< a.m.4:00 バヴァロビーチ>
約束の場所、約束の時に行われる果死合(ハタシアイ)。
美鶴達は指定の場所に向かう……
匿名仕置戦隊“ハンサムマン”
「ハンサムレッド!」
「ハンサムブルー!」
「ハンサムライトブラウン!」
「テンタラフー!」
ハンサムマンが名乗っている間に敵全体を混乱状態にする魔法を使う美鶴。
戦隊モノのお約束を律儀に守るタイプの純平や
正々堂々、力でねじ伏せる明彦と違い、合理的に仕掛ける美鶴。
混乱するハンサムマン達にガチ行為に戸惑う男子二人。
思わず隠れていたトレヴァーが出てきて非難する。
「処刑レッド!お前は人の心がないのか!?」
「敵の数が多い!
少しでも数を減らすぞ!」
「お、おお!」
テウルギアを起動して三人は高火力の技で攻撃する。
美鶴の氷の鎖で拘束し、明彦の電光石火もフットワークによるパンチの雨を叩き込み、最後は純平も炎の一閃を叩き込む。
戦隊モノよろしく、胸元に火花を出しながら後方へ吹っ飛ぶハンサムマン達。
トレヴァーは怒りの形相で叫ぶ。
「おのれ、悪の軍団…!!
僕のハンサムマンは無敵なんだ……!
僕のペルソナでお前を倒す!!
こい、ノストラダムス!」
『話は聞いた、人類は滅亡する!』<スウィートトラップ>
トレヴァーの頭上にロボめいた人型が現れる。
メガネをかけた占星術師めいたローブを着ている……胸元にグランド・クロス(正四角形)のマークが書かれている。
右手には羽ペンを、左手にはアスクレピオスの杖(蛇の巻き付いた杖)を持っている。
ミシェル・ノストラダムス。
ルネサンス期の医者にして詩人にして占星術師で「ノストラダムスの大予言」が多くの信者がいた。
20世紀末、1999年人類が滅びるというブームがあった。
(※様々な予言はしているが1999年に人類が滅びるとは一言も言っていない。
恐怖の大王が降るといったが結局恐怖の大王は不明だし…。
ノストラダムスは、「自分の予言は西暦3797年のことまで含む」と言及するから途中で滅びるとは言わんだろう)
閑話休題。
トレヴァーのペルソナが発動すると、美鶴達のいる場所にスペースデブリが『運悪く』落下してくる。
「上空から何か落ちてきます、皆逃げてください!!
「マジかよ!」
「チィ…!」
風花のナビで散会する美鶴達だったが、スペースデブリの落下の衝撃は美鶴達にダメージを与える。
体勢を立て直したハンサムマン達が連携して波状攻撃を仕掛けてくる。
美鶴達に致命傷を与えるには至らないが、巻き返す隙がない。
風花の援護でピンチを回避しているからだ。
だが、それを察知したトレヴァーが指示を出す。
「ハンサムピンク!
邪魔をしる処刑グリーンを殺せ!」
「オッケー!ハンサムピンク…」
「不味い!」
「間に合わねえ…!!」
ハンサムピンクが風花へ必殺技を行おうとする。
美鶴や純平のフォローが間に合わない。
絶対絶命のピンチ!!
だが……ハンサムピンクの胸元に一条の疾風の矢が貫く!!
