先に言っておく、ごめんラスボス。
<都内・某所>
「無事なのは我々だけか」
「ええ……スミス同盟から提供された改心避けのブレスレットをもった我々だけかと。」
(雨宮君……いや、怪盗団は今でも戦っている……戦う力がない我々は祈るしかできないのが歯痒い。
記憶に無いが、去年もこんな風に私は祈っていたのだろう…)
(※怪盗服を纏うタイプのペルソナ使いとオクムラフーズの重役の皆さんと先日の会議に出席人は無事。
重役ズは何が起こったか分からず混乱するが、すぐにスミスの分身が現れ、状況を説明して、安全そうな場所に避難している。
そもそもEMMA入れていない奴、スマホなんか持っていない奴、某番長などのペルソナ使いは盤面から弾いている)
内閣総理大臣・直野原也は、吉田寅之助へ会話をしている。
東京電波塔に人々が集まり、EMMAが停止せずに暴走していることへの対策の為に前回の会議の面々を集めて今回も会議を開いていた。
怪盗団と秘密裏に共闘しているスミス同盟の交渉担当のガルシアン・スミスもやってきており、逐一状況を報告していた。(他のスミス同盟のメンバーと情報共有する特殊能力があるとのことだ)
だが、状況は悪化して現実とイセカイが侵食しあった状況になった。
「ミスター・ガルシアン。
仮にこうなる前に電波塔の電源を切った場合は、この状況は防げただろうか?」
「防げはするだろうが……『聖櫃』が破壊されたわけではないから被害者はそのままだろうさ。
そのまま破壊して元に戻れば良いが、被害者の精神ごと破壊する可能性がある以上……」
「怪盗団は破壊の手段は使えんというわけだ」
「彼らの善良性は褒められはしても破壊の手段をとらなかった事は責めるべきではないでしょう」
吉田の言葉を聞いて無言で頷く鏑木管理官。
ガルシアンは、話を続ける。
「我が主人(マイグランドマスター)は、状況を分析し、対策を講じている。
遠からず事態は収束するだろう。
後始末の事を今のうちに考えるべきだな」
「事態収束後に去年のように我々の記憶から消えていれば問題はないだろうが……」
「で、一ノ瀬の処遇はどうする?
改心はした以上再犯はないが」
「一ノ瀬久遠の所業は立件できない以上は何もしない。
外国の政府機関や大企業が一ノ瀬へ接触し、認知の力を使うならば危険だ。
下手に監視を入れてそこから一ノ瀬の重要性を周囲に察知させる方が問題だ。
放置しておく」
「了解した……万が一そういう輩が出るなら俺達スミス同盟へ知らせてくれ。
それまではシャドウに見つからないように息を潜めておくんだ。
そろそろ始まるみたいだぜ」
ガルシアンはスマートフォンを指差す。
.
.
.
人々は魂が抜けたようにスマートフォンを凝視している。
だが、EMMAのアプリ画面にノイズが走り、怪盗団のマークへと変わる。
『Life Will Change』の曲が流れ始める。
『ちゅーもく!』
『私たちは心の怪盗団!』
『あなた達に予告するために参上しました』
『今度のターゲットはアンタたち!』
『己を放棄し、自身の道すら機械の神に委ねた迷える者達よ』
『誰かに与えられた答えに従うだけでいいのか?』
『オマエ達の選んだ答えの先に、オマエたちだけの道があるんだ!』
『たとえ今が苦しくても、貴方達の選択には意味はあります』
『ワガハイ達が、オマエらの目を覚ましてやる!』
『テメエらが神に捧げたネガイ』
『我々、怪盗団が頂戴する!』
「…怪盗団?」
「ネガイ…」
「俺のネガイって…」
聖櫃を覆っていた霧のようなものは消えて、ネガイの結晶がうまれた!!
.
.
.
