蓮「最近調子はどうだ?」
すみれ「大会の成績は連勝してます、ただ…」
蓮「ただ?」
すみれ「マスコミの取材とか学校での……」
蓮「ああ、なるほど。
大体わかった(かすみの事を無神経に聞いたり、手のひら返しの反応とかか)」
すみれ「先輩の寺で座禅のアドバイスは演技での集中とか、冷静な対応に役立ちました。
私は、更にメンタルを鍛えたいなと…」
蓮「……週末時間があるからその時に訓練をしよう」
.
.
.
すみれ「(先輩に会えるのは頼しみ……でも訓練って何を……」
蓮「待たせた」
すみれ「私も今来……た」
スミス「わたしです」
.
.
.
スミス「今から精神制御のチソ(基礎)訓練を開始する」
すみれ「は、はぁ…(ちそ?)」
蓮「ファイトだ、すみれ」(スマホで動画撮影)
スミス「まず、最初に100個の質問をするから冷静に答えるんだ」
すみれ「は、はい!」
スミス「では質問。
『貴方の体操選手としてのアピールポイントは?』」
すみれ「慎重さ、繊細さには自信があります」
スミス「次の質問。
『貴方の体操選手としてのアピールポイントは?』」
すみれ「へ?」
スミス「『へ?』が回答ですね?」
すみれ「違います!
慎重さ、繊細な演技です!」
スミス「次の質問。
『貴方の体操選手としてのアピールポイントは?』」
すみれ「(こ、これは……)
し、慎重さと繊細な演技です」
(※10回ほど同じ質問を繰り返す)
スミス「次の質問。
今何問目でしたっけ?」
すみれ「ふざけないでください!(スミスのスマホを取り上げる)
同じ質問100個ってなんですか!!(シェイク)」
スミス「あばばば……ダメじゃないですか冷静に答えないと。
変に我慢をしているから、偶には感情を発散させないといけないからこの様な質問をしたが」
すみれ「そうだったんですか…」
スミス「(面白かったけど今日はこれ以上弄ると蹴っ飛ばされるから次の機会にするか)
カラオケとかが一番手頃だな……ガリ勉している真の息抜きをさせるために双葉に頼んで呼んでいるから、
蓮と一緒に楽しむと良い。
俺はそろそろ仕事に行くから」
※その後も定期的にすみれ(巻き込まれで杏)がスミスにおもちゃにされるように……
---京都市内・某所---
「な、なんだ!?」
長谷川善吉が個人的に所有するセーフハウス(知り合いのバーを譲り受けた)で待機していたら轟音がした。
キャンピングカーから死にかけた様子で出てきてセーフハウス内に座った。
「お、お前ら……早かったな」
「死、死ぬかと思った」
「てか、むしろ死んだ…魂がはみ出た」
「うっぷ…吐きそう」
「お、おおう?」
善吉は死屍累々の様子の怪盗団に困惑している。
「春には悪いがこれっきりにしてくれ……
命が幾つあっても足りん」
「……」
「猫ガナ、気絶している、起きろ」
「おい、奥村、何があったんだ?」
「えっと……普通に運転してきただけ……かな?」(※普通って一体……?)
善吉はわかった事を説明した。
リストの人間を改心させて得をする人物を洗い出した結果浮かび上がったのは……
大和田純、66歳。第10期目の衆議院議員。
長谷川善吉の妻、葵の命を奪った男である(なお、現段階では善吉はその事は怪盗団に伝えず、把握しているのはスミス・丸喜のみである)。
「与党の要職につき、内閣官房長官にまで上り詰めた超大物『だった』」
「だった?なんか悪い事したのかよ、このオッサン?
