サンサーラ同盟掲示板   作:Dadaga

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ブレイバーンの敵ではないです、あしからず。


ペルソナ5 オルタナティブ killer9 TARGET ex-06「デッドドライブ」

ウルメイダの会社『ファーストライフ』の本社前の石碑に腰掛ける少年がいた。

灰色の髪、金色の瞳、両腕にタトゥーを彫った、白い肌の少年……無精ひげが生えている老け顔キリストっぽい格好だ。

正確には残留思念だが…。

彼はストレガのリーダー、タカヤ……本名『榊貴隆也(さかき たかや)』。

使用ペルソナはヒュプノスで、余命幾許もなく、死を隣人にしているためか召喚器なしでペルソナを発動していた。

S&W M500の拳銃を愛用し、荒垣真次郎を瀕死に追い込んだこともあった。

彼もS.E.E.S.(特別課外活動部)と戦い、タルタロスで最期を迎えた。

 

 

『ウルメイダさんは才気のある人だ……実験体からここまで成り上がっているんですから。

 人を幻惑して心を鷲掴みしていきます。

 『ファーストライフ』は世界のどの企業より先駆けて世界中の物品を購入できる商社で、巨大なな通販会社なんです。

 ……桐条と同じ様に人を食い物にしてね。

 貴方達はせいぜい抗いなさい。

 所詮、『彼ら』が生命をかけて封印してもその想いを汲み取らず人々は滅びに向かいます。

 私は感じている。絶対なる終焉を…

 『死と絶望』はもうすぐ降臨する!』

 

 

 

言いたいことだけを言ってタカヤは消えた。

美鶴達は、ニュクスだけではない人々の心が生み出した災いを知っていた。

それでも自分たち以外にも抗う人々はいること。

『彼ら』から託された想いがある事。

それがあるから彼らは戦えるのだ。

彼らが会社の正面ゲートに行くと守衛に呼び止められる。

 

 

「止まれ、職員以外立ち入り禁止だ」

 

 

その直後にトランシーバーから通信が入る。

 

 

<ウルメイダ様から緊急入電です。

 キリジョウ様をお通しください、

 キリジョウ様を至急お通しください>

 

 

通信を受けて守衛は態度を変えた。

 

 

「あなたがキリジョウ様ですか?

 大変失礼いたしました!

 ご無礼をお許しください!

 お詫びに秘密をお教えいたします。

 実は我々 業務内容を全く知りません。

 どうぞ お進みください」

 

 

ゲートが開かれ、奥へ進んでいく。

風花が疑問を口にする。

 

 

「通販会社の世界的企業なのに業務内容が不明って…?

 それに行方不明者が多発しているのがおかしいです」

「ああ、きな臭い匂いがする」

「ストレガ達からも桐条と同じ穴のムジナと言ったな…」

「人体実験でもしているんスかね?

 ウルメイダって奴のお陰でチドリや荒垣先輩が救われている手前、文句を大きくいえないっスわ。

 でも…」

 

 

純平達は武器を構える。

笑う男達が純平達に接近している。

 

 

「こんなヤバいのが社員ってのはないっすわ!」

 

 

笑う男達を排除しながら進むと、何かの管制室のような場所があった。

周りは何もない荒野で実験施設の様に思える。

管制室に行くと宇宙服のようなものを来た人間がいる。

声と宇宙服のフェイスシールドから見える人相からウルメイダと解る。

陽気そうな声で話しかけてくる…気のせいか何処か空虚な感じがするが……。

 

 

「ようやく 辿り着いたね。

 どうだった ココまでの旅路は?

 ココは僕の作った理想都市だ。

 すべての生活がこの区画内で成立している平和の結晶だ。

 しかし 象徴である『ファーストライフ』という企業は──」

 

 

乾いた笑いをしてからウルメイダが続きを言う。

 

 

「存在しない、CMスポットを流しているだけだ。

 人は、側面でモノを判断する」

 

 

ウルメイダの側にあるデジタル時計が17:00になった。

 

 

「今日の仕事は終わりだ。

 運がよければ──今日のラッキーマンに会えるかもしれない」

「ラッキーマン?」

 

 

ウルメイダのワンマンショーであったが美鶴は口を挟む。

ウルメイダは無言で着いて来る様に促す。

赤いユニフォームを着た社員達が疲れた様子で一列に並んでビルの出口から出ている。

 

 

「安心してくれよ 彼らは─

 “笑う顔《ヘヴンスマイル》”にはならない善良な市民だ」

 

 

列の中の1人の肩をウルメイダが陽気に抱く。

ウルメイダに選ばれた男は嬉しそうだ。

 

 

「やあ クレメンス、おめでとう」

「僕が?僕が選ばれたのかい?