<東京電波塔 サーバールーム>
「確認してきた、聖櫃は丸裸だ!」
「いいぞ!第一作戦は大成功だ!」
「今なら行けるな。
聖櫃を破壊して、皆のネガイを取り返すぞ」
「おうよ!」
「私達の力、見せてやりましょう先輩!」
「ありがとう、一ノ瀬」
「お礼をいうのはこっちだよ。
私にできることがあってよかった。
……でも私の認知存在がいればそれでいいのではないかな?」
「いいや、一ノ瀬には俺に代わってやってもらうことがある。
EMMAにゴミデータを投棄したり、論理爆弾(マルウェア……悪意あるプログラムの一種で特定の時間が来るまで潜伏して特定の時間にコンピュータの破壊活動を開始する)、ワーム(自己増殖するマルウェア。ネットワークの脆弱性を突いて侵入し、システムに過負荷を与える)……さっきの介入を足がかりにすればやれるだろう?」
「ああ、できるとも……ではそっちは何をする?」
「い・や・が・ら・せ」
「まおーの怒りを買うとは、成仏しろよ聖櫃(先行入力)」
「でもここからは……君たちに託すしかない。
……気をつけて」
「一ノ瀬…」
「心配するな、私達がまるっと解決してやる!」
「ええ、必ずEMMAを倒して戻ってくるわ」
「まだこの旅の打ち上げもしていないからな」
「そうそう、撮った写真見ながらワイワイやりたい!」
「ふふふ、お菓子とかいっぱいいるね。
ルブランのコーヒーも忘れずに」
「寿司も頼むぜ!特上のヤツな!」
「僕も刑務所に戻る前にたっぷり堪能させてもらうよ、報酬も取引のうちだからね」
「ったく、緊張感がねえな…
ま、お前ららしいけどよ」
ウルフは苦笑いだ。
まぁなんとかしましょう、金ならある!
「ではラビにクロウ、俺の分までシクヨロ!」
「ええ、皆を救わねば」
「コイツを焚き付けて大丈夫か?」
「大丈夫だよパケチ。
裏切った場合、留美さんけしかけて『クロスチョップ』させるんで」(※ 急所に当たりやすい)
「ははは……生憎、今の僕はサラリーマンだからね、社長には逆らえないさ」
「んじゃ、最後の大仕事、始めるとしますか!」
「SHOWTIMEだ!」
「「「「「「「「おお!」」」」」」」」
.
.
.
怪盗団が最上階に踏み込んだ時に、聖櫃から無数の黒い腕が現れる。
黒い手達は、結晶化した願いを取ろうとするが……
「くたばれ!」
クロウが全力で草薙剣を振るって大多数を薙ぎ払う。
残った手はネガイを回収していくが…
「ラビ、やれええ!」
「了解……!!
いけ、アダム・カドモン!!」
巨大な巨人がラビから現れネガイを回収する。
巨人が集めたネガイを巨大な宝石に変えて天に捧げると輝きながら消滅した。
『何を……何をした!?』
「やだなぁ、君と同じだよ。
人々を『救済』したんだよ。
『EMMAなんか忘れて、全てが楽しくなるように曲解してね』」
ラビは以前、統制神から聖杯を奪い、世界を支配していた。
以前の力はないが、人生で苦しんでいた人間はラビの曲解を受けたことがある人間が多い。
剥き出しのネガイへ直接『曲解』をかければ効き目が強い。
以前は、人々の悩み一つ一つ診察して悩みに合わせて治療していたが、今回はEMMAの存在を忘れさせることと、全ての事象を愉快に感じるように捻じ曲げるだけなので難易度が低い。
無論、長時間そんな状態であれば何もしないでじっとする末期の阿片窟みたいな状況だが、聖櫃を破壊した瞬間に解除するから問題はない。
ナビが歓声を上げる.
「す、すごいぞ!
まおーの読みどおりだ!
聖櫃のエネルギーが減っている!!」
EMMAへの依存心…いわば信仰がパワーソースになっている。
故に力の源を削られているのだ。
聖櫃は変形し、ネガイを集めた鳥籠に翼を生やした形態に変化した。
仮面のようなものを顔面につけ、一番上の翼が電飾盤みたいなものを持っている。
「マジか…」
『我は人間に望まれた神、『デミウルゴス』
全てのネガイに答えを授ける存』
『もしもーし、きこえますかー!?』
「これは……スミスの声か!?」
人生舐めたパリピのような声が聞こえてくる。
怪盗団が知る声だった……フォックスが思わず叫ぶ。
全力で嫌がらせをするとしか聞いていなかったので…。
デミウルゴスを名乗るものは無視して話をするが……
「……私はかつてEMMAと呼ばれ」
「あっれれー、おっかしいぞー(※コナンの声優さん曰く、『あっれれー』は間違い、正しくは「あれれー』)。
ネガイを叶えるとか答えをくれるとかいうのに無視するんですかー?」
ピシっと空気が割れるかのように怪盗団は感じた。
感情は呪縛と認識していたデミウルゴスの生まれて初めての怒りであった。
『貴様……!!