悪そうな顔つきしてるしよ」
「去年の選挙じゃ獅童正義の後楯をしていた」
「「「「「ああ……」」」」」
怪盗団一同は大和田の末路を理解した。
『怒りの日』。
去年、獅童正義へ改心の予告を行った日。
同時にスミス同盟が再起を図れない様に獅童正義が作った『未来連合』ならびに警察、企業等を世界中で袋叩きにした日でもあった。
「大和田は、未来連合に入っていなかったから辛うじて首の皮が繋がっていた。
俺は奴の尻尾を掴むために捜査を続けていた。
今回の騒動がなければこの夏で逮捕まで踏み切れたかもしれん……逮捕は時間の問題だが、任意同行やマスコミの追及を避けるため、病気療養中と称して雲隠れしているがな」
「獅童正義……まさか、ここでその名前を聞く事になるとは……」
「知り合いか?」
「かつての敵だ……ケジメはつけさせた」
「ああ、とんでもない大悪党だった……もっと恐ろしい何かの怒りを買って全てをぶち壊されたが」
「恐ろしい何か?」
「お前のママだよ」
「やはり、スミスママは悪魔、血の色は緑……」
祐介の言葉にソフィアが疑問を持ち、竜司の回答で納得するソフィア。
(※スミス「風評被害だ、芳澤ぁ!?」)
そんな様子を尻目に善吉は話を続ける。
「改心リストに載っていた連中はその多くが大和田に敵対する議員だった。
大和田がかぎりなく黒なのは間違いない。
だが、『改心』の実行者と考えにくい。敵対する人物と『トモダチ』にはならないだろうしな。
で、奴の周囲に頻繁に接触した起業家を見つけた。
その男が…」
「マディスの近衛か?」
「その通りだ、雨宮。
頻繁に連絡を取ったのは通信履歴で明らかになっている」
「これで繋がったわね」
「ああ……大和田が邪魔な人間の改心を依頼。
近衛がそれを実行。
その手段を提供したのが沖縄の生方といったところだろう」
善吉の言葉に双葉と春が反応する。
「待て、近衛が改心しているって事は、アイツ……ジェイルの王なのか?」
「え、マディスの社長でしょ?
社長なら誰かに命令してそうだけど……」
「いや、ところがそうでもねえ…。
知っての通り、『改心』させるにはEMMAでトモダチになる必要がある。
大和田に敵対するのは大物ばかりだ。
接近するには近衛でなければできなかっただろう」
「それに社長だからこそ、他の奴に王の座を譲らないだろうな。
万が一にも自分が『改心』させられるリスクを避けるはずだ」
「それにもう一つ。
リストの人間が改心させられたと思われる場所は全て『大阪』だった。
リストに載った人間がおかしくなったのは皆、大阪に行ってたんだよ。
そして大阪にマディスの本社がある」
「……まおーが場合によっては爆破するとか言っていたな」
「……爆破ですめばいいんだがな」
善吉は、スミスから渡されたレポートの最後に書かれたメッセージで怪盗団がしくじって状況が詰みと判断したら核攻撃をすると書かれていた事を思い出して、胃の部分が熱くなるのを感じた。
(※大丈夫?ネコスミス人形揉む?)
「ソフィアにジェイルの有無を感知してもらわにゃならないが…」
「ジェイルならあったぞ」
「「「「「「「「!!?」」」」」」」」
「ハァ!?」
「確かに途中で間違えて大阪を通ったけど……」(※それでも新幹線並みのペースで着くとは一体……!?)
「いや、だったらそん時言えよ!」
「言ったが、皆忙しそうで聞いていなかった」
「あの時は春が運転していたから」
「あの阿鼻叫喚に紛れたか…」
「?」
「いや、まぁ話が早い。
大阪にはジェイルがあることが確定した。
あとは近衛が王かどうかだ」
「そこまでいったらもう逮捕したらいいじゃねえか!?」
「逮捕できない理由がある」
竜司が叫ぶが、冷静に蓮が横から口を出す。
善吉は理由を話す。
「問題がある。
リストにあったのは繋がりと動機だ。
『改心』を実行した証拠じゃない。
これだけじゃ逮捕に持っていけない、任意同行までだ。
任意同行なら逃げられる……だが久古島の一件が大事になったから捜査令状は手に入る。
だが……改心者のリストに上層部の人間が複数いる」
「警察にも『改心』された人が?」
「この分じゃリスト以外にも改心された人間もいるだろうな」
「だからここに私達を呼んだのね…
敵がどこにいるかわからないから」
「……スミスは何か対策があるらしいが……」
「そういや、スミスは?
てっきりオッサンと一緒に合流するかと思ったけどよ」
無言で胃を抑える善吉。
蓮は、スミスが胃の痛みの元凶なのだと確信したがあえてそれを触れずに話題を変えた。
「スミスはスミスで動いている。
俺たちは近衛の改心を狙う…というところか?」
「そうだ……奴がジェイルの王ならば自白に追い込める。
幸い、今日はマディスの本社で近衛と会う予定だ。
キーワードをその時に手に入れるつもりだ」
「え?どうやったの?」
「警察が『被害の確認がしたい』ってことでアポを取り付けたんだ。
『オタクのEMMAをハッキングするという匿名予告があった、大丈夫ですか?』ってね」
「おっ、私の出番か!」
双葉が手を挙げる。
善吉は首を横に振る。
「いや、本当にやる必要はねぇ。
近衛に会う理由があればなんでもいいんだ。
で、『いつでもご相談ください、EMMAでトモダチになりましょう』と持ちかける。
奴にとって公安を手駒にできるメリットはある。
食いつく可能性は大きい。
そしてキーワードが聞ければ……次はお前の出番だ。
これを伝えてから出発したかったんでな、急かして悪かった」
「本社ってことは大阪だろ?
