいつの間にか催眠解除されてて怒りのラッシュでアンパンマンにジョブチェンジしたもんね……)
真「でもすみれに対してはその……」
スミス「ライフワークだから」
(※スミレはてめーのオモチャのチャチャチャ!)
スミスの見た夢……最後にスミスが選ぶ道は?
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マガタマを飲み、人修羅の道へ。
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悪魔と合一し、ナホビノとなる。
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宇宙の卵を確保し、孤独な観測者となる。
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うるさい!(拳銃で返答)