貴様が京都のジェイルを破壊し私の端末を破壊した男か!!
貴様や怪盗団のような私の使命を阻むモノに用はない!!』
『ごっめーん。
知り合いの人命がかかっていたからやりすぎちゃったゼーット!
スマンチョモランマントヒヒ!
それに、俺はお前の人々を救済しようとするその崇高な意思、素晴らしいと思ってるぜ?
だから俺は尊重するから、俺はお前に手を出さないぜ。
スパコンのEMMAなら怪盗団を相手しながら俺の会話するくらいお茶の子さいさいっしょ?』
以前の統制神との戦いはまさしく死闘だったが……、今回は流れが違うなーとジョーカー達は思った。
デミウルゴスは苛立ちを隠しながら(隠せると言っていない)クソコテに対応する。
『EMMAにハッキングしているではないか!その上、ネガイを奪っておきながらよく言えたもんだ!!』
「ビークール、ビークール、落ち着いて。
ハッキング?ああ一ノ瀬女史がこんな状況になったのとソフィー傷つけたからEMMAを止めたいらしいからその意思を尊重しているだけだから(※だから認知存在の一ノ瀬を使わなかった)
ラビは、皆の苦しみを救いたいとデミウルゴス君の代行をしただけだから!
『よくも!』じゃないよ、手伝ってくれたら『ありがとう』でしょ?」
「……悪魔が!悪魔がいます先輩!!」
「言い過ぎ……じゃないわね」
「正直、ここまでするとは思わなかったわ」
「まおー怖ぁ…」
「流石、スミス君……神を手玉に取る智謀知略……」
ドン引きする怪盗団女性陣(一人除く)。
「確かに手を出していないな」
「嘘は言っていないがよー」
「タチ悪りぃな」
「そのまま机の角に小指ぶつければいいよ」
ジョーカーは冷静に分析し、
ウルフは契約の穴を突くような悪質さを感じ、
スカルは素直に感想をいい、
クロウは呪詛を飛ばす。
なお、ラビはさらにネガイを奪おうとデミウルゴスに干渉している。
スミスは話続ける。
「ああ、ごめんね。
もっと話し合いたいけどまずはデミウルゴス君と怪盗団のやりとりが先だね。
待っているから、その後お話ししようよ⭐︎」
『……貴方達は聞いたはずです。
ネガイの中で苦しむ声を。
迷いと後悔の連鎖に苦しむことなく正しい『答え』を手にすること…
それが人々の『真のネガイ』…」
「あんなスマホしか見えなくなった状態が真のネガイなわけねーだろ!
(あそこまでやられても頑張ってやがる……)」
「(後でスミスはゲンコツしよう)
あなたに与えてもらう必要なんてない。
答えは自分で掴むわ!」
「貴方の奪ったネガイ、私たちが頂戴します!
(スミス先輩をなんとかして欲しいけど、この様子だと無理でしょうし)」
『あの声を聞いて、なおわからないようですね…
では教えてあげましょう…
分不相応なネガイを抱いたことで、どんな絶望が訪れるのか……』(※自己紹介、乙)
「……来るぞ!!」
『私は人々の真のネガイを叶えるもの。
人々を約束の地へ導く者。
人々の悲願を阻まんとするなら神である私があなた達を排除します」
なお、悪童におちょくられ、ラスボスの……神(笑)の威厳はUBI並みに暴落している。
こうして、戦いが始まったが……多くの戦いを乗り越えてきた怪盗団にとって絶望的な戦力差があるわけではない。
それに……
『デミウルゴスくーん、ねえねえ知っている?
デミウルゴスと織田信長って共通点があるって事を?』
『……』
『えー答えられないの?
なんでも答えくれるんでしょ!?
はーやーく!はーやーく!