 うッ 嬉しいよ!」

「そんなに興奮するな、仕事はこれからだ。

 冷静にならないと幸運が逃げるぞ」

「ああ、一体 何をすればいいんだ?」

「まあ 落ち着け、もうじき到着する」

 

 

地平線の向こうから無人のスーパーカーがやってくる。

白いボディに強力なエンジンを積んだイカしたデザインだ。

……美鶴はいいセンスだと感じたが、見たことのないデザインだった…試作品だろうか?

(※ああ、バイク好きだったもんな……もう後部座席に乗せる人はいないがな)

 

 

「クレメンス、コレは君のものだ。

 好きに乗りたまえ」

「この車を? 自由に?」

「自由もなにも 君のものだよ。

 好きに使えばいい」

「本当にいいんだね?」

「さあ 乗ってごらん」

 

 

クレメンスが乗車して、マシンは走り出す。

一気に加速して風になった。

ウルメイダは笑いながら応援する。

 

 

「いい旅を、死のドライブへ」

 

 

猛スピードで走り去る車。

ウルメイダは美鶴達をモニタールームに招き入れる。

 

 

「こっちに来てくれ。

 クレメンスの仕事は──500万ドルのオファーがあった。

 仕事の中身はコレだ」

 

 

ドライブカメラで圧倒的な速度のGに顔を歪ませるクレメンスの表情が見える。

あまりのGで失神しているのか、加速し続けている。

 

 

「死亡測度計測《デッドドライブ》だ。

 つまり人体実験《モルモット》さ!

 クレメンスの身体が持つか…

 それとも 終着点《ゴール》に辿り着けるか。

 終着点《ゴール》に着けば 彼の勝利だ」

 

 

土煙を立てて爆走するマシン。

クレメンスの安否はわからない。

 

 

「僕のペルソナ『コアトリクエ』……

 「全ての天の者を生む地球の大母神」、 「炎と肥沃の女神」、「生と死、および再生の女神」、 あるいは「南の星の生みの親」、そんな肩書きを持っている。

 そのせいか、俺は異常に死にづらくてね。

 桐条の実験で皆が死ぬと思うほどの過酷な実験でも死ねなかった!

 生か死か…そして生き延びても自由を手に入るか……最高のスリルだった!

 賭けは俺が勝って自由の身になったがね。

 それ以降スリルが欠乏している。

 だから僕は、世界のあらゆる殺傷ウイルスに感染した!

 でもことごとく完治してきた!!

 抗体の発見、特効薬の開発──すべて克服してしまった」

 

 

そう言った後にウルメイダはため息をついた。

 

 

「だが“笑う顔《ヘヴンスマイル》”だけは別だ。

 “死”のリスクと向き合っている」

 

 

ウルメイダの微笑みがひきつり、涙が流れる。

 

 

「僕を殺してくれ。

 僕が“笑う顔《ヘヴンスマイル》”になったら──僕を殺してほしい。

 僕のペルソナが『奴』に奪われる前に……

 君達なら殺せる……ペルソナ使いの……デスのカケラと戦い、ニュクスとも戦った君たちのペルソナなら…。

 本当はデスのカケラを埋め込まれた『彼ら』が適役なんだけどね」

 

 

突如上空を飛来する飛行機群。

いぶかしむウルメイダの背後から何台もの装甲車が現われ、彼を囲む。

パラシュートで降下する特殊部隊。ウルメイダは注射を打たれ、拘束された。

涙とともに瞼が閉じ、倒れ込むウルメイダ。

装甲車輌群より少し離れた所で、准将の階級章をつけた軍人が美鶴達に敬礼する。

 

 

「合衆国緊急対策防衛室の──メリルリンチ准将です

 ウルメイダ氏の捕獲に御協力頂き感謝致します」

「協力した覚えはないが」

「Ms.キリジョウ……『笑う男』は強力な生物兵器です。

 それらに五体満足に制圧する事が我々にはできない。

 君たちの『能力』は希少かつ興味深い。

 我々合衆国でも研究しているが君たち日本と比べて後進国と言っていい」

 

 

美鶴は警戒した。

拘束されて人体実験や強制的な協力を強いるのではないかと。

だが、次の准将の言葉は予想外であった。

 

 

