入り口に進むと半透明な人影を発見した。
メガネをかけた短髪で緑色の服を着ていた。
美鶴達が見たことのある男だ。
「ジン……!!
お前、タルタロスで死んだはずじゃ…」
純平が叫ぶのも無理もない。
世界の命運をかけてタルタロスで戦ったストレガのジン。
ネットでカリスマハンドルで手製手榴弾を武器にした。
ペルソナは、ギリシャ神話の破滅の化身『モロス』。
半透明のジンは肩をすくめて言った。
「確かにわしらは死んだ。
ここにあるのはお前らの生み出した認知存在と意思の残滓が結びついた幽霊以下の存在や。
……チドリの事が気になったせいもあるが。
ああ、一応おめでとうというべきやな。
……来年生まれる予定らしいけど、来年は果たして来るんかな?
一応、顔合わせた事ないけどウルメイダパイセンの事でも喋ろか?
まぁ時勢に乗ってる感じやな。
でもアフロで最大手企業の社長ってツラか?て思うけどな、知らんけど。
総合企業と理想都市とか言うとるがな……桐条と同じ穴のムジナや!
パイセンの考えは理解できひんわ……砂漠のど真ん中で何ができるん?
まぁ会いに行くんならせいぜい気張れや。
自分のシャドウに食われた変質した笑う顔がワラワラおるさかい。
せいぜい爆死しないようにな」
ジンの残滓はそう言い残し、消えた。
美鶴達はこの奇妙な状況に困惑した。
笑う顔<ヘブンスマイル>なる未知の存在が仄めかされたからだ。
ダラス空港で中年男性の言っていた都市伝説は実在した様だった。
風花がペルソナを発動する。
「桐条先輩……ここの街全体が変です。
まるで影時間のような雰囲気でシャドウのような反応が多数あります。
感知しにくい曖昧な反応で……」
「成程、イワザルやジンの言った事はおそらく真実か……」
「お盆にゃ早いと思うんですけどね」
純平の言葉に無言で肩をすくめる明彦。
街の中に入ると一般人の姿が見えない。
無数の笑う顔がいた。
そしてその種類も豊富だった。
ヘヴンスマイルの基本形は、健常者を認識すると徒歩で接近し、近距離で飛びつき自爆を図る。
弱点の属性や急所は一体一体異なる(属性吸収無効はない、あと物理は耐性はない)
これは他の多くのHSにも共通する特性である。
たまに背中にロケット装置を備え付けられ、中空から落下して出現する個体もいる。
都市破壊用兵器デュプリケータースマイルは、巨大な体を木の根のように周辺に張り巡らせている。
他のHSと違い、体が固定されているため移動はしないが、体内で卵スマイルを生成して吐き出し続ける。
弱点のコアは耐久性が高く、タマゴスマイルが孵化してヘブンスマイルが出てきて襲いかかるので本体を倒し切るのが骨であった。
ランニングスマイルは、走るという行為が可能なHS。
標的を感知すると呼吸に似た声を発しながら走って接近し、自爆する。
(※暗いフィールドでお化け嫌いの真にけしかけたかった……)
ヘッドボムスマイルは、広範囲の爆破を目的として開発されたHS。
弱点である頭部にカバーを備え、これを開閉しながら迫ってくる。
カバーに攻撃が当たると周囲のHSすら巻き込む大爆発を起こす。
スパイラルスマイルは、HSの改造における失敗作で、子供ほどの高さを持つ球形という異様な形態だ。
鈴に似た音を立てながら低速で転がって移動し、球形の表面にはHSの顔が直線状に並んでおり、このうち緑色の星形で囲まれた顔が唯一の弱点である。
移動速度の鈍さから危険性は少ないが、回転移動するという特質上、弱点が攻撃範囲から隠れてしまう場合が多い。
アナザースマイルは、人型だが四足歩行するHSで、通常時は天井に張り付いて低速で移動する。
敵を感知すると地面に落下して高速で這い寄ってくる。
(※暗いフィールドで真に(ry))
ファントムスマイルは、頭部・右手・左手のうちいずれかが異常に肥大化したHS。
巨大化した部分を攻撃すれば一撃で駆除できるが、それ以外を撃てば目の前に瞬間移動してほぼ回避不能な自爆を行なう。
ポイズンスマイルは、体から毒ガスのような霧を噴出するHS。
弱点である腫瘍以外への攻撃で打ち倒しても駆除されず、何度でも立ち上がる不死性を持つ。
唯一腫瘍への攻撃が有効であり、一撃で駆除できる。
バックスマイルは、両腕に鎌状の翼を持ち、足を持たないHS。
浮遊しつつ低速で接近し自爆を図る。極めて硬度が硬く、前方からの攻撃は効かない(※マスクドスミスの使う
グレネードの様な高火力なら正面から破壊可能)。
弱点のコアは背中にあるため、その攻撃にはまず翼や腕、肩を撃って体を回転させる必要がある。
ジャイアントスマイルは、人間の数倍する巨大な体躯と一つ目を持つHS(※純平くんが大声でツッコミを入れるほどだ。製作者として嬉しい反応だ!自分で書いたなろう小説で感想や高評価をうけたかのような!!)