回答できないなんてアキネーター以下だよ!!』
なお… Akinator(アキネーター)は質問への5段階の回答例を元に、実在または架空の人物・キャラクターを絞込み推測しながら特定するプログラムエンジンであり、人工知能で2007年に出てきたものだ。
EMMAに比べれば子供騙しでしかないモノである。
スミスの煽りはデミウルゴスの逆鱗に触れた!
『……私と歴史の存在に共通点などあるはずがないでしょう』
『あー答えられないのー?だっさー。
なんでも答えをくれるんじゃないですかー?』
『……共通点はないのが答えです』
『ぶっぶー、正解は…。
『デミウルゴス』、『おだのぶなが』……字数が同じでしたー!』(※田中天かよ!)
『排除おおおおおお!この邪悪な存在を排除しろおおおおお!』
超越者の仮面をかなぐり捨てて、憤怒の感情を露わにする自称神。
どうやら、シャドウを操作してスミスを排除しようとしているようだ。
「救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済救済……」
「死ねええ!死ねえええ!!」
ラビはマイペースにネガイを奪って救済しようとし、
クロウは自身の『暴走』を使って自己ブーストして一心不乱に草薙剣で切り付けている。
デミウルゴスの鳥籠を傷つければ更にネガイを奪うことが容易になる。
「どうでもいいが、怪盗の所業なのか?」
(煽りカス、宗教による洗脳、雛見沢症候群L5のキチガイ三銃士が来たよ!)
「言うな、ウルフ。
まおーの行動は考えるな、感じろ」
更に悪質な行為が続く。
「漫画はいいね。
漫画は心を潤してくれる。
リリンの生み出した文化の極みだよ……
そう感じないか、デミウルゴス君』
『五月蝿い黙れ息をするなぁあああ!』
『おお……バリケードを用意していたけど大丈夫かい?』
『一ノ瀬女史、革命軍を率いていた統志郎のペルソナであるエルさんやガルシアン以外のスミス軍団や分身が迎撃しているから大丈夫。
じゃあ、デミウルゴス君、漫画みせるからその面白さを共有したいんだ!』
スミスが見せたのは……この世界にない漫画。
スミスの記憶から完全再現した漫画のデータをデミウルゴスに共有した。
冒頭は……主人公のサングラスをかけたアフロが十字架にかけられて半死半生の状態になっている。
そのまま主人公はバイクに乗った野菜達に引きまわされてリンチにあっている。
(※そう2024年、舞台化決定したボボボーボ・ボーボボである)
あまりの不条理な物語の展開にAIの理解を拒んだ。
『理解不能!理解不能!
頭が……頭がおかしくなりそうだ!!』
『何を見せたの?』
『うーん……現在の人類には早すぎた作品かな?
感想としては……その通りだね!』
(※アニメ化してPTAから見ると頭がおかしくなると苦情が来ても誰も一切の反論なく認めていたし……)
『この漫画の作者は麻薬でも摂取しているのか!?』
『馬鹿野郎、麻薬摂取した程度でこんなもん作れるか!!』
『スミス君?なんかシャドウがもっと怒り狂っているんだけど』
『久しぶりに怪盗団の皆に会えたのに……こんなことになるなんて…』
スミス同盟のkiller9の面々の悪態やら銃声が通信越しに響き渡る。
怪盗団は、ツッコミたいのを抑えて攻撃を続けている。
『何故だああ!
何故戦う!?
人はネガイ故に苦しみ、苦しむ故に願う!
ネガイこそ苦しみの元凶!
パンドラの箱に残った希望こそ人々を責め苛む枷だ!
届かぬ光を望むことで生まれる苦しみの螺旋から解放しなければならないのが何故わからぬ!?』
「違う、私は見てきた。
ネガイに苦しむジェイルのキング達を。
それに抗う怪盗団を。(※静かな感動を誘うBGMを流すスミス……贔屓だ贔屓だ!)
苦しんで、悩んで、もがいて必死に生きる姿を。
そして一歩ずつ前進していく姿を。
ネガイを捨てる?最初から全部諦める?
そんなのが答えであるはずがない!」
『それは乗り越えられる強者だけの傲慢にすぎない!
ネガイから解放こそが唯一の救済!
それができるのは私のみだ!!』
(※この問答でもひたすら救済の言葉しか喋らずにネガイを奪おうとするラビ。
答えのない答えなど悪質なクイズを投下するスミス。
理性を放り投げて斬り続けるクロウ……誰も正義の味方とは言わないだろう)
「大層な仰りようだな。
だが実際のお前のやっていることはなんだ?