「ココは軍用都市です。

 まだまだこの国の──安全基準には必要な都市です。

 今ココで見たことはお忘れください」

「……我々を拘束しないのか?」

「我々は法治国家です。

 同盟国の…それも桐条グループの総帥を害するなどリターンよりリスクでしかない。

 我々が合衆国の取引で便宜を図る見返りに異能力関連の資料や指導をしてくれれば結構……この都市を吹聴しない限りは友好的でいた方が都合がいいのです。

 数年前なら強権を振るっていたかもしれませんがね」

「どう言う事だ?」

「まだ未熟ですが研究チームがありますし、その手のトラブルがあったら『スミス同盟』へ依頼しますよ。

 彼らはトラブルシューティングのスペシャリストだ。

 それも取引を裏切らないかぎり誠実だ」

「スミス同盟?

 去年怪盗団と共闘したという……我々は対テロの専門家としか知らないが」

「彼は不死身の……特殊な能力者集団です。(※総員一名!あ、現在は3名か)

 我々の恥部になりますが、一度彼らを利用するだけ利用して裏切った事がありました。

 我々合衆国は最強の国家であり、個人では逆らえないと。

 ですが、彼らから手酷い反撃に合いまして……我々合衆国は彼らに敗北しました。

 幸い、次はないと警告のみで済み、我々は以降は例え民間企業や個人でも侮らず誠実に対応する様に心掛けています。

 万一、合衆国が襲うのならばスミス同盟に依頼すればいいでしょう」

「何故そこまで言う?」

「ここで何も言わずに返して疑心暗鬼に囚われて合衆国に害をなされては大変だ。

 かといって、ここで拘束や始末をしても桐条グループがスミス同盟に依頼されれば合衆国は再び敗北するでしょう。

 国威が下がるだけでは済まない……故に我々は問題のない範囲で情報を提供したのです」

 

 

リンチ准将に部下がトランシーバーを差し出す。

リンチ准将は頷く。

 

「准将、カウントします」

「照射準備!」

「用意!

 5、4、3、2、1」

 

 

カウントとともに装甲車群の中心で爆発が起こる。

初めの爆発から少ししてさらに激しい爆発が起き、装甲車が吹き飛ぶ。

普通ならば死ぬだろう。

だが、米軍は銃を構えたままだ。

以前、マスクのプロレスラーや傲慢な伊達男を空爆で殺したはずなのに生きていて、大統領の家族を護衛していたSPを無力した挙句、大統領の妻と娘と一緒にティータイムをしていた動画を合衆国大統領へ送りつけられたのだ。

それも車椅子の老人がホワイトハウスに難なく侵入して!!

案の定、燃え盛る火の中で苦悶したウルメイダだが、生きている。

彼は、呆然としたように手で顔を覆う……人間としての最後のタガが外れようとしている。

 

 

「殺してくれっていったのに。

 欲が出てしまいましたよ。

 こんな体になったら──無駄な悪意で人を殺したくなる

 どうするんですか?

 ケジメはつけてくださいよ!」

 

 

ウルメイダが立ち上がると、次の瞬間その顔から血を吹き出し、絶叫とともに頭が宙に弾け飛ぶ。

首から飛び出た触腕のようなものが宙をしなり、吹き出す膨大な量の血は天に達する。

雨のように降り注ぐ血の飛沫……無数のウィルスが詰められたウルメイダの血液は、天然の生物兵器だ。

 

 

「避難してください!早く!

 ア、アアガアアアアアアアアア!!」

 

 

リンチ准将の頭にかかる血しぶき。

不意に苦悶し出すリンチ准将は、呻きながら倒れ込む。

その背後で、空からゆっくり降ってくる自分の顔を掴んで首に戻すウルメイダ。

触腕はウルメイダのアフロ・ヘアーに接続され、ウルメイダの頭から髪だけをごっそり引き抜く。

火の海に立つウルメイダと、その背から伸びる触腕、そしてその先にあるアフロ・ヘアー。

 

 

 

<業魔・笑う顔>ウルメイダ・ペイルライダー

 

 

 

 




普通のペルソナと違う雰囲気でているかなぁ?
killer7の雰囲気が一割でも出ていれば幸いです。
マジで独特の世界観なのでようつべで見てほしい。

スミスの見た夢……最後にスミスが選ぶ道は?

  • マガタマを飲み、人修羅の道へ。
  • 悪魔と合一し、ナホビノとなる。
  • 宇宙の卵を確保し、孤独な観測者となる。
  • うるさい!(拳銃で返答)
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