「ハンサムピンク!?」
ハンサムレッドは叫ぶが、ハンサムピンクは力無く崩れ落ち倒れる。
真っ赤なマガツヒを出しながら消滅していく。
矢を放たれた方向を見るとピンクの鳥の戦隊モノのスーツを着た茶色のショートヘアの美女だ。
美鶴達は彼女の事を知っている。
「大丈夫、風花?」
「うん、ありがとうゆかりちゃん」
「助かった岳羽」
「相変わらず良い腕だ」
「ゆかりっち……フェザーピンクで日米ヒーロー対決しにきたの?」
岳羽ゆかり……美鶴達と共にタルタロスを登りシャドウと戦った仲間だ。
高校卒業後は大学に進学しモデルになったが……そのモデル業の延長で『不死鳥戦隊フェザーマン』シリーズ最新作のフェザーピンク・「孔雀院鈴子」役に抜擢された。
今年の夏は劇場版フェザーマンの海外ロケに出ていると純平は聞いていたので思わずボケをかますが、塩対応をするゆかりだった。
「ハンサムマンのコスプレイヤーがテロを起こしてロケも皺寄せきているわ、
なんかテロを予言している上に桐条先輩のペルソナが悪役みたいに出演しているし……。
昨日の夜にハンサムマンがここらへんで出ている上にネットで純平らしい画像がでてたし…。
だから嫌な予感をしてスーツ着たまま飛び出して来たの。
お陰で暑くて汗でメイクが落ちてサイアクなんですけど」
「だが、岳羽のお陰で山岸が救われた」
明彦はゆかりに礼を言う。
イマイチ状況を把握しきれないゆかりは純平に説明求めた。
「純平、説明して!」
「漫画家、ペルソナ使い。
俺たちを世界を滅ぼす敵認定。
自分で作ったキャラクターで殺しにきた。
3行で説明したぜ」
「フェザーピンクが処刑ピンクに悪堕ちしてしまった。
殺さねば…『全人類を死に導く悪』を殺さねば!!
スーパーハンサムスーツ!」
ハンサムマンの戦闘力を10倍にするパワーアップアイテムがハンサムマン達に届くシーンをトレヴァーが原稿用紙に書き上げる。
現実でも空の彼方からパワーアップアイテムが飛んでくるが……
「呪え、アナンシ!!」
呪殺の弾丸がパワーアップアイテムを撃墜する。
金髪の美少女が美鶴たちの元に駆け寄る。
トレヴァーは、彼女の事を知っているようで、声にならないくらいに掠れた声で彼女の名前を呼ぶ。
「大丈夫?」
「君は?」
「トレヴァーの暴走を止めたいと言う意味では貴方達の味方よ」
「えーと、新しいフェザーマン?それともハンサムマン?」
「どっちでもないわ……今のうちにハンサムマン達を倒しましょう!!」
謎の少女は、ペルソナを解放する。
決戦は始まった!
<行くぜ!不死鳥戦隊フェザーマン>
君を狙ってる 怪しく忍び寄る影
立ち向かう勇気を 今こそ!
熱く流れる 力強い鼓動に
握りしめた拳を 掲げて
雄々しく 翼はためかせ
時を(超えて)明日を(共に)
魂の雄叫び!
燃え上がれ!フェザーマン 不死身の戦士よ
空よりも高く 雲を突き抜け フェザーマン
行くぜ!僕らのフェザーマン
煌めく 美しいこの地球(ほし)
Oh! Yes Yes!Let's go featherman
不死鳥戦隊フェザーマン
怒りの拳に 倒れぬ悪など存在(い)ない
熱き正義の心臓(ハート) たぎるぜ!
高鳴る鼓動に 沈む夕陽を浴びて
荒ぶる5つの心 ひとつに
揺るぎない 大地を駆け出し
星と(謳い)君の(為に)
何処までも行けるよ!
羽ばたくぜ!フェザーマン 優しき戦士よ
海よりも広く 包み込んでゆく フェザーマン
呼ぶぜ!風がその名を!
響け 皆が愛するこの世界
Oh! Yes Yes!Let's go featherman
終わりなき戦いに 傷つき 倒れても
何度でも立ち上がる 不屈の闘志 フェザーマン
行くぜ!僕らのフェザーマン
煌めく 美しいこの地球(ほし)
Oh! Yes Yes!Let's go feather
Let's go, ready go, fly away フェザーマン
不死鳥戦隊フェザーマン
.
.
.
歴戦のペルソナ使い四人に万全のサポートがついた上謎の少女の援護がついた彼らではハンサムマンでは勝負にならなかった。トレヴァーが美鶴達に干渉するが、謎の少女がそれを阻む…… 『すべての物語の王』たるアナンシの力はノストラダムスの予言も掌の上であった。
ハンサムマン達は大ダメージを受け、消滅寸前であった。
謎の少女がトレヴァーに説得を試みる。
「トレヴァー、もういいの……悪い夢は終わり。
物語を幕を引きなさい」
「まだだ……まだだあああ!
世界の破滅を覆すまで……僕は戦う!