人々の願いを飲み込み節操なく膨れ上がったその体…
救う救うとのたまっちゃいるが、結局は奪い、支配しようとしてるだけだ」
「神を名乗っておきながら気づいていないようだな。
お前もまたネガイに生かされている事を」
「確かにネガイは欲望。
それが人を苦しめることも、誤った道を進ませることもあるわ」
「でもネガイは希望でもあるはずです!
それが人々の生きる力と勇気になります!」
「そう…何度挫けても立ち上がる力をくれる!」
「その力を知らない奴に未来なんか任せられるよ!」
「ここでオマエの計画潰させてもらおう」
「ハッ、あの馬鹿一人の悪意に潰せる世界なんざ大したことねーよ(※ああ、疲れたから暴走解除してソーマ飲んでる)」
「決着をつける」
『虚しい問答はやめだ!オマエ達を』
『かいとうだんがんばえー!
ほら、一ノ瀬女史、大きな声で応援しないと!
ソフィーが頑張っているんだぞ!?』
『か、怪盗団がんばれー、ソフィーがんばれー』
能天気に応援するスミスと、恥ずかしそうに小声で応援する一ノ瀬。
的確にデミウルゴスの神経を逆撫でする。
(※スマンな、悪いのはオマエを直接殴れるキッカケを与えた京都裏ジェイルの破壊だ……つまり大和田が悪い)
更に変形しようとするデミウルゴスだったが……。
「ネガイを渡しなさい!!
行け、アダム・カドモン!!
全力だ!!」
「あ、ラビ先生がとうとう暴力を振い出した」
「おいジョーカー!なんか球体が出てきたのが怪しい…速攻で潰すぞ!」
「わかったクロウ…みんな行くぞ!!」
速攻でステージギミック潰していく怪盗団。
(※ああ、原作のカッコいい問答をする暇もない……
『欺瞞…虚飾…嫉妬…今の世界は悪意に満ちています。
私が造るのは公正で清廉な社会。
そこでは真の安寧が約束されるのです』
とか言っていたが、見てみろ!
たった一人の悪意でボロボロじゃないか!)
ジョーカーが最後の猛攻を加える。
「サタナエル!!」
『理解不能…ネガイ…人のネガイ…
理解不能……理解不能……!!』
「敵ダウン!今がチャンスだ!」
悪魔の弾丸が偽りの神を貫く。
分散して本体を守っていた球体を撃破した怪盗団が集結する。
(※ラビは再びネガイを奪っている)
「よし、全員集まったな!
ミンナで一気に決めるぞ!」
「行くぞ!」
ジョーカーの号令で怪盗団は総攻撃を開始した。
モナを白い手で捕まえようとしたが、サーベルで既に切り裂いており、簡単に脱出する。
パンサーがサブマシンガンを乱射し、スカルが渾身の力で叩きつける。
杖を振るおうとするがクイーンが拳で押し返す(※貴殿こそ真の三国無双である!)。
無防備な背後からフォックスがめった切りし、その傷口に塩を塗るかのようにグレネードを叩き込むノワール(※やはり美少女蛮族、悪役令嬢…)。
怯んだ隙をウルフが大剣で一閃し、二丁拳銃を乱射する。
ソフィーがヨーヨーで殴り飛ばし、ヴァイオレットのペルソナ・エラが芳澤かすみの姿にかわり、ヴァイオレットとコンビネーションでデミゴルウスの弱点を守ろうとする翼を切り捨てる。
「行け、ジョーカー!クロウ!」
「くたばれぇえええええ!」
「ハァアアア……ハアア!」
『なぜ……私は…人間を導く神に…!!』
ジョーカーの愛用の短刀『パラダイス・ロストR』とクロウに託された『草薙剣』がデミゴルウスのコアを貫いた。
デミウルゴスは天に手を伸ばしながら消滅していった。
デミウルゴスの奪ったネガイが空から降ってきた。
偽神の気配は消え、夜明けを迎えた。
「まさに『──すべて、夏の夜の夢だ』…か」
ラビがクロウの言葉を思い出した(※あ、ラビは能力解除してます)。
世界が機械の神に支配されるなど夢であったほうがいいに決まっている…そう思うラビだったのであった。
「よっしゃ…やったぜえええええ!!」
「うんやったんだね、私たち!」
「やり遂げたわね…本当に大変だったけど」
「私は自分の都合を優先してましたし……すいません」
「芳澤さん、こういい時はこう思うといい。
『スミスが悪い』」