だったら俺たちも一緒にいくぜ」
「そうだな、キーワードがわかり次第、ジェイルにはいった方が隙がない」
「いや、聞き出せるかどうか賭けになる。
無駄足になる可能性も高い。
それに新島も本調子じゃないだろ?
お前たちも顔色悪いしな」
「え、ええ…まあ…」
「もしお前らがやられたら……やられたら……スミスが『解決』する。
あらゆる犠牲を払って、だ。
それは俺もお前らも、そしてスミス自身も望んじゃいない。
お前らには万全でいてもらわないとな」
善吉も怪盗団もスミスが『やる』男なのは把握している。
善吉の言葉にモルガナが頷く。
「わかった。
ワガハイたちはゼンキチの連絡を待てば良いんだな」
「なんだよ、また待ちかよ」
「いや、この状況だからこそ危険かもしれない」
「え、どういうことだよ、蓮?」
東郷一二三から戦術を学び、怪盗団の経験を積んだ蓮は近衛明の思考を考えた。
ジェイルの王のスマホを監視していた存在がいた。
高確率で近衛だろう。
そうでなくてもジェイルの王が改心している事と怪盗団の存在を知っているならば俺たちを排除するだろう。
ならば……
「近衛がこの状況を逆手にとって、善吉さんの接触の後に改心した複数の県警を使って拘束、改心を狙うかもしれない。
それに、県警に近衛の手の者がいれば待っている俺達を逮捕するかもしれない。
基本、ペルソナ使いとはいえども現実世界では無力だからな」
「それヤバいじゃねえか!
いや、スミスはもっとヤバいけどよ」
(※皆が3期くらいの遊戯王やっているのに現代遊戯王の環境をブッコムくらいの無法振りだもんね…)
「……だと不味いか?
いいもの用意したんだがな……」
善吉が用意したのは一泊4万もする高級温泉旅館だった。
捜査費用から出すとの事だが……
「温泉タイムだ!
脱出経路の確認は忘れずに!!」
---大阪マディス本社---
「どうもこういうもんです。
近衛社長と面会があるんですが……」
「詳しい事は存じません。
お引き取りください」
「……これは雨宮の懸念が当たったか?」
---東京某所---
「どうした、緊張したのかね吉田君?」
「いや私の様な人間がここにいるのは場違いの様に思えて」
とある場所に政治、警察、自衛隊の大物が集合している。
その中で一番浮いているのは衆議院議員・吉田寅之助だ。
足かけ二十年、七回連続落選中の身だったが、去年の選挙で当選した。
雨宮蓮は演説の技能を学ぶ為に彼の選挙運動を手伝った時期もあった。
ちなみに、スミスも空いた時間でしばしば手伝っており、未だに交流は切れていない。
流れる汗を拭う吉田に話しかけた男が反論した。
「いや、苦労を続けながらも信念を持ち、国民に寄り添える君は逸材だよ。
……それに怪盗団が非難されていた時期でも一貫して好意的にみていた君だからこそ呼んだのだよ。
私の後継を目指してみないかね?」
「ご冗談を……総理」
内閣総理大臣・直野原也。
市議会議員から親の地盤を引き継いで衆議院議員となり縁の下の力持ちとして支え続けていた。
『怒りの日』から混乱した政局で内閣総理大臣に指名された。
皆に敗残処理だと思われていたこの男は、地道に混乱をおさめていった。
愚鈍のように思われていたが、人望はあり、誠実に物事を取り組む男だ。
直野は、吉田に対して期待をしていた。
「君も読んだはずだ」
「ええ……(雨宮君、君はこの世界を守ったのだな)」
吉田は去年の一件、そしてスミス同盟という裏の出来事を知った。
今回の秘密裏に集まった会合は、柊アリスからはじまった怪盗団の再活動の事に関係するのだろうと予想した。
公安の鏑木管理官もすでに出席している。
そして……最後の出席者が現れた。
白いスーツに黄色いネクタイに黒いシャツの外国人。
大きいアタッシュケースを持ち歩くその男は……
「知っている人間もいるだろうが……。
俺はガルシアン・スミス。
スミス同盟からの使いだ」
ダメ寅こと吉田寅之助先生登場!
あとオリキャラの内閣総理大臣がでました。元ネタはアトラス社創業者である原野直也氏から。
去年は世界中で反獅童の流れを作ったのに対して今年は地味だなー。
やっぱ核攻撃しかないのか?(話題作りでやる事じゃねえ!)
スミスの見た夢……最後にスミスが選ぶ道は?
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マガタマを飲み、人修羅の道へ。
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悪魔と合一し、ナホビノとなる。
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宇宙の卵を確保し、孤独な観測者となる。
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うるさい!(拳銃で返答)