出ろおお、ハンサムロボオオオオオ!」
巨大な戦隊モノのロボットのようなモノが飛来して来た。
フェザーマンのロボではなく、ハンサムマン側のロボだ。
だが、暴走したトレヴァーの力でハンサムロボは想定より巨大かつ高速で落下しハンサムマン達とトレヴァー諸共踏み潰してしまった。
純平は思わず『マジ……?』とリアクションするほどであった。
謎の少女はその最期に悲しげに『トレヴァーだったモノ』を見つめた。
「……助けてくれたのは礼を言う。
だが説明してほしい」
「わかったわ……」
謎の少女は説明を始めた。
彼女の名前はラブ・ウィルコックス。
アンダーグラウンドのインターネット界で活躍するシナリオライターであり、トレヴァーの年の離れた親友であった。
エレクトロ&ライン社に依頼されハンサムマンが主人公のゲーム『killer7 ONLINE』のシナリオを執筆していた。
ポリコレぶっ壊すつもりの作品をトレヴァーと二人三脚で作成していたが異変が起こる。
笑う顔が世界に現れた事だ。
ラブとトレヴァーは笑う顔に襲われる内にペルソナ能力に覚醒した。
彼女達は、似た性質を持っている。
ラブは『すべての物語の王』アナンシ。
トレヴァーは『預言者』ノストラダムス。
トレヴァーは世界の滅びを予知し、ラブは滅びの予言という名の物語を認識した。
「私たちは笑う顔と戦いながら滅びに抗っていた。
トレヴァーはハンサムマンというヒーローを世界の滅びから守るヒーローにしようとした。
私は滅びの予言の中に『神殺し』が重要な意味を持つと認識したわ」
「『神殺し』?」
「スミス同盟……killer9のリーダー、ハーマン・スミスは『神殺し』と呼ばれていた。
killer9は笑う顔について一番知っている、そして一番強い存在と知った.
彼らの窓口であるキラー・ガルシアンの消息を探しながら笑う男を潰し回ったけど会えず仕舞いだった。
(※アイツは全国世直し青春婚前旅行で忙しいんだ、後にしてくれ)
トレヴァーはだんだん狂気に苛まれて……だから私は彼止めるべく干渉したわ。
……フェザーピンクが援軍に来るように、ね」
「……道理で行かなくちゃとせかされた気分になったわけだわ」
美鶴は、彼女の能力や状況を考えて妄想やハッタリではないと確信した。
桐条グループの裏の事情(バイアスがかかっているが)をトレヴァーが語っているものは普通ではわからない話である。
美鶴は自身の名刺を渡した。
「我々も桐条グループでも笑う男やスミス同盟について調べよう。
互いに何か判明すれば連絡し合う協調関係を結びたい。
今回の一件では助けられた……君の力を借りたい」
「ありがとう、ミス・キジョウ。
そろそろ私は行くわ……」
美鶴達は何かが起ころうとしている事、笑う顔が世界に蔓延っておる事しかわからなかった。
だが、強力なペルソナ使いと関係を結べた事とスミス同盟という手がかりを得た事を成果として美鶴達は日本へ戻ることにした。
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心の静寂を─
魂の導きを─
己の指標を─
迷いは消えるでしょう>
ラブは街中を移動していると歌が聞こえてきた。
小太りの日本人男性がいい声で歌っている。
ラブはそのまま通り過ぎようとするが、男が声をかける。
「トレヴァー・パールハーバーは残念だったね。
まぁ自身の能力に増長してよその世界の与太話(滅び)とこの世の滅びをごっちゃにしてたけどね!
自分好みの能力だったけど捕まえられなくて残念だったよ」
「……!!
あなた……何者?」
「館帝永。
自分探しの旅にでているオッサンだよー。
レアな虫ケラ(ペルソナ能力)を探していたんだ。
ウルメイダやトレヴァーは失敗したけど……」
ラブは、全てを嘲笑うこの男こそが世界を滅ばす敵だと直感した。
ラブの目には普通の中年から、全てが闇のように黒い人型を幻視した。
館の口が狂気の三日月を模る。
「君は最高だよ……ちょっとその仮面、貸してくれないかな?」
館さんが全ての黒幕だったんだー!
次回外伝最終回。
鑑定屋の世界に行くコテハンは……
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ピーコックニキ
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Zさん