弱点はこの「眼(チャクラ)」だが一定間隔で瞼が開閉しており、閉じている間は弱点とならない。攻撃方法は相手に覆い被さるように体を倒しての爆発を起こす(※みんな全速ダッシュで逃げるからたのちい!)
タルタロスで多様なシャドウと戦った経験のお陰で初見殺しのような生態にも対応ができた。
明彦は躊躇なく接近して自爆寸前のHSを踏み潰して倒したり、殴り飛ばしてノックバックさせて自爆の範囲から逃れている……ペルソナの力に頼らず武者修行をしていたおかげで研ぎ澄まされた直感の賜物であった。
電撃で感電する事もあるので、要所要所で魔法を活用している。
美鶴は、風花の指示で急所に目掛けて剣を刺したり、護身用拳銃(小口径で嗜み程度の腕)で腫瘍を撃ち抜いている。
また倒しきれないと判断すれば氷属性魔法で凍らせて接近させないように立ち回っている。
純平は大剣で力任せで叩き潰す、または押し返している……火炎魔法よりも物理スキルでHSを撃破している。
風花はアナライズしながら邪魔にならない様に動きながら管制を行っている。
テウルギアでしぶといHS相手へ攻撃するが……攻撃を掻い潜って自爆する個体もいる。
その際に一番に盾になって純平が庇う。
純平のペルソナ・トリスメギストスはチドリの癒しの力を受け継いでいる。
その為、大治癒促進の能力がある為、率先して盾になっている。
「いやぁ、テウルギアやペルソナがないと即死だったすわ」
「純平君、無理はしないで」
奥に進むとイワザルが吊られていた。
美鶴はイワザルに問い詰める、
「おい、イワザルと言ったな」
『はいお嬢さん』
「あの笑う顔とはなんだ?」
『ヤバいです。
バリヤバい存在です。
我が主人<マイマスター>の宿敵クン・ランの右手に宿る『神の手』に宿る力で変えていましたが…。
この世に彼はいませんし、人工的に作るノウハウは残っていません。
だからヤバいです。
なぜヤバいヤツらが蔓延っているかわかりません。
だから、帰りましょう』
「ウルメイダに呼ばれた以上引くわけにいかない。
……気になる事もある」
ジンの来年がくればいいと言う言葉……
まるで『来年が来ない』ような発言が気になった。
かつての戦いの焼き直しが始まるのではないか?
美鶴の豊かな(※上には上がいるが)胸中に不安が宿る。
嘗ての戦いと違い、戦いの司令塔たる彼らはいないからだ。
スミスの見た夢……最後にスミスが選ぶ道は?
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マガタマを飲み、人修羅の道へ。
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悪魔と合一し、ナホビノとなる。
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宇宙の卵を確保し、孤独な観測者となる。
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うるさい!(拳銃で返答)