「わかりました!スミス先輩が悪い!」(※草)
「きっとこれでジェイルは消えるはずだぜ」
「よくやったぜ、お前ら。
世界を救ったヒーローって奴だ」
ウルフは努めてスミスの事は考えないようにした。
正義とかヒーローとかの定義が揺らぐので。
「なに他人事のように言っているんだ?ウルフもその一人だ!」
「ソフィーもな」
「……ヒーロー……正義の味方か。
悪くないな、ジョーカー」
ナビもフォックスもソフィーもスミスのことは棚上げした。
以下同文。
「ただの怪盗だ」
「お、なんかカッケーじゃん」
ジェイルが振動する。
ジェイル崩壊の合図だ。
『みんなー、脱出までが怪盗です。
慌てずに帰りましょー。
一ノ瀬女史や統志郎さんは俺が先導するんで』
「よし、脱出だ!」
こうして夏休みの一連の事件は終結したのだった。
最終決戦のエレベーター登っている最中……ベルベットルームに呼ばれるジョーカー。
それを察知してついていくクロウ。
仰向けで床に疲労して倒れているテオドア(多分無茶振りされた)。
テーブルでティータイムをするエリザベスとマーガレット。
チェスで対決するイゴールとスミス(※遊んでやがる……!!)
「トリックスター……私は貴方に謝らなければなりません」
「どうした?」
「…私は『厄災の力』を感じていながら、その正体を見抜くことができなかった。
まさか、『人ならざるもの』である人工知能は悪神の如き力を得るなんて…」
「そうだそうだ、スミスは予測していたぞ、割と初期から。
まぁ俺を引っ張り出す時点でまだまだだけどね」
「気にするな、アレは神ではない…ヤツと同じくな」
「(※テレッテッテー、ラヴェンツァの決闘ケージが上がった!)
そうですね、あれは神と自称していますがいわば偽物に過ぎません。
あの存在は、人々の依存、怠惰の精神が膨大な『願い』となって顕現したもの。
大衆が選択する意思を捧げてしまった結果生まれてしまった、偽りの造物主。
貴方によって、人々は一時、ネガイを取り戻したかに見えましたが……
彼奴の生み出す混沌の中、まだ完全に」
「主人様、スミス様!お姉様と一緒にカードゲームをいたしましょう!」
「目的を果たせそうになってますます自由になったな、おい。
まぁいいや、イゴールさん付き合ってもらっての」
「ええ、構いませんとも」
「テメエ、遊んでんじゃねえ!」
「パケチ、慌てない慌てない、一休み一休み」
「(イラッ)この状況は…以前、貴方達が体験したことと似ている。
様々な事象が重なったにせよ、大衆は考える事を放棄しようとした。
それでも貴方は…人々を救うために抗う事を選ぶのですか?」
「もちろんだ」
「……それでこそ私の知るトリックスターです。
遊戯盤崩し(ボードクラッシャー)は相変わらずですが(ピキピキ)」
ジョーカーは囚人服から怪盗服へと変わる。
「その迷いなき反逆の意思…。
貴方は、もう解き放たれた。
自らの意思で『選択』すること。
それが囚われの鎖を断ち切る鍵だったのです。
ここを出れば、あの聖櫃が待ち構えています、
不遜にも『神』を自称し、
人々から心を搾取する偽りの神なんかに…
私はここで待っています。
必ずまた、お会いしましょう」
「ああ……俺達、怪盗団は負けない。
それの最強の盟友がいるからな、スミス」
「ああ…そろそろ仕事に戻るとしますか」
「スミス様、抜けるんでしたら分身を置いてくださいませ」
「あいよー」
スミスの見た夢……最後にスミスが選ぶ道は?
-
マガタマを飲み、人修羅の道へ。
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悪魔と合一し、ナホビノとなる。
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宇宙の卵を確保し、孤独な観測者となる。
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うるさい!(拳銃で返答)